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REVISE修正戦記 -HUMAN vs SPECIALS -  作者: 竜
The Final Season

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38話 これが最後の戦い

飛行しながら、刀を振りかざす俺・如月紫苑は、炎の能力者と絶妙な距離感をキープ。ぶつけてくる炎の能力者の拳は、力一杯、俺の刀で弾いていく。

だが、攻撃は一人相手だけじゃない。地上から狙いを定めた武器の能力者が、ふくらはぎに装着しているアーマースーツを貫く。一気に大勢が崩れると同時に、飛行可能な炎の能力者による拳を受け止める。だが刃では、限界をきたし、後ろへと果てしない距離まで吹き飛ばされる。

『慣れないことするから、そうなるんですよ!!!』

朱莉は、淡々とリズムを刻むようにステップを踏む。それは、先の読めない動きへと引き連れると同時に、武器の能力者を2、3回転舞う回転斬りで仕留める。

『朱莉!!!』

よそ見していた朱莉の横側から鋭くまっすぐぶつける拳をかわすも、相手はあの鋼の能力者。全身強化された拳を一撃でも喰らえば、普通の人間は死ぬ。それでも、終わらせる必要があった・・・

アーマースーツによる装備を頼ることをやめた俺は、一直線に鋼の能力者へと刀を降りかかる。だが手の平で受け止める鋼。朱莉が加勢し、横斬りを腹部に込める一撃も、それもわし掴む鋼の皮膚。だが一つの攻撃で2回の衝撃を加えられる鋼の手を粉々に破壊。遅れてやってくる衝撃波により、一瞬で砕け散る。


俺は、彼を前へと押し出し、体勢を後退させる。朱莉の回し蹴りで綺麗に入る攻撃は、首を粉々に破壊。頭部は失った。だが高圧的な息遣いと大きな図体が俺たちを覆う。

一気に暗闇と化すほどの影に呑み込まれる。俺と朱莉は、降りかかる大きな拳から距離を取り、鬼の筋肉質で厚い腕へと切り込んでいく。

と思えば、簡単にはいかない。

背後から現れた氷柱を生み出すテレキネシスの能力者・安藤由美香。

『由美香・・・』

意識をそっちに持っていかれる朱莉に向けて、強烈な体当たりで、連続攻撃を回避。彼女を突き飛ばす勢いで、俺たちは、車のボンネットに背中を打ち付ける。

『早く仕留めないと・・・蓮が・・・』

『よそごとばかり考えるな!!今はこいつらを蹴散らすことに集中しろ!!!』


*  *  *


複数の晴人が、俺・篠崎蓮と瓜生新生を取り囲む。


次々と襲いかかるも、素早い格闘戦で晴人の腕をへし折り、顔面に蹴りをお見舞い。瞬時に空気中の物質から描きだした小さい刀で首を掻っ切る。だが、背後から伸びてきた触手に首を締め付けられる。すぐに、呼吸困難に追い込まれるにつれ、意識が消えていく。

瓜生は、俺の無様さに気づいたのか、駆け寄る足音を乗せて、俺を拘束する晴人に拳をぶつける。晴人と瓜生が交互に腕や脚力を加えることで、左右に激しく揺さぶられる体勢。

早く解放されたいという思いが少しでも絡みつく触手を引き剥がそうと、指を挟み込む。クッソ!!!早く外れろや!!!と後方に向けての頭突きがクリティカルヒットしたのか、晴人の脳天に直撃した感覚があった。なんとか、切り裂いた長いロープ状の触手。邪魔だ!!!

そう、へばりつく吸盤を首元から引き離すと同時に、瓜生が両腕を拘束している晴人の脳天へと鋭い刃を引き裂いていく。

この手応え、やっぱり偽物か・・・本物かどうかは触れる感触で感じ取れる。それにしても多すぎるぞ、この数。


『お待たせ!!!』


この声は朱莉!?能力者を仕留め終えた朱莉と紫苑は、まだ襲いかかる晴人の群れへと突っ込む。


*  *  *


ここまでくれば覚醒したようなもの同然。重しのようにのしかかるこの刀も今では手軽さを覚える。強く握るんじゃない。まるで演技をするかのように、流れるように相手の弱点を切り込んでいく。それは氷の上で滑るフィギュアスケートと似てる。流れるように描いていく剣先は、晴人の肉体に触れると同時に、弾け飛ぶ血飛沫が頬へと触れていく。


『朱莉!!!』


急に私の名が呼ばれると同時に、目の前に輪っか型のポータルが開かれる。円形につながる線は鮮やかに色輝き、紫苑の合図を予測するように向こう側の次元へと飛び込む。位置は、紫苑がいる立ち位置。彼は私が着地すると同時に、大事な刀を私へと投げ渡す。放物線のゴール地点は、私の手元へと設定されている。だが、投げ渡される過程で蹴り飛ばす晴人の介入。紫苑の刀は、アスファル道路の上で転がっていく。


