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Ⅹー5 銀の月光

■〈月神殿〉

 今度のルナ大祭典は、ルナ本神殿遺跡のそばで催される。そこは、カトマールの首都ルキアから比較的近い上、皇帝直轄の神域として保護されてきたために民家も私有地もなく、周囲には豊かな自然と美しい光景が広がる。観光開発にはうってつけの好適地だった。ラウ伯爵は、遺跡とその周辺地域を世界文化遺産に登録したいと考えており、それにふさわしい保護と開発をレオンに指示した。

 ラウ伯爵がレオンに与えた新たな指令――〈月神殿〉を探せ――は、ルナ大祭典の価値を飛躍的に高めるための戦略だった。だが、この指令なくして、〈月神殿〉の調査が不可能なことも事実だった。莫大な経費をすべてラウ財団が請け負うという覚悟の表明だったからだ。


 早朝、カトマールのルナ大神殿遺跡に立ち、レオンは広々と開けた土地を見渡した。もとは広大な皇帝領の神域に属する森であり、深い森を河が蛇行し、湖が点在する。


 百年前の発掘は偶然だったという。数百年に一度と言われる干ばつが起き、最も大きな湖が干上がった。その底から遺跡の一部が姿を現したのだ。大理石と美しい花崗岩で建造された神殿は、ほぼ原型を留めていた。大神殿は、祭祀・行政・司法の中心地であったと推測され、神殿前には長方形の広場があり、広場をめぐるように建物が配置されていた。


 『ルナの書』には次のような一節がある。 


いと麗しき白き神殿に

銀月の光が満つるとき

はるけき天空の雫が

水に落ち 水を揺らし

月の神は水に立つ

月が呼び来る叡智を称えよ

そは月の神殿なり


 「月の神殿」――〈月神殿〉……。

 ファン・マイは、〈月神殿〉も実在すると信じていた。〈月神殿〉はルナ古王国の叡智が奉納された特別な神殿――マイは、そう推測した。


 マイが着目したのは、ルナ石板である。シャンラ王国とミン国のルナ神殿では石板が出土した。しかし、最も大きなカトマールのルナ大神殿からは石板は出土していない。マイは、大神殿の近くに〈月神殿〉があると考えた。祭政一致のルナ古王国では、神殿は行政の場であり、裁きの場でもあった。それらの祭祀では、託宣によって神の意思が問われたはずだ。〈月神殿〉はそのための儀式を行う特別な神殿であり、儀式に必要な祭具や何らかの記録が納められたのではないか――。


 マルゴ副館長は、マイの説を一蹴した。発掘された大神殿の奥には、二重の壁に囲まれた小部屋がある。見事な装飾レリーフを施されたその内壁に囲まれた区画が祭祀の中核であり、すなわち〈月神殿〉であるとマルゴは考えたのである。そして、マルゴ説が現在の通説である。

 しかし、レオンは、ファン・マイの説を無視できないと考えていた。ルナ大神殿と広場の周囲一帯は、カトマール政府によって遺跡保護区に指定されている。百年前、神殿発掘後に周囲についても調査がなされた、しかし、あたり一帯なにも出てこなかった。二十年前にシャンラでルナ神殿とルナ石板が発掘された時、カトマールでも再調査の動きがあったが、当時は軍事独裁政権――。文化事業は軽視された。民主化後も予算難で調査は行われていない。


 カトマール政府はラウ財団の協力を得て、ルナ大祭典を行うにあたり、大神殿のそばに博物館併設の大劇場を建立する計画を立てた。レオンは立地を念入りに調べ、遺跡がない場所を選定した。

 その際、レオンは、ルナ古王国時代にもう一つ湖があったと思われる地層を見つけた。『ルナの書』の文言に従うならば、その湖の場所に〈月神殿〉があったと推定される。古代に、大神殿と同じく、〈月神殿〉も湖に沈んだが、何らかの事情で〈月神殿〉が沈む湖はさらに深く土に埋もれたのではないか。ただ、その湖は大神殿を飲み込んだ湖以上に広範囲だ。深く、深く、神殿は湖中に沈んだ。だが、当時は、それを発掘して確認しようにも、時間も人手も資金も限りがあった。


 ファン・マイは、満月の光に注目した。レオンは空を見上げた。

――今夜だ。

 大劇場建設の作業員が仮設宿泊所からゾロゾロと出てきたようだ。それと入れ替わりに、レオンは部屋に戻り、月の出を待った。夜を徹して、月の動きを見てみよう。


■銀の月光

 月光の下、レオンは、かつてもう一つの湖があったと推定した場所に立った。マイが推定した〈月神殿〉の場所とは少しズレている。夜の遺跡はもの寂しい。だが、遺跡のある森は空気が澄んでいるためか、星は満天に輝き、丸い銀月がくっきりと遺跡があった地面を照らす。


