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レキ市到着

6話 レキ市到着


「ヒトの大きさだとこの規模の街でも大きく感じるわね」

ヒルデは目の前に広がる景色に唖然としていた。

それもそうだろう。

天竜という巨大な存在から急にヒトのサイズに縮小したようなものなのだ。

言い換えれば今まで立って歩いていたヒトが四つん這いになって視線を低くしたようなものだ。

視線の高さが低いからこそ得られる情報だってある。

ヒルデは正にそれを体験していた。

「取り敢えず宿を探すか。個人的には俺だけなら安宿でもいいが、ヒルデは女性だしある程度の宿にした方がいいのか?」

カズは検問所の衛兵に小銭を渡して得た情報を纏めたメモを見ていた。

そこにはこの国の貨幣の扱い、街の中の治安情報、統治者の評判等が簡単に書かれていた。

銅貨は信用貨幣で銀貨と金貨が実物貨幣だがここ最近は価格変動が起きていないこと。

故に基本的に小銅貨、銅貨、大銅貨、銀貨、金貨と10枚単位で価値が上昇して行くこと。

ただ金貨は高級品を扱う店以外では流通が少なく、つり銭の量も多くなるため市場では拒否されること。

街の中心部とそこに繋がる大通りから離れれば離れるほど中央からの管理の眼が行き届かなくなり治安が徐々に悪くなること。

特に今入って来た南門は商業地区な事もありそれなりに安全だが東門近辺は質の低い私娼窟やら病気持ちの娼婦が多くおり一元さんにはおすすめできないこと。

だが質流れや盗品を扱う店も多く、時には逸品物のお宝が出回る事もあるんだとか。

逆に西門に行くとしっかりと行政に管理された歓楽街があり、値段はそれなりだが安全に楽しめるとのこと。

北門は生産系の職種が集まる工場街であり、直販所もあるが基本的には南門で販売される商品の生産等をしているとのことだ。

中央部は領主の土地であり立ち入り禁止。

そして民家は大通りから少し入り組んだ道を入ったところにあり、それなりに賑わっているらしい。

最後にこのレキ市の統治者はツェルベス王家から公爵を叙されているらしい。

何でも召喚の儀に使用可能な聖域があり、その地を守護する役割を担う場所であり、初代国王の弟に連なる家系が管理する土地であったんだとか。

代々の公爵家自体も王家に対する熱い忠誠を誓っており、代替わりが進んでも王家から嫁が来たりと互いに関係を結んでいるらしい。

個人的には血が濃くなって大丈夫だろうかと心配になったが、分家筋から嫁と国王家からご祝儀的な形を出す等の繋がりをしていたんだとか。

(まあ俺の世界でも中世では婚姻と金で繋ぎとめるってのは一般的だったんだよな。その所為でヨーロッパなんかは各王家で婚姻関係結びすぎてフローチャートにしても解らんって感じだったし。戦国期の日本だって血筋を見ていくと結構親戚関係広かったりするし)

「そんな情報に銀貨を払う価値があったのかしら。その程度の情報ならあの商人小僧に聞けば教えてくれそうだったのに。あの兵士完全に私たちからぼったくってるわよ」

「ああ、その事なら大丈夫。爺さんと話していた内容と完全に一致している。あれは念のために裏取りするってのと現状最新の情報を得るための必要経費だったんだよ」

カズは好々爺の商人を小僧と表現するヒルデに対して笑いながら商人と傭兵から得た情報をまとめたメモを見せていた。

「私はご主人様の国の文字が読めないのだけど。なんだか丸いのと角ばったのと複雑な図形が入り混じっているわね。唯一この時々出てくる文字が私の知る文字に近いわね」

ヒルデは『ひらがな』『カタカナ』『漢字』『アルファベット』の四種類が入り混じったメモを睨んでいる。

ヒルデからの指摘通り、周囲にはアルファベットと思しき文字が見えている。

数字もギリシャ数字のようであり、アラビア数字は見かけない。

だがヒルデからの知識を借りることで意味は理解できるし、自分でも字も書ける。

(知識の共有は便利ではあるが、俺自身も学習した方がよさそうだな。ヒルデに何かあったらそれこそ一大事だぞ。城郭都市を作っている時代を考えると家庭教師用の知識奴隷もいると考えても良いだろうしな。先行投資としてそれなりの額の知識奴隷を買うか?それともヒルデに教えてもらうか)

