『問いは 問いのままに』
掲載日:2025/10/31
円環を少し意識した詩です。
ひとひらの声が
朝の水面に そっと舞い降りる
そのあとを追うように 静けさが沈んでいった
風は 遠い祈りの残響を運び
種は 石の奥で 夢のように眠っている
芽吹くたびに
風は 西の空へ 背を向けていく
それは 光の名を帯びているのか
それとも 影の深みに 名を刻まれているのか
鳥が歌った あの日
そのさえずりは 沈黙のなかで
ひとすじの 光の裂け目を残していった
問いは こぼれ落ちて
誰の手にも届かぬまま 消えていった
神は語らず
ただ 咲いた花の色に
遠い祈りの痕を そっと染み込ませていった
そしてまた
沈黙のあとに
ひとひらの声が 水面に舞い降りる
読んでくださった方々、ありがとうございました。




