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人生初の異世界で~俺だけ何も貰えなかった~  作者: 氷鬼
二章 北の大陸 ハースト
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53話 新種討伐①


冒険者ギルド一階奥の部屋、そこに今回の危機的事態を知らされ六人が集まっていた。


一つの大きい机を囲むようにし、ルー森全体の地図を広げ話し合っていた。

冒険者ギルドに新種ゴブリンを持ち込み情報を伝えに来たハリアとローズリア、新種と聞き当ギルドマスターと副ギルドマスターは話を聞いた。

その後に陸と忍が冒険者ギルドに帰還し、直ぐ様奥の部屋えと案内された。


「初めましてだな。ルージュ冒険者ギルドのギルドマスター、タチェックと、副ギルドマスターのナッテイック・ヤロだ一応は血の繋がった兄弟な。...早速だが話を聞かせてくれ?」


そう、簡易的に自己紹介してギルマスと副ギルマスが兄弟だと言う。

確かに一見して視ても、似ていないなと思う二人。

ギルドマスターである兄タチェックの方は、短髪の栗色をし強面で何より額から頬まで伸びる傷痕が主張していた。

だからなのか、ギルドの長として恥じない服装を着てる筈なのに、それこそ何処かしらのヤクザを彷彿させる。


そんな兄に対して弟のナッテイックは、同じ髪色で爽やかな短髪に、整った顔立ちは優男としての印象が強く。

服装も青色のシャツにピタッとした黒のズボン、これだけで兄のタチェックに兄弟と言われなけば、気付けないでスルーっといった感じで後々知って驚く展開だったが。


ルー森での出来事も有り、驚くことに時間を割いてる時間は無かった。

なので、陸と忍はルー森での出来事を順々に話していく。

新種ゴブリンの住みかの大きさ、武器の扱った戦闘技術と言っても弓だがそれらを説明する。

だが、一番重要な雌型のゴブリン雌がいる時点でも可笑しいのに、その未知が起こした行動。

それについてと、2名の冒険者に起こった末路も聞かせた。


僕達が見て聞いた事を、この場にいる皆に聞かせた。

皆一応に驚嘆はしていたが、冒険者ギルドのギルドマスタータチェックと弟のナッテイックは何処か納得した表情を浮かべた。


「成る程な....。雌のゴブリンと聞いただけでも驚きなのに、人の体からゴブリンが這い出るか...成る程な...ナッテイック皆にも見せてやれ」


タチェックの中で何かが線として繋がり一人でに納得しては、ナッテイックにある紙を四人に見せるよう手配する。


「....今、お手元に配りましたのは。此方に横たわってる新種ゴブリンの鑑定結果と、ここ最近行方不明になった人達の詳細です」


兄の言葉に一つ頷きで二枚の紙を四人に配り、珍しいスキル『鑑定』を新種ゴブリンに行使し、調べついた事とズラっと行方不明になってる人の名前が書かれた詳細表だった。


「鑑定結果を御覧になられ困惑してるのは分かりますが、誠遺憾ですが、このゴブリンは新種では無く人だった成れの果てです....」


僕、忍、ハリア、リアの四名は、渡された一枚目のゴブリン鑑定結果を見て絶句した。

正直なんて言葉を出せば良いのかすら分からない、けど、この鑑定結果は自分の中では何処か納得していたのかも知れない。

雌型ゴブリンがした行動、キス、口付け、接吻そのどれにも呼べないが言うとなれば"繁殖"だろうか。

唇を合わせた相手に、何を起こしてるかは梅雨も知らないが。

された相手の体内で、ゴブリンでは無く、それの形に似た何かを生成していたのだ。

だから、鑑定結果には人名が書かれナッテイックが言う「人の成の果て」だと。


==================

ダリアン 57才

level 3

種族 人族

職業 農夫

HP1000

