Sep:ラングリオンの労使契約と休み
ラングリオン王国暦六〇七年時点の情報です。
≪基本の労使契約≫
「有期雇用契約」と「終身雇用契約」があり、どちらも法に則った契約をしなければならない。
未成年と契約する場合は「見習い契約」のみ。
成人と同じ契約が可能になるのは、成人(ラングリオンでは十九歳)になる月の朔日から。節句生まれの場合は、次の月の朔日からになる。
例:ヴィエルジュの二十日生まれならヴィエルジュの朔日、立冬の三日生まれならサジテイルの朔日に成人とみなされる。
また、オービュミル条約加盟国の間では、自国で成人を迎えている場合、他国でも成人と見なされる。
例:ラングリオンの成人年齢は十九歳で、グラシアルの成人年齢は十八歳。グラシアルの市民証の所持者は、十八歳でもラングリオンでは成人と同じ権利を行使できる。
条約加盟国の犯罪歴のない市民は、加盟国で自由に労働、移住が可能。
※オリエンス砂漠はラングリオンの一部と思われがちだが、独立した地域の為、加盟国判定にならない。窓口業務を請け負うラングリオンで、別途手続きが必要。ラングリオンの市民証があれば行ける。
・有期雇用契約
期間を決めて雇用契約をすること。
契約期間満了で退職となる。
契約期間内の解雇や辞職は契約違反とされ、違約金が発生する。
退職せずに契約更新、あるいは終身雇用に変わった場合は、前回の契約内容と同等か、それ以上の待遇で契約しなければならない。
(待遇改善には、色んな意味がある。同じ労働で給与が上がるケースはもちろん、超過労働→標準労働になり、労働時間に合わせて給与が下がるのも待遇改善)
・終身雇用契約
期間を決めずに雇用契約をすること。
待遇改善の為、定期的な給与等の見直し義務がある。
雇用主は、雇用形態や契約内容の変更が可能。
ただし、変更の際には、終身雇用契約のままであること、契約期間に間が空かないこと、労働者の合意があることが条件となる。労働者は、新しい契約に不満がある場合、三ヶ月以内に異議申し立てをすることで、以前の契約に戻すことが出来る。
(つまり、「明日付で魔法部隊→秘書官に異動ね」みたいなことが出来る。あれに合意があったかは謎だけど。労働者の合意が必要な為、待遇が良くなったり、本人のやりたい職場への配属転換が行われることが多いものの、遠方への転勤もある。三ヶ月なら別の仕事に就かせても良いと解釈され、三ヶ月間だけ転勤を頼むことも)
終身雇用の場合でも「○ヶ月以上の契約」等、最低限の雇用期間が指定されている場合があり、その期間は有期雇用契約と同じ扱いになる。
指定の期間が過ぎると、手続きなしで終身雇用契約に切り替わる。
最近では、この最初の期間に試用期間制度を利用することが多い。
・終身雇用契約における試用期間制度
終身雇用契約を結ぶ時、雇用主は、最初の三ヶ月間の内、任意の期間を試用期間にすることが出来る。
試用期間には、休日は含むが休暇は含まない。
試用期間中は、労働者の拘束時間を短くしなければならず、それに応じて給与を減額しても構わない。
この期間は解雇の自由、退職の自由が認められ、いつでも契約を解除出来る。
退職せずに試用期間が過ぎると、手続きなしで終身雇用契約に切り替わる。
試用期間の途中でも、雇用主と労働者の合意があれば、いつでも試用期間を打ち切り、終身雇用契約に切り替えられる。その後、試用期間に戻すことは出来ない。
また、雇用主が同じ労働者に対して試用期間制度を利用できるのは一度きり。試用期間制度を繰り返し使うことはできない。
※最長で三ヶ月は長い?