一輝はいくつかの候補を考えつつメインストリートへと歩を進めていく。

「それに最高の機密保持だろ?まあ俺と同じ国から召喚された奴がいればそうでもないんだろうが、俺の字はクセが強くて汚いからな、まあ読めねえよ」

ニヤリと笑った数は後ろの衛兵たちを指さしながら続けた。

「それにあの金額、あれは一種の賄賂だ。ここで俺達が簡単な情報にすら金を出すと思えばもおっと大きな情報には更なる金を出すと考えるだろ?それを期待しているのさ」

だがそんな二人に対してぶつかってきた少年がいた。

「きーつけろよな、とっぽいアンちゃん!!」

少年はぶつかった勢いのまま文句を言うと走り去って行った。

「ご主人様、思いっきり掏られましたよ」

おそらくこの街へはじめてきたおのぼりさんを狙った掏り少年なのだろう。

明らかに手慣れており、隙だらけであったカズに狙いをつけていた。

「わざと隙を作って捻りあげてあそこの衛兵に突き出すか、犯罪奴隷として金を巻き上げるんじゃないの?」

中々な事を言うヒルデに対してカズは何でもないかのように歩きながら答えていた。

「ああ、いいのいいの。あの中身は俺の魔力で作った交渉用のコピーの見せ金だから。本物はこっち」

カズはローブの内側でヒルデにだけ見える様に黒い球体を展開した。

「それにコピーの場所も魔力探知で把握できるから場所も解る。どうせ東門の悪所街に辿り着くんだろうし、この街から出る時にでも取り返しに行きながらお宝ゲットをしに行こうぜ。どうせ後ろ暗いモノが有るんだ。しかも悪所を仕切っている面子もある。こっそりと行けば表だって動けねえよ」

さらに続いたカズの言葉にヒルデは呆れ果てていた。

ここに堂々と悪党からの強盗宣言である。

しかも街から出る時に奪い去って次の街で捌くつもりなのだろう。

最早どちらが悪党かも分からない。

さらに言えばヒルデにとってこれでカズの魔法の謎の一つが解けた。

ヒルデはカズの魔法を複製魔法の一種なのだと確信していた。

己の魔力を物質化させ固着させる魔法。

対象の大きさや形等様々な要因で消費魔力は異なる。

だが消費魔力が大きい反面、一度固定化さえできれば後は実物と同じだ。

上級者になれば固定化した物体を魔力に還元することで魔力消費を抑えている者もいると言う。

だが出した物を戻すというのは難しいらしく、還元時に最高でも8割、最悪だと1割も還元できないと言われている。

何もない所から刀を出していた点、刀を介して魔力を補充していた点からこの予想が限りなく正解に近い事を示唆している。

しかしはっきり言ってこの複製魔法の効率は良くないし、その分の労力で新品を購入して用意した方が早いとまで酷評されている魔法だ。

先程の様に囮の見せ金を作るなど魔力の無駄でしかない。

それらの点からヒルデはカズ自身が持つ魔力量に絶対の自信を抱いているのだろうと予想していた。

だがそれだけでは説明がつかない点がいくつかある。

単に世界が番う故に魔法に関するルールが異なるのか、それとも自分が気付いていないことがあるのだろうか。

ヒルデが少し考えながら歩いていると、治安が比較的良いと言われた南門の市場へと到着していた。

服売り場で予備の下着や服に靴とサンダルを補充し、念のために複数個のローブを購入した。

さらにヒルデの頭にある天竜の角の名残である突起を隠すためにリボンを購入した。

角は短く、後方へと流れる様に伸びているためボリュームのある髪と頭にすっりと被ったローブで誤魔化しているが、このリボンを用いて髪型をツインテール状にして誤魔化すつもりのようだ。