MP200

攻撃力 20

防御力 20

知性 20

敏捷性 20

器用 20

天恵


称号


スキル


==================


そして鑑定結果と一緒に、ハリアによって首の骨を折られ死んだ新種だと思われたゴブリンを見た。


「通りで弱かった訳か、生前と比べればステータスは低い.....いや分配されているのかも知れないな」


紙をテーブルの上に投げ、そうハリアが言う。


確かにあの場見た2名の冒険者からは、五体ずつ小さな白斑ゴブリンが産まれた。

それが生前のステータスを均等に分配されたかはハッキリしないが、その可能性も無くはないだろう。


「ハリアさんの考えも一理は有るかも知れませんが、何分この1体ではそう判断が出来ませんね....。そう言えば、リクさんはもう1体持っているんでしたよね?」


ナッテイックの言わんとする事は分かったが、生憎と言って此処では出す事は出来ない。


「えぇ、持っていますが。此処じゃ出せないので、何処か場所は有りますか?」


「そうゆうことでしたら、倉庫に行きましょう。そこでしたら血は気にしませんので」


陸が何を気にしてるのか察したナッテイックは、ドアを開け倉庫まで案内させる。

陸とナッテイックが部屋から出て戻ってくるまで、残った四人は話を進める。


「すまんが堅苦しい口調は勘弁してくれな、シノブ奴等の住みかは西じゃなく南のどこら辺だ?」


体裁など気にせず忍に声を掛け、ルー森の地図を忍の前に出す。


「あぁ、正確には分からんが確か....この辺だった筈だ?」


地図の南側で正確な位置までは忍も分かってないが、自分の記憶の中で陸と見た最後の地図と場所から割り出した。


「この辺りって事だな、しかし、ゴブ...じゃねぇだよな、元は人か...。何て呼ぶにしても、対策は早急にしないとな、はぁー厄介な相手だ」


タチェックは憂鬱でありながら、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

それは、これから事が終わるまで寝る事も休む事も出来ない事を意味していた。

だが、それは、まだ良い方だと言える。

これから成す事は、元が人だった者を駆逐する事になる。

二枚目の紙には行方不明者の帯びたしい数の犠牲者達、もうしかしたら無事の可能性も有る。

が、それは幻想に過ぎない。

紙の上側には『ルー森に向かった人達』と書かれている、それはつまり自分の弟が詳細に調べ尽くした上ので行方不明者。

帰らないくなった者達、その中には先日冒険者に登録した三名の若者の名前もあった。


「あの~?、早急にと言いますが?。それは何時に動き出すのですか?、時間を掛ければまた次の犠牲者が出るのでは?」


事の重大差を理解してる為にローズリアは聞く、勿論その事はこの場に居る者達に取っては周知している。


「何時と言われれば。より詳しい情報を集め次第、緊急クエストとして発令する為に、詳しい日時等は今夜としか言えない.....」


ギルドマスターとして、此方側の犠牲者は少ないように配慮しなければならない。

敵は未知数、難度も未定だがBより上は確実であり、何より報酬を決めなければならい。

それらを決めないで行動を起こせば、彼ら冒険者はペナルティが発生しようが参加はしない。


だからこそ、タチェックは慎重に事を見極める為に情報を集めなければならない。


「今夜と言う事は?、夜襲を仕掛けるって事ですよね?。それならーーーーーはどうでしょうか?」


忍、タチェック、ハリアはローズリアの言葉に耳を疑った。

彼女はそこで一旦言葉を切っては、忍が指した場所に自身の細い指でどの様にするのか説明していく。


それからの、タチェックの行動は速かった。

...........


........


....


