36話 称号とスキル
先週は投稿できず申し訳ございませんでした。
今話を是非楽しんで読んでください(///∇///)。
信念有る者に力を。
想いの強さで莫大な恩赦が与えられるが、使用中に想いが遂げられなかった場合において罰が課せられる。
発動から最大まで5分間までしか継続出来ない、使用後から一時間後に再使用可能。
"力"は汝ともに生まれ変わる。
ベノムとの戦いにおいて掲げられた想いは"生き残る"事だった、それは本能で意思で信念を貫いた為に恩赦は大きかったが。
今回は違った、この時は"殺させない"想いを持ったが信念を貫く事が出来なかった為に罰が課せられた。
ステータスは半減、スキルは使用不可、信念有る者に力をにより疲労困憊により陸は立ってられず意識を失った。
森の中でこんな姿を晒せば、運悪く魔物や盗賊に出くわしたりしたら命は無いだろう。
しかし、此処はフォレストヴァージャドラゴンの領域でありグリューンの縄張りでもある。
その為、普段から魔物が近寄ってくる筈も無く、当然盗賊も命の危険が迫る場所には近寄ってこない。
意識を失って倒れた陸の心配の必要は無かった、だが、それも時間が経てば森全域に絶対強者の竜が亡くなった事が知られてしまうだろう。
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.....
...
「......」
倒れてから二時間が経った頃、陸は目を覚ましてから無言でグリューンを見詰めていた。
強制的に握らせた聖剣ルクスの剣身に、自ら刺した傷跡には血が今も下えと流れていた。
なんで.....なんで...なんで....。
陸はグリューンの行動に理解が出来なかった、陽黄花が咲いてるこの場所で、静かに逝りたいと言ったのに。
どうして自分から"死"を招いたのか、どうして『殺して』と言ったのかグリューンの考えが分からなかった。
....いいや違うだろう、グリューンが何をしようとしてくれたのか分かってた筈だ!。
僕の為に!、僕に出会ったが為に|命を(経験値)を捧げたんだ.....そんな事は望んでなかったのに!!。
陸は自身えの失望と憤りに苛まれながら、天恵の効果で疲労困憊な身体にムチを打ちながら起き上がる。
厳しく優しいグリューンの"命"を嫌でも背負ってしまった陸は、自分がしなければいけない責任を果たす為に動かす。
今も日に照らされながらそよ風に吹かれ、ゆらゆらと揺れる陽黄花。
それを優しく土後と両手で取り、直ぐ近くの場所に埋め変える。
「ちょっとだけごめんね、直ぐに元の場所に戻すからね.....」
埋め変えた陽黄花に向けて話す、陽黄花も少しだけ揺れ頷いた気がした。
陽黄花があった場所に陸は、土を掘り返していく。
深くもっと深く、広くもっと広く穴を掘っていく。
手で土を掘り上げる、どんなに時間が経っても一人で掘っていく。
此処にグリューンを埋めて上げる為に、古き友に貰った花の下に安らかに眠って貰う為に。
陸は疲労困憊と罰を課せられた身体を必死に動かすただ無心に、考え出せば涙が流れる気がした.....絶対に。
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......
暗くなった外を何回も窓から覗いては、まだ帰ってこない陸を心配してはシアはどうしようかと考えていた。
いざ、探しに行こうとドアを開けると目の前に手を伸ばしていた陸がいた。
暫し呆然となった二人だが、先に口を開いたの陸の方だった。
「......すみません、遅くなりました」
陸の声を聞き本人だと確信した瞬間に、心底ホッとしたがそれでも声が荒いでしまった。
「リクさん!。こんなに遅くまでどうしてたんですか!、それに....顔色が悪いですよ?」
シアは陸の格好を見て心配した、身体中が泥だらけで顔が酷くやつれ、手の甲には何かを殴った形跡があった。
「....いえ、そんな事は無いですよ?。ほら、こんなに元気ですよ」
「そ、そうみたいですね.....」
陸の無理矢理作った笑みに、シアはそう言うしかなかった。
「少しだけ待っていてください」と言って、奥から木で出来た桶を持ってきて陸の手に渡した。
「随分遅い時間になってますが、リクさんが洗い終わる頃には食事を用意しておきます。だから泥とか落として来て下さい」
確かに陸が村に着いた時には時刻は22時を越えていた、罰さえ課せられてなければもっと速く帰ってこれただろうが。
陸にとっては気持ちの整理が必要な時間だった。
「はい、直ぐに落としてきますね」
シアにそう弱く返事し、村の井戸まで移動しては冷たい水を汲み上げ桶に注ぐ。
泥や土が着いた鎧等を脱ぎ丁寧に洗っていく、それが終わると今度は自分も洗っていく。
全ての泥や土を洗い終わっては、袋収納から一枚の布を取り出しては身体を拭いていき。
上半身裸のまま聖剣ルクスを握り、上下に左右に回転を加えたり自在に剣を振る。
十分程振り終わると短く息を吐き出し、剣を仕舞い服を来てシアの所に戻る。
