4話 願い
戦い方の勉強をしてますが
難しいですね武器の使い方とか
やる事が、いっぱいです(^^;
※8月25日に文を追加。
また、台詞を追加致しました。
意味が分からない、何で異世界に初....父さんが居たのか。
でも母さんを知っていた、じゃ母さんもウェルムにいたのか。
分からない...突然の出来事に頭が追い付かない。
それでも息子の手で"父を殺した"、それだけは変わらない。
知らなかった賊が父なんて、殺らないとこっちが死んでいた。
俺は悪くない悪くない父がいけないだ、賊として殺しに来た事が。
いや...何を言い訳しても、息子の俺が殺した事は変わらない。
それでも....死んだと思ってた父は生きてた、母さんは知っていたの?。
何で教えくれなかった。
何処からともなく声が聞こえ始める、淡々と言うが何故か落ち着きを取り戻させる口調だった。
(知っていたらどうしたの?)。
父が死ぬ事なんてなかった。
(自分が死んでも良いの?)。
俺じゃ賊《父》には勝てなかった。
(賊《父》に勝てないなら死んでるのは君だ)。
確かに俺は死んでいたかもな...。
(君が強ければ父《賊》は死ぬ事もなかったよね?)
俺は無力だ...異世界じゃ何も出来ない。
(....確かに君は無力だね、でも君は助けた)。
助けた...か、でも最後は逆に助けられた。
(良いじゃないか助けた事を誇りなよ?)。
そう...だな、無力の俺が助けたんだよな。
(そうだよ、じゃ次はどうするの?)。
....次か、どうしようか。
(言われた事を思い出して、そうすれば道が開くよ)。
声がそこで途切れて声の人物が現れる、夢で見たそれは、黒い骨が集まった姿は死神を彷彿させる男がそんな風に問い掛けていた。
その黒い男は手を降りながら、霧状になって消えてしまった。
それを見届けた真樹は、もう忘れたかのように思考を父さんの最後の言葉に向けた。
そうだ父はどこに、行けって言ってた。
思い出せ.....『ーー神殿』、そうだ神殿だでもどこの?。
何の神殿だよ、クソ思い出せない父さんの最後の言葉を忘れるなんて殺しておいて無責任過ぎるぞ俺!。
思い出せ、思い出せ。思い出せ、思い出せ。思い出せ、思い出せ。
『転神神殿』ーーー、そうだ思い出した"転神神殿"って確かに言っていた。
今の今までのやり取りが数時間に及ぶ事をしていたが、自分自身と父さんの死をすっかり受けとめ。
己が成すべき事をハッキリと意識した、誰かの呼び声に意識が少しずつ覚め出す。
「ーーーーッ」
いつの間に意識を失ったのか、眼が開けると目の前にサラの顔があった。
そんなに心配そうな顔をしないでください。
「マサキ様!」
「......サラ様、顔が近いです」
「良かったです、いきなり倒れたのですよ!?」
顔が近くっても気にしないサラは、真樹が目を覚ました事に手を握って喜んでいた。
そうか事実を受け入れず、泣き喚いた挙げ句に倒れたのか。
父さんの血で服が真っ赤だな、父さん....。
動く気がしないまま真樹は瞬時に状況を理解する、妙に頭がスッキリとした感覚が冷静に周りを見ていた。
自分の手で殺した父さんの血で、自分の着ていた服が赤くなっていた。
それを見て何とも言えない虚無感が心に大きな穴が開いた感じがした、本当にぽっかりと見えない穴が有るような気がしてならない。
今も父さんの体に刺さってる魔柔石の先から、滴る真っ赤な血が辺りを染めながら広がってる。
俺の近くにいるサラの寝に着ていた服すら、膝から下が赤く液体を吸って変わっていた。
「先程の始めての戦闘で、体調が少し優れないだけですから?。ご心配お掛けして、申し訳ございません」
真樹は心配そうなサラを安心させる為に言う。
「それなら良いのですが。賊と何か話をしてから、倒れてしまったので魔法で死んでしまったかと!」
