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人生初の異世界で~俺だけ何も貰えなかった~  作者: 氷鬼
一章 始まりと絶望
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23話 終わらない悪夢

本人の真剣な表情に、身構えていた真樹も驚愕する。

余りにも場違いな展開に、周囲の者達も愕然とし立ち止まっていた。

大胆な告白に顔を真っ赤に染めたり、開いた口が閉じずに震えたり、指差しては周囲の人の顔色を見たり等様々だった。

ただ一人を除いて、それは今の現状を気に入らず他の勇者組に命令していた。

真樹も動揺していたが、直ぐに冷静に戻ったが口をモゴモゴしていた。


「....い....や..その....、すぅ~ーーーーーはぁ~ーーーーー」


深く吸っては吐いてを繰り返しては、息を整えゆっくりと返事を返していく。


「お..俺は...大嫌いだと言いました、今さら何を言われてもこの気持ちが変わる事は無い。だから八重の気持ちには答えられない」


「うん、知ってるよ。それでもね、私の気持ちをちゃんと伝えたかったの.....。そうしないと前に進められる気がしなかったから、でも、これだけは覚えておいて欲しいな....私がマサキ君を好きな事を」


やっぱりダメだな.....、何が返ってくるのかは分かってたのに。

涙が........溢れ...て来ちゃう....、こんな姿見せられないよ......。


伝えるべき言葉を伝えて、後ろに振り向いては涙目に成っている姿を見せまいとしていた。


「えっ?」


「.....やーーーー!」


突然風を切るような音がしてから、彼が何かを言い掛けた途中でドサッとゆう鈍い音が聞こえた。

その事に直ぐ様振り向くと、彼の右肩に矢が刺さっていた(・・・・・・・・)

けれど、威力が弱かったのか矢はポロっと取れ切っ先だけが赤く成っていた。

彼の右肩からは血が滲み出していた、私は癒魔法を掛けようとして耳を塞いでしまう。


突如沸いた猛り声が、耳を痛める程の声量の数と化していた。

騎士や兵士が大勢が腹から声を出し、勇者組が前に出始めていた。

そして山田くんが弓を高く兆していた、私はそれを見て矢を射ったのは山田なんだと知った。


「山田くんが矢を射ったの!!」


私の声を意図的に無視してるのか、届いてないのかそのまま大声で叫びだしていた。


「皆良く聞け!!、彼女は重罪人に洗脳され言わされてる!。そいつは彼女を利用してこの場から逃げようと謀った!、可憐な乙女を利用しようとした重罪人をお前達は許せるか!」


「「「「「許せる訳が無い!」」」」」


「待って私は、洗脳なんかされてないよ!!。皆話を聞いて!!」


山田の言葉に半分の勇者組が賛同していた、それに続いて騎士や兵士の声が轟く。

葵、舞花、忍、残りの勇者組が皆に話を掛けるが、全部声が届いてないのか反応を示さなかった。


「貴方達!、いきなり何を言ってるの!」


「いきなりどうしたの皆!?」


「おい!、山田オメェ何を言ってやがんだ!」


「城門に来るまでの道中、多くの騎士や兵士の死体があった。それは何故か!、そこにいる重罪人が目的の為に殺したんだ!。国の王までその手殺めようとした重罪人を、お前達は許せるか!?」


