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改変5:快適な旅路

さて、早いものでボク達が旅立って早くも1ヶ月が経っていた。

うん、まぁ、この世界に便利な転移系魔法とか転移陣みたいなのがニンゲン側には存在しないってのは()()で知ってたけどさ。

それに、いくらボクが転移者でも唯一貰えたチート、【絶対憑依】は実体を持つ今はもう使えないし使えたとしても憑依は転移魔法にはなり得ない。

この“エルーナの身体”、がチートスペックだとしてもこの世界のヒト族の中では優秀ってだけだし聖魔法にも転移は無い。

それにしても魔国遠すぎでしょう……………いや、だから普段はそんなに交流が無いんだけどさ。


まぁ、焦った所で仕方が無いんだし、原作的には普通に間に合ってるわけだし。

何より皆との旅は楽しい、んだけど……ただ、それで良いのかって気持ちもあって。



「ーんっ……で。聖職者がこんな事していいのか…?」


「ちゅっ…はぁ…♡大丈夫だと思います、私達は女の子同士なので♪」


「むぅ…?」



はい。私は今、移動中の馬車(馭者はマリア姉様、馭者までやれるなんて素敵!!)の中、ベッド(!)の上でシャルに膝枕して頭ナデナデしながら甘やかしてます!

あとついでにちょっと()()()()(舌を絡ませるキス)とかヤッてたりしますけど。

まぁ女の子同士だし大丈夫かなぁ〜?と。

え?それはそれで今のボクも悪女だろうって?

あはは………うん。

だけどボクは原作エルーナと違って他の人に迷惑かけてる訳じゃないし…………



「〜♪」



ちなみに、キリカちゃんは当然の様にボクの背中にくっついて寝てたりします。

キリカちゃんは小さくて軽いから非力なボクの身体でも支えられ………はいウソですこっそり身体強化してますごめんなさい。


なぁんて、幸せ空間でホッコリしていたらトワちゃんが慌てた様子で声を掛けてきた。



「エルお姉ちゃん!シャルおねーさん!敵が来た!!」


「なんですって?」

「なんだと?」



素早く起き上がったシャルは剣を手にして御者台の方に移動した!そして外を見て目を細めた…?



「…賊か。」



それだけ呟くと走行中の馬車から飛び降りた!?



「シャル!?」


「エルはキリカを起こしてツーマンセルで行動しろ!!」


「んっ、もう起きてる。エル、上に行こう。」



何故かボクの肩に乗り、肩車状態になってるキリカちゃんはボクに馬車の上へ移動する様に促してきた。

うん、身体強化してるから余裕だけどさ、仮にも聖女であるボクを乗りもn

ー太ももすべすべしっぽがモフモフで最高ですありがとうございますぅぅ♡


と思っていたらキリカちゃんはあっさりボクから降りて馬車の上へ移動してしまった………



「あ、待って下さいキリカちゃん!!」


「んっ。待つ。」


「あ、ごめんなさいすぐ行きます………


「んっ。だいじょぶ、待ってるから、エルはキリカの嫁だから待つよ。」


「キリカちゃぁぁん♡」



『イチャついてないでさっさと援護しろキリカ!!』



「むぅ…シャロン、分かってない。」



『良いから射てキリカ!!』



「むぅ…………仕方無い。」


「あ、もう移動完了しました。」


「エル、流石。」


「はい♪ではでは~………

『悪しき者に/天の裁きを/穿て/光の槍よ』!!

『シャイニングランス』!!」



『ギャァァァァっ!?』



「………エルすごい。」


「ふふっ♪」



ボクからすれば身体強化ありきとは言え、走行中の馬車や相手の馬と同じ速度で走りながら剣を振るうシャルの方が凄いよ………

あ、相手の馬を奪って武器を槍に持ち替えた。

あれは馬上槍ってやつかな…?



「ハァァッ!!」


「ぐぼえっ!?」


「ハッ!」


「グフッ…



凄い。

シャルの馬上からの力強い一突き。

キリカちゃんの走行中の馬車の上から正確な射撃。

相手はひとたまりもないって感じだ。

それに………



「ガキ共が隙だらけだzギャァァァァッ!?」


「わたしの結界は完璧だよ?」



盗賊達が万が一馬車に辿り着けたとしてもトワちゃんの結界により弾かれていく。

完璧だねボク達。

さて、ボクも負けてられないね!!



「『聖なる光よ/鎖となりて/友を護り/敵を縛れ/出てよ輝ける鎖』!!

『シャイニングバインド』!!」



とは言え、今のボクにはあの夢の中の“原作エルーナ”の様に詠唱破棄での魔法はまだ使えない。

それでも威力はほぼ同等のはずだ。

それだけじゃなくー



ーっ!すまないエル!」


「気を付けて下さいねシャル?」



ーボクなら、敵の弓により落馬したシャルを聖なる鎖でボクの隣に引き寄せる、なんて使い方も出来る!

更に更に!!



「シャル!鎖がそのまま鎧の代わりにもなるからそのまま行ってください!!」


「ああ!!」



鎖を操りシャルの為の足場を作りつつ、動きを邪魔しないように胴体に巻き付けた鎖で鎧を強化&命綱化!!

