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人生初の異世界で~俺だけ何も貰えなかった~  作者: 氷鬼
二章 北の大陸 ハースト
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42話 近況報告

陸 視点です。


「所で皆は何処かに行ってたの?」


「さっきまで、スターリックって場所で食事してたんだよ」


陸の問い掛けに舞花が皆の変わりに答える、それを聞いた陸は改めて皆を見渡す。


「そうなんだ、にしても何だか珍しい組み合わせだね」


舞花は何となく分かる気がしたが、葵、サラ、忍が一緒なのは驚く。

普段は咲音の世話で籠りぱっなしで、忍なんかは何処かに出掛けること事態珍しく。

サラに関しては、今は忙しいだろうと用意に考えついた。


「皆、舞花に誘われたのよ。忍はボロ負けしてる所を誘われて、サラは仕事中にね....」


「あんまり無茶な頼みはダメだよ舞花?、サラ様は女王なんだから、何かあったら一大事だからねって言っても。忍に葵に舞花が居るから、大丈夫だと思うけど万が一にも気を付けるだよ?」


陸は三人がサラと一緒にいて、護衛としても仲間として信用してる。

だけど、この世の中何が起きるかは分からないけど注意だけしとく。


「リク様。私自身から御誘いをお受けしたのですよ、此処ん所忙しかったので良い息抜きなりましたし、身を案じて頂きありがとうございます」


そう言って軽くお辞儀したサラ。


「サラ様も楽しめたのなら良かったです、.....もうしかしてサラって呼んだ方がいい?」


「そうですね。今は私用ですから、サラと呼んで下さいね」


「分かったよサラ。所で忍がボロ負けって何?」


陸は敬語も様呼びも止め普段と同じように接しる、と同時に葵が言った「忍はボロ負け」がさっきから気になっていた。


「あっ、そっか!。りっくんはサラっち達が帰って来てからの事知らないだよね?!」


その後、僕が居なかった出来事を舞花が話し細かい部分を葵が補足を付け加えながら聞いた。

忍のボロ負けが何なのかを知って、僕が忍に抱いた感情があった。


「忍...お前....、ベノム相手に挑み続けるとか凄いな!」


それは称賛であった、何回も挑みボロ負けになっても挑み続ける忍の根性と忍耐に陸は尊敬すらしていた。

此処に来て忍は喜びの表情を見せる、散々ボロ負けをイジられ続けられていた為に。


「だろ~!、陸だけは分かってくれるって信じてたぞ!!」


側まで歩み寄っては陸の肩に腕を掛け、笑いながら喜びを露にしていた。


「なんだ~よ忍、やけに嬉しそうだな」


忍の上機嫌のまま、されるがまま抵抗せずにいた。


「....でも、開始早々に滅多打ちにされて一発も反撃出来ないのと。ベノムに傷を負わせた事が出来た陸とは、まるで違う意味になるわね」


確かに小さな声でそう言って、上機嫌な忍と陸には耳に届き忍は先程と変わって様子が変わった。


「そ、それは天恵ギフト使ってだから、使わなければ僕も忍と同じだよ!」


「いや、いいんだ陸....。俺も、もっと力を付けないといけないと分かったからさ」


慌てて弁明するが、忍は悟りを開いたかのように諭した。


「葵。あんまり忍をイジメるなよ、ほら、変になちゃたろ」


忍の様子が変わる原因を作った葵に、陸は悟りを開き始める忍を指差した。


「大丈夫よ忍はタフだから、直ぐに治るわよ。それよりも、こんな所で立ち話もなんだから中に入りましょ」


「そうだね。しのっちは大丈夫だし、りっくんも帰って来たばっかだから疲れてるでしょう?」


舞花と葵の忍に対しての扱い方を見て、一緒だけ可哀想と思ったが。

舞花が陸を気遣う笑顔を見て、どうでも良くなってしまった。


「でしたら!、また、私のお部屋でお茶はいかかですか?。良い茶葉と茶菓子を、先日メルシーが手に入ったと言ってました」


サラの提案に一番に反応する舞花と、平然を装いながら何処か楽しそうな葵。


「それは、僕と忍も良いですか?」


多分こうゆう場の誘いは案外女性だけだったりすると思い、僕はサラにそう聞いてみた。

すると、サラの表情は崩れる事無く笑顔で「勿論です」と居て当たり前みたく力強く言った。

その言葉に甘えて、悟り中の忍を連れて皆でサラの部屋に向かった。

部屋に着く頃には忍も何時もの忍に戻り、部屋に入室し空いてる席に五人が座る。

部屋の主であるサラが一番奥で、右に葵、左に舞花、舞花の隣が僕で残った席が忍となった。


座ったサラがテーブルの上にあったベルを数回鳴らすと、約3分程でメルシーが来てサラが用件を伝えると。

一度軽く礼をしてから部屋から出ていき、また、数分程すると台車を押しているメルシーが入ってくる。