この期間は、仕事に必要な資格や技能を習得させるのにも使われる。雇用主がお金を払って、商人ギルドの講習に通わせたり、基本的な読み書きや会計等を教える期間にも使える。学校制度がない分、即戦力にならないケースが多いので、仕事をさせながら勉強させるのに必要な期間だったりもする。
まともな雇用主は、最初に試用期間のスケジュールや、何が出来るようになって欲しいかを具体的に提示してくれる。
試用期間の間に習うだけ習って辞める労働者や、何も教えないで試用期間が過ぎるギリギリで契約を打ち切る雇用主も居る。どちらも悪質だけど、罰則はない。
心配や不安があったら、労働組合に相談を。
・退職の規程
雇用主側が解雇する場合>
雇用主の一方的な解雇の場合。
雇用主は労働者に、解雇日の一ヶ月以上前に解雇予告をしなければならない。また、労働者の退職時に、一ヶ月分の給与相当額を違約金として支払わなければならない。
有期雇用契約で、契約期間が残り一ヶ月未満の場合、残りの期間で支払われる予定の給与と同じ額を違約金として支払うことを条件に、雇用主は解雇日を自由に指定できる。
いずれの場合も、違約金は退職日から一ヶ月以内に支払われなければならない。
また、退職日までの労働に対する対価は、退職日から一ヶ月以内に精算されなければならない。
(違約金は給与とは別に発生するものである)
ただし、労働者側に故意や過失(契約違反、法令違反、怠慢、契約時の詐称等)がある場合は、即時解雇が可能で、雇用主に違約金の支払い義務はない。
労働者は、予告された解雇日までに退職しなければならない。退職日は、労働者が決めることが出来る。
(予告を受けた日に退職しても良いし、解雇日まで働いても良い)
解雇に不服がある場合、労働者は雇用主に不服申し立てが出来る。
(詳しくは、以下の≪ギルドと組合制度≫労使間の裁判参照)
労働者が退職する場合>
労働者は雇用主に、退職日の一ヶ月以上前に退職する旨を伝えなければならない。
有期雇用で契約期間が残り一ヶ月未満の場合は、五日以上前に伝えなければならず、五日未満の場合は即日の退職が可能になる。
また、退職日までの労働に対する対価は、退職日から二ヶ月以内に精算されなければならない。
労働者の一方的な辞職の場合、雇用主は契約時に取り決めた違約金を支払って貰える。違約金は給与に応じて上限額が決められており、契約日数に応じて減額され、二年以内に消える。
試用期間、見習い契約の期間に違約金はない。
また、契約時に違約金の額を取り決めていない場合、違約金はない。
ただし、雇用主側に故意や過失(契約した労働条件と違う、待遇が違う、法令違反等)があった場合には、労働者に違約金の支払い義務はない。
※最近では、労働者側が国に対して違約金の撤廃を求めている。すでに労働者への違約金を撤廃しているところは多く、労働者の違約金が撤退される日も近い。
また、雇用主に退職が受け入れられない場合、労働者は、雇用主から逃亡することが出来る。
逃亡の際は、役所に退職の旨を報告し、受理されると退職手続きが完了する。受理された当日から遡って十五日前までの期間の未払い給与の支払いを求めることは不可能だが、遡って十六日以上前に発生した未払い給与の支払いを求めることは可能。
また、違約金の支払い義務はない。
後で役所側が雇用主に通達。労働環境の調査を行い、悪質な場合は罰金や労働者の待遇改善の指導が入る。
・見習い契約
十二歳以上の未成年者が対象。
(十二歳未満の未成年者の労働は禁止されている)
職業訓練として、労使契約を結ぶことが出来る。
(目的は、あくまで職業訓練。労働を目的とした雇用は出来ない)
保護者、あるいは後見人の許可が必要。
見習い契約は、成人年齢になる前の月の三十日まで有効。
