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IF8.5:考察

逃げる様にしてキリカの部屋…もとい、夫婦の部屋(と呼ぶ様にキリカに言われた)に戻ってきたボク達はとりあえずお茶を飲んで一息ついた。

ちなみに、この部屋も畳張りで、ボクは座布団の上に正座で座ってる。

ボク達アスター連合国の獣人は普段から正座で座る事が多いから慣れっこだ。

……まぁ、胡座も多いけどね?

女性だから胡座はダメ?何その古い悪習。


と、落ち着いたところで膝に乗ってきたキリカを後ろから抱きしめて後頭部に顔を埋め、キリカの匂いを堪能しつつ思考へ没頭する。

※手は無意識にキリカのお腹を撫で回してる



さて……それにしてもあの聖女達は何がしたかったのだろうか?

旅に出たばかりなら大した実力もなかったはず、ボク達獣人を嘗め過ぎじゃないだろうか??



「ふすぅ………


「んっ…♪」



実際、聖剣こそ凄い武器……ではあった。

光属性の魔力を切断力に変換する術式が組み込まれた魔法武器だった、が真相だったけど。

だから実はあの聖剣、闇属性魔力持ちに対してはめっぽう弱い。


だって、ボクが使っているのは闇属性を纏わせた…どころか染み付いているだけの量産品の短刀で、切断力だって普通の刀のソレだ。

人や獣を1人/匹斬ったら血や脂を落として研がないとダメなただの刀。

そんな物で何でも切れる聖剣と鍔迫り合いに持ち込めた時点でお察しだよね??


魔王様は闇属性魔術の使い手だからあの聖剣じゃあ魔王様には傷1つ付けれないだろうな………

実際、闇属性の魔力を纏わせた案山子が切れなかったしね。

案山子に纏わせた闇属性より聖剣に纏わせた光属性が上回ったら切れたけど……

それと、魔力を纏わせずに切ろうとしたら案山子の半分程……芯である少し固めの部分に当たって止まった。

つまり、聖剣自体はただのナマクラ、まである。

そして、聖女(笑)は油断していたのか仕組みを知らずに使っていたのか、聖剣にあまり魔力を纏わせていなかった……?

うーん………



「はむはむ……

※無意識にキリカの狐耳を甘噛みしている


「きゅーん……♡きゅーん……♡」



いや、でも、吸収した光属性の魔力、ボクの元々の闇属性魔力より少なかったな。

元々の魔力量が光と闇50と100くらいだとしたら聖女の魔力を吸収した今で100と100くらい。

要するに、光属性だけを見てやっとボクと同程度だった訳。

と言うか、人族のクセに本来なら魔術が不得手な獣人であるボクより魔力総量が少ないのに、その程度でよく聖女を名乗れたなアイツ?なら吸収する前のボクだって聖女では??キモチワルイから聖女の魔力を手に入れた今でも名乗りたくないけど。


それはそれとして、【魔術】より格上である【魔法】までもを十全に使える魔王様に至ってはボクの何十倍……いや、何百倍以上の魔力を持ってるんだけど??

つまり、こんな微々たる魔力量と光属性の魔力量に呼応して切れ味を増すナマクラをアテにしていたのだとしたら、端からアイツに魔王様への勝ち目なんかった。


なんなら“ひのきのぼう”で魔王を倒せと言われたのと同じ程度の酷い話だよね。

………うん?でも、なんでだろ。

魔王様が倒されてしまう未来もあった様な気がする。

いや、きのせい……だよね?


ともかく、そんな聖女(笑)がボク達獣人を倒すだなんでおこがましい。

勇者(笑)ですらあの程度だった訳だし。



「…………。」

(※考え事しつつ無意識にキリカに口付けしている)


「ん………ぅ………。」(恍惚)



まぁ、何にせよ聖女(笑)も勇者(笑)も既に亡き者にした。

これで話は終わりだろう。それに尽きる。

さて、あんなのの事を考えるのはもう、やめにしよう。

それより今はキリカと2人きりの時間を楽しむべきー



「きゅぅぅ〜ん……♡」


「…何で既に出来上がってるの!?」


「ろぉな…むいしきに……はきゅん……♡」


「わぁ…ごめん…?」



キリカが他の人には見せられない様な煽情的な顔になってる……うん、まぁ、ボクのせいみたいだし当然責任は取りますよ。


という訳でこの後しっかりキリカを美味しく頂きましたとも!

………まぁ、これで子供が出来ても聖女を倒したから憂いは無いしむしろ覚悟完了してるしね。






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