表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/44

改変6:辺境領ネタって色々あるよね(メタい)

さて、ある意味定番な辺境領の横領事件。

辺境伯さん自体は善人ではあるけど部下に裏切られてるのはちょっと情けないぞ♡

とりあえず悪い人はこの聖女エルーナちゃんが成敗しちゃうよ☆


「はい。そんな訳でマリア姉様の隠密スキルが大活躍してあっさり集めた横領の証拠がコチラ。」


「…大抵そうゆう物は隠し金庫なんかにしまってあるよな…?

少なくとも金庫には入ってるはずだし、鍵開けスキルまで習得してたのかマリア嬢。」


「何かの役に立つかな、と思いまして…


「ん。完璧。マリア凄い。」


「ありがとうございますキリカ様。」



見た目が小さいジト目の女の子なキリカちゃんが優しいお姉さんなマリアさんの頭撫でてるの萌えるなぁ〜…

はっ。顔がだらしなく緩んでないよねボク!?



「では後は乗り込んで辺境伯さんの息子を捕縛するだけですね?」


「ああ…しかし、アイツがそんな事をしていたとはな………


「…。」



どうやら、シャルは辺境伯の息子と騎士学校で知り合いだったらしい。

当時は辺境伯の次期領主に相応しい、気持ちのいい青年だったそうだけど…………

“ある事件”を切っ掛けに狂ってしまったのだろう、と。



異世界じゃよくある話。

お互いに好き合ってた美人の幼馴染みで婚約者の令嬢が居たけれど、クズ貴族との決闘に負けて奪われたんだって。

相手は死なない程度、動ける程度の弱い毒を決闘当日の辺境伯の息子(以下次期辺境伯)の朝食に仕込んで来たらしい。

それで本調子が出ずに惨敗。

婚約者は奪われ、周囲からも嘲笑され、そこから転落人生を歩んでここに至ったのだろう、とか。


シャルは公爵令嬢として決闘の無効を訴えたらしいけど却下されたそうだ。

いくら公爵令嬢とは言えど、当時はまだ令嬢、多数決を覆す程の権限は無かったそうだ。

国王様に訴えようにも他家への事情にそれ以上介入するのはやり過ぎだからシャルには不可能。

内密に国王様の耳に入れる程度しか出来なかったのだとか。


今はもうその奪われた元婚約者はクズ貴族の子供も産んで……お金はあるだけで…決して幸せとは言えない生活を送ってるそうだ。


何しろ、次期辺境伯への嫌がらせを兼ねて美人と名高い令嬢を手に入れる事が目的だったから奪った“宝石”をクズは大切にはしないって訳。


本当に胸糞な話だけどさ、だからってお前もクズになるんじゃないよ次期辺境伯…………

改めて決闘し直すなり、ベイルフリード公爵家や国王様に頼るなり出来たはずでしょう?

だってあの人格者な国王様だよ??その為の下準備までシャルがしてくれてたんだから本人さえ訴えれば絶対力になってくれたでしょうに……………


ちなみに、シャル曰くそのクズ貴族はボクの事を嫌ってるらしい。

そうかぁ……知ってたら粛清したんだけど。(アルカイックスマイル)


ただ、清楚系美少女の容姿とか、聖女の身分は使えると思いなにやら裏で動いていたらしいからそれはキリカちゃんが潰したとか…?

わぁ……もしかしたらボク、ナニかされてた危険が…??


と、静かに怒りを溜めてたらマリアさんがおずおずと追加の情報を提示してきた…?



「あの、あと屋敷に幼い女の子とその子の母親と思われる女性が居ました。

その………次期辺境伯様は未婚ですし、お子様はいらっしゃらないはず………となると養子かも知れませんが普通は爵位を継がせる為に男児をとります。

怪しすぎませんか?」


「まさか人攫いですか?」


「………話の流れ的には件の令嬢と貴族の娘、だろうな。」


「恐らくそうかと、私も件の伯爵と奥方様の顔は知っていますからね。」



伯爵…?辺境伯より遥かに格下じゃないか………

※この国の辺境伯の扱いは侯爵以上公爵未満

(侯爵≦辺境伯≦公爵)


なのに反撃しなかったの…?