 満月に達した瞬間、レオンの目の先で、一瞬白い影が揺れた。ほんのかすかだが、銀色の光が煌めきながら月へと立ち上った。しかし、それはすぐに消えた。レオンがその場所に駆け寄ると、いくつかの溝のような白い影が現れ、それもスッと消えた。遠方にはぐるりと白い壁が神域を取り囲むように立ち現れ、これもしばらくしてほろほろと消えていった。空を見上げると、ルナ大神殿で見た月のレリーフ文様が薄い雲のように浮かびあがり、花火のように闇に溶けていった。


 レオンは戦慄した。

――〈月神殿〉……⁉

 月の位置、本神殿との位置関係、方位などすべてを考えるならば、ここに〈月神殿〉があったとしても不思議ではない。


■石板の鉱物

――新しいルナ遺跡の手がかりが見つかった。

 ラウ伯爵はレオンの決定を尊重し、いっさいの注文をつけなかった。レオンは、野外劇場の建設地を急遽変更し、遺跡の発掘許可をカトマール政府に申し出た。第二副大統領シャオ・レンは、一も二もなく、大喜びでこれを了承した。ただし、レオンは、この遺跡が〈月神殿〉かもしれないことは伏せた。もう少し確実になってからでも遅くない。たとえ〈月神殿〉でなくとも、十分に考古学的価値がある。

 すべてを整えたあと、レオンはアカデメイアに戻り、ラウ伯爵に詳細を報告した。


「賭けに勝ったな!」

 ラウ伯爵もまた興奮気味に、歓喜の表情を浮かべた。

 本当に〈月神殿〉であれば、相当に重要な資料が見つかるはずだ。マルゴの説が覆る可能性が高い。マルゴに関与させずにアカデメイアがこの発掘に協力するとすれば、だれをチーフにすればよいか?


 レオンは、ある研究者に関する書類をラウに示した。ミン国出身で、かつてファン・マイの面倒をよく見ていた女性だ。現在、アカデメイア大学文学部教授を務め、博物館教授を兼任する。履歴も研究実績も人柄も申し分ない。ラウは、いつもながらのレオンの手回しの良さに舌を巻きながら、人選に賛成した。

 呼び出すと、彼女はすぐに応じた。ソン・ララだ。

 ララは、カトマールのルナ遺跡について、かねてから何度か調査をしていた。彼女は最優先で発掘に取り組みたいと答え、すぐにチームを組むとラウ及びレオンに伝えた。

 あっという間に、段取りが決まった。


 ラウ伯爵は、レオンに満面の笑みを向けた。

「さすがレオンだな。見事だ」

 数ヶ月はかかると見込んでいた調査をレオンは一カ月でやってしまった。

「恐れ入ります」

 レオンは静かに目を伏せた。

――本当の勝負はこれからだ。気をゆるめるわけにはいかない。

 そんなレオンを、ラウは満足そうに眺めた。生真面目なレオンは、どんなことにも手を抜かない。そして、期待をはるかに超える成果を挙げる。


「それはそうと、このまえは、キミらしくないことをしたようだね」

 ラウ伯爵は、やや皮肉を込めた目をしながら、レオンにそう言った。

「申し訳ございません」

「今回は大目に見よう。大事な交渉を中座するなど、キミがこんなことをしたのは初めてだ。戻ってすぐにフォローしたようだし、先方は怒っていない。むしろキミの気遣いに感嘆していたよ」

 彪吾が倒れたとの報に急遽戻った件だろう。この件はラウには報告していないが、レオンの行動はつねにラウに把握されている。

「恐れ入ります」

「何より、ルナ遺跡の件にはいっさい遅れは出ていない。それどころか、これほど短期間にすべて上首尾に進むとは、正直わたしも予想していなかったよ」

 レオンは落ち着いた表情を崩さない。ラウ伯爵以外が見れば、非常に冷淡な人物だと思うだろう。だが、ラウはわかっていた。レオンは感情を表すことが下手だ。むしろ常に自制し、自制しすぎるほどだ。