その台車の上には茶菓子と人数分のカップが有り、茶菓子をテーブルの中央に置いて次にお茶の準備を始める。

お茶にそれほど詳しくない僕だけど、メルシーは手際よく準備し気付けば人数分のお茶が出来上がっていた。

一人一人左側にお茶注いだカップを置き、短めに今日使われた茶葉の説明をし静かに後方に下がった。


「....前飲んだのも美味しかったけど、今日のも美味しいわね」


「この....ちゃ...菓子も....美味しいよ!」


「だな!、食べ...るのが止...めら..れねぇな!」


「舞花も忍も美味しいの分かったから、食べながら話すの行儀悪いよ」


「気に入って貰えて良かったです、メルシーの目利きの賜物ですね」


「サラ様に、そう言って頂き光栄です。頑張って選んだ甲斐がありました」


茶を嗜む優雅な雰囲気も無く、皆が自由気儘に過ごす。

ただ、陸だけは一つのテーブルを囲み皆で雑談するのも楽しくって良かったけど。

それとは裏腹に手紙・・・を見せるべきか考えていた、見せるとしてもそれは何時なのかどの時期なのか。

そんな事を考える、小さい陸の微妙な変化を気付いたのは一人だけだった。


「どうしたの舞花じっと見て、僕の顔に何か付いてる?」


「...う、ううん、何でもないよ。....これ美味しいから、りっくんに食べさせて上げようかなって思っただけだよ」


声を掛けられ慌てて、咄嗟に手に持っていた菓子を陸の前に差し出した。


「ありがとう舞花、頂くよ。.....美味しいね」


差し出された菓子を手に取り口に入れ咀嚼する、舞花と忍が美味しいと断固するだけあって美味しいかった。


「でしょ!。舞のじゃないけど、沢山食べて」


そう言って、舞花が中央に置かれた茶菓子を陸の方に少しだけ寄せ。

また、自分は菓子を手に美味しいそうに食べ始める。


「それで、リク様は何処に行かれて居たのですか?」


等しきり落ち着いた雰囲気と成ったのを感じ取ったサラが、別れてからの陸の動向を聞き始めた。


「...オゲタ村で二日間世話になってたかな?」


「オゲタ村ですか?、確かその近辺でベノムとお会いしたんですよね?」


「あぁ、そうだよ。山の洞窟で会って、死ぬかも知れないって感じたよ」


「ベノムに会った際は置いておいて、で、結局二日間何してたの?」


茶を一口飲み終えた葵が先を促す、舞花も忍も聞き耳を立てているがどちらも菓子を優先していた。


「.......ちょっと知り合いに会いに行ってきただけだよ、その後は村の子供達に戦い方を少々ね?」


「それで、二日間も村に居たのね」


「リク様は、一体子供達にどの様な事をお教えしたのですか?」


そう聞かれ陸が持つスキル『教導』が働く、話したくない部分を除きオゲタ村での二日間を...。

話し終えた頃には、すっかりと茶菓子を完食した舞花と忍。

空いたカップにお代わりを求める葵とサラ、メルシーは湯気が立っている茶をカップに注いでく。


ちゃんと、聞いてくれてたんだよね?。


そんな事を思いながら陸も、喋って乾いた喉に自分も茶を飲み潤す。


「では、将来その子達は名の知れる冒険者に成るかも知れませんね」


「そうなってくれたら僕も嬉しいですけど、何も無く無事でいてくれるだけでも良いですけどね」


「子供の内から想い合ってるなんて凄いね~、あれ?、結婚って何歳から出来るの?」


リストとアンの人柄と関係を聞いた舞花が、そんな風に感嘆ながら呟き、この異世界の婚姻をサラに聞く。


「成人...此方の世界ですと、成人の儀を迎えた15歳が結婚が可能となります」


「なら、私達の中でも、結婚が可能みたいよ陸?」


「そうみたいだね....」


葵....分かってて言ってるな!!。


葵の強調部分を無視する形を取った陸は、一瞬だけ想い人である舞花を見る。

当の本人は何も気付いてる様子は無く、それはそれで悲しくもあった。


「....舞花には呆れるわね、もっと積極的に頑張りなさい陸」


「今はそっとしてくれ.....」


「舞が知らない間に葵に失望されてる!、えっ、何で?」


あからさまな言動でも、舞花の鈍感差には流石の葵も呆れてしまった。

舞花も数分の間に葵の態度に驚嘆しながら、本当に分からなく頭を悩ませてしまった。


「陸。お前も大変そうだな、俺でも出来る事があったら言ってくれ」


「リク様、私もお力添えしますからね!」


「.....」


忍とサラでさえ、葵と陸の会話だけでも察する事が出来たのに舞花の反応を見ては。

二人して慰めの言葉が掛けられたが、陸は顔を真っ赤とはいかないが赤く染め上げ、羞恥で恥ずかしがっていた。


「えっ?!、何で皆して舞の事可哀想な子みたいに見てるの?!」



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