8話 三人の出会い
少しずつ読んでくれる人が、増えてるので嬉しいです。
質問とか疑問が、有れば言ってください。
それでは、今話もよろしくお願いします。
....日の光で、目を覚まし辺りを見回す。
自分の部屋だと、確認し立ち上がるが。
体の節々が痛い、床で寝てたらこうなるか?。
「うぁー痛すぎる...、夢じゃないな」
机の上に有る、元々の色が変化した、黒の日記。
その隣に、黒く歪んだ指輪があった。
モルータ様?、指輪は聞いてないですが?。
触って....も、平気だよね。
ーーーツンツンーーー
大丈夫みたいだな、日にかざして見たけど?。
とにかく黒いな、歪んでるけど指に嵌められるのか?。
左手の人差し指に、近づけて....。
ピカッて一瞬だけ光って、指に嵌まった。
てか、サイズがピッタリだ!。
今の光はサイズ調整の為?、魔装飾品なのか?。
じゃこれも父さんのか?、....そうだ!。
父さんだよ!、送ってくれるって言ってたけだ、本当なのか?。
疑う訳じゃないけどさ...、袋収納は何処だ。
えっーと?、何処に置いたかな?。
ベットの下...無い、毛布の中にも無い。
タンス、洗面所、スキマ、何処を探しても無い。
アレ?、何処にやった?!。
朝から部屋中探した、何時間も見つからず。
....ふと思い出したよ、見つからないように、隠してた事。
確かこの壁の~?、ここだ魔柔石で隠した場所。
魔力を流してと、おっ出てきたよ袋収納。
大変お騒がせしました、無事に発見です。
さて気を取り直して、袋収納で父さんを探すが。
.....無い、本当に無いな?。
全部出したけど、その中に父さんはいない。
モルータ様は、本当に送ってくれたのか。
モルータ教が有れば、入ってるレベルだよ?。
ある程度の確認も、終わって。
残りの血をどうするかを、考えないとな?。
黒の日記を読み、他に変わってないかを、確認しつつ。
今後の目標を考えていた、王族の血は直ぐに手に入るが...。
下手をしたら、俺の身が危ない。
忌神子姫も、この城の何処で監禁か隔離されてる。
手はひたすらページを捲り、最後の方に手紙があった?。
丁寧に蝋印されてる、手紙を開き中を確認する。
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これを読んでるって事は、爺さんに会ったんだな。俺の血を得た物を、強制的に日記の中に、連れていく為の魔法がかかってる
。そこで爺さん...死と生を司る神モルータに会えた筈だ。この手紙は爺さんに会った後に、出現する仕組みだ。
死んだ俺には、何も出来ないが。一つの魔装飾品を用意した。その指輪は相手に、強制的に催眠状態にし傀儡とする。魔法や耐性は、無効にするから安心して良い。何だって"幻惑級"だぜ?。
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はい、少し待て。
この指輪は幻惑級なのか?、それはまた凄いな。
物には等級があって、コレが物の価値を、決める物だったよな。
等級は全部で6つ有る、6つの中から幻惑級は、上から2番目だ。
神級、幻惑級、聖級、希少級、普級、屑級。
どうやって、それを知るには、専用の機械を使うらしい。
陸の持ってる、聖剣は聖級になる。
父さんが持っていた、片手剣は普級になる。
屑級は、魔力が無く使えない物を指す。
基準が内包してる、魔力の量だな。
おっと手紙に、戻ろう。
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内包してる魔力が、半端ないぜ下手したら、一国の王にすらなれる代物だからな。確かめ名前が.....?、『催眠歪み』こんな感じだった気がする。
使い方は簡単だ、使用する相手に指輪を向けて、魔力を流せばそれで終わる。非常に脆いから、扱いには気を付けろよ。
残りの血を集めるなら、俺が作った組織の"スレイヤー"が、役に立つ筈だ、星形の看板を下げた店が目印だ、そこで俺の名前を出せ。後は向こうがやってくれる、伝える事は以上だ。
後この手紙は、読み終わった後.....燃えます
証拠隠滅です
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えっ?、燃える?。
ーーーボッーーー
物凄い勢いで手紙は燃え、数秒で灰と化した。
後に残された俺は、唖然となり燃え火を、残した灰を眺める。
って!、見てる場合じゃないよ!。
か、火事になるだろう、早く消さないと。
父さん絶対に、何かの影響だろ。
もし目の前にいたら、殴っていたよ...。
う~ん"催眠歪み"が、使えるか試す必要があるよな?。
適当に誰かに使ってみよう、その後に星形の看板って多分、昨日行った『スターリック』の事だよな?。
違ったら、謝って逃げよう!。
よし今日の予定が、決まったな。
一つ:指輪の効力を試す。
二つ:スターリックに行く
三つ:一が確認できたら、王に使う。
じゃさっそく、誰かに使いに行くか。
出掛けるために、服を着替え、顔を洗い、寝癖を治して。
必用な物を持って、部屋から出ていく。
..............