時刻は鐘の音が七つ鳴り19時と成り、ニルギヤとの会食は無くなった。

それは、ローズリアとハリアが事情を説明する前に既に理由を知っていたニルギヤ本人から「無し」と告げられた。


それに孤児院には、串焼き屋のオっちゃんから買った40本の串焼きと金貨が入った麻袋を渡してきた。

串焼きは子供達も喜んでくれたが、金貨が沢山入った大金は突き返されそうになったが。

そこは僕と忍の話と説得で強引に渡して、早々に引き上げて冒険者ギルドに戻ってきた。


中に入れば異様な空気と静けさが満ちていた、理由は単純明解であった。


僕とナッテイックが部屋に戻ってきてから、一時間の話し合いで緊急クエストとして発令すると決まった。

それも先に、罠や隠密に長ける職業盗賊の冒険者達に、ルー森での情報を集めさせてギルドマスタータチェック自ら全冒険者に発表した。


最初は脅威がゴブリンだと聴かされ笑った冒険者達だったが、ゴブリンが元は人だった聴かせれた冗談だとまた笑った。

タチェックもそれが分かっていたのか、荷台に乗せた2体のゴブリンを載せ鑑定結果を見せた。


ナッテイックが鑑定結果とルー森での現状、持ち帰った盗賊冒険者の情報、元は人のゴブリン、雌型ゴブリンを説明した。

兄タチェックよりも、信頼されてるのかナッテイックの話を疑う者は居なかった。

それについてはタチェックと冒険者達と一悶着が、あったとかなかったとか.....。


なので冒険者ギルドの中は、冒険者達が仲間同士しで自分達の立ち位置と作戦を頭に入れていた。


次の鐘の音が鳴るまでの時間を、目一杯使い準備を怠らない。

準備が終えた者から、ギルドを出てルー森に向かっていく。

そんな彼等の横を通り僕と忍は奥の部屋に行き、タチェックとナッテイックに会い自分達の準備が終わった事を告げた。


「そうか、危険な役割だが終わったら共に酒でも呑もう」


「未成年なので酒は遠慮しておきますよ、それに危険を承知で引き受けましたから」


「本当にすみませんね、リクさん、シノブさん。御二人に任せてしまい....」


「気にすんな、泣き虫が考えた作戦だ。それに俺達が適任なのは間違いないからな」


タチェックとナッテイックの申し訳なさそうな表情に、僕と忍は互いに笑い合い会話を終わらせ部屋を出た。


そのままの足通りで、街を出てルー森に向かった。

現にルー森には多くの冒険者がいて、夜襲までの時間を待機していた。

僕達は其処で待機はせず、ルー森に足を踏み入れようとして後ろから声を掛けられた。


「待ってください!」


「リアさん、どうしたんですか?」


走ってきたのかローズリアは息を切らしていた、その後ろにはハリアも居た。

息を整えたローズリアは顔を上げ、意を決した表情を浮かべた。


「やっぱり、お二人に任せて自分だけ安全な場所にはいたくありません。なので着いていきます!」


「バカ言ってんな、泣き虫が来た所で何も出来ないだろ?。それに泣き虫が立てた作戦は、俺には考えもしないスゲーだからよう自信持ちな」


呆れながら忍は本音を語る、戦う力がないローズリアを連れて行っても足手まといだと。

だが、今回立てたローズリアの作戦は正直に凄いと頬をポリポリと掻きながら言う。


「....でも!、私は....着いて行きたいです!」


忍に対してローズリアが何かを言いたそうにしてるのを気付き、僕はハリアは連れて距離を取った。二人の声が届かない場所までに。


「良かったですか、リアさんを此処に連れてきて?」


遠く小さく見える二人を見ながら、陸は同じように見てるハリアに聞く。


「お嬢がしたいならさせる、俺にはそれを止める権利は無い。何よりもお嬢がニルギヤ様の言う事を聞かずに、屋敷から飛び出した時は流石に驚いたがな」


ふっと口角を上げ、此処に来るまでの事を思い出してハリアは言う。


「ハリアさんも笑うですね?、会った時から無表情みたいで表にでないなーって思ってましたよ?」


「心外だな...俺でも笑いの一つ二つは出来るさ、それよりも終わったみたいだな。敵は未知数だが、油断さえしなければ問題ない」


ほんの少しの軽口を叩きながら、気遣う言葉を掛け泣き出してる主の元に向かう。

横を通って忍も陸の元を向かった。


「ささっと行って、終わらせようぜ陸!」


「...あぁ、分かったよ」


忍の表情を見た陸は、あえて何も言わず作戦を始めるべくルー森に踏み入れた。


そんなに嬉しかったんだ....。



感想、指摘、アドバイス等頂ければ今後も頑張れます!

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