どうだ!!こんな事あの悪女エルーナには出来やしなかったろう!!(渾身のドヤ顔)

ちなみにこの鎖、ボクが動かしているから本来ならシャルが誰を狙ってるのか予測しながら操作しなきゃいけないとは思う。

けど…!



「はっ!そこです!次はそちらへ!!」


「了解!!」



シャルはボクの指示に従う事にしてくれたからボクがすごく楽!

討ちもらしが無いようにキリカちゃんが援護射撃してくれてるのもあるから余計に楽なんだよぅ!!

もうもうもう!!



「シャル〜!だいすきぃぃぃっ♡」


「ばっ!?戦闘中だぞエル!?」


「んっ。エル、キリカは??」


「もちろんキリカちゃんも大好きです♪ぎゅ〜っ♪」


「むふん♪」


「キリカも真面目にやれ!?」


「だいじょぶ、もう全滅させた。」


「…あ…あぁ、そうだな…?お疲れ様。」


「お疲れ様です♪」

「おつかれー。」


いつの間にか戦闘は終わっていたらしい………

まぁ、元とは言え近衛騎士隊の隊長と副隊長を相手に襲いかかってきた時点で盗賊達にはほぼ勝ち目が無かったんだけどね。


なお、盗賊の死体や持ち物はシャルが討伐しながら順次アイテムボックスへ収納していた。

(倫理観が違うし騎士だからかシャルは盗賊の死体を平気な顔で収納してる。)


ちなみに荷物は個人が使用するポーションなどを除き大体全てマリアさんのアイテムボックスに入ってるから実はこの馬車、積み荷が何もない。

……正確には、さっき言った様にベッドが置いてあって、床には柔らかな敷物が敷いてあり、更に簡易的なキッチンまであり、空間魔法で外見より広々としているファンタジー式キャンピングカーな有様になっている。

しかも車輪はダミーで実際は空間魔法の応用で浮遊しているから中は揺れが少ないし馬車自体が無重力だから馬は何も引かずに走ってるのと同じで疲れがあまりない。

更に壁は下手な軍事用馬車の装甲より頑丈。

万が一極大魔法【メテオ】を撃たれても1~2発位は耐えれる程度には強固だったりする。

+ボクやトワちゃんの結界があるから、

壊されるとしたらメテオが2発以上撃てるらしいし結界破壊魔法も使える魔術師団長と、

国1番の猛者で結界を物理的には破壊出来る可能性がある騎士団長が連携して襲いかかってきた時位かな…?

だからこそ偽装の為に見た目は普通の“行商用幌馬車”にはなってるけど。


そんな空間魔法はあるのに転移魔法は無いのがみすてりぃだよ………


ともかく、鎖を引き寄せてシャルに馬車へ戻って来てもらい、再び幌の中へ戻ったボク達はマリアさんとトワちゃんも労って旅を再開した。



それからも度々魔物やら盗賊やらに遭遇しつつ、旅は順調に進み。

ボク達はやっと国境付近の村までやってきた……

うん、王都周辺なら騎士団が巡回してたから危険も少なかったけど、それ以外の所はやっぱり人材も練度も不足してるんだなぁ………

と痛感したよ。


さて、その村だけど………



「……寂れてる、ね?」


「ああ。」


「…これ、もしかして。」


「だな。」



ん?やっぱり元々は騎士だからか2人は直ぐに感づいたみたいだ。

まぁボクも異世界人としてテンプレを想像したんだけど。



「辺境伯さんが仕事をしていないという事ですか?シャル。」


「いや、オレも最初はそうかと思ったが、ここをおさめる領主は至って善人だ。

(エルに対して好意的だった人物の一人だしな。)

つまり、手が行き届いていないか…………


「部下が、横領してる。」


「なるほど…。」

(どちらにせよテンプレだぁー。)

「ではどうしますか?

不正の証拠を抑えて辺境伯さんに報告しますか??」


「それでもいいが…勇者パーティーである今のオレ達には陛下より断罪する権利が与えられている。

オレ達が悪と断ずればそれは陛下の意志と見なされる、という事だな。」


「なるほど、便利ですねそれは。」


「んっ。

神の代行者でもある聖女様が居るからこそ、与えられた権限でもある。」


「確かに。聖女である私は神の意思を代弁する者ではありますが……些か権限を与えすぎでは??

教会や聖職者は政治不介入が原則なのですが。」


「んっ。

そこは、元・近衛騎士隊長でもあるシャロンが居るから。」


「あー……つまり聖女である私と、休職中とは言え近衛騎士隊長であるシャルが居て初めて機能する権限なのですね。

理解しました。」



そう言いつつキリカちゃんの頭を撫でると、彼女は嬉しそうに尻尾を振る。

なにそれ可愛い!!



「キリカちゃん。モフモフしてもいいですか?」


「んっ。エルなら何時でも、良いよ?」


「ありがとうございます♡」


「んぁ~…♪」


「締まらないなぁ……




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