獲物を優先せず、割り込んでくる小さな試練から片付けていく、膝をつく滑り込み、晴人の脚を横切りで切り裂いていく。切断まではいかなくとも、体勢の崩れる膝付きに今度は、二足で立ち上がる私。トリプルアクセル並みの回転力で、首の動脈を狙う。回転の力を活かし、晴人の頭は吹き飛んでいく。

交差点のど真ん中で眠る紫苑の刀。前のめりに飛び込む一回転で、ゲットする刀。

今私の両手には日本刀。紫苑さんから教わったあの技で、カカシの晴人たちを黙らせる。

私は紫苑さんの教え通りに、二刀の刀をクロスに重ねた瞬間、次元が歪むように放たれた衝撃波で目の前の晴人は壁際まで吹き飛ばされる。その威力は地面が隆起し、一直線に地割れを引き起こすほどだ。


見つけた!!!本物を!!!

衝撃波を喰らった本体により、カカシの晴人たちは塵と埃の如く舞い散っていく。


ここで仕留める!!!

一斉に標的に狙いを定める私、紫苑、瓜生、蓮は四方に囲むように飛び込む。


*  *  *


研究センターにて。

私は究極の決断を迫られていた。でも、今さら、会えるなんて言われても信憑性はない。それに彼なら、何をすべきかわかってる。多くの人を救えと言うはず。

『さあ!!!決断の時だ!!!』

西園が握りしめるボタン。だが、その手は瞬時に見えた線により、切断されていく左手。羅輝のレーザー光線か!?

だが、万が一のことがある。切断されていても、地面に落ちるときに、その親指がボタンを押し込めば西園の勝ちだ。

だが見事な連携で、その心配も無用。音速を超える速さで黄色く輝きを増した宮川美雨がボタンをキャッチ。

『今よ!!!』

宮川の合図で、一歩前進していく私・岡本優花。それも歩幅を広げた一歩。これで終わらせる!!!

そう、踏み込むはずだった・・・

『優花!!!!そいつに触れちゃダメ!!!』

岸本理恵の呼び止めるも、もう遅い。私の鋭い拳が西園の頬に、何かが飲み込まれるように精神が蝕まれていく。

まるで今までの思い出が黒く暗く濁っていくかのように、感情自身が消えていくように・・・

私自身が消えていく。


*  *  *


『優花!!!』

クソ!!!早く気づけばよかった・・・うまくコントロールしていたから、気づかなかったけど、こいつ、最大形態と化した怪物を宿している。なぜかわからないけど・・・私・岸本理恵の中にいる影の怪物が、そう言う認識を脳内へと送り込んできた。一体どんな!?それより・・・

『羅輝!!!宮川!!!絶対あいつに近づいちゃダメ!!!精神を乗っ取られる!!!』

『そうだよ!!!バーカ!!!』


は・・・急に声をあげる岡本優花。下に俯く顔、ゆっくり上げた先に見える黄色く濁る瞳の色。

『こいつを助けたけりゃ、ここから去れ。死ぬのが嫌なら、あちらの世界へ行け。二度とこちらに干渉するな』

叱責に近い怒りを込めた言葉と指差す先には、あの影の怪物が住む世界。私たちなんて、あっという間に、死んでしまうであろう。だけど・・・今なら、あの人が助けに来てくれるかもしれない。それに全てを賭ける。

『岸本、妙なことは考えるなよ』

感づかれた!?でも、もういい!!この状況を変えることができるなら!!!

『今だ!!!』

西園がベラベラ喋っている間に、視線で合図を送った私は、結界の貼られた扉をこじあけるよう羅輝を呼び出す。そして、私と宮川は岡本優花の手足へと見えないロープで縛り付ける。

これ以上傷つけないように。そして、羅輝は、結界へと手に掛けると同時に怪力で左右へと力を込める。

『早く!!!!して!!!!』

宮川の押さえ込む力み声。それと比例して強力な結界が歪み出していくと同時に、半径3メートルの次元が震え出す。

もう限界を迎えると同時に、扉から繰り出される衝撃波。二つ同時に解かれた封印は解かれた。

この施設ごと、揺らいでいく振動と割れていく周囲のガラス。


一体何がどうなったの・・・衝撃波で揺さぶられた意識と大きな耳鳴りが脳裏に強く焼き付く。早く・・・西園を止めないと・・・と必死に奮い起こす。重い体を。その時に上げた顔。