(ヴィエルジュの二十日生まれならリヨンの三十日、立冬の三日生まれならスコルピョンの三十日まで有効)
労使契約締結後、雇用主は、見習いを雇用したことを役所に届け出なければならない。
見習い期間は、解雇の自由、退職の自由が認められている。
退職後、労働者は、退職したことを役所に届け出なければならない。
(というのも、未成年者が見習い契約出来るのは一度に一ヶ所だけ。今居る場所を退職しなければ、他の場所での契約が出来ない。雇用主も人事・税務関係の変化は役所へ届けなければならないが、月末等、他とまとめた処理で構わない為、労働者が届け出ないと、次の見習い契約を行うのに間に合わないことがある)
見習い期間は、成人の労働者とは明確に区別されなければならない。
(所属の違い、制服の違い等、誰にでも分かる形で区別する)
休日、労働時間、休憩時間等は、成人の契約とは別に定められている。
法定の休暇制度を利用できる。
節句の長休みは休日にしなければならない。
(詳しくはSep:労働時間の規程と飲食店の営業時間「見習いの労働時間」参照)
見習い契約をする際の禁止事項>
労働を目的とした雇用の禁止。
責任を課す、あるいは義務を負わせる行為の禁止。
長時間労働、残業、夜間勤務の禁止。
危険な仕事への従事の禁止。
(十五歳未満では、そもそも従事できない仕事が多い)
契約以外の労働の禁止。
未成年者の出入りが禁止される場所での労働の禁止。
学生の雇用の禁止。
…等々。
十五歳以上で緩和される条件もある。
一日の最大労働時間が成人の標準労働時間と同じになる。(残業禁止は変わらない)
月に三回程度の夜勤が可能になる。
行商等、親元を離れた仕事が可能になる。
雇用主が禁止事項を破った場合には罰則がある。
悪質な場合は、見習い契約を結ぶことが禁止される。
見習い労働者に罰則はない。
見習い契約をした労働者は、労働組合に加入することが出来る。
見習いの間、組合費は無料になる。
見習い労働者向けに、労働組合で主催する、労働者の権利に関する講習等を受けられる。
一般的に、成人でも○○見習いと言われることがあるが、成人の場合、見習い契約をすることはない。
単純に専門職の資格を持っていない場合や、職業訓練中であることを指す。
・紹介所
雇用者と労働者のマッチングを行う場所。
労働者の職業支援も行う。
国や領主が管理する公的な紹介所は、各種手続きが無料か、割安な場合が多い。
それ以外の一般の紹介所(営業には領主の許可が必要)は、紹介手数料や掲示版利用料等がかかる。
いずれも登録料は無料。
未成年者の登録は不可能。(労働を目的としている為)
労働に関する相談も可能で、自分に合った仕事探しや、雇用に有利なスキルアップ方法を教えてくれる。また、初歩的な接客スキルを学べることも多い。
一般の紹介所では、資格取得を支援する講座を併設している。
公的な紹介所では、生活相談に乗ってくれたり、役所で必要な手続きを教えてくれたり、給与に見合った住居の紹介もしてくれる。地方出身者の味方。
紹介所への登録の為には、各種書類が必要。
労働者の場合は、身分証や資格取得の証明書、商人ギルドが発行する講習の修了証等。
雇用主側が登録する際には、商人ギルド登録証や営業許可証等。
紹介所の掲示板は、登録者なら誰でも利用することが出来る。
掲示板に掲示する場合は、内容に偽りがないか紹介所が審査する。
雇用主は、必要な人材と契約内容を掲示して人材を募る。あるいは、労働者の募集を見て紹介を頼む。
労働者は、自己紹介で自分のスキルや資格、希望の契約内容を提示して雇用者を募る。あるいは、雇用者の募集を見て紹介を頼む。
紹介所はあくまで紹介を行うだけで、契約内容にまでは口を出さない。
紹介所の募集と実際の契約内容が違う場合は良くある。労働者の能力に合わせて契約内容を変えたと言われれば、それまで。