王族に頼らずとも強権を持ってるのに??

次期辺境伯さんますます情けなさ過ぎる…………



「あの、(異世界人だし身体が聖職者なのもあって)政治だとかは私にはよく分からないのですが、確か辺境伯は伯爵より爵位がかなり上だったはずですよね?

なのに何故あっさり引き下がったのでしょうか?

プライドの問題ですか?」


「……オレにもよく分からないんだ。

家格で言えば確かに辺境伯は上なんだが………

もしかしたら逆らったり他家や王族に頼ったりすればその令嬢を殺すとか脅されていたのかも知れない。

が、それならそれでオレに言ってくれれば動いたのだが………まぁ、何を言っても後の祭りだ。

事実、オレは助けを求められなかったから動かなかったのだし。

勝手に令嬢救出をやっていれば違う未来もあったのかもな。」


「シャロン、そんなタラレバは無意味。」



あ、タラレバってこの世界でも通用するんだ?

まぁそう聴こえたんだし通用するんだよね………?

とにかく、ため息を1つついて気持ちを入れ替えたのかシャルは表情を引き締めた……かっこいいしゅき♡




「ともかく、突入ーーエル、顔が緩んでるぞ。」


「エル可愛い。」


「恋する乙女ですね?」


「〜っ!とにかく行きましょう!?」


「照れてるお姉ちゃん可愛い〜♪」


「あうぅ~………


「大丈夫?尻尾モフる??」


「はい………



わぁい、モフモフ~………



「はぁ………………締まらないなぁ…………



何だかんだで屋敷に突入したボク達。

グダグダ感あるけどそこはまぁ本職の騎士と聖女だし。



「……案外、裏口から静かに潜入するんですね?」(小声)


「…………聖女だから荒事には無縁だったのだろうが、お前は絵物語の見過ぎだ。

派手に突入したら重要な相手に逃げられるだろう?」(小声)


「……んっ。特に今、キリカ達は少人数。しかも、軽装。

辺境伯騎士団を、出されたら、流石に危うい。」(小声)


「さて、皆様。次期辺境伯様の部屋はこちらです。」(隠密スキルにより味方以外に姿は見えず声は聞こえない)


「パパっと解決しちゃお♪」(魔術:ステルスにより味方以外に姿は見えず声は聞こえない)



マリア姉様の先導で部屋に辿り着いたボク達は、目配せで合図をし合い、部屋へ突入した。



「「動くな。我々は近衛騎士隊だ。」」



あ、ちなみにシャルもキリカちゃんも陛下から許可は貰って近衛騎士のまま、勇者として旅をしているから元近衛騎士と言えど休職中なだけで身分は近衛騎士相当。

ご都合主義だけどそうする様に進言したのはボクだ。

これもまた原作との違いだね。

………そもそも原作にはこんなイベント無かったけどさ。


と、その件の辺境伯サマは特に驚いた様子も無く、諦めきった表情だった。

…………抵抗する気力も無い様に見える。


事実、これまた諦めきった声色でボソボソと喋りだした。



「…………やっと、終わりに出来る。

最期に引導を渡してくれるのが、君で良かったよ。

学生時代の我が友、ベイルフリード卿。」


「………ルアルディ…殿?」



あ、ちなみにルアルディは家名ね。

ルアルディ辺境伯って事。

その態度に訝しげにしつつ敬称を取ってつけたシャル。

ボクはもっとクズらしく抵抗すると思ってたから拍子抜けだよ………

つくづく、情けないヤツだねぇ、この次期辺境伯サマ。


その次期辺境伯サマ、清々しい表情かおでシャルに両手を差し出した。



「いつか、こんな日が来ると思っていた…いや、望んでいた………最愛のアリシアにも最期に逢えたし、もう思い残すことは無い。

さぁ、僕を捕まえてくれ。

あるいは、反逆者として、この場で斬り殺してくれ。

もう、僕は疲れたよ…………


「~っ!!クラウスッ!この大馬鹿野郎がァ!!」


「グッ!?」


「シャル!?」

「シャロン。」



そんな次期辺境伯サマ………いや、クラウス…さんをシャルは思い切り殴り飛ばした!?

