Sep:労働時間の規程と飲食店の営業時間
ファンタジー世界の「時間」は、現実世界の「時間」に簡単に換算することのできる物ではありません。
この世界では、一年が三七七日で、太陽や月の運行も異なります。(詳しくは、Sep:暦を参照)
「太陽」と呼ばれるものも「月」と呼ばれるものはあるんですが。大きさにしろ、星の構成要素にしろ、全く同じものではありません。
また、一日の体感時間も異なります。比較可能な要素がないので比較しようもありませんが…。仮に、こっちの世界の時計を持ち込んだとしたら、一日で簡単に狂うのは確か。
でも、太陽が昇って沈み、また太陽が昇ることで繰り返す一日の過ごし方や生活リズムは、大して変わりません。
…という、長ったらしい前提を置きましたが。
要は、解りやすくするために、一日を「二十四時間」と仮定して時間の説明をします。
≪労働時間の規程≫
・休憩時間
拘束時間が五時間以下の場合、休憩の取得義務はない。
実労働時間が五時間を超える場合、二時間以上の休憩を取得させなければならない。
この時、拘束時間は十一時間以下、内、実労働時間は九時間以下にすること。
実労働時間が九時間を超える場合、三時間以上の休憩を二回に分けて取得させなければならない。
この時、拘束時間は十五時間以下、内、実労働時間は十一時間以下にすること。また、次の日は休日にしなければならない。
・労働時間と手当
「標準労働時間」
午前七時から午後八時までの間で、拘束時間が九時間以下、休憩時間が二時間、実労働は七時間以下の労働を指す。また、次の労働まで十二時間以上の間を空けなければならない。
「超過労働時間」
契約時に標準労働時間より長い拘束時間を設定た場合、標準の給与より割増しの給与にしなければならない。また、次の労働まで十二時間以上の間を空けなければならない。
「残業手当」
契約時間を超過すると残業となり、残業時間に合わせた残業手当が発生する。
「早朝勤務手当」
午前二時から午前七時の間は早朝勤務となり、早朝勤務手当が発生する。
「夜間勤務手当」
午後八時から午前二時までは夜間勤務となり、夜間勤務手当が発生する。
「休日出勤手当」
契約時に休日と定められている日に出勤する場合は、休日出勤手当が発生する。
連続して七日以上の労働は禁止されている為、休日に変化があった場合、雇用主は休日を調整しなければならない。
「その他手当」
契約時に仕事や雇用形態に応じた手当の取り決めが出来る。危険手当、遠征手当等。
・一般的な労働時間
お城の事務職や、研究所の職員、日勤王国兵士をはじめ、武器、防具、薬屋、花屋といったお店屋さん等、働き方の多くがこれに当てはまる。
拘束時間は、午前九時から午後六時。
午前九時から十二時まで働く→休憩二時間→午後十四時から十八時まで働く。
…と言っても、休憩の二時間を全てランチに使うことはあまりなく、ランチ休憩を一時間半、ティータイム休憩を三十分なんて取り方をしてる人も多く居る。
・見習いの労働時間
労働可能時間は、午前七時から午後八時まで。
十五歳未満の場合、拘束時間は七時間以下、休憩時間は二時間、実労働は五時間以下。
十五歳以上の場合、拘束時間は九時間以下、休憩時間は二時間、実労働は七時間以下。
また、十五歳以上の場合は月に三回程度の夜間勤務が可能になる。その場合、拘束時間は五時間以下、休憩時間は一時間、実労働は四時間以下。
行商や遠征等、厳密な時間調整が難しい分野の場合は、出発前に役所へスケジュール表を提出し、許可が下りた場合にのみ、従事できる。
残業禁止。休日出勤禁止。
暦通りの休日が推奨される。それが不可能な場合は、月に六日以上の休日、内、一回以上の連休を取得しなければならない。
節句の長休みは休日にしなければならない。
・超過労働時間の例:「正規王国兵士」の労働時間
超過労働契約の代表。
基本の拘束時間は十一時間。実労働は九時間。
有事の際は全員出動(法律の制限が消える)。
休日は月に七日。
(標準が六日とはいえ。節句の長休みがある時でも、その月の休日が一日か二日増える程度なので、一般の休日取得数と変わらない)
労働内容は、守衛(衛兵)、訓練、遠征。
守衛>拘束時間は十一時間。
実労働時間は九時間(前半五時間/後半四時間もしくは前半四時間/後半五時間)。