ヒルデは取り敢えず当座の金は魔獣狩りと商人達へのアルバイトで稼いでいたのでしばらくは宿暮らしをしつつ金を貯める予定だと語っていたのを思い出していた。

そのため最悪金が尽きたらコピー貨幣でも使うつもりなのだろうなどと考えていたのだ。

流石に銀貨金貨といった高額貨幣では魔法を用いたチェックを行うだろうが、銅貨系統であればそんな手間暇をかけないだろう。

もしくはコピーしたカズの刀を売るつもりなのかもしれない。

その下見なのだろうか、武器防具を扱う市場へと来ていた。

「へいらっしゃい。えらい別嬪さんを連れた兄ちゃんじゃないか。彼女に護身用の武器でも持たせるのかい?」

「まあな。あと聞きたいのだがここは買い取りもしてくれるのか?」

「もちろんでさ。使用状況によっちゃ元値の8割で買い取らせてもらうよ」

「そりゃよっぽどへぼが使って相手に当てられなかったか、金持ちが戯れに買った品って落ちか?」

「ハハハ、そういうこった。まあある程度使い込んでいてもしっかりと手入れさえしてあれば5-6割程度の値段で買い取るさ。それよりこの嬢ちゃんが使うならこのクロスボウなんてどうだい?今なら矢を10本で大銅貨1枚半の所を40本セットで大銅貨8枚まで大まけだ」

「おお。カズさんじゃないか。あんたここで買うのかい?」

カズが店主と話していると後ろから聞き覚えのある声が来た。

隊商の好々爺とその部下達だ。

荷物を既に納品してきたのか手荷物は鞄程度しかなかった。

部下の中には周囲を見渡し何かメモを書き込んでいる者もいる。

見た感じこの街の市場の視察といった感じだろうか。

「さっきぶりだな爺さん。もちろんこの街での下調べさ。ここだけじゃなくて全部の店を回ってから一番信用できそうな店で買うさ」

「お、大旦那様じゃないですか!?お久しぶりです」

店主は好々爺に対して深く頭を下げていた。

「爺さん、この店主と知り合いなのか?というか爺さんって隊商で御者やってる割にわりに偉いのか?」

「この若造が小僧っ子の頃、ワシが組合で面倒を見ていたんじゃ。あと隊商組んで他の街に商売に行くのはワシの趣味なんじゃよ。自分の店はワシの息子と孫にまかせっきりじゃ」

好々爺がカカカと笑いながらカズと楽しげに話す様子を見て商人の顔がやや青ざめてきた。

「この御方はな、めっきりと腕が立つうえに武器の手入れも完璧。しかも算術も得意で何も使わずに複雑な計算をするほどの御方ときた。お前さんなど足元にも及ばんほどの御方じゃ。しっかりと誠意をもって接客するのじゃぞ。ところでカズさん、ここで何を買う予定だったんじゃ?」

「いやなに、少し相場を見ていただけさ。そしたらこの店主が親切にも10本で大銅貨1枚半の矢を40本セットで大銅貨8枚だなんて詐欺行為をして売りさばこうとした不心得者がいたってことを教えてくれたのさ。このご時世、金があったらいくらでもって考えている奴が多い中、金づるのおのぼりさん相手に注意してくれる親切な良い店主だよ」