「「「「「許せる訳が無いだろ!」」」」」


「じゃ?、どうするべきだ?。このまま生かして拘束しても、また同じ日が来るかもしれない?。それなら今、ここで!、殺した方が良いと思わないか?」


「「「「「殺せ(息の根を止めろ、)!!」」」」」


「「「「......っ!!」」」」


彼を殺せコールが続き、皆が武器を手にして殺意が籠った眼を彼に向けていた。

私達四人は、本当に突然の事に声を上げる事も出来ずにいた。

それと同時に彼の言葉を思い出していた、『友に刃を向ける』この一部分はこの事を言っていたじゃないかと思い立った。


「咲音!、今すぐに傷を治してくれ!」


「え、えっ?.......うん?!、直ぐに治すね!」


彼の呼び声に思考を戻され、言われた通りに傷を治していた。

左手、右肩を治され痛みが無くなったの確認しては、彼は険しそうな表情をして山田を視ていた。

葵、舞花、忍が中央まで駆け寄り、背中合わせにして囲んでる騎士や兵士に武器を構えていた。


「真樹!、今何が起きてるのか説明しなさい!」


「フルっち何か知ってるの?!」


「どうゆう状況なんだよ、これはよ.....」


三人がそれぞれ、最も何かを知ってる彼に問い掛けていた。


『だから嫌だったんだ....、この国じゃ命が幾つ有っても足りねぇし....』


「何?、マサキ君?!」


彼の小さな呟きがハッキリとは聞こえず、もう一度聞こうとして聞き返していたが、彼は「何でもない」と言った。


「良いか?、一回しか言わないからな?。お前ら四人はコイツらをどうにかしろ、その間に俺は逃げる」


「とことん、お前はクズだな古里!。男じゃねぇよ!、女を守ってやろうと言う気概はねぇのか?!」


真顔をで言う彼に、忍くんは胸ぐらを掴み至近距離で罵った。


「はぁ?、今さら何を言ってんの?。彼奴らと同じグズだから、こんなに目に合ってんだろう?!」


彼も掴まれた状態で真正面から言い返していた、皮肉げに遠い場所を見る目をしながら。


「「「ケンカは他所でしな!(よ、さい)」」」


言い合いする場面じゃない事に、葵、舞花、咲音の三人は二人の男に怒鳴っていた。


「けっ....後でお前は殴る!」


「これだから戦闘狂は困るんだよ、脳筋の馬鹿が.......」


「......あぁ?! 」


「二人とも!!、来てるから!!」


一生即発しそうな展開に鳴り出した二人に、武器を構えた騎士や兵士が襲い掛かる事を知らせる。


「邪魔する奴も、きっと重罪人に洗脳されている!!。邪魔するなら殺せ!、重罪人の首を討ち取れ!!」


「「「「オォーーーー!!」」」」


何が起こってるのか分からない残りの勇者組も、武器を持ち出しては襲い掛かる火の粉を払っていく。

誰が敵で味方なのか分からず、城門前でゴチャゴチャと化していた。

それでも彼の周りは多くの敵が囲んでいた、助けに行こうとしても次から次えと敵が押し寄せていた。


「葵!、舞花!、忍!、誰でも良いからマサキ君を助けてあげて!!」


普段の呼び方を忘れるぐらいに、彼の体に治したばっかの体に新しい傷が増えていくのが目に見えた。

だから、三人の中で誰でも良かった彼を助けに行ける人がいれば。

本音を言えば私が助け行きたかった、でも兵士や騎士を気絶させるのに時間が取られてしまっていた。

それでも一生懸命に戦ってる彼は、形状が変わる不気味な黒手甲で身を守っていた。

彼と兵士や騎士の力差は歴然で、時間が取られてしまえば疲労して重症を折ってしまうだろう。


「咲ごめんなさい、此方は手が空きそうに無いわ!」


「此方も同じだよ!、わーー!、シロ待って手加減して!」


「しゃーねぇー、俺が行く!」


葵も舞花も私と同じで気絶させて相手していた、シロちゃんは頭に噛み付いて、兵士や騎士を倒していた。

一撃で敵を黙らせていた忍くんが、彼に向かって歩みを始めていた。

近寄って来た敵を腹に一発ぶちかまし、鎧を凹ませて薙ぎ倒していた。

どれも一命は取り止めていたが、骨を何本かは折れていた。


「おい!、古里こっちだ!」


彼を囲んでいた敵を忍くんはこじ開け、逃げ道を作り彼を誘導しようも声を上げる。

彼は頷いて駆けていく、後ろから迫り来る敵の攻撃を黒い盾で塞ぎながら。