勤務時間も様々で、早朝勤務、夜間勤務もある。
訓練>拘束時間は十時間。
午前四時間、休憩二時間、午後四時間。
遠征>拘束時間に規定はない。
休日の取得義務があるものの、遠征時に休日を取得する場合は安全の確保が出来る場所(街や村)に限られるため、日程によっては七日以上休日が取得できないこともある。
(詳しくは、Sep:王国兵士を参照)
≪飲食店の営業時間≫
ラングリオンには、様々な業態の飲食店が存在する。
営業時間や職種(料理人、給仕等)、業態によって、労働時間や給料が変わり、また、変則的なシフト勤務であることが多い。夜勤が多いと給与計算に間違いが出やすいので注意。
未成年者の利用を禁じなければならない店の場合、店の扉に未成年者入店禁止マークを掲げる義務がある。あるいは、会員制の店にし、会員(成人)以外利用不可の措置を取らなければならない。
・一般のカフェ
営業は、午前七時から午前十一時、閉店二時間、午後一時から午後四時。
午後だけの営業の場合も。
コーヒーをメインに、朝食とスイーツを提供する店。
最近では紅茶の扱いも増えている。
ケーキ屋やパン屋に併設されていることが多い。朝食は朝市で済ませる人多いけれど、のんびりしたい人はカフェを選ぶ。
モーニングは、スープ(二、三種類から選べる)、パン、卵料理(焼き方を選べる)と食後のコーヒーのセットが人気。ティータイムは、飲み物とスイーツのセットが人気。
レストランと営業時間が(ほとんど)被らない為、隣のレストランとテラス席をシェアしている場合もある。
例
ウォルカの店>
ショコラの専門店。ショコラの販売がメインですが、午後からはカフェコーナーの利用が可能。コーヒーや紅茶とケーキが食べられます。
・喫煙カフェ
営業は、午前七時から午前十一時、閉店二時間、午後一時から午後十時
未成年者の入店禁止。会員制のことも。
基本的に、コーヒーとお酒しかない店。
簡単な食事を用意することもあるが、カフェで調理することはなく、近隣の店で焼菓子を仕入れるぐらい。
朝市で朝食を済ませた人が、コーヒーを飲みながら情報を仕入れる為に利用する。利用者に商人が多いので、夜遅くまでやってる。商談用の部屋を併設している場合も。
煙草臭い。
・一般のレストラン
営業は、午前十一時から午後二時、閉店三時間、午後五時から午後十時
喫煙が許可されている場合は、未成年者の入店禁止。広いレストランでは、一定の基準を満たすことで、喫煙可能な個室を別に作ることが出来る。
(一階は禁煙、二階の個室では喫煙可など)
食事をメインに提供するお店。
お店ごとにコンセプトがはっきりしている場合が多く、賑やかな場所もあれば、ドレスコードがあるお店も。
前菜、メイン、デザートは必ず用意されている。
お酒は食事に合わせたものが用意される為、種類は限られる。または、お店のコンセプトによる。
お酒の提供は午後からに限ることが多い。
(酔っ払い対策、ソムリエの不在等の理由による)
ランチの時間が過ぎると、ディナーの仕込みでお店を閉める。
カフェと営業時間が(ほとんど)被らない為、隣のカフェとテラス席をシェアしている場合もある。
例
レストラン・シエル>
中央広場に面した一等地にあるレストラン。キッシュが有名。
レストラン・グストー>
賑やかな楽団が居る、気軽に入れるレストラン。オニオングラタンスープがおすすめ。マカロンも売ってる。
レストラン・カラブレーゼ>
北の港にある、南部ティルフィグン料理を扱う店。シール御用達。
・宿屋兼レストラン
レストランとしての営業は、午前十一時から午後二時。
ディナー営業(午後五時から午後十時)をすることも。
喫煙が許可されている場合は、未成年者の入店禁止。
宿泊施設を併設したレストラン。というか、宿屋。
主に一階をレストラン、二階以上を宿泊施設にしていることが多い。一階に雑魚寝部屋と呼ばれる安値の部屋を置く場合も。
ランチは、宿泊者以外への利用を見込んで、メニューを豊富に用意している。
夕食は肉料理と魚料理から選べる定食だけのことが多い。もちろん、菜食主義者向けの料理も用意可。
宿泊者は、朝食と夕食を無料で利用できる。ランチとお酒は別料金。
・専門レストラン
営業は、午前十時ぐらいから午後五時ぐらいまで。
屋台と似たような業態でありながら、移動式ではない小さなレストラン。