..........
......
部屋を出てから、メイド長のアテラさんに会った。
茶色な短髪で青の瞳、容姿は美人で出るとこは出てる。
数多くの男性からの、交際を断ってきた。
それが普通の断り方なら、問題がないだが...。
少なからず男性に、トラウマを持たせた経歴を持っている。
クラスの男子も数名は、トラウマを埋められている。
アテラさんに会うたびに、真っ青な顔して震えている。
ちょうど良いや、アテラさんに試してみるか。
確か結構強いって話だから、精神系の耐性を持ってる筈だ。
「おはようございます、アテラさん」
「おはようございます、勇者マサキ様」
「勇者は、止めてもらって良いですか?」
「いえ、そのような事は出来ません。サラ様を救ってくださった方に、出来る筈が有りません」
うん、やっぱり言った程度で、やめる筈がないな。
じゃさっそく使いますか、えーと指輪を相手に向けて魔力を流すだよな?。
『催眠歪み、』に魔力を流す、紫色の光が灯った。
一ヶ所に光が集まり、アテラさんに伸びていく。
額に当たって、そのまま内に吸い込まれるように、溶けていった。
これで良いんだよな?、ちゃんと掛かってるのか?。
アテラさんそんなに、変わってないぞ?。
キョトンと首を傾げてるし、いつも通りの感じがする。
.....催眠だから、何か言わないとダメかな?
「あの~アテラさん?、本当に勇者と呼ぶの止めて。三回、回って犬のマネ」
「.....」
アテラさんの目に、変化が来た。
両目に星みたいのが?、現れている。
それからその場で、三回、回って犬のマネを初めて。
「ワン!、ワンワン。わぉーーん」
お見事な犬のマネだ、再現度が半端ない。
....元に戻すのも、同じやり方で良いのか?。
試しにやってみるか。
「元の状態に戻り、仕事に復帰してください」
うん?、治らないな、さっきと同じやり方をした筈だか?。
....成る程!、命令形にしないと効かないのか。
命令系統、以外は判定されない使用か。
"催眠歪み"の使い方しか、書いてなかったしな。
使用注意とか、書いてないから分からないよ。
こんなアテラさんを、見られたら大変だから。
戻さないとな。
「元に戻り仕事に帰れ」
「それでは、勇者マサキ様。仕事も有りますので、失礼いたします」
軽く会釈して仕事に、戻っていたアテラさん。
前の命令はキャンセルされ、新しい命令を優先されるのか。
効果は実証されたな。
何かを命令系統に?、言ったら受理されたって事で、星が現れ。
その後に、行動に移す。
....思ってた以上に、ヤバイ代物だよ!。
幻惑級は伊達じゃないよ、王にすらなれるよ。
まぁ王になるつもりは、無いけどね....。
使えるって分かったから、さっさとスターリックに行くか。
そういえば、非常に脆いだよなコレ袋収納に、入れておくか。
使いたい時に、取り出せば良いもんな。
................
............
......