何でそこで魔法になるだろうか?、心配してくれたのは嬉しいけど。
この時サラが心配していたのは、遅効効果がある魔法により真樹が死んでしまったのかと考えてしまった。
それ等を好んで使う賊や暗殺者は多いと、サラは自分の父親から聞いていた。
「死ぬだったら、先程の戦闘で死んでますから。それで話しは聞きましたか?」
倒れる間際までの会話を聞いていたのか心配になる、父さんの声は必死に出しても良く澄まさないと聞こえない程度の大きさだった。
だけど、俺は大きな声で叫んでいた、当然この部屋にいたサラにも聞こえていた筈だった。
「いいえ。何故か分かりませんが、音が消えてしまったので聞けませんでした。やっと聞こえたと思ったら...その...」
返ってきた答えは自分の想像とは違った。
それにサラは言い難そうに顔を俯いてしまった、それを見て真樹は思い当たる。
「私がそこで、倒れしまったのですか?」
「....はい」
消えた....父さんが最後に何かやったのかな?、魔法を唱えてる所は見なかったけどな。
「私の声は、消えてましたかサラ様?」
「はい、マサキ様の声も消えてました」
「魔法には、そんなのが有るですか音を消すといった?」
「光魔法の"静寂"が有りますが、光魔法は貴重で適正が有る方が珍しいと言った類いになります」
思い当たる魔法をサラは言う。
父さんは光魔法"静寂"を使って、会話を聞かせないようにしてたのかな。
もうしかしてら、最後の親子の会話を聞かれたくなかったのだろうか。
そんな事を考えながら、当の本人がいない今答えを知る事はなかった。
消したのは自分なのだから。
「賊の扱いって、どうなりますか?」
「そうですね....王族を暗殺しようとしたので。賊の身辺を調べて、一族諸とも晒し者にして処刑が一般ですね」
そうか.....父には誰も触らせない、これ以上の尊厳を汚させるものか。
「サラ様....一つお願いがございます」
真樹は起き上がり、握られていた手を振りほどいてサラの眼を見る。
真剣な眼差しが一身にサラに向けられると、サラも真樹の雰囲気を感じとり真樹の眼を見る。
「はい、命を救って貰えましたので。私に出来る事でしたら、何でもいたします」
その言葉に嘘は感じられなかった、サラの人の善さを此処に来て垣間見る気がした。
命を助けられた事の御礼のつもりなのかも知れないが、逆に俺が助けられてしまったのだからお願いなんだ。
「こちらの賊の遺体は私に、譲ってもらえないでしょうか?」
「.....」
必死に思考を巡らせて、賊と俺を交互に見てはまた考える。
数分だろうかサラ様の口が開く。
「賊を、どうするのですか?」
それもそうだな賊の遺体を、どうするのか...日本の地で眠らせるウェルムで眠らせるものか。
必ず母さんに会わせる、命を奪ってしまった俺の罪だから。
「私が初めて殺してしまった...、人ですから丁重に眠らせてあげたいのです...」
「...それを決めるのはお父様ですので、私では勝手に決められ無いのです」
「そうですか、無理を言ってしまい申し訳ございません、サラ様」
本当に残念そうに顔に陰りが指してしまう、それを見てしまったサラは謝罪する。
「本当に、申し訳ございません。助けて頂いたのに、何も出来なくって....」
「いいえ。気にしないで下さい、ダメ元で王様にもお願いしてみますので」
「えぇ、私も一緒にお願い致しますので!」
「その時はお願い致します、一応まだ賊の仲間がいるかも知れませんので。今の内に避難しましょう」
立ち上がり移動しようとすると、後ろに引っ張られる。
何だと思い見れば、サラが俺の手を握っていた。
手を伝いながら見ていくと、座ったまま動こうとしないで困った表情を見せる。