契約に不安がある際は、紹介所に契約に立ち会ってもらうことが出来る。
紹介所は、契約に法令違反が無いか、労働者の能力と募集内容を照らし合わせ、契約内容が著しく違わないかチェックしてくれる。
・斡旋所
臨時労働者の紹介(派遣)を行う人材派遣所。複数の労働者が登録しており、都市部に多い。
業態としては冒険者ギルドに近い。ただし、仕事は一般人向け。冒険者ギルドに頼むよりも安いと言われている。
(そもそも仕事の目的や内容が違うのだけど。かぶるものもある)
斡旋所は、雇用主として、労働者の休日や休暇を適切に管理しなければならない。
斡旋所の登録には市民証、あるいはそれに類する身分証が必要。冒険者ギルド証での登録は出来ない場合が多い。(働く都市に住んでいる人を対象としている為)
別の雇用契約を結んでいる場合でも、登録は可能。副業としての利用も多い。
未成年者の登録は不可。(労働を目的とした依頼しかない為)
登録者は、職業ギルドの斡旋所組合に入り、報酬から組合費が引かれる。
登録者は、自分のスキル等も登録し、労働に従事できる時間や日にちを申請しておく。
斡旋所への仕事の依頼は誰でも可能。
貴族から一般人まで、幅広く利用される。
仕事の流れ>
依頼者が斡旋所に仕事を依頼する。
→細かい依頼内容や依頼料を調整し、依頼を受諾。
→依頼をこなせる登録者を選別。
→登録者に依頼内容と報酬を提示。
→登録者は、内容に問題が無ければ依頼を受諾。
→指定の労働をする。
→仕事が終了後、依頼者から依頼完了のサインをもらう。
→組合費を差し引いた報酬が支払われる。
依頼者が派遣された人員に満足しなかった場合は、交代してもらうことが出来る。また、仕事内容に不備がある場合は依頼料の減額交渉が出来る。
依頼料が減った場合は、報酬も減る。
登録者が依頼者に損害を与えた場合は、組合から選出された弁護士が交渉に当たり、組合から賠償金が支払われる。
依頼者が個人的に満足した場合は、登録者に直接追加の金銭を支払っても構わない。その際には、登録者は斡旋所に申告しなければならない。
(所得に関わる税務処理の為。ただ、少額なので報告されないことが多い。現物支給の場合は報告義務はない)
また、依頼者が気に入った場合は、登録者と雇用契約を結んでも構わない。
例:貴族が、大勢の来客を招く場合に、パーラーメイドや清掃メイドを雇う。
(年末年始や剣術大会時期、パーティーを開く時など)
例:飲食店で人手が足りない場合に給仕を雇う。
(パッセの店も、宴会が入った時は給仕を雇う)
例:夫婦で出かける際に子供の世話を頼む。
(王都は男女ともに働く人が多い。仕事やデートの際にベビーシッターを頼むことは多い)
例:家庭教師を頼む。
(養成所に入学させる為、資格の試験の為、単に子どもを勉強させる為。理由は様々。気に入った場合、そのまま雇用契約を結ぶことも多い。というか、斡旋所でお試しで探すケースが多い)
例:畑仕事をするのに人員が足りない時に力仕事を頼める人を頼む。
(力仕事は冒険者ギルドとも被る部分。ただ、斡旋所に頼む方が安い)
・・・等々、仕事の種類も、業種も幅広い。
ただし、契約以外の仕事はしないし、頼むことも出来ない。
マージン(依頼料-報酬)を取られるので、直接、雇用契約を結んだ方が稼げるのは確か。でも、賑わってる王都や都市部では労働者が不足していることが多いので、斡旋所で好きな時に好きなだけ働くというスタイルでも十分に稼げる。
また、斡旋所は副業の意味合いも強い。終身雇用で働きながら、休日に斡旋所の仕事をすることも可能。
休日の規程は存在しているが、雇用主ごとに休日の規程を守っていれば、労働者の意思で掛け持ちをするのは構わない。
