異世界に転生。いやいや、転移ですけど。
俺の名前は、佐武 枸羅麻。
丁度この春から高校二年生。青春満喫中……の筈が…。
俺の趣味趣向に合う人が周りにいない。
俺は、隠れオタクなる者で周りに合わせて話題づくりに必死に成っていたら…。
いつの間にか、スクールカーストの最底辺。いわゆる3軍に属した居る。
だが、俺は幸か不幸か、話題づくりに必死に成っていたお陰で、
周りにオタクだと言う事がばれていない。
ばれていないのなら最底辺では、無いんじゃ無いのか?
と、言う疑問が浮かぶだろう。
何故俺が3軍に属して居るのかと言うと、我が高校の学力を舐めてました。
つまり俺は、《オタク》出羽なく《ガリ勉》で落ちたと言うことだ。
因みにもうちょっとで留年するところだった。
「もう疲れたよ…母さん…」
俺の母親は俺が中学三年の時にトラックに跳ねられてこの地を去った。
父親は産まれつき心臓が悪く俺が産まれて間もない時に、死んでしまった。
つまり俺は高校から一人暮らし……そりゃガリ勉にも成りますわ。
バイト掛け持ちしてんだから時間が無いんだよ。
そんな事を考えていると俺の身体が風に煽られて落ちそうになる。
俺は今、学校の屋上に来ている。
まぁよくある自殺と言う物だ。
俺は、ふと、この世界に生きる意味はあるのか?と、言う疑問を抱いた。
そして何日も考えてある答えにたどりついた。
【無い】
俺に家族はいない。友人もいない。気の良い仕事仲間もいない。
やりたいことも無い。ならばこの世界に居る意味があるのか?……否あるわけが無い。
もう決心はついた、後は足を一歩踏み出すだけだ。
俺は何の躊躇も無くその一歩を踏み出した。
死ぬ時は、時間の流れが遅く感じると、言うが全然そんな事はなかった。
考えてみればそりゃそうだ、死ぬ時に何々が起きたかなんて死んだ人にしかわからない。
◇◆◇
気が付いたら、俺は壁も天井も床もわからない、白い部屋に居た。
「ようこそ、神界へ。
僕は君たちの居る世界では異世界にあたる世界の創造神アルトラカだ。宜しく。」
目の前には、そんな事を言う少女がたたずんで居た。
しかも、通称が僕。まさかこんなところで、ぼくっ娘に会えるなんて。
「どうも。」
「あれれ~~?なんでそんなに反応薄いのかなぁ~。もしかして私の美貌に見とれちゃった?」
「いえ、反応が薄いのはどうすれば良いのか戸惑って居るからです。」
「にしては随分落ち着いて居るねぇ~。」
「これでも結構驚いてるんですよ。産まれつき表情が固いので。」
「じゃぁ、表情が動いてないだけだで驚いてるんだ。」
それから神様から質問攻めに合ったが何とかしのいだ。
てかこの人ホントに神様なの?
そしたら神様が何かを思い出したかの様に飛び立った。
「忘れてたぁ。この子を私の世界に転生させるんだった。」
「あの~。転生ってどういう事ですか。」
「あぁ。そもそもね、此処に君を呼んだのは、
君のもと居た世界の神様から頼まれたからなんだ。」
「頼まれた?」
「そう。それでね君の事を観察してみたんだ。
もう、驚いたよ。あんなに孤独でかわいそうな子が居るなんて。
それで君を転生させることにしたんだ。」
「そ、それは本当ですか!」
「う、うん。急に表情が動いたね。」
「あぁ。すみません。」
「いや、いいんだよ。
それでね、君あっちの世界で生きていけるように能力を与えようと思うんだ。」
「それはスキルと、言うものですか?」
「そうそう。良く分かったね。
それで君に上げるスキルをこの中から選んで欲しいんだ。」
神様がそう言うと突如目の前に裏返った、トランプのような物が現れた。
「これは何ですか?」
「これはトランプの裏にスキルが書いてあって、引いたカードに書いてあったスキルがてに入るんだ。」
「へ~それで何枚引いて良いんですか?」
「ん~。普通は1、2枚なんだけど……特別に3枚で良いよ。」
「良いんですか?」
「普通転生者一人に優遇するのはダメなんだけど、ある条件を満たせば除外されるんだよ。」
「その条件って何ですか」
「複数の神に認証してもらう必要があるんだよ。」
「ちょっと待って!それって俺が孤独でかわいそうだったから!?」
「まぁ~。そうだね。」
「マジか。」
「マジマジ。それより早く引いてよ。」
「あ~。ハイハイ。」
俺は言われるがままにカードを3枚引いた。
そして出てきたスキルが、
これだ、《全能:無》《超加速》《停滞》
「これは……凄いのか?」
「どれどれ~。ほぉほぉ…これはこれは……」
「おい。どうなんだ。」
「あぁ。メンゴメンゴ。てか《全能:無》が有るんだから自分で見なよ。」
「いやいや、そんなこと言われたって使い方とか効果とか知らないし。」
「あぁ。それもそうだったね。
じゃあ教えて上げるよ。まず《全能:無》は、無属性魔法を全て使用可能にしてくれる、スキルだよ。」
「無属性魔法?」
「まぁ。要するに属性を持たない魔法ならなんでも使えるってこと。