「....すみません、安心したら腰が抜けてしまいましたので。移動の方は、少しだけ待って貰えませんか?」
"死"の恐怖が無くなって安心したのか、腰を抜かすのもしょうがないか。
俺も....変わりに死ねたら良かったのに。
今は助けが来るまでは動かない方が良いな。
「ーーーー分かりました、今の内に少しでも身体を休めて下さい。もう少ししたら、騎士達が来るかもしれませんので。私は賊の持ち物等を調べますので、サラ様はここで待っていてください」
「分かりました、少しだけ休憩させて貰えますが。今だけは側に居て貰えませんか?」
人の温もりが欲しいだろうか?、この場で一人は心細いのだろう。
「.....最弱ですが、側に居るだけなら出来ますので安心してください」
「ありがとうございます」
サラの近くで父さん持ち物を調べていく、まずは父のロングソード長年愛用してるのか手入れはされている。
汚れや刃こぼれも無く光に当てれば輝き、素人が見ても分かる業物だ。
腰に着けてるベルトに何かの液体が、入ったビンが数本で動物の革をなめして作られた革袋が一つだけだった。
ビンは緑と赤の液体、緑の液体はこの前兵士が使ってるのを見た事がある確か薬草を煎じて作った、回復ポーションだったはず。
赤は正直何なのか分からないが、その内分かるだろう。
次が革袋には何も入って無いのか、萎んでる感じだ試しに手を入れると肘まで深く入った。
これにはビックリして、手を抜いてもう一回入れた見た目以上に物が入るみたいだった。
「これは凄いな...」
「それは"袋収納"ですね」
「メッシス?」
「はい袋収納は、物を入れる為に空間魔法を付与した物です。内容量は付与した人の力量で、大きく変わります」
成る程ね"袋収納"は、見た目以上に物が入るって事で良いのか生物は入れられるのか?。
「生きてる人や動物も、入れられますか?」
「残念ながら出来ません、死んでる人や動物なら入れられますが。その変わりに、時間が立ってしまうと腐ったりします」
生きてる奴は無理で、死んでる奴なら良いのか。
なら父さんを袋収納に、入れられるって事だよな。
「大きい物でも、入れられるのですか?」
「はい、大丈夫です。袋収納を近づけて、"収納"と念じれば入ります。出したい物は、思い浮かべながら引っこ抜けば出てきます」
袋収納をロングソードに、近づけて"収納"と念じってみた。
音もなく袋に収納され、出す時は思い浮かべって抜いたら直ぐに出てきた。
生物は腐るから長く入れられないのが残念だ。
「これは、貰っても大丈夫ですか?」
「問題ないですよ無くならない用に、気を付けてくださいね。貴重物ですので、一つで金貨100枚は降らないです」
「結構凄いですね....」
金貨100に驚いてしまう、金貨一枚で日本円して1000万だ。
大銀貨=100万、銀貨=10万、大銅貨=1万、銅貨=1000円、大鉄貨=500、鉄貨=100だと本に乗っていたから。
金貨=100で、10億の価値となる。
あくまでも日本円に計算し直すと破格の値になってしまう、この辺は仕方ないと思いその内に正しい金額を覚えようと考えた。
父さんの所持品を調べ終わったが、未だに袋収納には呆れ気味に見てると。
廊下の方から足跡が聞こえくる、それは1人じゃなく3人分の音がする。
「こちらに向かってくる、足跡が聞こえます賊の仲間かも知れませんので。サラは隠れてください、私が前に出ますので」
サラにも聞こえたようで、まだ立つには無理らしく俺の後ろに隠れる。
父さんのロングソードを手にして、近付く音に警戒して非力ながらも戦闘体制に入る。
「分かりました、一応魔法での援護が出来る用にしておきます」
そう言って援護が出来る用に、魔法の詠唱を始めてくれるサラ。
