真島·宮本
『暇だなぁ』
「ああ」
『なぁ〜』
「何?」
『バナナの皮剥くときにさ、できるだけ多い回数で剥きたくならない?』
「いや、なんねぇよ」
『ならないかぁ。…まぁ俺もならないんだけどさ』
(なんねぇのかよ…)
『じゃあさ、教室に自分以外誰もいないときに、可愛い女子の席に座りたくなったり机に頬擦りしたくならない?』
「いや、なんねぇよ…」
『ならないかぁ。…まぁ俺もならないんだけどさ』
(なんねぇのかよ…)
『じゃあさ、子供の頃ってさ、蟻の巣とか見るじゃん。で、蟻の巣見てるとさ、蟻がエサ運びながら蟻の巣入っていくじゃん。だからさ、蟻がエサだと思って運びそうだからって、蟻の巣のとこに鼻くそ置きたくならない?』
「いや、なんねぇよ。なるわけねぇだろそんなこと」
『ならないかぁ。…まぁ俺もならないんだけどさ』
「なんねぇならこんなわけわかんねぇこと聞いてくんなよ」
『いや、俺じゃなくてさ、他の人がそうだから試しに聞いてみたんだよ』
「はぁ?他の人って誰?」
『バナナのやつはさ、この前佐々木がバナナ食べてたときに言ってたんだよね』
「佐々木が?そんなアホなことするイメージねぇけどな。
……それで結局何回で剥いてたんだ?」
『それがさ、毎回皮剥いたあとに思い出すみたいで、まだ試したことないって言ってた』
「なんだよそれ」
『で、2つ目のやつはさ、この前高橋が体育で怪我して保健室行ったときあったでしょ。そのとき、体育館に戻る前に教室に行ってしようと思ってたらしいんだよね』
「うわ、あいつ変態かよ!」
『でも教室に行く途中で教頭に捕まってできなかったってさ』
「教頭ナイス」
『そんでさ、蟻の巣のとこに鼻くそ置くのは、俺が子供の頃に姉ちゃんがやってたんだ』
「……え、マジで!!………へぇ、昔の理香さんってそんなアホなことしてたのか……」
『んー、いや、俺が自由研究で蟻の巣の観察してたのが小5のときだから、姉ちゃんが中2のときだよ』
「え!!!」
『多分中学の途中までは鼻くそ食べてたんじゃないかなぁ?鼻くそほじるのもたぶん高校まではやってたと思う』
(理香さん高校まで鼻くそほじってたのかよ……)
『まぁ、鼻くそほじってたのは自分家にいるときだけだっただろうけどさ』
(いや、まてよ、俺だったら理香さんの鼻くそなら金払ってでも食いたいわ)
『ん?どうかした?』
「い、いや……。ていうか、お前のはねぇのかよ。こういう話って普通自分のこと話すもんじゃねぇ?」
『えー、そうかもしれないけどさ、うーん……
じゃあさ、子供の頃さ、テレビに短いスカートの女の人が出てるときに、誰も見てないの確認しながらテレビを下から見たりしなかった?見る角度とか変えたりしながらさ』
「…………………あー、ぶっちゃけあるわ…。ガキの頃ってアホだったからな。あー、だよな、俺だけじゃないよな。
…へぇー、やっぱりお前もやってたんだな」
『いや、俺はそんなこと1回もしたことないし、やろうと思ったこともないけど』
「は!?」