城門から出て、スターリックに向かう。
大通りには、物が溢れ人で活気に満ちている。
物の値段を値切ったり、商品を仕入れる商人。
外壁の外を出る、冒険者....。
初めて冒険者を見たな、軽鎧や重鎧を装備して。
武器は様々だ、短剣、片手剣、大剣、槌、槍、杖。
体格が良かったり、小柄な人、本当に様々な人達がいる。
案外、女性が多かったのには、ビックリした。
冒険者ギルドもデカいな、高さは三階建てだと思う。
....そんな正確までは、分からないよ。
何が悲しくって、冒険者になるだろう?。
死ぬのが怖くないのだろうか?。
まぁ俺には関係ないな、そんなこんなで着きましたよ?、
星の形をした看板、『スターリック』。
一回しか来てないけど、混んでるな。
主に女性客ばっかだけど、カウンターに美男のリック。
接客中のスタラ、本当にモテモテな二人だ。
スタラさんが、こっちに気づき近寄ってくる。
「いらしゃい、って昨日来てくれた...お客さんだよな?。また来てくれたのかい」
「今日は、食べに来た訳じゃないですよね」
ここで父さんの、名前を出せば通じるのだろうか?。
「そうなの?、冷やかしに来たなら、帰ってくれるかい」
「"古里初"って言えば通じますか?」
突然何を言われたのか、分からない顔をしてるが。
後ろからリックさんが、スタスタと此方に歩いてきた。
来る途中に、横を通りすぎた女性が、『キャー』ってピンク色の声援を出していた。
歩くだけで声を、出されるとか....。
どの世界もイケメンは、凄いなー。
「スタラ、すまないが今日は閉店するから。客にかけてくれるかい?」
「分かったよ、リックが言うなら従うよ」
お客の元に小走りで、行っては事情を説明し回ってた。
全部に声をかけて、こちらにOKのサイン出していた。
「着いてきて」
それだけを言って、店の奥に歩いていく。
通されたのは灯りの無い、真っ暗な部屋だった。
少し湿って感じする、それにちょうと悪臭がした。
つい最近、どこかで嗅いだ事のある臭い。
.......どこだったかな?。
「椅子に座って、少し待ってろ」
先程の優しい口調が、嘘のように荒々しい口調に変わってる。
此方が怪しいのか警戒を、全快に下手な事をしたら殺す、みたいな気がする?。
暖かい眼差しが、今じゃ冷たい。
何秒か凝視してから、部屋を出ていった。
「流石に、この悪臭漂う部屋で、待たされるのか、辛いな...」
部屋に何か無いのか、目で周囲を見回した。
隅から隅まで、やはり暗くって何も見えない。
...やっと目が暗闇に、慣れだし。
そこで隅の方で、横たわってる人みたいなのが見え始めた。
モゾモゾと蠢いていた。
椅子から立ち上がり、蠢いてる物体に近づく。
近づくたびに、悪臭は更に漂う。
耳に微かに聞こえる音。
「......っ.....っ」
「....そこに。誰かいるのか?」
声に反応したのか、絞り出すように声を出した。
「....助けて....くれ、ここには..いたくない」
「いったい、何があったんだ?」
「余は、バル・デオ・ヌウシュ」
バル・デオ・ヌウシュ、貴族だよな名前からして。
しかし悪臭の原因が、貴族か....。
股間からアレが、漏れだしてるし。
.......うん、正直近寄りたくない。
「えっと?、貴族でよろしいですか?」
「そうだよ、しかも伯爵だよ」
後ろから声がして、振り返ると。
壁に寄りかかった、リックさんがいた。
「いつの間に、いたんですか?」
「最初からだよ」
扉から出る振りをして、気配を消して。
部屋にいたらしい、何でそんな、めんどくさい事やってるの?。
悪臭漂う部屋に、居るんだったら。
臭いを、どうにかして欲しい。
「その伯爵バル・デオ・ヌウシュが、何でここに、いるですか?」
「自分の地位を、使っては人の命を奪った。償いをさせる所だよ、でも殺すつもりは無いよ」
何でもないように、言ってるけど!。
怖いよ、...充分に怖いですよ。
「具体的には、どうするですか?」
前々から考えていたのか、悩む素振りもなく。
顎に手を当てて、淡々と言ってくれた。
「財を与え、近隣の村に食糧を恵み。魔物や盗賊から守る、傭兵を雇う。簡単に言えば金を、ばら蒔く人形に洗脳するつもり」
都合の良い、人形にするって事だよね?。
この貴族も....、まぁ自業自得だね。
「ふざけるな、余が何故!。金を与えないといけない、奴等の金は余の物だ!」
