三題噺 [戸(扉)] [湖] [白い]
会社へと向かう道のりで、
いつも湖をグルッと半周するルートがあるのだが――
その湖が、とても奇妙な物のために、
有名だったことがある。
湖の真ん中に白い――――白い巨大な扉がポツンと立っているのだ。
その扉は日によって、
閉まっているし、開いているし。
別にドラ○もんのどこ○もドアのように、
その先に別世界に広がっているわけでもない。
(見た目は色が違うだけで、あとはドアノブまでそっくりだったけど)
突如現れたそれは――――――――、
もしかしたら、
近所の住民のいたずらかもしれない。
むしろ、県知事だのなんだのが、
観光名所にしようと狙って設置したのかもしれない。
調べてみれば簡単に犯人が分かりそうなものなのに、
そんなことをする人は誰もおらず。
ただ立っているだけのその扉は、
目にしたものの心をつかんだ。
昔、何もなかったこの湖で、
カップルにと船を貸し出していた店――――、
扉が現れるまではほとんど潰れている感じだったが。
突如現れた扉のおかげで、
一気に売上が上昇したらしい。
扉の開いている日に合わせて、
限定でボートを貸出し、
扉をくぐるイベントを企画したためだ。
『扉をくぐると願いがかなう』
『一緒にくぐった恋人は幸せになる』
『寿命が延びる』
『病気が治る』
適当な願掛けのようなものがあちこちで飛び交い、
それに狂ったように飛びつく人の群れ。
はたから見て「馬鹿らしい」の一言しかなかった。
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そんな扉が、
表れたときと同じように、
突如、姿を消した。
連日来る、観光客の騒音に悩まされていた
住民の一人が、耐えかねて撤去したのだろうと。
そんな憶測がニュースや新聞で出ていたが、
その真相は明らかになっていない。
後日、ニュースで映し出されていた映像は、
白い扉は、斧でバラバラにされ、
湖から少し離れた空き地にまとめて投げ捨てられていた様子。
なにか特別な材質でできているわけでもなく、
そこらのホームセンターで売っているような、
なんの変哲もない扉だということがこと細かに説明されていた。
県は慌てて、新しい扉を――――、
まったく同じものを用意し設置したが、
これまでの人気が、
まるで嘘だったかのように、
目に見えて観光客の数が減っていった。
貸しボート屋も、
今度こそ店を畳む決心をしている。
他と変わらないただの扉が、
ただ湖の真ん中にあっただけという扉が。
出どころが不明というだけで、
あんなに人気が出たことが、
堪らなく可笑しかった。
しかしこの――――
『熱しやすく冷めやすい』習性には
感謝しないといけないだろう。
―――そのおかげで、
道路が混むことも無くなったのだから。
出社するまでに一時間も余裕ができ、
こうして――――――――
ゆっくりとコーヒーを飲むこともできるのだから。
リハビリ三題噺第二弾
[戸(扉)] [湖] [白い]
はいはい30分、30分
お題を見たときに浮かんだイメージで
そのまま突っ走った結果がこれです
結末も書いてる途中に浮かんできたものです
撤去したのが主人公(?)なのかも謎です
途中、思い浮かんだのは
その扉で別世界に行こうと奮闘する人とか・・・ね
後から考えてみたらどうやって話を終わらすんだと
あと、実際にこんな湖があったらごめんよ
三題噺にも一応ルールがあるそうで
お題の一つをオチに持ってくるとかなんとか
リハビリなんで許してください
「こんなん三題噺じゃねぇ!」って
度々言われるようなら、題名とタグ変えます
普段、初詣等で人がごった返してるのを見て
「馬鹿だなぁこいつら」
思ってるのが如実に現れてますね、困った
試験の時にキ〇トカ〇ト、カツ丼とか
土用の丑の日には鰻とか
そんなのは気にしない人です
でもクリスマスにはケ〇タッキー食べるよ←