何の料理を扱っている店か明快な場合が多く、それ以外の商品を置くことは稀。屋台よりも豪華なメニューがそろっていることも。
テイクアウトをメインにしている場合は、店内の飲食スペースはそれほど広くない。
クレープガレットの店だと、ランチは甘くないガレットが人気。ティータイムには、甘いクレープが人気。
カレーパン屋などは、売り切れると店を閉めてしまう。
※Sep1にて。「昼から夕方にかけて開きっぱなしにするお店は、クレープガレットの店だけ」と説明してましたが、今では、ピッツァの店、カレーパン屋など、結構増えています。
例
オリゾン>
クレープガレットの店。専門レストランの割に広い店。王都の人は、小腹が減った時に手軽に食べられるクレープやガレットが好き。リリー御用達。
・屋台
営業は、日中。
雨の日は営業しないことも多い。
街の広場に移動式の店を出す。
店を出す場合は、広場を管理者の許可が必要。
お祭りの時の屋台はもちろん、ドリンクワゴンもこれに当てはまる。
・居酒屋
営業は、午後五時から午後十一時ぐらい。
ランチ営業(午前十一時から午後二時)をする場合も。
喫煙が許可されている場合は、未成年者の入店禁止。
(王都では、喫煙禁止の居酒屋が多い)
お酒と食事を楽しむ為のお店。
お酒の種類が豊富で、どの時間でもお酒を注文することが出来る。ソムリエは居ない場合が多い。
食事はお酒に合わせたものが用意される為、一品一品の量は少なめで、手軽に食べられるものが多い。
例
パッセの店>
エル、カミーユ、シャルロの三人の馴染みの店。
・バー
営業は、午後八時から深夜。
未成年者の入店禁止。会員制のことも多い。
基本的に、お酒しか提供しない店。
お酒の種類が豊富で、カクテルをはじめとした変わったお酒も注文できる。ソムリエ、あるいはバーテンダーが居る。
食事はほとんどない。調理の必要ないチーズやナッツ等が提供されるぐらい。
稀に、店主の趣味で食事が提供される場合もある。
例
ベルベッド>
会員制のバー。お酒を飲みながら、キアラのピアノの演奏と歌が聞ける。
というわけで。
エルが学生時代にバーで働いていたのは・・・。
「労働を目的とした雇用の禁止」(目的はお金稼ぎ。バーの技術を学びたくて働いてたわけじゃないのでアウト)
「夜間勤務の禁止」(十五歳以上でも夜間勤務をして良い条件は限られる)
「未成年者の出入りが禁止される場所での労働の禁止」(バーは未成年者の入店禁止)
「学生の雇用の禁止」(エルは養成所の学生)
・・・アウトです。
書面で正式な見習い契約を結んでいたかは謎ですが。覚書き程度の書類は作ってるはずなので、それが表に出たら大変です。未成年者のエルに罰則はありませんが、雇用主は重い罪になります。
エルがやってるぐらいなので、こうした闇バイトは結構ありそうです。未成年者の労働禁止/労働制限は、子供の搾取禁止の原則に寄るものですが、そのせいでお金が必要な子供は法を犯してしまうのが現状です。
暇な子供に役目を与える→無償の学校制度でも出来ればクリアできそうな問題ですが…。エルは学生の癖に夜のバイトしてたんだよなぁ。
時代的には、「お金上げるから、特権頂戴」って貴族が横行していてもおかしくないわけですが。もともと、初代国王は公爵には自由度の高い自治権を与え、直轄地では成り上がり国王に反対する貴族をなぎ倒して自分の信頼できる相手に領地を与え、アルファド帝国の財産を引き継いだ分、お金に困ってなかった上に、そのお金を労働の対価として市民にばらまいてた人なので。特権寄越せって騒ぐような貴族は上手く潰されたんでしょう。
現在、初代国王の初期投資のおかげで人が育ち、王城と王都が栄えてます。一方で、潤沢な資金を有り余らせてるようなパトロン貴族が居ない為、中世ヨーロッパに見られるような贅沢で華麗な文化がないのが惜しい。ラングリオンの文化と言えば、「雄大で質実剛健」なのです。
こういうのに期待する人は、特権階級として、お金持ちな教会が多いクエスタニアへ。都市にある教会の華麗さ(派手さ)は都市の豊かさの象徴。光の神を崇めるだけあって、教会の建築はどこも華やかで美しい。神に捧げる曲も豊富。・・弱者の保護や、質素な暮らしを是とする教えは何処へ行った。お金が一定の場所に集中すると言うことは、貧富の差が激しいことの表れでもある。
おわり。