悪質なものとしては、休日に、同じ雇用主の元で、斡旋所を通じて仕事をすることも可能。・・・何のメリットがあるんだって?例えば、納期を守らなければならない仕事を、休日の規程に違反せずに無理やりこなす方法として使えてしまうのです。
≪法定の休日・休暇制度≫
すべての労働者が取得出来る休み。
休暇については、有期雇用契約の場合、雇用契約の期間に含むものと含まないものがある。
公費の補助とは、国や領主が負担する補助金のこと。
・休日の規程
五日未満の契約では休日の取得義務はない。
五日以上の場合は休日を一日以上取得しなければならない。以降、五日毎に一日増え、一ヶ月で六日間以上の休日となる。節句を含む場合は、更に一日以上の休日を追加しなければならない。
一ヶ月以上の労働契約をした場合は、月に一回以上の連休を作らなければならない。
(暦通りの休日の場合は、朔、上弦、望、既望、下弦、晦。計六日間。望と既望、晦と朔で連休になる)
連続した勤務は、最長で七日間。それを超える場合は、必ず休日を取得しなければならない。
また、連続して働く場合は、半日以上の間を空けなければならない。
(夜勤明けに午前中から働くことは不可能)
特殊な事情により休日を取得出来ない場合は、領主にその旨を申請し、許可を得なければならない。
最も、納得させられるような事案はないので、一般向けに許可が下りることは、ほとんどない。
当てはまるのは軍属。
(詳しくは、Sep:王国兵士を参照)
※ちなみに、自分で商売を行う主体である「商人」は労働者ではなく雇用主なので、この制限は受けない。商人見習いは労働者とみなされる。商人にはグレーゾーンも多い。扱いが労働者なのに、名ばかり商人や、名ばかり店長も結構居るらしい。
・リュヌドミエルの休暇制度
婚姻後に取得出来る一ヶ月間の休暇。ハネムーン休暇。
一年以上の労働契約をし、半年以上仕事をした場合に取得出来る(婚姻時に半年経っていない場合でも、半年仕事をすれば取得可能)。
休暇中は給与の全額が支払われる(要は有給休暇)。
公費の補助はなく、全額雇い主負担。
再婚の場合はない。(再婚の場合、雇用主は労働者にこの休暇を取得させる義務を負わない。しかし、再婚を知らずに取得させたところで返金を求めることは不可能。休暇の途中で気づいても取り下げることは出来ない)
有期雇用契約の場合、休暇の期間は契約期間に含まれる。
・妊娠休暇制度(妊婦)
妊娠が分かった時点から、出産までの期間に申請できる。
休暇は、期間内であれば自由に取得することが可能。
(十日間休んで、十日間働いて、十日間休むってことが出来る。または、単に月の休日を増やすのに使っても良い)
五ヶ月(百五十日)以下の休暇は、給料の半額が支払われる。役職手当は支払われない。
支払われる額の一部または全額を公費で補助する。補助金は直接支払われる。残りは雇い主負担。
五ヶ月を超えた分は支払われない。
有期雇用契約の場合、五ヶ月以下の休暇の期間は契約期間に含まれ、それを超える期間は契約期間に含まれない。
※他に、未婚の女性や収入に不安のある女性に対しては、妊婦助成金制度がある。
・出産休暇制度(男女)
妊婦と婚姻関係、あるいは事実婚関係にある配偶者は、出産予定日の十日前から休暇の申請が可能(妊婦は妊娠休暇がある)。
夫婦共に、産後一ヶ月の間、自由に休暇を申請できる。
(産後十日間休んで、十日間働いて、十日間休むってことが出来る)
休暇中は給与は支払われない。
(労働組合によっては、補助金が支払われることがある)
出産後、産婦に対して出産金が国から贈られる。流産の場合でも国からの出産金は贈られ、休暇の取得も可能。
領主からも出産金やお祝いの品が贈られる。(妊産婦や新生児へのサポートやお祝いの内容は地方によって違う。ただ、最低でも、一ヶ月の生活に困らない金銭と、新生児の衣類等のグッズは贈られる)
