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【お嬢様 悪治物語】 お嬢様、この世界を治めるなら『悪』として治めていただきます(リブート v013)

作者: 月野 木羽

皆様の”想像の邪魔”をしないように、出来るだけ余計な説明をしないというコンセプトの作品です。


『』:照子(てらすこ)

「」:十夜雨(とよう)


内容はシリアスですが、ゆったりした気持ちで読んでいただいて、行間や間、余韻を楽しんでもらえれば幸いです。

※この作品の登場人物のように”まだまだ未熟”な文章力&遅筆ですが、皆様と共に成長していければと思います


また、片仮名になっている箇所は複数の意味(例:モノ→者・物)を持つものもありますので、色々とご想像ください。


(00)

「戦争は、戦う必要のない民までもが犠牲になり、その犠牲がまた新たな犠牲を強いる。まるで、終わる事のない敵討ち」


『……』


「戦争とは、治める者の最大の不始末。本来、あってはならない事なのです」


『でも。攻められたら……』


「そう、その為の備えは必要です。

ですが、クニとクニの争いである戦争ではない場合、例えば……武装集団が襲撃してきたと仮定します」


『う、うん』


「その時は警察や軍等の専門チームが対処し、収束すればそれで終わりです。戦争の様に以降も継続し、長期に渡ることはない」


「戦争は一度始めたら、直ぐには終われない。戦争を始めたクニを治めるモノが”や~めた”と言うまでは」

「また、仮に”や~めた”と言っても、戦争を仕掛けられたクニを治めるモノが、報復を望めば戦争は終わらない」


「これは、治めるモノが持つ強制力によるものであり、治めるモノが本来すべき役割から逸脱しているにも関わらず、強制力を持ち続けている事に起因します」


「また、本当は戦争など行いたくないのに、その強制に決して抗えない双方のクニの民は人質のようなものです」


「そう、強悪犯と化した治めるモノが、戦争を続けるため、治めるモノで居続けるため、自らのクニの民を人質にする……」


『はい! 故に”戦争は最大の強いる悪、強悪犯罪にして最悪の人質事件”なのね』


「その通りです。お嬢様」


『でも、飛ばし過ぎよ、十夜雨(とよう)。途中、私のことを忘れていたでしょ』


「いえ、そんな事は……」


『あと二人の時は、呼捨てで呼んで』


「はい、照子(てらすこ)お嬢様」


『もう……』



「お嬢様」


――呼捨てで良いと言ったのに、名前で呼ぶ気はないようね。


「お嬢様!」

『は、はい』


「先程の件、問題点はどこにあるかお分かりでしょうか」


『治めるモノの強制力により、戦争が続いてしまう?』


「はい。それは交戦権といって、今は広く認められています。

戦争にも色々なケースがあり一概には言えないのですが、将来的には無くすべき(→交戦権)と考えます」


「戦争も、昔のように相手が何ものか判らず……」


『魔物や化け物といった得体の知れないものの可能性?』


 そっとうなずく十夜雨(とよう)

「意思の疎通が出来ず……」


『言葉が通じない――言語の翻訳!』


 大きくうなずく十夜雨。

「今、挙げたように交渉のすべがない場合は仕方がないとしても、交渉する余地があるならば戦争をさけるために、最大限の努力をするのが治めるモノの本来の役割です」


『本当にその通りだわ、十夜雨』


「お嬢様、民が治めるモノに望むことは一つです。唯々、良く治めること。唯々、上手く治めること。そして、世界が丸く収まること」


「だだ、それだけでございます」


 ――その夜、照子(てらすこ)は良い夢を見た――


(01)

「お嬢様、悪とは何でしょう?」


 戦争……、犯罪……、ありきたりね、ここは――


『善ではないもの』


「では、善とは?」


『……悪ではないもの』


「それでは、善悪を決めるのは?」


『……じ、自分?』


「その通りです。お嬢様」

「治めるモノの強制力によるものが一つ、各々の倫理観により判断されるものが一つ」

「まずは、治めるモノの強制力によるものについて説明しましょう」


「最初に話したように、強いる事は悪になります」

「それは、強いる事によって”無理”が生じてしまうからです」


「無理が通れば道理が引っ込む、無理は”歪み”であり、その歪みがまた新たな歪みを生みます」

「それは、”嘘”を嘘としない為に新たな嘘をつくのと同じです」


「そうして、罪重(つみかさ)なったものが、今のこの世界です」


『……』


「私がお嬢様に”悪として治めよ”と言ったり、”強いるモノは罪を帯びる”と言うのは――」


『それが”原因”という訳ね』


『でも、やはり私は”悪者扱い”されることに納得がいかない』

『そもそも』


「――お嬢様!」


(次回予告)

 やはり、納得のいってなかったお嬢様。

 心の内に”不発弾”を抱くお嬢様を、十夜雨は見事、説き参らせる事が出来るのか? 


 次回、「統治、総未熟宣言」


 誤って口にした、初めてのコーヒーは苦い


 Not even justice. We want to get truth! 真理をつかめるか?

   (正義や正論などでは無く、私達は真理を知りたい)


 ※高橋良輔監督作品「太陽の牙ダグラム」「装甲騎兵ボトムズ」に感謝をこめて

  予告通りにならない事もあります(苦笑)


私は、愚かだから「仕方が無い」や弱いのが「悪い」ではなく、

最愚最弱者(最も愚かで最も弱き者→さいそこびと)達が”さいそこびと”のまま、

健やかにつつがなく暮らしていける世界こそが本当に良い世界だと考えます。


本作が、そんな世界を実現するための一歩になることを願います。


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