見るからにひ弱なクラウスさんは壁に叩きつけられて力無くずり落ち座り込んだ……って!



「〖エクストラヒール〗!!

…相手は罪人とは言え、いきなり何をするんですかシャル!!

貴女らしくありませんよ!?」


「許せ、エル。

オレはな………コイツが許せないんだ。

陛下どころか、【我が友】と呼ぶこのオレにすら頼らなかったこの男が!!

お前のせいで!!アリシア嬢がどんな目に遭ってきたのか!!

お前のせいで!!陛下がどれだけお心を煩わせたのか!!

何よりオレは…!オレは……!!

クラウスがこんなになるまで!!何もしてやれなかったオレ自身が許せない…!!」



そのまま、床に崩れ落ちるシャル。

慌ててボクとキリカちゃんが支えに入った………

そのままシャルは慟哭する。



「何がベイルフリード公爵家だ!!何が近衛騎士隊長だ!!

オレは我が友1人すら救えなかった臆病者だ!!」


「シャロン。」


「っ…ぅぅ…


「ふむ…?」



やっぱり後悔してるんじゃないか、シャル。

そう言えば2週目の世界について思い出したけど。

正確には今、アリシアさんとクラウスさんって名前で思い出したけど。

2週目だと辺境伯って既にクラウスさんが継承済みでその妻がアリシアさんで、2人は恩人のシャルの復讐に手を貸してくれたんだったっけ。

原作2週目のクラウスさんは、“一度奪われかけた者として”、【復讐心】が分かる人だったから。


んぅ…?流石にエルーナの身体がチートスペックでも過去には介入出来ないしなぁ……?

そうか………主人公シャルだけ救ってもこの世界は理不尽に満ち溢れてるんだね。


1()()()()()()()()救えない人達が居るのか…………

けど、だからと言ってボクにはもうどうしようも無い。

いくらご都合主義でも限度がある。

ボクが変えられるのは未来だけだ。

なら、現状での最善は目指せなくとも最良くらいには……出来ないかな?

だって“私は聖女エルーナだから。”


あ。


そっか。

ボクってば聖女だったね。

しかも、マリアさんが集めた証拠の中には“アレ”があった。

それに、神託が降りてきて見えた母娘の姿に違和感を覚えた。

そして、正に【天啓】を受けた。

……へぇ?この状況から、最良を目指す方法、あるんだ?

あはっ♪充分チートじゃないか聖女エルーナの身体!!



「あの、少しよろしいですか?」


「…んっ。

エル、どうしたの?」



ボクが挙手して発言すると、キリカちゃんが首を傾げながら聞き返してくれた。

とりあえずきっかけは掴めたかな?



「そのぅ…聖教会の聖女としての発言をさせていただきますと、クラウス様を無罪にしてアリシア様と夫婦にする事が出来るのですが。

と言いますか、アリシア様を娶る事が贖罪になると言いますか…………


「んっ。つまり?」


「具体的に言えば、聖教会としては【神前で結婚を誓い合った妻に対する不義理】と【娘に対する養育費を出さない育児放棄(ネグレクト)】の2つの罪でクズネトリー伯爵家当主を断罪し、貴族である資格無し、とお家取り潰しとする権利と義務があります。

政治不介入だからこそ政治的パワーバランス無考慮の力技なんですけどね?」


その後国が滅茶苦茶になろうとも【神様の正義を優先する】、ある種の究極の無関心で無法地帯である聖教会。

(当然殺しや強奪は教義でご法度だし、法律の代わりが教義だから実際は規律に真面目なんだけど。)