例えば……鑑定、身体強化、マッピングとか、かなぁ。」
「鑑定と身体強化はわかるけどマッピングってどんなやつなんだ?」
「マッピングはすごいよ。魔力を帯びている物の魔力を感知して何処に居るか、わかるんだよ。」
「へぇ~。じゃあこの《超加速》は?」
「それは簡単。単に早くなるだけ。
まぁ。人にもよろけど、最高速度は音速の2倍かなぁ。まぁ、身体が耐えられないだろうけど。」
「す、すげぇ。」v
「そうでしょそうでしょ。単純なお陰で使い勝手も良いし、慣れたら1部だけてのもできるから。」
「それで《停滞》ってどんなのやつなの?」
「それがわからないんだよ。」
「え。なんで?」
「ほら私最初に言ったでしょう、トランプって。」
「それがどうしたんですか?………ん、待てよ。」
トランプは52枚でジョーカーと合わせて53枚。
「つまりこのスキルはジョーカーって事か。」
「そ、ジョーカーは引かれるまで何が出るかわからない。
しかも今まで一度も同じ物が出てきてないんだ。」
「でも神様なら俺のスキルをみられるでしょ?」
「それがそうでもないんだ。
例えば鑑定で相手のステータスを見るとするでしょ。
数値化された物、例えばHPや攻撃力と言ったものやスキル名はみることができるんだけど、
その効果まではみれないの。それは神も同様なの。まぁ、可能にするスキルもあるんだけどね。」
「まぁ自分のステータスなら自由に見られるんだけどね。」
「そうなんだ。じゃぁ見てみよう。」
そう言って俺は《停滞》のスキルを見た。
「ん?どういう事?」
「どうしたんだい?」
「それがスキル効果がいまいちわからなくて。」
「どれどれお姉さんに見せてみなさい。」
お姉さんって…
「え!?何これ強すぎるよ!」
そこにはこんな事が書いてあってた。
『効果』
自分を中心に半径10キロ内のあらゆる時間の流れを任意で減速させる。
なお、時間そのものを減速させることも可能。
「つまり!このスキルは運動エネルギーや魔力の循環、思考回路なんかを遅くするってこと。」
「しかも!時間そのものも遅らせるなんて神ですら逆らえないよ。」
「多分だけどこの能力が効かないとしたら、時間の神クロノスだけだと思うよ。」
「マジかよ。そこまで言われて理解した自分にも驚いた。
てかこのスキルさ、《超加速》と、合わせたらめちゃくちゃ強くね?
周りを遅くして自分を早くする。」
「確かに……あ!もうこんな時間」
「ど、どうしたんだよ」
「それがね。もうタイムリミットがせ待てるんだよ。」
「何のタイムリミット?」
「合婚が始まるまでの時間。」
「マ、マジか。」
「じゃ、そう言う事で」
「ちょっと待って、俺あっちの世界でモンスターを仲間にしたいんだけど」
「それは難しいかなぁ。モンスターを仲間にするには召喚術か調教術が必要だから……」
「そんなぁ。」
「ま、まぁ。他に手が無い訳じゃ無いけど。」
「本当ですか。!?」
「ん。産まれる前のモンスターの卵を入手するんだよ。
あ、そうだ!君をモンスターの卵の近くの転生させて上げよう。」
「本当ですか!?」
「ホントホント。じゃ、そう言う事で。」
「え、あ、ちょ、ま……」
◇◆◇
そこは見知らぬ森だった。
いや、知ってる森な分けないんだけど。
「あれ、神様って転生って言ってたよなぁ。おれどっからどう見ても青年だよ?」
「まぁ。良いのんだけど。」
「そういえば卵の近くって言ってたよな。」
俺は卵を探すために立ち上がり、辺りを見渡すと自分をの足元にあることに気付いた。
「あ、合った。それで何の卵なのだろうか?」
俺は鑑定を使いこれが何の卵なのかをみる。
ラルサスタルの卵
もうじき産まれる。
「ラルサスタルって、確か…聖獣って言われてるドラゴンだよな。……Sランクモンスターじゃん!」
此はアルトラカから聞いたことだが、
モンスターの強さは、ランクに比例すると、因みに表にするとこんな感じ。
Fランク:雑魚。頑張れば子供でも倒せる。(高ランク冒険者が横を走るだけで吹き飛ぶ。)
Eランク:弱い。大人が蹴るだけど絶命する。(高ランク冒険者が蹴ると弾け飛ぶ。)
Dランク:少し弱い。ある程度戦闘の心得があれば誰でも倒せる。(高ランク冒険者がならデコピンで倒せる。)
Cランク:少し強い。低ランク冒険者でも頑張れば倒せる。(高ランク冒険者なら石を投げるだけで倒せる。)
Bランク:強い。Cランク以下は瞬殺される。(Aランク以上なら瞬殺できる。)
Aランク:結構強い。高ランク冒険者も手こずる。(Sランク冒険者なら瞬殺できる。)
Sランク:生きた災害。(国が滅ぶので、総力えお上げて討伐する。)
とまぁ、こんな感じだ。
要するに俺の目の前には生きた災害レベルの卵があるわけだ。
あぁ。ラルサスタルは基本的に人に危害を加え無いから、危険性は低いとされている。
「マジか~。Sランクの卵なのかぁ。まぁ何はともあれ産まれてからだな。」
俺はその日とても疲れたのですぐにねてしまった。(主に神様の質問攻め)