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IF5:獣人連合国【アスター】

2024/5/14

設定に矛盾が出来たので1部セリフを修正


6/14

設定の抜けを修正

ボク達の旅は徒歩だけど元々冒険者してただけあって順調だ。

むしろ、感を取り戻す為にあえて歩いてる感じかな。



『ライッ!』

「応ッ!」



エリザがスナイパーライフルで狙撃しつつ念話で指示を出し、ライが大剣で斬り伏せる。



「キリカ。」

「んっ。」



ボクとキリカは背中合わせになりそれぞれ小刀や双剣で斬り伏せる。


基本的にはそれぞれが夫婦で連携して戦うのがボク達のスタイルだ。

射線/動線が被る時はー



「跳べキリカッ!」


「ッ!」


「ドッ!ラァァァッ!!」



跳んだキリカの死角にいた魔物をライの大剣が両断する。



『左だローナ!』


「ライ様伏せて!」


「ハッ!」



エリザがボクの死角に居た魔物を撃ち抜き、ボクはラインハルト様の頭上に降ってきた魔物を投げナイフで仕留める。



『全員止まれ!』


「んっ。」

「っ!」

「応!」


『バーストショット!!』



ズガァァァンッ!!

エリザの爆炎魔術弾が敵をまとめて蹴散らす!!



『うむ!終わったな!!』


「了解!迎えに行くぜー!」


はような?ライ。』


「任せろエリザ!!」



とまぁこんな感じだ。

4人での戦い方は心得ている。


スナイパーライフルを使うエリザは基本的に超後衛(自身の飛翔魔術で遥か上空に居る)だし、女王らしく(?)戦場を俯瞰(ふかん)して見ているので指揮官タイプかも。

なお、『迎えに行く』、とはわざとラインハルト様の腕の中に落ちてくるエリザを彼が受け止める様式の事。

飛翔魔術って疲れるから、エリザはしばらく“夫に甘えた妻”モードになる。


大剣を手に先陣を切り派手に暴れるラインハルト様、双剣や小刀を手に戦場を駆け巡るキリカとボク、上空から遠距離射撃と戦闘指揮をするエリザ。

パーティーバランスとしてはそれなり、かな。

回復役は魔法が使えて中衛をしているボクと、魔法弾による支援も出来るエリザだ。

回復魔法弾(ヒールショット)、素晴らしいね。


やがて、ラインハルト様にお姫様抱っこされて御満悦なエリザが戻ってきてボク達は旅を再開した。


途中、そうやって何度も魔物や盗賊に遭遇しては撃破しつつ旅を続け、やがて獣人連合国との国境へ到着した。


…………ボク達の国、連合国はなんて言うのか……王国や帝国ともまた違い、兵士達は(さむらい)武士(ぶし)と呼ばれ、建築物も瓦葺(かわらぶき)の木造平屋建てが多く、それぞれの部族を大名と呼ばれる人達が管理しているんだ。

国境警備兵の人達も甲冑と呼ばれる独特の鎧を身に纏い、刀と呼ばれる反りがある片刃の剣を帯びている。

ボクの武器、小刀はそれを小さくした物だ。


まぁ、獣人族は身体能力が高いから素で弾丸や魔法を避けれる(多分エリザでも狙撃は難しめだ)し、だからこそ近接戦闘に持ち込むのが常だからね、刀の様な素早く抜刀する【居合斬り】の出来る武器が好まれるんだ。


そんな警備兵のお侍さん達は、警備の為に構えていた十文字槍を垂直に持ち直して片膝をつき、立てた方の膝の上に槍を持たない方の手を置いて、頭を垂れた。

………連合国での武士の最敬礼だ。



「(!)これはこれは!姫様に桜奈……いえ、ローナ様ではありませんか!!

遠路はるばる何用で…?」


「んっ。聖女の振る舞いが酷すぎるから勇者パーティから逃げてきた。

王国内も危険らしいからエリザとその旦那のライも一緒。」


「よろしくな!獣人連合国の兵士殿!!」


「突然済まないな!」


「っ!?女王陛下様に王配殿下様!?

で!伝令ーッ!!伝令ーッ!!

姫様のご帰還並びに我らが同盟国の女王陛下様と王配殿下様のご訪問だーッ!!」


「承知ッ!直ちに霧流きりゅう…キリル様へお伝えしますっ!!」


「…………大袈裟、じゃないの?」


「何を仰りますか姫様!!

貴女方は我が国にとっての希望ッ!

コレでもまだ足りない程ですぞっ!!」


「……………んっ。特別扱いは、やだ。」


「(!?)し、失礼しました姫様!!」



あちゃ~………国境警備兵の皆はあくまで善意100%なだけにボクからはなんも言えない……けど、キリカがこうゆう……姫様扱いされるのを嫌っている事をボクやエリザは知っている。

だから、じゃないけどボクもエリザもキリカを嫁や友達として対等に扱っているんだ。

仕方ない、ここはボクが出よう。



「兵士の皆さん、お疲れ様です。」


「はい!ローナ様もお疲れ様ですッ!」


「キリカにはボクが付いているので皆様はどうぞ通常通りにお過ごし下さい。」


「しかし…!いや…姫の腹心であらせられるローナ様がそう仰るのであれば!!

では、我々はこれにて失礼します!!」


「はい、引き続き国境警備をよろしくお願いしますね?

後で兵舎の方に差し入れをしておきます。」


「はいっ!ありがとうございますローナ様ッ!!」



ふぅ…やれやれ。あ、ちなみに。

ボクもキリカも顔パスで通れたのは獣人族は鼻も勘も良いから偽者(或いはドッペルゲンガー)かどうかはすぐ分かるからだ。

そんなボクとキリカが連れて来た人達だからこそエリザとラインハルト様も偽者だとは疑われる事も無く入国出来た。


………まぁ、一国の主自らが亡命紛いの事してるってのは大問題なんだけどね?