凄い何処かで、聞いた事のあるセリフだ。
『俺の物は俺の、お前の物は俺の物だ』。
確かこんな感じだったな、どこのガキ大将だよ。
バル・デオ・ヌウシュ、長いから勝手に略してバルって呼ぼう。
で、バルの言葉で、リックがキレたのか?。
無言で腹を蹴ってる、何度も何度も。
怒りが収まったのか、バルの顔に唾を吐いた。
「すみませんね、お見苦しい所を見せてしまい」
本当に申し訳なさそうに、言うもんだから。
キレる前とキレた後の、差が激しい...。
だって吐血してるよ、コレって死ぬじゃないですかね?。
下手したら。
「い、いえ、もう大丈夫ですか?」
「はい、大分スッキリしました。そろそろ本題に行きますか?」
なんて艶々した表情してるのか、最初に見た笑顔をよりも素敵な笑顔をしてるよ。
「そうですね、ここに来た....」
「大丈夫ですよ、理由なら知ってますから。ただ一つだけ聞きたい事が、あるので答えて貰えますか?」
最後まで言う前に、声を被せてきて。
こちらに質問してきた、真剣な眼差しで答えろと言ってるかのように。
「はい、私で答えられるのなら?」
「ハジメ様と、貴方の関係は何なんですか?」
少し間を空けてから、重々しく口を開いた。
嘘や誤魔化しは、効かないと悟ったのか。
本当の事を言った。
「家族です」
たった一言、だがその一言に想いが詰まってる。
リックさんは、それを聞いてから、少し驚きながら同時に冷静になった。
鋭い目付きで睨み、問い返してきた。
「それは、本当ですか?」
「ここで、嘘を言うつもりはない。父さんが作った組織を、疑う必要が何処にもない」
真樹の言葉に、納得したのか目に涙が溜まっていた。
「改めて貴方の名前を、聞いても宜しいですか?」
「父さ...古里初の息子、古里真樹です」
名を聞いたのか、方膝を床につけて。
頭をたらし、跪ついた。
「我等が主様の最後の、命令で我等スレイヤーは。本日もってマサキ様に、仕えさせて頂きます」
いや、急すぎね?。
父さんが作った組織だけどさ、スレイヤーの事なんて何も知らないよ。
そんなでボスが、変わったら下の者に示しつかないだろう?。
「いやいや、ボスにはならないよ!。父さんがスレイヤーに、行けば力になるからって、書いてたから来ただけだから!」
本当だよ?、スレイヤーのボスになるなんて聞いてないよ?!。
そもそも俺に、組織運営なんて出来ないし!。
「我等の気持ちは、変わりません。我等がの主は、マサキ様です。我等を手足と思ってくだされば、良いのです」
頑なだな、何がなんでも主になるのは嫌です。
さっきから黙ってたけど、いつまで跪く?
「それよりも、部屋変えませんか?。臭すぎて辛いです」
「た、大変失礼しました。直ぐに違う部屋にご案内します」
前の態度が、良かったな。
今凄くやりづらい、部下と社長のやり取りを感じる?。
って、言ってもドラマとかで、見ただけだからな~。
実際はもっと違うよ、俺の偏見ですよ。
「あっ、その前にリックさん。この人はどうするですか?」
今まで、忘れてた貴族のバル。
しかも、死にかけのおまけ付きだぞ。
「あぁ~とりあえず、洗脳が出来る呪術師が来るまで放置ですね?」
「このまま、放置したら死にますよ?。それに呪術師が、来る必要はないと思いますよ?」
袋収納に入ってる、『催眠歪み』で催眠?、洗脳?、出来るはず。
アテラさんの時に出来なかった、事もやりたいし。
ちょうど良い、人がいるもんな~。
「それは、どうゆうことでしょうか?」
「その前に、この人の傷を治してもらって良いですか?」
「わ、分かりました」
渋々とバルに、癒魔法の〈キュア〉をかける。
みるみると傷が塞がり、意識を取り戻していた。
目覚めるなり、喚き叫びだした。
「死にたくなかったら、黙れ。マサキ様これで、良かったんですか?」
「ありがとう、リックさん。今から催眠かけるから...」
袋収納から、"催眠歪み"を取り出し。
左手の人差し指に着けた、バルの顔に向けて。
指輪に魔力を流す、先程と同じで紫色の光が集まりだした。
一ヶ所に集まった紫の光は、バルの額に当たり吸い込まれた。
「それは!、ハジメ様が持ってた"ヒプノデスェト"」
「バルに命じる、自らの財を近隣の村に与え。魔物や盗賊から村人を守れ、"お前の主はリック"だ」
命令が受理され、両目に星が宿った。
