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エリンジウム  作者: 透水
3/7

行方知レズ

この話まで読んでくれている読者には感謝しています。

今回の話も楽しんでもらえれは幸いです。

なにか悲しい夢を見た気がする。

起きたら枕が汗ではなく涙で濡れていた。

とても印象的だったはずだが思い出せない。

「カズ!早く起きて!」

母さんの切羽詰まった声が聞こえる。どうやら家には母さんだけではなく、アズのお母さんも来ているようだった。

朝から騒がしいな。

「おはようございます、アズのお母さん。どうしたんですか?」

「加奈子ちゃんがいないんだって!」

「カズ君、加奈子がどこに行ったか知らない?」

アズがいない?

「いないってどういうことですか?」

「昨日の夜中に家を出たらしくて、それから帰ってきてないの」

あのアズが?

破天荒とはいえ、あいつが親に心配させたことは一度も…いや、何度かあったな。

しかし、夜な夜な誰にもどこに行くか言わずに家を出るなんて有り得ない。少なくとも俺のことも誘って虫取りなどに行くはずだ。

既に何度も誘われて虫取りや夜釣りなどに行き、その度に補導されている。

今回はいつも誘われるレギュラーの俺が誘われていない。

イレギュラーである。

「俺もあいつがどこ行ったか分からないです」

「カズ君も知らないのね…」

「文さん、加奈子ちゃんを一緒に探しに行きましょう!」

「俺も行く」

「ありがとう、カズ君」

俺の支度を玄関で待ってくれて、俺達はすぐに別れて探し始めた。

母さん達は車で遠めの所に行き、俺はアズに関係のある場所を探すことにした。

公園。スーパー。コンビニ。ゲーセン。カラオケ。アズのよく泊まる女友達の家。

そして、学校。

着信がきた。母さんからだ。

「加奈子ちゃんが行きそうな所を周って今加奈子ちゃんママに合流したんだけれど、カズはどう?」

「色々行ったけれどいなかった」

「そんな…」

「今から学校に行…」

「どうしたの?カズ!」

スマホを取り落とした。

通話をしながら学校へ向かっていたのだが、校門の所に来たところで衝撃的な光景を目のあたりにした。

今は朝早い時間だから校門は施錠されていたのだが、その奥。校舎に沿ってある生垣の上でアズが倒れていた。

「アズ!!」

門をよじ登って敷地内に入り駆け寄った。

「おい、アズ!しっかりしろ!」

反応が無い。

しかしアズの身体に外傷は無く、呼吸も正常のようだ。

アズは生垣に咲いている一輪の花を握りしめていた。

倒れているアズを見て最初に連想したのは屋上からの投身自殺だったから、その可能性が消えたことでひとまず安心した。

落としてしまったスマホを校門の外まで拾いに行った。

落として画面はヒビが入っていたが、未だに通話中になっていた。

「母さん、聞こえる?」

「どうしたの!何があったの?」

「アズが学校の敷地で倒れてたんだ!」

「加奈子ちゃんがいたの!?」

「すぐ学校に来て!」

そういえば今日、あの映画の公開日でしたね。

僕は一応受験生なんですが、それでも観てみたいとは思っています。

なんというか、画が綺麗だし、挿入歌とか口ずさんでしまいますよね。

今回の話は、実は瀕死の状態で見つかる予定でしたが、僕の作る話は血が流れるのが多いと思い変更しました。

残り4話!

飽きずに読んでもらえると嬉しいです。

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