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「…で、ではカードを見せていただいても…?」

「…ん?あぁ、はいどうぞ。」

俺は受付の人にカードを渡した。


「…えっと、スケルトンが86体。スケルトンウィザードが43体。スケルトンアーチャーが29体。ハイ・スケルトンが21体。……えっ、スケルトン・キング!?ゼンさんスケルトン・キング倒したんですか!?!?」

目を見開いて驚いている。

「ああ。一撃だった。」

「えぇー!一撃!倒しただけですごいのに、さらに一撃だなんて!あの初心者殺しと言われていたスケルトン・キングを…。これはAランクからのスタートになりそうですかね…。」

お、なんかいい情報が耳に入った!

「ええと、ゼンさん、こちらのカードは預からせていただきます。試験はこれで終わりなので今日のところはお帰りください。明日の朝またギルドにいらしてください。ギルドマスターと会議をしてまいります。」

「ああ、色々とありがとう。じゃあ、また明日。」

そういって俺達はギルドを出た。




「くぁー疲れたなー。」 

「お疲れ様です!ご主人様!!」

なんだか立っているのも面倒くさくなってベットに座り込む。するとリズが走ってきて俺に飛びかかってきた。ロリ属性はないんだけど、なんだか新たな扉が開きそう。冗談です。

そうしてリズに押し倒されて抱き合っているとなんだか眠たくなってきた。そして、深い眠りに落ちた。




おはよう。目が覚めて体を起こそうとしたら上半身が動かなくて何かなーって思って目を覚ましたらリズが胸の上に座っていました。なんだか眠っているフェレットのようでした。らっぶりーー!

「リズー起きろー。」

「んんーまだ眠ぃー……」

「ギルド行くぞーー。」

そういって無理やり起こす。肩車の注文が入ったので肩車でギルドに向かう。


ギルドに到着。やっぱり入ると最初はみんな驚いたような顔をしてこちらを見るがすぐに視線をそらす。なんだよ。

「お待ちしておりました、ゼンさん。2階へどうぞ。」

受付の人はそういって階段を登っていった。俺たちもついていく。

「ギルドマスターに話したら是非会いたいと言われていたので今日はギルドマスターと会っていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

…ギルドマスターが何の用だろうか。ちょっと怖い。

「大丈夫ですよ、お願いします。」

そう言ってしばらく歩いていると1つの扉の前に来た。

「さ、こちらがギルドマスターの部屋ですよ。」

そう言って受付の人はコンコンとノックをしてドアを開けた。

「ギルドマスター、連れてきましたよ。」

「ああ、君が例の新人君か。」

すっごい野太い声をした筋肉ムキムキのおっさんがそこにいた。

「よし、シスカくん、席を外してくれないか?」

受付の人の名前シスカっていうんだ。初めて知った。

「わかりました。」

そう言って受付の人もといシスカは扉を開けて出ていった。

「さて、新人くん、早速話をすすめるが、君の強さには目を見張る者がある。冒険者登録してもないのにスケルトン・キングを倒してしまうのは凄まじいの他に比喩表現はない。なので君をAランク冒険者にしたいと思う。これは歴代で、最速のAランク冒険者昇格だ。胸を張ってもいい。」

お、まじか。やったね!!

「……だが、今の君はとても強そうには見えない。からくりを教えてくれないか?」

…ッ!こいつ俺の秘密に気づいたのか…?

「…なぜです…?」

「んーなんか際立ったオーラを感じないというか。」

そんなことわかるのかよ、反則だろ。

「…んー実は俺、呪いがかけられていて、ステータスが2つあるんです。」

「2つ…?」

うん、嘘は言ってないはず。

「それで、戦闘開始から30分間は低い方のステータスでその後は高い方のステータスになるんです。」

「そんなことが…で、そのステータスの差はどれぐらいなのかね?」

「大体1000くらいです。」

「……は?1000?高い方強すぎじゃね?」

…驚きすぎてキャラが変わっている。

「はい、最初の30分間は代わりにこのフェンリル、リズに戦ってもらっています。

「……!?フェンリル!?…どこにもいないじゃないか。」

「リズ、狼化してくれないか?」

「了解です!ご主人様!」

そういって、リズは狼化を開始する。

「……わぁお、こんなところでフェンリルにお目にかかれるとは…」

なんかキャラが定まってない。

「ま、まぁ君が強い理由はよーくわかった。晴れて君はAランク冒険者だ。下でカードを受け取ってくれ。あとはクエストを受けるなりなんなり、好きにしてくれ。」

「わかりました。ありがとうございました。」

そう言って、俺達は下に降りてカードを受け取り、早速クエストを受けることにした。


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