段々と足跡の音が近づき部屋に入ってくるのを見張らい、先手必勝全力で飛び出し斬り掛かる。
一人でも減れば御の字だと考えたが、簡単に防がれるとそのまま返されてしまった。
綺麗な一閃が俺の首に向けられたのが分かったが、あまりにも見惚れてしまった白銀に輝く刃に。
「待って!!、陸君!!!」
聞き覚えのある声が、白銀の刃を放った人物に慌てて止めに入った。
その人物も反射的に放ったのか、相手が誰なのか分かると驚いた顔をして白銀の剣を止める。
本当に少しでも止めるのが遅かったら、俺の首は飛んでいた。
真樹の首にピッタリと触れる刃に、真樹は今度こそ死んだと思った。
「すまない、古里平気か?」
白銀の剣を引っ込めると、気遣いの言葉を掛けられる。
「俺こそすまない、いきなり剣を向けてしまって....」
俺はそう言うが、冷や汗が止まらなかった。
「大丈夫だ」と言うイケメンの笑みは、持たざる者からしたら強力だった。
改めて部屋に訪れた三人を見て安堵する、俺よりも遥かに強いのだから。
全身を白き鋼の鎧を纏った谷風は、さながら聖騎士の印象を受ける。
その後ろに八重さんに宮田さんが、息を切らしながら入ってくる。
八重さんはローズ・ピンクの、ローブを纏い中には白い胸当てや腕当て、足当てで覆ってる。
宮田さんも胸当てに、腕当て、足当てのネイビー・ブルーの用な色をした物を着けてる。
三人はサラの姿を確認すると、駆け寄り声を掛ける。
「サラ無事か!」
「サラちゃん、怪我とか無い!?」
「無事で何よりだわ!」
三人揃ってサラ様の身を案じてた、やはりここ以外にも賊がいて倒してから急いで来たみたいだ。
「私は平気です、マサキ様に助けて貰えましたので」
改めてお礼を言うサラだか、腰が抜けてる状態なので何ともう締まらない。
勇者が助けに来た事で、王様に会って話をするために直ぐに移動したかった。
「いえ、たまたま近くに居ただけですから」
「賊を一人で倒したのか...?」
谷風が何に驚いているかは分かる、最弱の俺が倒せたのが不思議なんだろう?。
父さんが本気出せば、二人とも死んでいたさ。
「サラ様に魔法で支援してもらい、やっとの事で倒せました...」
サラの魔法で支援されて倒せた事を聞いて、安心したのか表情が一瞬緩む。
逆に俺は一瞬だけ強張った、どうしても父さんの死を受け止めるに時間がいる。
「マサキ君、怪我とかしてないよね!?」
怪我してないかと訪ねてくる八重さんだが、傷や吹っ飛ばされ時の内蔵のダメージもサラの癒魔法で治っていた。
その後の傷も怪我も、意識を失った間に治してくれたんだと思う。
「それも、サラ様の癒魔法で癒して貰いました。身体に不調は御座いません」
「そっか~良かった。あっ、でも後でちゃんと怪我が無いか見せてね?」
「はい、分かりました。後で必ず伺わせて頂きます」
頭を傾げる八重さん、何か変なこと言っただろうか?。
「何で敬語なの古里は?」
そんなの決まってる、勇者には様を付けないと騎士や兵士から言われるのも有るが。
力を持った連中の気分を害せば、命の危機に合うからだ。
「宮田さん、ここは異世界です。相手の気分を害せば、それだけで殺されてしまう世界です。ならどの様な方でも敬語で話すのが良いのでは思いますが?」
「...それでも、同じクラスの仲間に敬語で喋るのは可笑しでしょう?!」
真樹がクラスメイトに敬語で話すのは可笑しいと、イラつきを見せる宮田。
そもそも真樹は日本にいた時から、頻繁に話し掛けるような人物は八重しかいなかった
宮田とは八重を通して話をするだけの間柄、谷風もまた同じだった。
仲間ですか......それは力が有るからでしょう?、最弱な赤子並の俺じゃ生きる為に精一杯なんだよ。
父さんとの約束も有るから、何が何でも生きないといけない。
「そうだね、敬語で話すのは変でした。不快な気分にして、すみません」