「だぁーーー!、何で減らないだよ!!」


私、葵、舞花、忍、残りの勇者組が騎士や兵士をどんだけ気絶させても次から次えと出てくる。

どんな傷を追っても手足が折れようとも、起き上がり何度も向かって来ていた。

その度に殴り倒してる忍くんは苛立ち、拳にどんどん力が込められていた、一撃で命を刈り取る程に。


「皆瀬を止めない限り終わらない、お前の拳で殴って止めてこいよ」


「それは、どうゆう意味だ....よ!」


騎士の剣を受け止めていた彼から、投げられた言葉で忍くんは少し落ち着きを取り戻していた。

近くで聞こうとして、彼に絡んでる騎士を殴り飛ばして近寄った。


「この状況は俺に取って危険だって意味だ、....だからお前らに協力してやる」


「マサキ君!」


どんな時でも非協力的で、私達を目の敵にしていた彼が初めて協力しようと事に私は嬉しくって声を上げていた。

やっとの事で合流してから、葵も舞花も直ぐに合流して五人で背中合わせに固まった。


「山田をどうにかすれば、これ....は終わるの真樹!」


「殺せば起き上がる事も無いんだから、そっちの方が楽だろうお前らは?。まぁ天恵ギフトを使ってる勇者組も殺せば終わるだかな....」


葵が喋ってる途中で襲い掛かった兵士を、気絶させるが少し時間を取れば、直ぐに起き上がる兵士を見て彼は皮肉げに言った。


「それはダメだよフルっち!。皆仲間なんだよ、殺す事なんか出来る訳が無いじゃん!」


「訓練場で友に刃を向けてたお前らが、良く言えたな.....こんな時に面白い冗談をありがとう」


舞花の否定を、彼は嘲笑しながら訓練場の話を持ち出していた。

それを聞いた舞花は、更に突っ掛かろうとして声を上げようして忍くんの声で遮られた。


「こんな時に下らない会話してんじゃねぇよ、要は山田をどうにかすれば良いって話だろう?」


「そうだよ!、今は禍根を一時的に忘れて皆で協力しよう!。ねぇ、マサキ君もそれで良いよね?!」


「好きにすれば良いだろう......、お前らも国も世界も俺もどうでもいい。"誓いと約束"さえ遂げられればな......(待っててくれ、ユッカ、マラム)」


最後に小さく弱々しく呟いた言葉が、微かに耳に届き思い詰めた顔をする彼が伺えた

誰かの人物名だと思える名に、私は聞き覚えが無かった。

だから私は、彼に問い掛けようと声を出そうとした。


「皆聞いて!、皆で協力してやまっちを止めて!」


舞花の声が乱戦と化していた場所に響いていく、山田の周りにいる立花や他の勇者組じゃなく。

今もバラバラで動いてる勇者組に届かせていた、その声に一人、一人と互いに協力しだした。


「よっしゃーー!、それじゃ俺達も行くぜ!」


忍くんは自分で気合いを入れて、山田の所に行ってしまった。


「速くこんな馬鹿な事は終わらせましょう、まだ真樹には言いたい事が有るわ」


「舞も、フルっちに言いたい事が有るもん!。だから今度は逃げないでよ!」


「はぁ?、逃げるに決まってるだろう?。もうお前らの顔をなんか見たくねぇよー」


葵に舞花は彼のした事がまだ許せず、彼を見ながら怒ってた。

何言ってんの見たいな表情をして、二人に悪態ついてた。

また、言い争いになりそうな雰囲気がでは始めていたが。

二人はそんなやり取りに慣れたのか、何も言わずに行ってしまった.....。

この場で私と彼の二人だけが残り、私も三人を追い掛けて行くべきか悩んでいた。


「考え事するぐらいなら、自分の身ぐらい守れよ」


こんな乱戦の中で私は、不覚にも注意が削がれてしまい今にも当たりそうな兵士の剣があった。


「.....ありがとうマサキ君!」


彼は形状が変わる黒手甲で、剣から私を守ってくれていた。

私は直ぐに兵士を無唱で水魔法を使い、遠くに吹き飛ばして癒魔法で外傷を治していた。


「......無駄だな、そのままにしとけばいいのに」


私がした事に彼は呆れていた、わざわざ傷を治していた事に私は叫んでいた。


「無駄じゃないよ!、今も起き上がってくるあの人達は傷だらけなんだよ!。そのままにしてたら死んじゃうよ!」


「だから何?、殺らないと此方が殺られるだけど?。お前らは言ったよな?、『帰る為に出来る事をやると』なら、治してる暇が有るか?。身近な人を守る為に敵を排除しなよ?」