「ハハハ、そうなんですよ。冒険者やおのぼりさんとみると算術ができないと思っているのか吹っかけるバカが増えてきているんで老婆心ながら注意させていただきました」

カズは笑いながら答えると店主が調子よく続いていた。

だが好々爺は気づいているのか溜息をつくと商人の耳元で何か呟いていた。

唯一聞き取れたのは「今はあの御方の顔を立てておいてやる」という一言だけであった。

商人はその一言で青ざめていたが、カズは貸しを作ろうとしたが失敗したな程度にしか考えていなかった。

もっと言えば自分には関係のない事だと切り捨てていた。

そしてカズは意気消沈した店主を置いて今夜の宿探しへと足を運んだ。

夕暮れが近づいて来たためか宿の呼び込みが盛んだ。

取り敢えず治安が比較的良い南門の通り沿いの宿を探すことにしていた。

「そこのお兄さん、宿探しならうちに来ない?ウチの宿なら豪華で連れの方もきっと喜びますよ」

「いやいやこっちは飯が上手いよ。なんたってこの街の宿屋料理大会優勝者が切り盛りしてんだ。宿は見た目よりも飯ってのが基本さ」

「こっちは由緒正しい貴族様もご利用になられる宿だ。一般客室泊まりでも宿帳に名前を書いたってのが末代までの自慢になるぜ」

色んな所から呼び込みの声が響いている。

「なあヒルデ。正直お前はどこがいい?」

「予算を提示されないと答えようがないわね」

「さっきの買い物の残りとして手元には銀貨50枚、銅貨は数えるのが面倒だ。あと俺自身が隠し持っている金貨が50枚前後ってところだな。全身完備の魔獣が思いのほか高く売れたし、傭兵共の武器の手入れやらしていたら小銭払いだったせいでこんなになっちまったよ。今更ながらあの気の良い爺さんや傭兵共からこれだけ金をふんだくっちまって申し訳ないって気持ちでいっぱいだな」

実は商人達の中古商品の手入れを見ていた傭兵たちから自分達の武器の手入れも頼まれたのだ。

さらに野営時に近くにいた魔獣を腕試し代わりに狩ってきたら珍しい魔獣であったらしくまた高値で買い取ってもらえた。

思いの他容易く金がたまったことに関してある種の罪悪感を抱くと共に、出来過ぎではないかとも考えてしまった。

だが周囲の商人の表情からも適正価格であった様なのでありがたく受け取っていたのだ。

「ここいらの宿の相場が1泊大銅貨2枚から銀貨1枚ってところみたいだしな。やろうと思えば現物だけで一日中寝て暮らせるぞ」

「そこから次の街へ行くための馬と馬車を買うってのも忘れないでよ」

「まあ足りなくなったらまた街から出て魔獣を狩りに行けばいいだろ。俺の刀やお前の咆哮で失神させれば美品としての価値も上がって価値が上がるようだしな。しかもお前さんの氷の魔法でモツを凍らせればさらに値が上がるぞ」

天竜というだけあってヒルデの使用可能な魔法は幅広い。

聞いただけでも火風水土の基本属性魔法を完全に使いこなせるらしい。

これは大きなアドバンテージとなる

氷による保管だ。

魔力消費は大きいだろうが、その分の見返りも期待できる。

あの狼のような魔獣、ウルフハウンドというのだが、全身傷無しの状態で出回ることは皆無らしく、かなりの値がついていた。

しかも狙って狩ろうにも群れで襲ってくるため無傷で捉えたりするのは困難であるという点もこの価格上昇に拍車をかけている。

だがカズとヒルデはそれぞれの特性を使って荒稼ぎすることができるだろう。

だがこの方法をやりすぎると生態系を破壊してしまう可能性もある。

金策に走り過ぎてウルフハウンドを絶滅させてしまった場合、食物連鎖のバランスが崩れて後の時代に自然を破壊した魔王と扱われかねない。

ほどほどにしなければならないのだ。

「まあいざとなればお前さんの鱗とか骨を売るって手もあるな。儀式の媒介になる位の高位の魔法具になるのだから結構な額になるだろ」

カズはそう言うと巨大な塊を出した。

それは確かに鱗や皮膜、そして骨であった。

しかし大きさが違う。

小さいものは手のひらサイズ、大きいものはその数倍はあるだろう。

「い、何時の間に私の体を!?ご主人様は変態ですか!?」

ヒルデはそう叫ぶと自らの体をペチペチと手で検分していた。

「ああ、お前さんから切り離した翼をちょちょいと解体したんだよ。追々何かに使えるかもと思ってな。まあヒルデからすれば自分の肉体の一部を他人が持ってるってのは気持ち悪いかもしれんがこれも俺達の旅の為だと思ってさ」