「こっちこそ、悪かったわ....」
素直に謝れたのが、宮田さんも悪そうに謝る。
そのやり取りを、見ていた谷風が様子を伺っていた。
「話が終わった所で、まずは移動しませんか?」
「そうだね、ガース陛下と合流しよう。向こうにマイちゃんと忍君がいるもんね」
王様の所には坂巻と佐藤がいるのか、なら速く移動した方がいいな。
「舞花なら心配は要らないと思うけど、忍が心配だわ」
「「あー」」
坂巻はこの1ヶ月で、何やったんだよメチャ心配されてるじゃ。
「移動する前に、賊をそのままってのは...な?」
「お優しいのですね、リク様は」
父さんに歩み寄る谷風は、体に刺さってる魔柔石を抜こうとして腕を伸ばす。
「触るな、誰も賊《父》に近づくじゃねぇ!!」
その場の時間が止まったかの用に、誰も動かず言葉を発しなかったそれほどの意外だった。
突然の激昂に谷風は困惑を隠しきれなかった、それは他の者達も同様だった。
「ーーー古里、いきなりどうした?!」
ーーーーーー!。
しまった父さんに刺さってる魔柔石を、抜こうとしただけなのに抑えられなかった、触るってなるだけで怒りが収まらない。
「...その自分が初めて、殺めてしまった人だったので。すみません..怒鳴ってしまって」
「いやこっちも、すまなかったな。なんか理由とか有るのか?」
何て言って誤魔化すか、それとも本当の事を話すか。
ダメだな話せば父の尊厳が犯される、それだけは絶対にダメだ生きてる内に母に会えなかったのに。
ウェルムで晒し者になんかにはさせない。
「彼と約束をしたので故郷の地で眠らせると....」
もちろん、そんな話を父さんとはしていない。
これは俺が一方的に決めただけだ、遺体を異界の地で眠らせるなんて俺がさせない。
「そうだったのか...」
「マサキ君、この人の故郷ってどこなの?」
そこまで考えてないし、どうしようか適当に言ったら後々でバレかもしれない。
真実味を混ぜつつ曖昧にすれば、この話は終わるかもしれない。
「彼は確か東の地としか、言ってませんでした。なので近い内に、連れてってあげたいのです..」
「あ~ちゃんどこか分かる?」
「さく...貴方ね私が分かる筈が無いでしょう?」
「あっ、そうだったね」
「サラ、どこか分かるか?」
三人が思い当たるか考えたが、残念ながら知る筈もなく断念してサラに尋ねる。
「そう~ですね東の地って、言いますと"サーヒス"だと思いますが。そこの大陸は死の大地とも言われてます」
へぇ~"サーヒス"か、死の大地ね人が住んでる筈が無いじゃん!
「それじゃ生き物が、住んでる筈が無いな」
「その死の大地こそが、"魔王"や魔族の大陸なんです」
何処かなのかを知っていたサラ様は、直ぐに思い当たるのと同時に、魔王の居場所いや魔族が住む大陸だと教えてくれた。
おいおい、ヤバイなこれはガチでヤバイ!。
自分で話を作って曖昧に、出来れば良いなって思ったのに。
これじゃ父《賊》が魔王の手下になる、話しの方向を曲げないと。
「今回の敵襲は、魔王の企みと言う事ですか?」
「その可能性は大きいと思いますが、今は何とも言えません」
「...ここで話すのは、後でも良いのでは?。今はガース陛下の元に、行くのが優先では」
「そうだね速く行かないと、マイちゃんと忍君が待ってるもんね」
「そうだね、まだ賊がいるかも知れないから気を付けて行こう」
王様のいる所に向かって、部屋から出てく4人少し遅れて真樹も歩いていく。
「もう少しだけ、待っててください.....父さん」
声だけが部屋に響き、亡骸になってしまった父さんを残して去っていく。
必ず後で迎えに来ると、内心で呟きていた。
...................
.............
........