「了解しました、御主人様」
「うん、ちゃんと効いてるね。コレからは、リックの言う事聞いてくださいね?」
「はい、承知しました。よろしくお願いします、リック様」
一体何が、見たいな顔をしてるリックさん。
突然の事で困惑して、狼狽えている。
リックさんと傀儡のやり取りを、繰り広げていた。
『リック様~』『ちょ、止めてください!』。
傀儡が、リックさんの靴を舐め回していた。
...今回の使用で、知りたかったのが『催眠歪み』で、二番目の主人を設定出来るのか?。
成功みたいだな、命令で設定が出来る!。
それに二番目が、ちゃんと機能してる。
「そこまでだ、バル。椅子に座って、大人しく待ってろ」
「承知しました」
素直に聞いて、椅子に座った。
口を閉じて、大人しくしてる。
靴を舐められていた、リックさんは肩で息をして。
呼吸を落ち着かせて、此方に物凄い勢いで近づく。
「マサキ様、一体どうゆう事ですか?」
「とりあえず、部屋を変えてから。そこで説明するから...」
すぐ隣の、部屋に移動した。
日の光が窓から入った、先程と違い暖かい部屋だった。
傀儡に、"催眠歪み"を使った。
実験を説明した、リックさんは成る程と納得していた。
「って、事なんですよ。それにリックさん、コレ知っていたんですね?」
「え、えぇ~。昔ハジメ様が、使っていたのを見てました。しかし"催眠歪み"を、そんな風に使ってるのは初めて見ました」
「そうなのか?、父さんなら多分気づいてた筈だからな?」
俺が気づけるなら、父さんも直ぐに、気づいてた筈だよな?。
それに、まだやりたい実験があるだよな~。
「マサキ様は、この先どうするのですか?」
「唐突に何ですか?、やる事は決まってますが...」
王にも使って、色々聞き出すに決まってるじゃ?。
その後は...まだ保留で。
あっ、そうだ、コイツらにも手伝って貰おうかな?。
「リックさん、1つだけお願いが有るですけど?」
「何なりとマサキ様、我等は貴方の手足ですので。必ずや全うしてみます!」
そんな気合い入れられても、まだボスになったつもりは無いですよ。
...勝手にボスにするのは、止めてくださいね。
「三日後にーーーーーーーー」
「しかし!、それでは。多くの人が、巻き込まれます」
「だから、コレを使うだよ」
そう言って"催眠歪み"を見せて、訳を話した。
真意を理解したのか、安心したのか口端をつり上げて、笑って承諾してくれた。
それから、各方面のスレイヤー達に指示をだし。
速やかに行動に移していた。
やはりリックさんは、凄いな...。
俺なんかよりボスに、向いてるでしょう。
指示は的確で、部下達に信頼されてるし。
それに良いなアレ、赤い色した金属の板。
それに向かって、指示だしてるだもんなリックさん。
「リックさん、それって連絡用見たいな、感じですか?」
「分かりますか、遠い場所と連絡できる。"遠隔通信機ケイタイ"、ハジメ様が作った物で。確か同じ物と連絡が出来るって、言ってました。スレイヤーしか持ってない代物で、希少級なんですよ」
やはり携帯なのか、形的にも二つ折りの奴だし。
コレならまだ有りそうだな、父さん達が残した遺物が。
「携帯がまだあるのなら、1つ貰えませんか?」
「えぇ良いですよ、帰る際にお渡しますね」
「よろしくお願いします、リックさん」
「マサキ様は、この後どうするのですか?。もう昼ですし一緒に、食事などいかがですか?」
そういえば、朝から何も食ってなかったし。
思い出したら、お腹空いてきたな...。
リックさんの料理を、食べれるとか最高すぎるでしょう!。
「是非!、ご一緒させてください!」
「準備しますので、店の方行ってて貰えますか?」
「了解です♪」
言われた通りに、店の方に向かい。
店内を掃除をしていた、スタラさんがいた。
一所懸命に床やテーブルを、綺麗にして額に、うっすらと汗をかいていた。
スタラさんの目と合い、手を止めて此方に向く。
「話は終わったのかい?」
「はい、終わりました」
「そう」
素っ気なく返事をし、テーブルと椅子の準備を始めた。
丸い木のテーブルに、それを囲むように、3つの椅子を並びだした。
準備が終わったのか、椅子を1つ引いて。
手で示し、座るように促す。
引いた椅子に座り、横にスタラさんが座る。
近くで見ると汗が滴り、少し甘い匂いが漂う。
それもど大きくない胸、だけど小さい訳じゃない。