彼は言うだけ言って、形状が変わる黒手甲を四角自分を囲ませていった。


「待って!、マサキ君!。マサキ君!!」


完全に見えなく成った彼に、私は四角い黒い壁を叩きながら彼を呼び掛けていた。


『......』


いくら呼び掛けても反応は無かった、耳を壁に当てて澄ましても何も無かった。

だけど何かが割れる音が(・・・・・・)したけど、特に変化は無かった私は気のせいだと考えた。


「分かったよマサキ君、私は誰も死なせないから!」


それからと言うもの、私達は山田を止める為に騎士や兵士を気絶させていった。

それでも直ぐに起き上がる彼等には、殆ど意味は無かった。

私は黒の四角い壁近くで戦っていた、壁を壊そうと剣を突き立てる彼等を、遠く吹き飛ばしては治していた。


もうすぐで、皆が山田を一歩触れる場所まで来ていた。

山田も抵抗しているのか、手にして弓で矢を放っていたけだ、それは的外れも良い所だろう。

殆どが意味もなく地面に刺さったり、何処かに飛んで行った。


「うわーー来るな!、誰でも良い僕を守れ!」


腰を抜かした山田は狼狽して、地面を引きずりながら後退していた。

周りにいた勇者は団結した勇者組が制圧していた、誰も怪我もなく負傷者は0だった。


「よぉー山田?、何をしたか分かってんのか?。あぁ?!」


片手に騎士の頭を掴んだままの忍くんが詰め寄り、怯えた山田に怒りで歪ませた顔を近付けていた。


「ぼ、僕は悪くない!、ぜ、全部あの人の命令なんだ。僕は悪くない、僕は悪くない。僕は悪くない、僕は悪くない」


「もう良い、テメェーは寝てろ!」


「僕は悪くなっ........」


必死に都合の良い言い訳をして、それに苛立った忍くんが顔面に拳をめり込ませていた。

玉座の間と同じ出来事に、私は直ぐに不本意ながら治してあげていた。

騒動の原因が気絶したのが原因か、起き上がっていた騎士や兵士が膝から崩れて倒れていく。

制圧していた勇者達も、同じ現象を起こして倒れていった。


「......終わったの?」


「そ、そうみたいね?、真樹の行った通りに終わったみたいだわ」


呆気なく終わった乱戦に、私は声が漏れた言葉に近くにいた葵が肯定した。

それを聞いて私は黒い壁を叩いていた、中に身を籠ってしまった彼に伝えようとして。


「マサキ君?!、もう終わったから出て来て大丈夫だよ?!」


『........』


幾ら呼び掛けても反応が一切無かった事に、私は不思議に思い強硬手段を取った。


氷槌アイスハンマー!」


魔力密度で高めた強度が高い、氷の槌を作り黒い壁に目掛けて降り下ろしていた。

手で叩いた時に感じた感触から、それほど厚くない事は分かっていた。

だから、壊せると思った壁が壊れ無かった事に私は驚愕していた。


「な、何で?.....」


「退いてろ俺がやる!、......うらぁぁぁぁぁ!!」


私を手で退かして忍くんは、渾身の一撃を壁に向けて殴った。

ズドンっと重い音が鳴るが、何も変化は無かった。


「硬すぎるだろ.....、どうなってんだこいつは?」


忍くんは逆に殴った手から血が滲み出していた、幾ら殴っても怪我すらしなかった拳が、この場で初めて傷を見せていた。


「忍...貴方血が出てるわよ。それにしても、これは一体何で出来てるのかしら?」


「本当だな....、すまねぇが八重治してくれねぇ?」


葵の指摘で血が出てる事に気づいて、殴った手を此方に向けていた。

葵は壁に触れながら、何にで出来てるのか調べていた。


「はい、治ったよ。本当に何だろうね?、形状が変わる物でこんなに硬いのは?」


忍くんの傷をパッパと治して、私も葵と同じく壁に触りながら考えていた、こんな素材が有れば広まっていても不思議じゃ無かった。

なのに、この場の誰も知らない物が目の前にあった。


ただ舞花だけは、「う~ん」と頭を捻って何かを思い出そうとしていた。


「これって、もしかしてだけどさぁ~?。サラっちが言ってた魔柔石ミーヤじゃないかな?、ほら薔薇の髪飾り?」


「「あぁ!」」


葵と二人でこの壁が何なのかが分かり、二人して声を出して納得していた。

あの日街から帰って来て、サラの部屋でお茶会した時だった。

この世界で地球の薔薇を形取った髪飾りを、サラは嬉しそうに話してくれた。

何で出来て誰に作って貰ったのかまで、でも魔柔石ミーヤと呼ばれた鉱石は戦闘には適してないとまで聞いていた。


「舞花それはあり得ないわ、魔柔石ミーヤは確かに形状や硬度が変わるけど。込められた魔力よりも上まれば簡単に元に戻るのよ?、それに固定リープシングしないと魔力が途切れればそれでも終わるのよ」