.....
数十分ぐらい歩いて、王の寝室に到着した5人は中にはいると。
生臭い異臭を放ち、腕や足さらには真っ二つの無数の肉塊が転がってた。
部屋の片隅にヘルズ国の王、ガース・ヘルズ陛下と佐藤に坂巻がいた。
変っさんは身体を血で染め至る所に傷を負っていた、その姿を目に入ってしまったサラは駆け寄る。
「お父様!」
「サラ、お前も無事だったか!。良かった.....」
互いに抱き合い無事なのを目一杯確認する。
「私は無事です、マサキ様が助けて下さいました」
感動の再開か.....羨ましいく、俺には無理だったのに。
互いの無事を確認してハグして、こちらに身体を向く。
「娘を助けくれて、感謝します」
「頭をあげてください、陛下たまたま近くに居ただけです。それにサラ様を助けれたのも、運が良かっただけですから」
「それでも助けて貰った事に、変わりは無いだろ。必ず何らかの恩賞は渡すつもりだ、もちろん勇者様方にもだ」
恩賞もらえるなら、頼んでみるか....。
「俺はいりません、人助けは当たり前ですから」
「そうだね私も、いらないかな?」
「興味ないから、いらないわ」
「マイね、美味しい物が食べたいな!」
「俺もリクと同じだな」
5人は美徳と言いたいが殆ど無欲に近かった、それを聞いた真樹と変っさんとサラ様は驚いていた。
コイツら人を助けるのが、当たり前か...だから他の奴等も着いていくのか。
流石は勇者様方だ、良い用に使われる人形みたいだな。
そんな悪態が5人向けて内心で言ってしまった、何で言ったのかは真樹にも分からなかった。
「その心意気は流石です勇者様方、しかし此方の気が済ません。何でも良いので、欲しい物とか無いのですか?」
「「「「特に無い(ので、ね、です、な)」」」」
「マイは、美味しい物が食べたいよ!」
5人じゃなく4人は本当に興味ないみたいだな、それに佐藤さんは食べ物か。
「マイカ様の、美味しい物は必ず用意致します」
「勇者様方の、御気持ちは良く分かった。なら余に出来る事が有れば何でも仰って欲しい」
変っさんの申し出に4人は頷きで返す、そこで真樹は一歩前に出て手を胸に当て一礼する。
「ガース陛下。私の御願いを、聞いてはくれませんか?」
良い感じになってる所で、すみませんねぇー俺として此方が需要だからね。
「ん? 余に出来る事なら...な」
「私が殺してしまった賊の遺体を、私に譲ってもらえないでしょうか?」
「賊の遺体をか?、.....一つ聞いてもよろしいですかな?」
「はい?」
「賊の遺体を、どうするのですか?」
疑惑の目で訴えながら問う変ッさん、嘘をいえば直ぐにでも隙を突かれてしまう。
サラ様の寝室で話した事を、そのまま変っさんに話す。
全てを聞き終わった変っさんは、眉間に皺を寄せて真樹の方を見る。
「魔王がいる地か....、なら許可できないな。すまぬなマサキ殿」
「そこを何とか出来ませんか?、私で出来る事が有れば何でも致します」
「お父様!。私からもお願い致します!」
約束を守ってくれるサラに、真樹は感謝の念を贈る。
ありがとうございますサラ様、先程の約束を守ってくださり。
「サラ....、気持ちは分かるが。こればかりは余でも許可は出来ない、マサキ殿にも恩を報いたいが、魔王に関わりが有るとなると死体を譲る事も出来ないのだよ.....」
さっき自分で言ったの事が、ここで裏目に出てしまった。
どうする、どうする。考えろ無い知恵で考えろ、この場を乗り切る手段を。
「......理由を聞いても宜しいですか?、魔王に関わりが有ると何でいけないのですか、無学な私に教えて頂きますか?」
「まず賊がサーヒス出身だとすると、魔王の手下の可能性が高い。城に襲撃をした以上は国としての対応しないと、他国に下だと見られてしまう。それはこの国の民が命を脅かされる事だ」