ついにこの日を迎えたのか。西園が言っていた影の怪物の世界へつながる扉が開かれた。

私たちが何をしてしまったのかはわかってる。でも、これで・・・彼が現れるなら・・・


*  *  *


ついにやりやがった。俺・西園千早がせっかくお前らのような庶民に生きる機会を与えたと言うのに・・・ならもういい。今のうちに、この岡本優花を内側から壊してやる。そう自分の中に宿る能力を発動しようとした時だった。


『人間如きが、コントロールしようなんて思うな』


そんな声が語りかけてくる。”誰だ?”と問うも・・・答えが返ってこない。だが、俺の敵であることはわかった。どこからか現れた強い引力が、優花の肉体から引き剥がそうとする。

それは無理やり、自分の肉体へと引き戻される。


『おい!!!怪物が!!!なんとかしろよ!!!』


そう俺の背後で力を与える影の怪物も、微動だにしない。

なんで・・・どうして・・・


『俺に勝てるわけないでしょ・・・』


その言葉と共に、俺は自分の肉体へと引き戻された。

気づけば、視界は自分から見える視線へ。体が戻ったことは、自分が纏う黒いスーツでわかった。だがそんなことより、目の前に見える黒い化身。俺は・・・必死に距離をとった。


『お前はただ他人の幸せが憎かった。自分は家族を殺されたのに、みんな幸せに生きてる。それが悔しかった』


相手から距離をとってるのに、声だけが迫ってくる。もはや遠く感じていた声も今では耳元から脳裏へと語りかけてくる。俺は瞬時に、腰につけていた銃を取り出す。


『来るな!!!来るなよ!!!!』


黒い影が立体として歩いてくる。目は真っ白なシルエット。まさしく影から目と口だけは白く浮かんでいる状態。私は、急いで、その部屋から抜け出す。


白く輝く床、壁、天井。長く感じるこのまっすぐな廊下。私は・・・あの日もこうやって逃げ出したんだ。家族が必死に助けを乞うのに。生き延びたくて・・・


『その後悔を他人に八つ当たりしてるだけだ』

また聞こえる悪魔の声。それに俺は四方八方に銃弾を送り込んだ。

『もうやめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』


そう張り上げる声と共に、凄まじく直進する雷が見える。次の瞬間、私の意識は途絶えた。



*  *  *



俺と瓜生の生み出すポータルで自由に行き来する空間。さっきまで晴人の左きわにいた朱莉が、次の場面では、背後へと膝蹴りを脊髄に打ち込む。瓜生は手のひらにこめたエネルギーの球体を晴人の腹部に打ち込む。腹から脊髄まで響くと後退していく足場。隆起した地面が一直線に描かれる。俺・篠崎蓮と如月紫苑のダブル拳がさらに晴人を追い込む。もう容赦しない。そう、向けた勢いと加速のある拳で、大きく姿勢が崩れる。


だが、晴人の体力はまだ残る。

何を考え始めたのかわからないが、動きが変わった。無我夢中に狙いを定めたのは、ポータルで晴人の周囲を行き来する朱莉。声をかけるはずがもう遅い。晴人の血管を浮きあがらせる二の腕が、ポータルから現れる朱莉の首元を掴みかかる。もちろん、朱莉を助け出すために前進していく足元。だが彼女を野球ボールのようにコンクリートの壁に投げつける。作画の線と化した彼女は、大きく強く身を打ち付けると瓦礫の山へと倒れ込む。

『朱莉!!!!』

だが、俺のいる位置では、あまりも遠い。さらに加わる新たな介入。晴人は、全ての能力を俺へとぶつけ始めた。一刻も、彼女の元へ辿り着く必要があると念じるも、炎、氷、風、雷、といった自然の能力を皮膚が剥がれようとも、ぶつけていく。さらに手は、鋭い凶器へと型どる過程で見せるスライム状の変形。

それは、俺の肩ごとごっそり、分断させた。神経が通うことなくなった俺の左腕。なんとか回復しようとするも、鋭い蹴りが横腹に。打ち込む拳が腹へと。さらに顔を近づける距離を生かして、頭突きが額を凹ませる。

一気に崩れる体勢と後退する歩幅。好機を得る晴人は、スライス式で横切りを試みる。俺の首へと狙いを定めて。もう片方で描き出した日本刀を使って。もう・・・


と思い込むと同時に加勢する瓜生新生が必死に食い止める。だが、胸板から高圧的な光と震えが見える景色を歪ませていく。なんだ・・・この凄まじいパワーは!?