美少女妻、日本なら憧れる存在だろうな。
「何で勇者が、ここに来たんだ」
怒気が含まれてる声で、耳元に言われた。
スタラさんの方を見ると、笑ってるが視線が冷たく、突き刺すように見つめる。
「勇者って、知ってたんですね...。それで私を、どうするですか?、殺しますか?」
「いや、殺さないよ。ただハジメを、殺した勇者が憎い。見つけ出して殺してやる」
父さんを殺したのが、勇者だと知ってるのか。
それほど憎いらしく、手を握りすぎて、爪が食い込んで血が出てる。
「スタラさんと、初はどういった関係何ですか?」
「命の恩人よ...、昔死にかけてた所を助けて貰ったのよ」
悲しげな表情をする、もう会えないだと知って。
目を涙で濡らし、袖で涙を拭って向き直る。
「でも、分かってるの、城を襲った者がどうなるのか。それでも、信じられなくって....。ハジメは強いだよ、国相手に挑んで勝つんだから!」
父さんは幸福者だな、色んな人達に好かれて。
母さん、モルータ様、リック、スタラ、こんなに父さんを想ってくれてる。
スタラさんには、本当の事を言わないと。
それが俺の出来ることだから、殺されても文句は言えない。
「ハジメを殺した、勇者は....俺です」
一瞬何を言われたのが、分からない顔をしたが。
直ぐに我に返り、目を目一杯開き怒りを顕にした。
「お前が...お前がハジメを、殺したのか!。何で何で、殺したんだ。ハジメが死ぬくらいなら、お前が死ねば良かったのに、返してよ。ハジメを返して、うわぁぁぁぁぁぁぁ」
怒りが爆発して、言いたい事を言って、途中から泣き出した。
気持ちは痛いほど分かるよ、だから殺される覚悟は出来てるよ。
「覚悟は出来てるよ....、殺したのは事実だから。許せないのなら、.....手にしなよ」
腰に着いてる袋収納から、父さんの片手剣を取り出し、スタラさんに差し出す。
顔を上げて手を前に出し、柄を握ろうとするが、手を止めて躊躇った。
「どうしたの?、俺が憎いだろ?。なら握ってここに刺しなよ」
心臓の場所に、指で指す示す。
自分の中で葛藤してる、スタラさん汗がだらだらと流れてる。
暫くその状態が、続いたが。
スタラさんは、手を引っ込めた。
真っ直ぐ此方に向き、口を開いた。
「...ここで、お前を殺しても、私が救われない。スレイヤーはいつ殺されても、可笑しくないし。それでもハジメを、殺した貴方には生き続けて貰う。だからハジメの意思は、私が引き継ぐ」
自分の中の答えを、見つけたのか先程と違う雰囲気をしてる。
顔付きも良くなり、清々しい程スッキリしてる。
「リックさん、いるのは分かってますよ」
「バレてましたか、すみませんねマサキ様」
さっきから奥の方で、覗き見てるし。
スタラさんが剣を持って、殺しに来たら即座に殺す準備してやがったし。
危険すぎるでしょう、何ですか?見たいな顔しやがって~。
「悪趣味な野郎だ」
「そんな事、言われたら作る気力が、なくなってきたな~。はぁ~これじゃなぁ~」
料理を人質にしやがった、何て極悪人なんだ!。
「すみませんせんでした!」
「それで、良し。じゃ今から作るから、座って待っててよ」
厨房に入り、料理の準備を始める。
食材を切り肉を炒めてる、酒を香り付けに入れ。
ボッと勢いよく炎が上がる、作る所を見られるのは、意外と楽しいな。
店の中に美味しい匂いが漂い、更に腹を空かせていく。
チラチラと外を歩く人達も、立ち止まりガラス越し見てくる。
出来上がった料理を、皿に盛り付け。
テーブルに並べていく、どれも美味しいそうだ。
「酒は飲めるのかい?」
リックさんは、酒を手に持って見せてくる。
「何歳から酒って、飲めるの?」
「15才から飲めるよ、その歳ぐらいは大人として扱われるよ」
「じゃ頂くよ、出来れば甘いので...」
「了解♪」
一緒に酒を、飲めるのが嬉しいみたい。
鼻歌しながら、酒を選んでる。
「お待たせ、じゃ食べようか」
選んだ酒を、グラスに注いでいく。
赤紫に見えるワイン?、果実酒で甘い匂いがする。
「マサキ様、挨拶をお願いしますね。新たなスレイヤーの長に、なるですから挨拶は大事ですよ?」
「えっ?、頂きますじゃダメなの?。そもそもボスには、ならないよ!」
「ボスになるでしょう?、ならパッと言いなさいよ。料理が冷めるから、速く」
スタラさんまで!、ただの食事じゃないの?
