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智枝理子の資料集  作者: 智枝 理子
Sep2リリー編バッドエンド「迷走破綻」
21/56

終章

 敵として定められたものは滅び、勇者の目的は達成された。

 

 

 

 氷の大地で神々しく輝いていた大樹が光を失う。

 生気を失った大樹は、一瞬にして枯れ果てた。

 それは、妖精の女王の死。

 彼女が最後に選んだ答え。

 

『大樹が……』

『え?』

『枯れた』

 リリーシアの傍に居たメラニーとバニラ、そして、イリスが、かつて大樹であった枯れ木を見る。

 そこへ、上空に居た大精霊たちが降り立った。

『世界が終わる』

『世界が……?なんで?』

『ヴィエルジュが死を選んだからだよ』

『妖精たちが共鳴している』

『共鳴って……』

『同じ道を選んだんだ』

『世界中の植物が枯れ果てればアンシェラートの力を吸収するものが居なくなる。そうすればアンシェラートの力が溢れ出して世界は終わるんだ』

『そんな……。じゃあ、エルとリリーは、何の為に戦ったんだよ!』

 

 

 大地が震え、遠く、竜の山からアンシェラートの手が飛び出す。

 

 地上に張り巡らされた植物が枯れ、抑制されていたアンシェラートの力が次々と解放される。

 大地を割り、海を裂き、地中深くから伸びたいくつもの手は、空を越えて、更に遠く彼方へ。

 

 そして、とうとう創世の神と手を繋ぐ。


              

             

           お

          か

         え

        り

        

      ま

    い

  だ

 

 


 アンシェラートと、その片割れである創世の神の魂が手を結び、根源の神、オーへと還っていく。

 大地が崩れ、自然が崩壊し、星の生き物が死に絶える。

 その魂が片割れを求めて死者の世界へと押し寄せると、生まれることのない世界で魂は自らの片割れと共に一つとなり、全ての魂が根源の神、オーに還る。

 

 それは世界の終りであり、はじまり。

 

 

 

END

 


~あとがき~

 

リリー編バッドエンド「迷走破綻」

読んでいただき、ありがとうございました。

※あ。こんな四字熟語はありません。迷走、破綻。

 

 終わりました。

 すごく気分が沈んでいて何をしても駄目な時期に思いついたシーンが、ヴィエルジュとヴェラチュールが戦ってるシーンだった。

 一方的に、不格好に斬り続けるヴィエルジュと、無抵抗で斬られるヴェラチュール。

 それに至るストーリーも含めて、酷いシナリオだった。

 エルがヴィエルジュと契約したことを教えてもらえなかったこと。エルを守り切れなかったこと、ヴェラチュールとの戦いで効果的な動きが出来なかったこと。その結果、エルが死んだこと。

 これはすべて、リリーに立ち直れないぐらいの傷を与えた。

 

 とにかく後味が悪い。

 誰も救われない。

 本当に救われない。

 

 今回のバッドエンド。

 一番の敗因は、エルとリリーのコミュニケーション不足です。

 戦いの方針をもう少し話し合っておくべきでした。

 リリーが完全にサポートに回ろうとしたのも良くなかった。エルが望んでいる役割分担ならまだしも、そんな戦い方じゃリリーの良さは引き出せない。

 そもそも、リリーの剣でもヴェラチュールにダメージはちゃんと入ります。リリーは、それを頭の片隅で理解していますが、理由があって無意識に急所を外して攻撃しています。そのせいで、ダメージを与えている実感を得ることもなければ、実際に効果的なダメージも与えられていない。(この辺は、グッドエンドで語られるはず)

 結果。ひたすら自分たちの体力だけを削って無駄な攻撃を続け、大精霊による拘束が解けたヴェラチュールに絶好の反撃の機会を与えてしまうという最悪の終わりに。

 

 RPGのラスボス戦で世界を救えないって、きっと、こんな感じだと思う。

 本当に救われない。

 

 


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