国教にもなっているから国王陛下も教義はご存知だろうし、国側もある程度は覚悟してるとは思うけど。

なお、教義の誇大解釈で横領やらをしようものなら即粛清されるからクズ神官は 基 本 的 に は 居ない。

そんな中で生粋のクズだった聖女エルーナは相当な悪だと思う。


「現状、リシテア様に関する資財は、アリシア様の個人資産……夫が気紛れに渡してくる宝飾品の売却、により賄っていますからね。

そしてその発端となったクラウス様。

貴方がアリシア様とその娘様…リシテア様を保護なさって下さい。

話を聞く限り、そもそも貴方が足掻いて、情けなくとも、みっともなくとも、最後まで足掻いてアリシア様を娶っていればこんな事にならなかったのです。

厳しい事を言いますが。

こうなったのは全て、貴方の情けなさと優柔不断さのせいです。」



まぁ、だから本来ならアリシア様とリシテアさんは聖教会が引き取ってシスターになってもらうところなんだけどね。

そこは聖女権限でどうにかしましょう。

聖女である(ボク)ですら還俗とかあるから生涯強制独身って訳じゃないし。

恋愛結婚であれば教義的にはOKです♡ってやつ。


…話は変わるけど、少年誌のハーレム系主人公でもあるまいし、リアルでそんな優柔不断で情けない男は優しかろーとノーサンキューですよ、クラウス・ルアルディ次期辺境伯さん。


ちなみにボク、ハーレム系主人公とかじゃなく、優柔不断タイプの主人公が嫌いだ。

ハーレムだとしても優柔不断じゃなくて最初から全員愛するならよし、1人だけが好きなら最後までそれを貫け。


要らないんだよそんな毒にしかならない偽善は。

個人的にはああゆう、キッパリと『俺には好きな人がいるから君とは付き合えない』って断れないタイプの主人公は優男に見せかけたキープ君だから本質的にはクズだと思う。

個人の見解だけど。


だからこそボクはシャルもキリカちゃんも両方愛してるんだけど!!

ハーレム系主人公なら全員愛せ!!

それが出来ないならキッパリ断って1人だけを愛せ!!

本命にフラれた時の為の保険にサブヒロインをキープするな似非優男のクズ主人公!!(憤怒)


まぁ今回の件はハーレム系主人公とは優柔不断って所しか関係ないんだけどさ!!!!


閑話休題。



「エル、本当に厳しい、ね?」


「……………聖女としても、1人の女性としても“貴方さえ諦めなければ”と、それくらい言いたくもなります。

事実が逆らえば死、だったとしても。

何より、聖職者の目線としては教義として不義理と育児放棄は大罪ですから間接的な原因である彼は一聖職者として許せません。」



と言うか、さ。

神託で姿を確認したあの子…リシテアちゃん(8歳)って、恐らくクラウスさん(26歳)とアリシアさん(26歳)の子供じゃないのかな?

年齢的にも婚前交渉して当たってたやつじゃないのあの子。

そうじゃないと“原作2周目と同じ(リシテア)さん”がこの世界に存在してる事がおかしくなってしまう。

しかも、リシテアさんはアリシア様の生き写しかってくらいにそっくりだから出生を疑われなかったみたいだし。

…………逆に言えば当時18歳のクズネトリー伯爵もアリシア様に手を出してた訳で。

これもまた、ご都合主義かな?ねぇ、神様?

ともかく。



「ーただ、それはそれとして、クラウス様には我等聖教会による断罪にて路頭に迷う事となるアリシア様とリシテア様を保護なさる責任があります。

それが出来なければ貴方もまた、我等聖教会が断罪致しますが、如何なさいますか。

クラウス・ルアルディ辺境伯様?」


「…僕は…でも…今更…。」



はぁ………………本当に、この人は…!!

本当に嫌いだ、こうゆう奴は!!!!

まったく!本当に、まったく!!



「なら、更に言わせていただきます。

我等聖教会は、政治不介入で更に治外法権です。

貴方方“お貴族様”がどの様な爵位をお持ちであろうと、議会でどの様な立場であろうと、お家同士でどの様な契約や約束事をしていようと、関係御座いません。

全ては神様の下で平等に裁かれます。

ここまで言って、意味が分かりませんか??」



要するに聖教会が独自に調べて勝手に動くだけだから、キミが脅されていたとしてもそうでなくてもそんな事は関係ないって事だよ!!

仮に何かしらの制約があるとしても、キミは何もソレを反故にしていない。


だけど、キミが優柔不断なせいで本格的に聖教会を動かす大事になりつつあるんだがな??