 ラウ伯爵は、レオンに提案した。

「今日は、ミュージカルの稽古があるそうだ。キミもついてきなさい。一ヶ月ぶりだろう? 総監督の九鬼くんと事務責任者のキミが距離を置きすぎるのも不自然だ」

「承知いたしました」

 ラウ伯爵は、レオンが彪吾に会いにいったことまでは知らないようだ。

「台本と楽曲は見事だ。さすが九鬼彪吾だけのことはある。彼は作曲だけでなく、戯曲詩人としても超一流だな。キミもずいぶん貢献してくれたようだね」


 レオンは表情を変えないまま、伯爵に新しい書類を手渡した。

「伯爵、別件です。例の石板の詳細な分析結果が出たようです」

「結果は?」

「伯爵のお見立て通りでした。地球には存在しない鉱物が含まれています」

「で、どのような鉱物なのだ?」

「はい。それが、……消えたのです」

「何だと!?」

「石板はそのまま残されています。しかし、その不明鉱物の部分だけが蒸発したように消えてしまったのです」

「そんなバカな!」

「科学チームが手を尽くして原因を突き止めようとしています」

「五枚全部か?」

「はい、五枚全部です」


■稽古場にて

 彪吾は現場に復帰していた。レオンを見て顔を輝かせ、手を振ろうとしたが、そばにラウ伯爵がいるのを見て思いとどまった。

「わたしのことは気にしなくていいから、稽古を続けてください」

 ラウ伯爵はいつもそつのない態度で他人に接する。十歳以上も年下の彪吾に対しても、ていねいな口ぶりをくずさない。


 一人目立つ少女がいた。ラウは目を瞠った。――舞台映えする目を引く美貌、しなやかな身のこなし。

 その細い身体から出る声は、とても人間とは思えないほどの音域をカバーし、しかも、音程がずれない。

「あの子がルルですか?」

「そうです」

「なるほど。九鬼教授がわざわざ推挙するだけのことはありますねえ。いまは〈蓮華〉に在学しているのですか?」

「はい。アカデメイアに入れるには少し学力が足りませんでした」

「学力が足りない?」

「識字障害があるようで、文字が読めないのです」

「それでは、台本を覚えるのに苦労するでしょう?」

「いいえ。ルルは一度聞いたことはすべて覚えてしまいます。台本も曲もすでに完璧に再現できますよ」

「天才ではないですか!」

「そうだと思います。だからこそ、〈蓮華〉が良いかと。ルルはこれまで学校生活になじめなかったようですが、〈蓮華〉では気ままに楽しく過ごしているようです」

「ほう……」

「ああ、あの子たちですよ。ルルの同級生たちとアルバイト先の学生です。よく来るんですが、今日も見物に来たんでしょう。教育上の配慮として、いましばらくはアカデメイアや〈蓮華〉の学生・生徒は見学可能にしているんです。といっても、しょっちゅう来るのは、あの子たちだけですが……」

 向こうには、風子・アイリ・リク、そしてリトがいた。シュウとキュロスまでいる。アイリがモモを抱き、風子がキキを抱いている。午後の授業がなく、ランチのあと、みんなでここになだれ込んだのだ。リトは風子が呼び出した。


 彪吾はラウ伯爵があのメンバーをよく知っていることをまだ知らない。レオンは話題を変えようとしたが、その前に伯爵が言った。

「アイリくんのことはよく知っていますよ。アカデメイアが誇る天才科学者だ」

「え?」

 彪吾は驚いた。万事世事に疎い彪吾は、アカデメイアの実情などまったく知らない。

「隣の小柄な子が都築風子(つづきふうこ)くんだったかな?」

「その通りです」と、レオンが答えた。

「背の高い子と男子学生は知らないが、レオンは知っているかね?」

「学生は、朱鷺理兎(ときりと)。高名な朱鷺博士の忘れ形見です」

「ああ、あの青年だったのか。……朱鷺博士にはこのアカデメイアもずいぶん世話になった」

「もう一人の少女は、わたしにもわかりません」とレオンが言うと、彪吾が屈託なく答えた。

「岬の上病院のアオミ医師の一人娘ですよ。何度か病院で会ったことがあります。リクという名です」

「ほう。……岬の上病院ねえ」

 ラウ伯爵はそう言いながら、さらに続けた。

「あの屈強な中年男には見覚えがあるような気もするのだが、いったい何者かね? この場には、妙に違和感があるのだが」

 彪吾が笑いながら答えた。

「隣にいる美少年の護衛ですよ。あの少年もルルの同級生だそうです。最近転校してきたばかりの子ですが、すぐに仲良くなったようですよ。学校に護衛付きで通わせるのですから、あの子はどこかの御曹司なんでしょう。でも、子どもたちはそんなこと関係なしにわちゃわちゃと楽しそうです」


 リトを見つけたルルは、うれしそうに駆け寄った。いつものように、五人のお邪魔虫も一緒だが――。

 ルルは風子からキキを受け取ると、わしゃわしゃと毛をなでた。

「さっきの歌、すごくよかったあ!」

 風子はお世辞を言わない。すべて本音だ。

「ほんとだね!」とリトが追加してくれて、ルルはとてもうれしくなった。アイリはルルを無視して、床に下したモモを撫でている。シュウはルルを見直したように目を見開いている。キュロスは、「推し」のルルがこんなにも愛らしいと再認識して、感激に目をウルウルさせている。リクは相変わらずぼんやりしたままだ。