そこはキリルお義兄様に相談、かなぁ………



とりあえず今日の所は辺境の街に宿をとり休んでいると、やがて、伝令を聞いたから首都から来たって訳じゃなく例の如く狩りをしに来ていたから近くに居たのであろうキリルお義兄様がやって来た。


ボクとキリカが借りた部屋にキチンとノックをして確認してきたのでボク達も普通に招き入れる。


あっ、エリザとラインハルト様は別室で休んでるからボクとキリカだけでお義兄様に会うよ。


……うん、入ってきたお義兄様は相変わらず見た目だけは落ち着いた、理知的な雰囲気の脳筋お義兄様だ。

いくら妹と幼馴染みに会いに来たにしても狩衣かりぎぬのままって……まぁ良いけどさッ!


そんなキリルお義兄様は入室して扉を閉めるなり、糸目で温厚な顔立ちの口角をゆるりと笑顔にして両腕を広げた。



「久しぶりだね、我が妹達よ。」


「お久しぶりです霧流様。

……いえ、お義兄様っ♪」


「ん。兄さんお久。」


「……………ん?」



そんなキリルお義兄様へボクとキリカがそう言いながら左右から抱き着くと、お義兄様は笑顔のまま固まっ(フリーズし)た。

なんで………って理由は何となく分かる。


お義兄様はすぐに復帰すると…………



「うん、僕への呼び方で事情は察した。

よくやったね、霧華。

桜奈を本当に我が義妹にして帰ってくるとは。」



そう言って優しくキリカの頭を撫でるお義兄様。

反対の手ではボクの頭も撫でてくれる。


………うん、安心出来る心地の良い手…ボクはお義兄様のこの手も昔から大好きだった。



「んっ。桜奈はやっと霧華の嫁になってくれた。

兄さん、これからも桜奈をよろしく。」


「ああ、勿論だとも!

改めて宜しく、我が義妹よ。」


「はいっ♪」



なお、このキリルさん、何故かまだ未婚ではあるが恋人は居る。しかも2人。

お相手は兎族の可憐な双子のきょうだい、だ。

………うん、まぁ、兎族の人って種族特性なのか()()()()()()()()()人達だからね。

とだけ言っておく。

ナイトグレイ兄妹は揃って番が…………ね??


なお、彼女達兎族のきょうだいもボクの幼馴染みで、そちらはキリルお義兄様付きの従者をしている。


…………あ、うん。配属逆だったんだけどね、最初は。

姫であるキリカには可憐な見た目だけど実は格闘家である兎族の双子、

暗殺者系で綺麗どころな狼族のボクは、見た目の良さも併せて長であるキリルお義兄様付きの従者……


の予定だったんだけど、キリカもお義兄様も

『んっ…ろーなはきりかの。』

『僕はララとビビが良いな。』

とか抜かしてそれが通っちゃったんだよね……だって、獣人族にとって番は何よりも優先されるし、無理に引き離すと発狂しちゃうからね。


それとつがいって、会った瞬間には分かるから。

ボクはボクで『ボクはきりる様ではなくきりか様のじゅーしゃをきぼうします。』(無意識)とか言っちゃったし。

ララとビビも

『はいはーい!わたしもキリカしゃまではなくキリルしゃまがいいでーす☆』(ニコニコ)

『あたしもキリル様じゃなきゃいやでーぇす♡』(ニヤニヤ)


『『『『『…………。ならこーかんするか♪』』』』』


となって今に至る。

ちなみにそのララとビビ、部屋の中にまでは入ってこなかったけど当然の様に部屋の外に立ってる。

中に居るのがボクとキリカだと分かってるからだとは思うけど。


……そんな風に幼少期の時点で番と出逢えた事、それはきっと幸福な事、なんだろうね。

中には一生掛かっても見つけられなかったり、相手が獣人族以外だった場合、つがいの概念が分からないから既婚者だったり別の人を好きだったりする訳だし。


その場合、昔は番が既婚者だったり自分を好きになってくれなかったりして発狂し、自殺に追い込まれていたけど……今は番に対する執着心が一際強い一族である狼族が編み出した【ドッペルゲンガーの秘術】がある。

そう、何を隠そうこの秘術、【番を造る為に作られた秘術】なんだよね………狼族、ヤバくなぁい??


だからボク達狼族は護衛や暗殺以外に、そうゆう時にも呼ばれる。

まぁ、獣人族以外の種族が相手の時は秘術を教えるのでは無く【こっそり血を頂いてそこからドッペルゲンガーを造る】んだけどね。

エリザは女王陛下だしボク達の親友だから特例措置だ。

だからラインハルト様は勿論ドッペルゲンガーの秘術を知らない。

なのに見抜いた。ヤバくなぁい??


………そうして産まれたドッペルゲンガーは、元がどんな種族であろうと()()()()()()()()()()()()()()()ベースとなった人物と変わりない、1人の生きた獣人となる。

この手法………【真のドッペルゲンガー術】で造られたドッペルゲンガーの血はちゃんと赤く、子も成せる。


ボク達狼族は中々にヤヴァイ種族なのである。

執着心の一族を嘗めないでいただきたい。


とまぁ、そんな背景はさておき、キリルお義兄様は嬉しそうに微笑んでいるからボクもキリカも安心して久しぶりの兄妹水入らずを過ごした………

あ、ちなみに、あの後話は終わったからララとビビも部屋に招いて寝るまでの間、5人で過ごしたよ?

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