(アルカイックスマイル)

まったく!さっさと頷いとけばボク達だけで内々に済まそうと思ってたけどもう良いよね?

シャルを泣かせたんだから許しませんよ????

(迫力あるアルカイックスマイル)



「エル、聖女らしからぬ笑顔してる。」


「ええ、ええ。私。見ての通り怒り心頭ですので。

クズネトリー伯爵も大概不義理ですが、ルアルディ次期辺境伯様も大概かと思います。」(ニコニコ)


「える、こわい。」


「あらあら♪失礼しました♪」(にっこぉー♡)


「える、おこるほどに、えがおが、ふかくなるの、こわい。」


「うふふ♪ではクラウス様。返答が無いようなので、聖教会はこれより教義により勝手に動かせていただきます。

クラウス様も相応のご覚悟を。」


「断罪される、覚悟…なんて…とっくに出来てる……。」



違うんだよなぁぁ…!?

さてと。

とりあえず聖教会に連絡入れよう。

携帯念話って便利アイテムは存在するこの世界。

テクノロジーチグハグだね?

ともかく、これで本部の大司教に連絡を入れ、聖騎士達にクズネトリー伯爵家を断罪しに向かわせた。


最悪、クラウスも捕まるかも知れないけど。

もう知ったことかこんな優柔不断男。

迷う必要も無い事で迷うな。

なんだい?

自分だけ今更許されても良いのか、とか思ってるのかい??

……許されていいに決まってんだろうが被害者だろお前は。

はぁ……………まったく………………ボクも大概甘いなぁ??

けど、女の子を不幸にしない為だかんな??



「ふぅ…では。

我、聖女エルーナの権限により。

汝、クラウス・ルアルディを罰します。

罪状は、汝のその情けなさと優柔不断により、

将来を誓い合ったはずの1人の女性を不幸にした事。

そして、その娘をも不幸にした事。


汝クラウス・ルアルディに与える罰は、今回のクズネトリー家断罪により路頭に迷うアリシア様とリシテア様の籍を辺境伯家の者とする事。

アリシア様を妻とし、一生涯に渡り養う事。

リシテア様を娘とし、成人し、自立するまで養う事。

宜しいですね?

汝に拒否権はありません。

汝に諦める選択はありません。

汝は、少なくともアリシア様が死ぬまでは生きる義務と責任が生じます。」



ここまで一気に言い切った。

ちょっと怒りで気合い入ってるのあってボクは今、息切れしている。



「はぁ……はぁ…………………ふぅ…コレは。

これは、聖女による神の意志の代行です。

く、成しなさい。

ここにアリシア様もリシテア様も居るのは知っています。

汝らが未だ、愛し合っているのは知っています。

ならば今この場で。

この聖女エルーナが言祝ぎましょう。

………マリア姉様、トワちゃん、2人を連れてきて下さい。

この辺境伯邸内にある教会で、直ぐに略式で婚姻を結びます。

ご心配なく。

既にアリシア様はクズネトリー家とは縁が切れてます。」



これで終わった。

これが、1周目のこの世界で出来る、【最良】。だ。



「…………エル。」


「あ、シャル。大丈夫ですか…?」


「お前は……お前は本当に……聖女だよな………はぁ……お前が婚約者で良かったよ。」


「ん、エル、偉いえらい。」


「えへへぇ〜♪シャルとキリカちゃんに褒められちゃいました♡」



立ち上がったシャルがボクを抱きしめて頭を撫でてくれる。

キリカちゃんもボクの背中にくっついて頭を撫でてくれる。

気持ちいい…♪



「改めてありがとう。エル。」


「聖女ばんざい。」


「いえ、私は聖教会所属の者として教義に従っままでです。」



やがて、マリア姉様とトワちゃんに連れられたアリシア様とリシテアさん、そして未だ呆然としているクラウスを連れて、敷地内の教会へと移動したのだった。




あ、ちなみにクラウスは動かないからシャルが背負って行った。

ねぇ、これってアリシア様に愛想つかされ無いよね??

女騎士に背負われて移動する男って…………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