エピローグ:旅の終わり(強制)
いやぁ〜、当然と言えば当然だけどさ。
旅、強制終了しました。
理由?そんなのボクが妊娠したからだよ!!
ルイーゼ様(とクロウ様の犠牲(?))の力でアルカディア王国の大聖堂に転移したボク達は、そのままベイルフリード公爵家の屋敷へ行き。
使用人の皆様に『あのシャルロッテお嬢様が嫁を2人も連れて帰ってきた!』と驚きつつも歓迎された。
けど、その嫁2人の間にデキちゃってるんだけどそこら辺は良いの?
とシャルに訊いたら、『エルとオレの子はオレが産むから問題ない。』と返された………
それを聞いてたキリカちゃんが『なら、シャロンとキリカの仔はキリカが産む!』って張り切ってた。
…………おかしな事にならないといいね?
と思いヴィヴィオ様に相談したら『なら孕む方を決める術も追加してやろうかの?』と正に欲しかった答えをくれて思わず撫で回して『のじゃぁぁぁっ!?』と鳴かせてしまいました♪
………あ、ちなみに。
念の為精霊神様に確認をとった所、
『エルーナは今の状態であれば大丈夫かと。
そもそも神聖力で護られているので余程の事………そうですね、例えば魔王様と魔王妃様、2人の協力技である【カオス・アルカナ・フェルスネル】辺りを受けない限りは大丈夫だと思います。』
と返されました………って何その〔ぼくがかんがえたさいきょーのわざ〕的な厨二臭い技!?
え、ガチなんですか!?そうですか……………フェンネル様やアルカ様って意外と……あ、なんでもありませーん♡…ありませぇん♡(アルカイックスマイル)
という訳でヤリました。
ナニをと言うか、はい。
まぁ、うん。ナニを。
それから数ヶ月後…………
ー無事に産まれて良かったですね!」
「あぁ。まあ、この数ヶ月間、ルイーゼ殿が付きっきりで居てくれたからな?」
「んっ。精霊神様バンザイ。」
「いんや〜!て〜れ〜るぅ〜♪
褒めても祝福しか出ねぇ〜ぜ〜?」
「祝福は出るんですね精霊神様!?」
「立て続けに出産に立ち会えて気分い〜からなぁ〜♪今のあたし~♪
それにぃ〜あたしってお母様がまだ引退してないから〜、実質的にはまだ見習いだし〜良い経験になったぁ〜!」
そう、私達3人に子供が産まれました♡
あ、当然ですけど私の妊娠が発覚してからなので私とキリカちゃんの子供が長女になりますね!
3ヶ月ほど先に生まれましたので。
私とキリカちゃんの間の仔 (狐っ娘だぁぁぁぁ!!)は【リーナ】と名付けました!
白銀色の狐っ娘ちゃま……はわわ……私の髪色だぁぁ………♡
しかもキリカちゃん譲りのオッドアイ!!
私とシャルの間には息子が産まれ、【ルーク】と名付けました!シャルの息子だしイケメンになるかな!?
髪色がアッシュグレー……瞳は蒼………うん、既にイケメンでは??(親バカ)
なお、ルークは天使族だそうです………え、ま?
男性の天使キャラって中々居なくないですよね??
え、というか母体がシャルなのに天使?
シャルとキリカちゃんの間に産まれた子 (コチラは人間要素が強く産まれました)はキャロンと名付けました!!
……キャロンは種族こそ人間ですが容姿はキリカちゃんの要素を継いだのか金髪碧眼なんですよね〜!
………何故かツンデレお嬢様に成長しそうな予感がするのですが………。
あれ?そう言えば3人とも相手の種族で産まれましたね??
ヴィヴィオさま〜!?
………ふむふむ、『百合妊娠とはそうゆう秘術なのじゃ。………そうゆうことにしておいてくれ。』
ですか。
ん?ジュードさん??