そんなことを考える余裕さえなかった。次の瞬間、瓜生は消えた。

いや違う・・・

もはやいろいろな声を自分の中で通わせる時間なんてなかった。気づけば、俺のいた立ち位置から、どこかわからない大きい通りへと身を投げ出されていた。強烈すぎるパワーで、吹き飛ばされてしまっていたのだ。隣にいた瓜生新生の行方もわからず。さらに、高層ビルの側面で大量に並べられていた窓ガラスは次々へと割れていく。

なんとかしてでも!!朱莉のとこへ行かねば!!!跳躍力を込めると飛行で彼女の元へと飛び込んでいく。

次は視界に映る情報で朱莉の行方を辿る。



*  *  *



もう起き上がれ・・・ない。それに痛くて重い。筋肉痛のレベルはとうに終えている。全身が動かないのは、全身を古い起こしたからでもある。でも1番の理由は、大きなコンクリートが、私・咲白あかりを下敷きにしていた。上半身にかかる負荷は少ないものも、脚に貫通した鉄格子が、私を封印していた。

目の前は爆風で炭だらけと舞い上がる白煙。視界には何も見えない。ところが、私の前に、手榴弾が飛び込んでくる。そして次第に聞こえてくる二人の男の力み声。

白煙が邪魔で見えない。私は向こうで繰り広げる先へと手を伸ばした。やっと見えたのは、晴人の首に手を回す如月紫苑さん。彼が必死に晴人の抵抗を抑えつける。

『いいのか?あいつが死ぬぞ!!』

晴人が必死に張り上げるも、如月紫苑で険しい表情で葛藤を刻んでいた。晴人を終わらせるか?私を救うか?

状況をやっと理解した私は、紫苑さんに気持ちをぶつけた。

『私のことはいいから!!!!この戦いを終わらして!!!』

そう何度も何度も言葉をぶつけた。でも紫苑の表情は、泣き出しそうな皺寄せを眉間に描く。次第に深く瞼を閉じるまで至る。

『紫苑さん!!!!!!!!!』

だが紫苑の決断は異なった。私の言う通りにならなかった。彼は晴人の拘束を解き、私の前で待機する手榴弾を手に取る。紫苑ができるだけ宙へと投げ入れる体勢に入ると同時に、鼓膜を突き破る爆撃音と衝撃の波紋がまた巻き起こる。


『は・・・・紫苑さん』


また立ち込める白煙の中から浮かび上がるのは、左肩が吹き飛んだ紫苑さん。失った箇所から溢れ出る真っ赤な海。終いには、顔半分まで飛び散った血飛沫。息も荒い。でも、私は動けなかった。ただただ"紫苑さん"と呼ぶだけ。

でも荒れて行く息は次第に消えていった。静寂へと。


*  *  *


ここは・・・

俺・如月紫苑はどこかで見覚えのある場所へと輪郭が浮かび上がってくる。

やがて聞こえてくるのは、来たり寄ったりする海の波の音。視界には夕日に近い太陽が、俺を照らす。もう少し状況を整理しないと!そう重い重い体を起こしていく。


『紫苑・・・』


優しく呼ぶ女性の声。ゆっくり視線を上げていく俺の視界には、沙羅が岩に尻をつき、腰を下ろしていた。

俺が失った、最初で最後の愛する人。


『ここは・・・』

『来てしまったんだね。死後の世界に。前は、生死を彷徨っている境界線として紫苑に再会したけど・・・』

『そうか』


やっと理解した。俺は死んだ。


『お疲れ様、紫苑。これからは一緒だね・・・ずっと・・・』

『うん・・・』


久しぶりに触れる彼女の手へと置く。やっと休めるよ・・・



*  *  *


『紫苑・・・』

俺・篠崎蓮は、爆撃音で朱莉の場所へ辿り着いたものも、紫苑が地面と同化したまま、眠る光景に心臓の鼓動が止まっていた。ああ・・・まただ。また、仲間を失った。

だが、そこに晴人の姿はいない。


すぐに彼の匂いを嗅ぎつけるよう、後を追った。

もう許せない。もう終わらせないと・・・・

ひたすら走った。足の感覚がもうない。もう肩は、俺の能力で取り戻せたものも、体は悲鳴をあげていた。やっと見えたのは、血痕。それが赤い道標として描かれている。ひたすら追い込んだ。追いかけた。

やっとのことで現れた一人のシルエット。

場所は、緑鮮やかなや公園の草原。彼はど真ん中で膝をついていた。体の一部は受けた爆弾のせいだろうか・・・片方の腕は無くなり、左足は一部を失っている。ここまで引きずってきたのか・・・だが俺の来る気配で抗う動きは止まった。


『なあ・・・蓮。お前は俺を殺すのか?』


俺は決断を迫られる。

この決断を・・・


最終話-1:晴人を殺す

最終話-2:晴人を殺さない





最後の結末は、読者さんの選択に・・・

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