有期雇用契約の場合、休暇の期間は契約期間に含まれない。
例:一年契約で、十日間の出産休暇を利用した場合。休暇の期間は給与は支払われない。十日間は契約期間に含まれないので、契約満了日は契約から一年と十日後になる。
例:二年契約でリュヌドミエルの休暇を取得した場合。休暇中も一か月間の給与が支払われ、契約満了日は変わらない。
※育児休暇制度はない。
ラングリオン(特に王都など都市部)は共働きが多いので、育児やしつけは専門職に頼み、親がやることはあまりない。育児休暇を作ってしまうと、育児の専門職の仕事を奪うとクレームが来る。
・長期休暇制度
終身雇用契約の場合、雇用主は長期休暇制度を作らなければならない。
三ヶ月以上(試用期間は含まない)の労働に従事した労働者は、長期休暇を申請する権利を得る。
雇用主は労働者から申請された場合、一年の内、三ヶ月以上の長期休暇を労働者に与えなければならない。
長期休暇の間は給与は発生しない。
また、雇用主は一方的に長期休暇を押し付けることは出来ない。
(労働者からの申請によってのみ成立する)
この期間、雇用主は労働者の解雇を行えず、給与や待遇の変化もしてはならない。
(主に出稼ぎ労働者に重宝される。地元に帰るた為には、長い休みが必要なのです)
≪ギルドと組合制度≫
労使関係と、商人ギルドと組合は切っても切れない関係。
・商人ギルドと雇用主
雇用主は、商人ギルドに所属していることが多い。
商人ギルドに所属する為には、毎月、あるいは一括年払いで運営費を支払わなければならない。(この運営費の納付額が商人ギルドのランク)
ギルドに所属することで、税金関連の処理を手伝ってもらえたり、税金が払えない場合に分割手続きを取ってもらえたり(基本的に税金は一年分を一括払い)、融資を受けたりと色々してもらえる。
また、商人ギルドでは、たくさんの講習が開かれており、その中から商人育成に関わる講習を無料で受講できる。
労使関係の裁判でバックアップしてくれる。
労働災害が起きた時に、労働者へ示談金を支払ってくれる。(労災保険みたいなもの。その額は、王国兵士の労災給付額に準ずる)
その他、まだ制度として確立していないもののの、保険みたいなバックアップもしてくれる。
※国が主導する社会保険制度はない。国が直接雇用してる労働者に対する保証はあるものの、それ以外の労働者に対しての保証はない。
一応、生活保護のような制度はあるらしい。でも、王都にスラムがある時点で、大した制度じゃないのは明らか。守備隊も気を使ってエンドの治安は放置している。貴族が施しを行ったり、礼拝堂を通じた配給があるぐらい。多くの人が、この国には貧しい人なんて大して居ないと思ってる。子供に対しての保護意識は強いんだけどね。
弱者の保護に関しては、クエスタニアの方が充実していそう。
・職人ギルドと労働者
労働者は、職人ギルドに所属していることが多い。
(いわゆる「職人」じゃなくても、誰でも入れる)
職業ごとに、労働者組合を組織することが出来る。
(すでに、大方の労働組合は出そろっていると思われる。新しく組織する場合も、基本の労働組合の下部組織として立ち上げることが多い。基本的に都市につき一つだが、都市を越えて同じ職業同士で緩い繋がりがある)
組合の運営方法に特別な決まりはないが、運営費の支払いは義務付けられている。失業(組合からの脱退)時の給付や、妊娠出産時の給付、過失による賠償金の支払い等、保険的な要素も強い。
また、労働者を支援する内容の講習もある。
中でも重要なのは、団体交渉と労使関係の裁判でのバックアップ。お金のない労働者が雇用主を相手取って裁判するには不可欠。
・労使間の裁判
商人ギルドと職人ギルドの間では、昔から労使関係や取引額に関する問題が根深い。