ドアを開けると中から美味しそうな匂いが鼻腔をくすぶる、それによって腹の虫がなってしまった。
「これ、ありがとうございました」
「その辺に置いておいてください、後で片付けますから。座ってください、簡単に作れる物になっちゃいましたが味は保証しますね」
シアに言われた通りに桶を邪魔にならない所に置き、椅子に座りテーブル上の料理を見わたす。
確かに簡単と言うには、分厚い肉を焼いたステーキと野菜と豆が煮込まれたスープがあった。
本当に簡単に出来た物なのかと疑ってしまったが、今は鼻に漂う良い匂いに釣られ「いただきます」を言い食べ始めたのだが。
「.......」
「.......」
陸とは反対に座ったシアがじっと無言で見ていた、陸も声を掛けようかと思ったが何を話すべきかと考えた。
無言の場を先に口切ったのはシアだった。
「リクさんに言われた事守りながら頑張ってましたよ、「頑張ったらご褒美貰えるだぁ~」って二人して喜んで言ってましたよ」
今日の昼頃に励む二人から聞いた事を、微笑みながらそう言った。
そっか...二人とも僕が行ってからがんばったんだ、じゃ今頃リストは筋肉痛で苦しんでるのかな?。
アンは.....多分大丈夫かな、あの子はしっかりしてるから心配はいらないかな。
「そうですか、そんなに喜んでくれてるだったら、僕としても嬉しいですね」
素直にそう本音が口から溢れた、アメで釣ったのかも知れないが、それでも頑張ってくれらのら用意する側としては嬉しくもあった。
「少し顔色が良くなりましたね。...後1日だけですけど、最後まで二人の事をお願いしますね。じゃ、リクさん。明日も速いので私はもう寝ますね。お休みなさい」
首を軽く傾げるような仕草をして、リストとアンの事をお願いしてから。
椅子から立ち上がり、お休みと挨拶してから自室に向けて歩き出す。
「料理美味しかったよシア。お休みなさい」
「はい。お休みなさいリクさん」
陸の声に短く返し、自室のドアを開き閉じる音を陸は聞いてから。
作ってくれた料理を平らげてから、食べ終わった食器を洗い自分も部屋えと帰り。
ベットの上で仰向けになり、袋収納からステータスプレートを取り出しては自身のステータスを見て悲嘆する。
「これが罰の代償なのか....、最初の頃よりも弱体してるな...。これだとlevelだけが異様だな」
ステータスプレートに記された、陸のステータスはこうなっていた。
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谷風 陸 17才
level 327
種族 人族
職業 勇者
HP7000
NP7000
攻撃力 425
防御力 224
知性 176
敏捷性 200
器用 50
天恵 信念有る者に力を
称号 異世界の勇者、意思を貫く者、聖剣が嘲笑う担い手、森緑竜の友、竜殺し、意思を継ぐ者
スキル 『異世界翻訳』『聖剣術Ⅵ』『聖魔法Ⅳ』『火魔法Ⅵ』『光魔法Ⅶ』『解体』『危機感知』『教導』『魔力操作』『剣術Ⅲ』『速走Ⅱ』『強硬』『体術Ⅲ』『植物知識』『森魔法』『◆◆◆◆』
耐性 火・光・斬耐性 毒マヒ無効
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弱体した自身のステータスを見ながら、自分が知らない称号やスキルが有る事に気付いた陸は。
文字が薄くなってるスキルや称号に触れ、詳細を知ろうと目で浮き出た文字を見ていく。
聖剣が嘲笑う担い手: 所有者が余りにも拙く浅はかで見てもいられなく、所有者を守る為に勝手に動く事がある。
森緑竜の友: 竜であるグリューンに認められた証と同時に、スキル『植物知識』『森魔法』を獲得する。
竜殺し: 竜を殺した者に送られる称号、竜との戦闘時には1.2倍ステータスが上昇する。
意思を継ぐ者: 人知れず意思を託された者、スキル『◆◆◆◆』を獲得。
『教導』: 人に何かを教える時、より分かりやすく伝え教える事が出来る。
『速足』: 走る際に敏捷性が1.2倍される。
『植物知識』: 手にした植物の情報を知る事が可能。
『森魔法』: 木々や植物が扱える魔法、levelが上がれば使える魔法が増える。
此処まで称号やスキルの詳細を見た陸は、内心でツッコンでいたが。
その中で唯一名前が分からないスキルを見て困惑した。
『◆◆◆◆』: 来る日を待て。
来る日を待てって何時だよ!!。
スキル『◆◆◆◆』にはそう記されていた、詳細が短く何処か適当さえ疑ってしまうようなスキルだった。
陸は暫くステータスプレートを眺めては、袋収納にしまい腕で両目を覆今は隠した。
「意思を継ぐ者か.....」
この称号の意味を陸に取っては、直ぐに検討がついてしまった。
いや、それしか考えれなかった。
グリューンの意思を陸自身が継いだんだと考え、段々と重くなった瞼をおろし眠りについた。
誤字や訂正が有りましたら、容赦なく仰って下さい!。
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