そこでヒルデははっとした。

ヒルデは起きた時に自らの翼が見当たらなかったことについて魔力が発散されて自然界に帰ったとばかり思っていた。

道理で今の妖精体になった際に魔力がおびただしく減少していると感じたはずだ。

おそらくカズがヒルデとの『縁』を切ったために翼の分の魔力が回収されなかったのだろう。

そのため翼だけが形として残りカズが解体と回収をしたのだろう。

そしてヒルデは敗者だ。

竜種の掟として負けた者は隷属の契約を結び勝者への忠誠を誓う。

つまり今のヒルデはカズの所有物であり、ヒルデから切り取られた翼の所有権もカズのであると言える。

文句を言えないという事だ。

そう思った瞬間、もういっそのこと派手な宿にでも泊まってやろうという気になってきた。

最悪捻出される金は自分由来なのだ。

ならば自分が最も楽しむ権利があるとヒルデは考えていた。

「この中で風呂の付いた個室を用意できる宿はどこか?」

「「我が宿にごあんなーい!!」」

ヒルデの問いに客引きの少年少女が大きな声で答えた。

正確には他にも数人の客引きが名乗り出たのだがその二人が一番早かったのだ。

双子なのか瓜二つだ。

二人とも忠誠的な顔であり、服装が男性用と女性用で解れていなければ同性の双子と間違えていた事だろう。

しかも客引きで争っていないところを見るにどうやら同じ宿の客引きの様だ。

「一泊いくらだ?」

「「風呂付の部屋なら1泊2食付で銀貨2枚、5日間以上の滞在で前払いなら上客として1泊当たり銀貨1枚半に値引き可能だとおかみさんが言ってます」」

二人の言葉に他の客引きの言葉がつまる。

おそらくこれ以上の額なのであろう。

顧客の希望が通った上で最も安い所に止まりたいというのが普通だ。

「取り敢えず10日分の滞在費を前払いする」

「「おお、お大尽様!!では早速ご案内させていただきます」」

双子が声をそろえてくる。

これも客を楽しませるある種のサービスという事なのだろうか。

今から向かうのは衛兵や商人達の言っていた相場の倍の宿だ。

やや高級志向な店なのだろう。

今一物価がつかめないが、相応の価値があると信じよう。

そもそも金策の一部がヒルデ頼りであるからこそヒルデの希望を聞いたのだ。

だがこのままではある種の紐状態だ。

魔獣狩り以外の金策も考えねばならない。

「明日はちょいと北側で買い物をしてから街を出て試したいことがあるんだがいいか?」

「我が身は既にご主人様の物。そんなこと言われなくても着いて行くわ」

風呂付宿に機嫌を良くしたのかヒルデは少し楽しそうだ。

その証拠に歩みが少し浮かれている。

スキップとまではいかないが足取りが軽いし、笑顔が強くなっていた。

(俺の知る限り竜は爬虫類系の変温動物だったな。野営した時も朝に弱かったようだし、矢張り風呂の様な温まる場所がある方が良いのか?もし今後野営することを考えて五右衛門風呂のような簡易風呂を作れるように用意しておくか?水と炎はヒルデ自身に魔法で出させればいいだろうし、後は風呂釜も樽で)

カズの考えている事のなどいざ知らず、ヒルデは楽しそうに双子の後ろについていた。

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