「そう...ですか...」
「すまぬなマサキ殿、分かってくれ国の王として決断だ。しかし個人的には、サラを助けてくれたマサキ殿の願いを聞き入れてあげたいが。こればかしは余にでも出来ないのだ、納得して欲しい......」
本当にすまなさそうに顔をして、真っ直ぐ真樹の顔を見て告げるそれを真樹は受け止めるが。
どうしてもあたまでは納得できるが、心じゃ出来なかった。
俺が招いた事態、俺が憎い命を奪ってしまったのに。
何も出来ない無力な俺が、憎い許せない....。
「お父様!、賊の一人でしたら宜しいじゃないですか!?」
「サラ!。これはヘルズ国の王としての判断だ、政治に私情を挟んではいけないのだ」
変っさんがサラを怒を含めた声で諭し、王族の責務として譲れないと言い放つが。
それでも目だけは諦めず、今も変っさんの目を睨み返す。
「サラ様。お気持ちだけで充分です、これ以上は陛下に迷惑になりますので。それでは私は失礼します」
自分の為にしてくれたサラにお礼を言って、壊れてるドアに向けて踵を返す。
もう、此処には居たくない。
「マサキ様!、今は一緒にいた方がよろしいかと」
「.........」
「マサキ様!」
何か言ってるが今は聞こえない憎い憎悪が溢れてくる、自分が許せない。
父さんの命を奪っておいて何も出来ない自分が、こんな状況にしたのも自分なのに。
「マサキ君危ない!」
八重さんの声が響くが、真樹は迫り来る脅威の方を見る。
突然沸いた4人賊達は殺意を振り撒き、叫びながら片手剣を上段から振りかぶる。
「「「「死ね王族ども!!」」」」
谷風は聖剣を抜き、賊の間合いを詰め横に一閃すると賊は倒れ。
宮田、佐藤はサラとガース陛下を護る為に、剣を構え魔獣で出迎える。
魔獣は可愛らしい犬だか、体長は三メートルあるだろうか。
牙を剥き出しにして主人の前に出て、賊の喉笛に飛び付き噛み千切る。
近場の椅子を投げ牽制し、戦斧で敵を真っ二つにする坂巻。
あっという間に3人の賊を倒すが、その内の1人が真樹に襲い掛かる。
危ないと思い傷一つでも許さないと、真樹に癒魔法を放つ八重だったが無意味に終わった。
「.......」
目の前に刃が迫ってくるが遅く感じてしまう、身体から力が溢れる感じがする。
でも、景色がボヤけてて見ずらい....。
真樹は無意識に状況を理解すると魔柔石を、武器をイメージした形で賊の首を綺麗に横に撥ね飛ばす。
断面から派手に血が吹き出し、全ての出来事が僅か数秒だった。
だが、真樹は気にする事なく部屋から出てく、
.....その瞳には何も移りはしなかった。
「「「「「「「.......」」」」」」」
誰もが真樹が斬られる姿が目に見えた筈なのに、それを覆すように賊の首が宙に舞って床に落ちて転がる。
「一体、どこから出したんだ....」
その声が虚しく独りでに出てしまった、何処に隠し持っていたのか分からなかったが。
武器の形状に見に覚えがあった、日本の武器"薙刀"だった。
どうして真樹がそれをイメージしたのか、真樹本人も無意識にしていた為に分からなかった。
君はクラスの中で最弱じゃ無かったのか?、嘘を言っていたのか初めて殺したって、言った側から直ぐに出来るのか?。
本気の殺意を浴びて、震える所か躊躇せずに殺れるのか。
君は本当に最弱なのか?........。
これを期に真樹の印象が変わった。
色々取り入れて見たんですが
難しいです!
まだまだ力不足ですね
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。
※4話の話しを修正しました。
サラ・ヘルズえの悪意を無くしてました。
会話も増えたり、減らしたりと修正しました。