その為、職人ギルドは労働者を支援する考えが強く、それが労働組合の組織に繋がっている。
雇用主が悪いのか、労働者が悪いのか…。
違約金の不払いや不当解雇、ハラスメント問題、法のグレーゾーンに当たるトラブルなど、労使関係の裁判は非常に多い。
中でも、不当解雇に関する訴えは多い。
雇用主から労働者への解雇予告/即時解雇
→解雇に不服がある場合は、雇用主に不服申し立て。
(不当な理由での即時解雇で、違約金の支払いを拒否されることが多い。不服申し立て期間は解雇されず、労働可能。労働組合から交渉員を派遣してもらえる)
→交渉結果
(解雇を撤回し雇用を継続/契約を見直して再雇用/解雇が覆らない等)
→交渉結果が不服な場合は、裁判。
(労働組合から弁護士を派遣してもらえる。裁判中は解雇されないが、長期休暇扱いとなる為、給与は発生しない。組合によっては生活支援の為の給付金が出る)
・見習い労働者向けの講習。抜粋。
「たとえば、あなたが雇用主から、仕事の時間を指定されたとして、あなたが遅刻や無断欠勤をしたとしても雇用主から咎められることはありません。
雇用主は、見習い労働者に対して、一切の義務を負わせてはならないからです。
この時、雇用主は労働時間に応じて給与を差し引くことや、見習い労働者を解雇することが出来ます。
解雇されても、別の職場を探すことが出来るでしょう。
しかし、遅刻や無断欠勤はマナー違反です。あなたの勤務態度は、周囲にも知られることになります。悪質なマナー違反を繰り返すと、見習いを終えた後に雇用してくれる場所がなくなる可能性があります。
見習いの間に、労働者のマナーも、きちんと学びましょう。
逆に、見習い期間でも成果を出し、有能さをアピールしておけば、最初から厚待遇の雇用も望めるでしょう。
また、この期間はあなたの才能を見つける大きなチャンスです。様々な職場を体験し、自分に合った仕事を見つけましょう。
もし、雇用主とトラブルが生じたり、契約内容に不備を感じた場合、また、何か不安なことがある場合は、いつでも労働組合に相談してください」
法制度をまとめる項にしようと思ったら、思った以上に長くなった。
具体的じゃない部分や、足りない部分、細かい部分は、現代の常識の範囲で補完してください。穴のない法律なんてない。
中世ヨーロッパをモチーフにしながら、ここまでの法律を作れるかって?
もともと、奴隷解放をし、「平等で対等な契約」をすべての市民と行うと約束した人物が初代国王だった国です。労使契約に関しては、早い段階から労働者側に配慮した契約を考えていたとしてもおかしくないはず。職人ギルドの存在も手伝って、労働者保護の意識は高そうです。
と言っても、違約金に見られるように、当初は雇用主と労働者の契約は、お互いにリスクを負うものだったと考えられます。それが変化し、雇用主が労働者に対して奴隷的な扱いをしないよう、また、労働者が持つ仕事を選ぶ権利を保護する為に、雇用主側への義務が拡大され、労働者側の権利が拡大されていった歴史がありそうです。
大規模な戦争もなく平和な国家なので、内政への関心や、個人の幸福追求への関心が高いって感じでしょうか。
それにしても、休みが少ないよね。
一ヶ月(三十日)の内、休みは六日だけ。節句の長休みを含めても、年間の休日日数は圧倒的に少ない。長期休暇(無給)は取れるけど、有給休暇はリュヌドミエルの休暇だけ。
でも、基本の暦がそうなってるので、誰も気にしてない。
まぁ、休みはその内、増えるでしょう。
一応、国王陛下の誕生日と皇太子の誕生日は祝日です(ただし、誕生日が休日でも振替休日はない)。
ちなみに、ここに書いたのは、あくまで一般的な話し。
従騎士なんていうのもあるので、特殊な契約制度も他にありそうです。
でも、きりが無いのでこの辺で。