 レオンは、背の高い無表情な少女を見つめていた。なぜ、こんなに気になるのか、わからない。


「ルルの面接のときにも、あの女の子たちが付き添っていました」と彪吾が付け加え、「いいですよね。友だちがいるっていうのは。十五歳のころのボクには、だれ一人友だちがいませんでした」と肩をすくめた。

「ルルを呼んできましょうか?」

 ラウの答えも確認せず、彪吾はルルたちのところに走った。

「あちらにちょっとえらい人がいるけど、挨拶しておく?」

 アイリはラウ伯爵の姿を認めて、露骨に嫌な顔をした。

「あたしは関係ない!」


 すると、ラウ伯爵の方から、七人に近づいてきた。彪吾はスルリと回り込んで、レオンの横に立つ。そして、みんなに見えないようにレオンの手を探して、そっと握った。彪吾がギュッと力を込めると、レオンもギュッと握り返す。レオンは平然としたまま正面を向いている。彪吾の顔が思わずほころぶ。

(時間稼ぎ、成功だ!)

 キキがそれを目ざとく見つけた。

(おお、ラブじゃのう)


「やあ、みなさん。ご活躍のようだね」

 ラウ伯爵の声に、突然モモが低く唸り始めた。

「おやおや。わたしは嫌われたのかな」

 レオンは思い出した。この子犬は風子にとっての「危険人物」を察知するのだ。よく見ると、察知して唸るだけで、シッポは垂れているし、へっぴり腰だ。かかってくる気はさらさらないらしい。

「すみません」

 風子がモモを後ろに庇うように立って、伯爵に謝る。

「いや、いいですよ。みなさんはお友だち同士とか。どうぞよろしく。わたしはアカデメイア副理事長のラウと言います」

 風子だけがピョコンと頭を下げた。

「〈蓮華〉の生徒の都築風子です」

 やはり、このメンバーのうち、まともな対応を取れるのは、風子だけのようだ。

「さきほどのルルさんの歌声には感嘆しました」と、伯爵はルルに向き直る。

 ルルは胡散臭そうに伯爵を見た。ルルにとって肩書きは何の意味も持たない。偉そうにしているのが気に食わない。


 ラウに気づくや、キュロスはシュウを守るように前に立ちはだかった。キュロス自身はラウにていねいにお辞儀したが、名乗らない。シュウは隠れたままだ。

 だれに話しかけても会話が続かない。妙な疲れを感じたラウ伯爵は諦めて戻ることにした。レオンがサッとあとに続く。手をほどかれた彪吾が口惜しそうにレオンを見送った。


■不思議な仲間たち

 副理事長室に戻るや、ラウはほうっと息をついた。

「あのアイリに友人ができるとは、まったく予想外だったな……」

 ラウは未だ信じられないという面持ちだ。

「しかし、みんな、かなりの変わり者だ。いや、変わり者だからアイリとやっていけるのか? あの風子という子だけはごく普通の子だったが……。しかし、あの子がアイリのルームメイトなんだろう?」

「そうです」

「うーむ。わからんな」

 あの七人の組み合わせは、ラウ伯爵の理解を超えているようだった。むろん、レオンの理解も超えている。ふと思いついたように、伯爵が尋ねた。


「あの美少年と大男のことは知っているか?」

「舎村の若君とその護衛です。例の事故に巻き込まれた少年です。ひと月ほど前に〈蓮華〉に転入してきたようですが、学校では身分を隠しているようです」

「そうか。あの子がエファの跡継ぎなのか。ずいぶん線が細いが、聡明そうな美少年だな」

「舎村の内情はよくわからなかったのですが、事故と学校の件ではじめてあの少年の存在が表にでてきました。護衛の男性は、シャンラ王国ロアン王太子の親衛隊長だったようです」

 ラウ伯爵が驚いた。

「ロアン王太子だと? 二十年前に亡くなったあのロアン王太子の親衛隊長だったのか? では、キュロスか?」 

 ロアン王太子が存命の頃、ラウはロアンのそばに控えるキュロスをよく見かけた。ただ、一度も言葉を交わしたことはなく、気にしたこともなかった。

「さようです。王太子亡き後、彼は親衛隊を辞め、あちこちを放浪している間に舎村の関係者に拾われたようです。彼はタン国出身の傭兵ですので、忠義に厚く、王太子以外には仕える気がなかったのでしょう。その彼がなぜ舎村の若君に仕える気になったのかはわかりません」


「ふうむ。……例のアイリ奪回事件は、まさか、あの連中が仕組んだのか?」

「いえ。……さすがにそれはないかと。あの中でハッキングやデータ操作の技術を持つのはアイリだけですし、舎村の若君はともかく、護衛はあの時期は岬の上病院に入院していました。そもそも彼らがアイリたちと知り合いだったとは思えません」

「ふーむ。ますますわからん。だが、それにしても気になる集団だ。常時見張る必要はないが、動きだけは押さえておくように」

「かしこまりました」

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