勝手にボスに、するとか可笑しいでしょう?。
そんな期待する目で見るな。
「はぁ~分かりました、挨拶すれば良いですね。...えっ~本日は大変天気に恵まれ、今日が.....」
「ちょうと、待ちなさいよ。もっと簡潔に出来ないの?」
「流石に長いですよ、マサキ様?」
お前らな、やらせておいて何なんだ!?。
「もっと短くすれば、良いですね。...三人の出会いに乾杯!」
「「乾杯!!」」
グラスを軽くぶつけ、食事を始める。
焦げ目がついたパン、特製ソースのサラダ、ステーキ、コーンスープ。
コレがまた旨いだよな、普通のパンなのに、柔らかくほんのり甘い。
ソースのかかったサラダも、ソースが絶妙で野菜本来の味を引き立てる。
ステーキも、ナイフを入れるとスッ~と切れる。口に入れれば、肉汁が溢れてくる。
コーンスープも、程よい甘味で内から暖まる。
「旨いな」
「リックの料理は、世界一よ」
「褒めても、デザートしか出てきませんよ?」
褒めてデザートが、来るなら褒め倒すぞ。
「そういえば、二人の名前って偽名なんだっけ?」
「「ぁ~」」
「...まぁたいした理由は、無いよ」
「そうね、簡単に言えば。スレイヤーに入ると、前の名を捨てるのよ。それで新しい名を頂くのよ」
「ゴメン、意味が分からない?」
リックさんが、変わりに説明してくれた。
スレイヤーに入ると、自分の家族や知人が襲われたり、しないようにする為に。
前の名前を捨てるだと、新しい名を幹部の人達から頂くらしい。
因みにリックさんと、スタラさんは幹部だと言われた。
裏切りとかを防ぐ為に、前の名前は魔装飾品で人質にしてる。
「それって、結構危険なんじゃ...?」
「大丈夫だよ、抜ける時は記憶を消して、名を戻してあげるよ」
「それに、私達は自分達の意思で入ってるから」
裏切りは、絶対にないと?。
そう言う事ですよね、普通に感心しますね。
「父さんは、凄いな~。リックさんや、スタラさんにこんなに、慕われてるから...」
「...父さん?、何でハジメを父さんって言うの?」
「スタラ聞いてないのか?、マサキ様はハジメ様の、ご子息だよ?」
「そんなの聞いてないよ!、どうゆう事よ!」
スタラさんは驚愕して、詰め寄ってくる。
俺と父さんの関係を、知って詳しく知ろうとしてきた。
リックさんは、果実酒を飲みながら、様子見してる。
「とりあえず落ち着いてよ、リックさん、スタラさんにはお話ししますから」
「分かったは、聞かせて頂戴...」
「よろしいのですか、マサキ様?。お話し辛いのでは?」
先程の会話を、思い出したのか聞いてきた。
「あぁ、大丈夫だよ二人には、聞いてほしいから...」
それから話した、初めて父さんと会った日や。
その手で殺してしまった事、血の事などを話した。
神モルータ様の話しはしてない。
話し終わった時、二人は黙って聞いててくれた。
スタラさんは、驚愕して悲しみの、表情をした顔を手で覆って俯いた。
リックさんは、表情に変化は無かったが、拳を作り震えていた。
「...話しは以上です、これが父さんと俺の繋がりです」
「マサキ様も、お辛かったでしょう...」
「うぅ~~スッん、さっきあんな事言って、ごめんなさい~ー」
俯いたまま、涙を流していた。
拳をより強く握っていた、グイっと果実酒を飲み干ししている。
自分が言った事を、思い出して泣き出したスタラさん。
涙や鼻水とかを垂れ流し、謝ってきた。
「今はもう、大丈夫ですよ。父さんを想ってくれる、人がいるだけ幸せですから...」
「「.....」」
パンと手を叩き、場の雰囲気を変える。
「...そろそろデザートを、食べますか?」
二人も頷き、スタラさんは冷蔵庫からホールケーキを持ってきてリックさんに渡す。
渡されたホールケーキを、素早く三等分にカットする。
白い皿に盛り付け、並べていく。
「これはまた.....、凄いですね!」
目を輝かせながら、カットされたケーキを眺める。
クリームや生地が崩れてない、綺麗な断面が見える。
間に入った果実が、コレまた旨そうだ。
「頑張って作りましたからね」
素っ気なく言うが、口元がニヤついてる。
それを見たスタラさんが、側までよってきた。
「リックの奴、褒められて内申喜んでるだよ...」
「見てて、分かりますね」
「だろぅー~」
「二人して内証話ですか?」
「「違う(います、かな)」」
ジッーと見ては、直ぐに元に戻っていた。
ケーキを食べながら、時間は過ぎていく。
色んな話しをして、ビックリしたのが、二人は夫婦じゃなかった事だった。
「....本当に二人は、夫婦じゃないですか?」
もう一度確認に為に、二人を見据えて問うった。
「違うよ、組織上の都合で夫婦を、演じてるだけだよ」
「そうね夫婦の方が、色々都合が良すぎるもんね...」
もう...やだこの人達、私の純情返して.....。
.............
.........
.....