「分かってるけど!、でもそれしか条件に合ってないよ?」


「じゃ、マサキ君は今も魔柔石ミーヤに魔力を注いでるって事だよね?」


「そうね.....だから硬度は硬いだと思うわ、でも彼のステータスは誰よりも低かった筈なのだけれど?」


「なら、彼奴よりも魔力で上まれば壁は消えるだな?」


「だからそうって.......忍?、貴方まさか!?」


黒い壁に触れた忍くんに、葵は何をするのか分かってるみたいだった。


「こうすんだよ!!、阿修羅怨霊アンガー・フィアスゴット


ボンっと忍くんの魔力が膨れ上がり、背中から左右に二本ずつ腕が生え、顔が三つ生えていた。

二面とも怨念に呑まれた顔をしたいた、忍くんは阿修羅像に似て三面六譬さんめんろっぴの化身に変わっていた、六つの拳に眼でも捉えるほどの魔力が浮き出し。

壁に向けて連打する、一撃一撃が重く空気を震わせててるのが肌を通じて感じた。


「.......凄い」


私は感嘆の声を出していた、忍くんの天恵ギフトは名前だけは知っていた。

それがどんな能力までかは知らなかった、本人は使えば自我が消えて目の前の物を壊す化身となると。

だからそうなった時は、絶対に近づくなとも忠告していた。


葵も舞花もそれを聴かせられていた、だからは力で止められるように二人は天恵ギフトを発動してる。


「ーーーーーーー!!」


右三本腕を一つに纏めて、目に見えた魔力が紅く燃えていて。

それを壁にぶつけて動きを止めた、壁が真裏に衝撃が通ったのか地面が抉れてた。

三つ拳に触れてる壁から、亀裂が入り四方八方に広がっていた。

残りの左三本腕で亀裂に手を突っ込み、壁を引き剥がし壊していた。


「だ.....大丈夫だ、意識はある攻撃しなくってもへ、平気だ」


私達三人は忍くんを止めようと、意識を奪う為に攻撃しようとして。

まだ意識が有ると声を掛けて、私達は天恵ギフトを解除して普通に近付いて行く。


「それ以上は辛いでしょう?、後は私達がやるわ」


「そうだな俺は....休むとするぜ、起きるまで絶対に逃がすな......よ......」


それだけ言って忍くんは、天恵ギフトを解除して後ろに倒れてしまう。

多分不可が強すぎて、身体や精神が耐えられなかったのか眠ってしまった。


「これだったら行けるね、...う~んやっぱ中は暗いよ....シロどうしたの?!」


「グルッルルルルル」


忍くんが剥がした壁の隙間から、舞花が中を覗き見て何も見えなかったのと同時に。

舞花の白妖シロが唸り出し、酷く怯えてるみたいにも取れた。


「どうしたの舞ちゃん?」


私は壁から距離を取ったシロと舞花に近づいた、今だに警戒を解かないシロに舞花は慌てていた。


「分かんない!、けどシロが危険だって言ってる!」


舞花のスキル『魔獣会話』でシロと会話をして、シロは四角い壁の中が危険だと察知し。

主に警告を促していた、葵が慎重に壁を壊して中が見える程に崩れていく。


「そんな!!」


崩れた四角い一面から中が見えた葵は、声を上げて呆然と立っていた。


「どうしたのあ~ちゃん!」


「咲来ちゃダメよ!、貴方は見ない方が良いわ!!」


私が近づく前に葵が来る事を拒絶していた、その様子は私は葵を手で押して退かしていた。


「退いて!、マサキ君だいじょ.......ぶ......」


私は後悔した葵の静止を振り切って、黒い四角い壁の中には内側が赤い液体がベットリだった。

今も地面にはまだ生きてたのが分かる程に、生暖かい血が流れていた。


「ダメ!、咲見ないで!!」


悲痛な声が届き、私はその場に膝から崩れて目の前の光景から目が離せなかった。


「あぁ......ダメ...こんなのダメだよ....ねぇマサキ君起きてよ...寝た降りしないで起きてよ......また街に出掛けたり...色んな話をしようよ....だから起きてよ!!」


こんなのは夢だ、きっと悪夢なんだ目を覚まして、お願いだから神様こんなのは嘘だって言って!。


壁の中では背中から胸に、伸びた赤い刃が彼を貫いていた。

明らかに心臓に刺さり即死だと、素人が見ても分かる。

骨を貫き血液を送る心臓が刺され、致命傷から噴水のように飛び出した血。

それが黒い内側を赤く染めていた、黒い四角い壁が今だけは棺桶に見えていた。


「咲!、貴方の性では無いわ。だから気をしっかり持って!」


葵は力強く抱きついてそんな事を言った、今はそんな事なんかどうでもいい.......。

これは夢なんだから、寝て覚めればこんなのは消える。


私は現実を受け止められず、意識を手放す事にした、ゆっくりと重い瞼を閉じてこれが夢だと信じて........。



アドバイス等、改善点が有りましたら何でも言って下さい。

今後も何卒宜しくお願い致します。

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