第二ー一話:開幕、持ちかけバトル
第二章、持ちかけバトル
ツインvs本部、試合開始!
バトル当日。
バトル場の周りには、本部と協会の協会の人間が集まっていた。
ツイン側の面々を見た本部の者たちは、「引っ込めー」などと罵倒している。
「相変わらずだねー」
ルイナは溜め息を吐き、懲りないな、と言いたげに言う。
「一々、気にしていたらキリがない」
さっさと行こう、とルイシアは言い、面々は会場内に入る。
「あ」
そんなルイナたちに誰かが気づき、彼女たちへと手を振る。
「柊さーん」
「ん?」
呼ばれたルイナは周囲を見回し、自分たちに手を振る集団を見つける。
「え、みんな来たの!?」
これにはさすがに驚いた。
「俺たちツイン側にしてみれば、ほとんどアウェーだからな」
「しかも、歓迎されてない」
ツイン側の面々の一部が、本部側の面々の方を一瞥しながら言う。
「だから、私たちだけでも応援できればいいなと思って、来たの」
それを聞き、ルイナは小さく笑みを浮かべた。
「そいつらだけじゃないぞ」
後ろからも数人現れ、他に話していた者もルイナたちを見る。
それは、ルイナたちが良く知るツイン側の面々だった。
どうやら、みんな応援に来たらしい。
「……」
驚き、目を見開く五人。
「まさか、全員じゃないよな?」
玖蘭の質問に、面々は苦笑いする。
「さすがに、それは無いよ」
そんな五人に、最初に声を掛けた少女は言う。
「ささ、みんな。早く行って、勝ってきてよ」
「本部の奴らに負けるなんて、許さないからな」
そう告げられ、ルイナたちは頷く。
「任せて」
そう返すと、五人はフィールドに足を進めた。
☆★☆
中は割と広く、楕円形になっていた。
バトルフィールドと思われる闘技場のような場所は、白い大きな円形で、楕円形の会場内の真ん中にあった。
いっそのこと、フィールドも楕円形にすればいいものを、と思うが、公平にするための円形なのだろう。
なら、フィールドに合わせて、会場自体を円形にしろ、と言いたいが、出来てしまったものは仕方ない。
そんなフィールドで、本部側の対戦相手と、審判のため、フィールドの真ん中にルイナの兄、ルカがいた。
ルイナがルカに目を向ければ、頷かれる。
「それでは、条件を」
ルカにそう言われるが、ルイナたちは「条件?」と首を傾げる。
「あれ、まさか知らなかったの? そっちから仕掛けといて、それは無いよね?」
対戦相手である本部の者の一人が言うが、それを聞いてルイナは舌打ちしたくなった。
どうするんだ、と四人はルイナに視線を向ける。
「ば、バカにしないでください。無いわけないじゃないですか」
ああ、無いんだな、と四人は思う。
(動揺しすぎ)
内心でそう思いながらも、ルイシアはそっと息を吐く。
(さて、どうすっかな……)
そんなルイナはルイシアの読み通り、内心、焦っていた。
正直、決まってないわけではない。
ただ、これはバトルの前に決めた条件を、集まっていた人々を証人にし、互いに約束させるためのものだ。
(なら、これしかない)
元々、このためのバトルだ。
息を吐き、ルイナは告げる。
「私たちの条件は、メンバーの古月美波さんを本部に戻すことです」
それを聞き、四人を含めたツイン側は驚き、本部側の観客席の最前列にいた茶髪の男はへぇ、と言う。
「ちょっ、ルイナ?」
どういうことだ、と頼人は尋ねる。
「どうもこうも、元からそのつもりだったし。言うのが早まっただけだよ」
ルイナは冷静に返す。
「言うのが早まっただけって……」
「勝ったら、勝利者権限で言うつもりだったんじゃないの?」
呆れたように言う玖蘭に、ルイシアが言う。
そんな中、本部側の者が口を開く。
「俺たちの条件は……」
銀髪の男ーー銀は、言葉を一度切り、告げる。
「ツインの奴らと関わらないことです」
この言葉に、ルイナたちと観衆は驚いた。
「それ、本気で言ってるの!?」
ルイナが叫ぶ。
「本気じゃなきゃ、言わない」
銀はルイナたちに目を向ける。
(そこまでして、私たちと関わりたくないってわけか)
ギリッ、と音が鳴りそうなぐらい、歯を食いしばる。
「ルイナ」
「ルイシア……」
ルイシアがルイナの肩に手を置き、宥める。
そんな彼女にルイナはありがとう、と手を下ろさせる。
「私たちは負けるつもりはありませんから」
そう言うや否や、ルイナは待機場所に座る。
それに苦笑いし、ルカは五分後に第一試合を開始させることを告げ、フィールドの端まで移動する。
そして、彼が告げた五分後。
試合は始まった。
読了、ありがとうございます
誤字脱字報告、お願いします
ついに始まった『持ちかけバトル』
次回から試合開始です
それでは、また次回