「それじゃ帰る前に、忌神子姫について何か無いですか?」
「...えっと、血の資格で必要なんだよね?」
頷いて言葉を繋いだ。
「そうです、どうしても血は必要です」
「ここ50年で、忌神子姫は聞いてなですね...」
申し訳なそうに、話すリックさん。
スタラさんも同様で、忌神子姫の話しは聞いてないみたい。
でもモルータ様、"いる"って言ってたから産まれてる筈なんだよな?。
「それじゃ城について、何かないですか?」
また二人は頭に手を当てて、考え出す....。
速くもスタラさんは、『ゴメン、何もないや』言っていた。
何か思い出したのか、ハッと顔を上げてまた下げる。
「いや....しかし、もし...そうだとしたら...」
「何か、思い出したんですか?」
「推測になるけど、5年前城に産まれた王女がいたけど。一年ぐらい経って、突然の病で亡くなってしまったんだ。もし生きてるとしたら...、忌神子姫の可能性が高い...」
その話しは信憑性は、高いはず?。
モルータ様が言ってたのは、この事だよな。
でも、見ずらいって言ってた筈だから、何かしらで遮断されてる可能性があるな。
「見つけ次第殺すのが、基本なんですよね?」
「その筈だよ、殺さないと多くの命が、亡くなるからね」
「生かしておいて、損得はありますか?」
「いや、無いよ。知性がない獣と同じだから、手当たり次第に殺して喰らうから損になるだろ....。もし得となるなら、魔族の地に放つのが良いじゃないかな?」
制御できない化物だから、敵の地で殺させる。
良いと思うけど、運ぶまでの味方の被害がでかくね?。
たった忌神子姫一人が、幾つもの街とか滅ぼすのに国の兵だけでは無理だろ。
躾れば...。
「忌神子姫は躾とか調教で、何とかなりますか?」
「無理だよ、忌神子姫には幻覚や洗脳は効かないだ」
耐性が有るって事か、それじゃ効かないわけだね。
じゃ実質的、損だよな国が忌神子姫を匿ってる、何て知られたら他国や隣国が黙ってないはず。
「....あのさ、もしかしたらさ」
おもむろに手を上げた、スタラさん。
「自分の娘だから、殺せなかったじゃ...ないかな?」
他の国から襲われるかも知れないのに、一国の王がそんな危険な事するはずないじゃ。
国の重鎮が、見過ごす筈がないよな?。
リックさんも呆れてるけど、急にまた難しい顔して考え出した。
自分がバカな事を、言ったと思ったスタラさんは。
グラスに入ってた、果実酒を一気に飲み干して気を落ち着かせていた。
「スタラさん、訳を聞いても良いですか?」
「そんな深い訳が、ある訳じゃないの。ただ親が子を殺せないじゃないかな~って、思っただけだから」
「スタラさんらしい、考えで良いと思うよ?」
「そうかな!?」
嬉しそうに笑顔を見せる、スタラさん。
「リックさん?」
「は、はいマサキ様?」
「何か考え事してましたけど?、大丈夫ですか?」
「大丈夫です、スタラが言った事を考えていただけなので。....もし娘が殺せない訳があるなら、それは何かなと...?」
やっぱりリックさんが、ボスになるべきだよな~。
思量深く、部下に慕われてるし。
うん、ボスはリックさんだな。
「リックさんが、スレイヤーボスになってください。見てて分かりました、ボスに相応しいのがリックさんだと」
「冗談は止めてください、私がボスなんて無理ですよ...」
苦笑しながら言ってたが、真樹の顔をあまりにも真剣だった。
マサキ様は本気なのですね、私をボスとして相応しいと。
本気で行ってるのですか、なら此方もそれに答えないと。
「本気で私がなれるのですか?」
「なれる、リックさんなら父さんが作った組織を任せられる」
真剣な表情...ハジメ様と、同じですね。
「分かりました、不祥ながら。マサキ様に変わりボスをやらせて貰います」
「おめでとう、リック...」
「ありがとうスタラ、それにマサキ様。ありがとうございます」
「やっぱり相応しい人が、やるのが良いよな」
スレイヤーのボスが、リックさんに決まった。
この人なら間違った事はしない、それだけ器量がデカい。
「もう帰りますね、それでは三日後お願いしますね」
「分かりました、指定の場所に用意させて頂きます。それと此方が"遠隔通信機ケイタイ"です」
二つ折りの金属の板を、袋収納に収納した。
二人には見送られながら、朝歩いてきた大通りを歩いてく。
「これからよろしくね、ボス♪」
「さてスタラ、初仕事だから頑張りますよ」
「了解です、因みに仕事の内容は?」
「三日後の楽しみにしなさい、国を揺るがす事件が起きますから....」
店の中に戻ってく二人、その場に吹く風と音だけが残る。