『お恥ずかしい話、実の所【同性妊娠の秘術】は“秘術”なだけに詳細は私達にも不明なのですよ、とにかく、女性同士で子作り出来るものと思っておいてくださいな?』
ですか……はい。
「あ、ふと気になったのですが、その秘術、男性同士で行うとどうなるのですか?」
ボクのその質問に対して、ジュードさんはにっこりとわざとらしい程のアルカイックスマイルを浮かべました。
「………エルーナさん、世の中には《知ってはいけない事》と《知らない方が幸せな事》がありますよ。」
「あっ⋯⋯」(察し)
「今ので察するのかぇ!?お主の様な勘のいい天使は損じゃのぅ!?」
「あらあら、そんなに顔を青くして震えて………ホットミルクを用意しましょうね?」
分かっちゃった。
恐らく、この秘術を創る過程で男性同士による妊娠も実験したのだろう。
その結果は……柔らかく表現するならば、妊娠した側の男性の死亡。
以降、秘術は女性同士のみのものとなったのだろう。
それはそうだろう。
女性であれば体内に最初から妊娠する為の器官である子宮が存在する。
でも男性は体内に妊娠する為の器官なんて存在しない。
なら、そんな男性の体に子供が出来たらどうなるのか。
怖すぎてみなまで言えないよ。
なお、(エルフ感覚での)近年はより安全(?)な女体化・男体化の秘術なるものも存在するらしく、それもあって百合妊娠自体は廃れて行ったのも詳細不明な事に拍車をかけているそうだ。
【百合妊娠ブーム】。
それがエルフ族の間に起こったから復活したらしい。
「あれ?ではジュードさんも男体化の秘術で??」
「いえ、私は生まれながらの男性ですが。」
「…本当に、エルフ族とは神秘的な種族ですね?」
「はい…?」
「「くっ…!可愛い…!!」」
「お主マジで生まれる性別間違えとるじゃろジュード!?」
「うふふ♪今更何をおっしゃいますかヴィーさん♡」
「ぐぬぬ…この淑女男がっ!?」
「はて…?絵に書いた様な“のじゃロリエルフ”である貴女に言われたくはありませんが…?」
「まぁそんなお主が好きじゃから結婚したのじゃが!」
「私もそんな貴女が可愛いから結婚しましたし。」
「あの、イチャつくなら他所でやっていただけます?」
「「貴女(お主)が言うな!?」」
「あっ、はい。」
「茶番は済んだか?エル。」
「茶番!?」
なんて話してたらシャルが呆れながら話しかけてきたんだけど!?
いやぁ、まぁあれは茶番とか言われても仕方ないか……
「こほん…では気を取り直して。
コレから子育て、頑張りましょうね!」
「んっ…!キリカも頑張る…!」
「まぁ今は我が家に居るし、使用人の皆にも手伝ってもらうからな。
そこまで気負わなくても良いぞ?」
「私はなるべく、自分の手でお世話したいので!」
「………そうか。」
(いくら疲れ知らずの天使の身体とは言え、張り切りすぎてやらかさないか気を付けないとな。)
「んっ…!」
(張り切ってるエルも可愛い♡
けど、エルはキリカにするみたいに子供も甘やかしそうだから、その分キリカとシャロンで厳しくしないと…!)
あれ…?何だか2人が生あたたかい目で見てくるんだけど!?
信用無いなぁボクぅ!!
ーーーーーそれから、数年後。
あれから、色々あった。
けどまぁ、世界は今日も至って平穏。
今日も私は元気に聖女をやってます。
…と言っても、今はお母さんがメインかな?
シャルとキリカは身体の調子が整うなりすぐに騎士として復帰したから忙しい日々を送っていた。
私は巡礼の旅も無くなったので子育てに専念していたけれど、子供達が5歳になった頃から教会に顔を出す様になった。
今、そんな子供達はもう10歳。
イタズラ盛りでやんちゃなリーナやルークを何故か生真面目でしっかり者に育った末っ子のキャロンが諌めてる不思議な関係のきょうだいだ。
キャロンの方が余程長女してるのはなんなんだろーね?
「おかあさま!!ほほえんでないでとめてくださる!?」
「はいはい♪今行きますよキャロン。」
「はやくしなさいなおかあさまっ!!
って、あーっ!!おやめなさいリーナねえさま!それはシャロンおかあさまのけんー
ーってルークにいさまっ!あなたはキリカおかあさまのゆみをそんふうに…あぁもぅっ!!?なんなんですの!!?」
……おやおや、流石にこれは笑って眺めてる場合じゃないですね?
「…………リーナ、ルーク。」
「「!?」」
「キャロンを困らせてはいけませんよ?」
「ちょっ!?おかあさま!?わたくしをだきしめてなでないでくださいまし!?」
「あ、キャロンが可愛くてつい。」
「あーっ!キャロンばかりずるいー!!リーナも!リーナもなでなでして!!」
「おれも〜っ!」
「ダメです。(刃が潰してある模擬とは言え)大切な武器にいたずらする悪い子にはオシオキです。」
「「………。にーげろー!!」」
「『シャイニングバインド』!!」(鎖が柔らかい超手加減版)
「きゃーっ!?」
「うわわっ!?」
「まったく。2人はシャルからも説教ですね!!」
「ごめんなさい!?」
「ちょっ!それはやめて!?」
「2人ともじごーじとくですわ!!」
「………。本当に、なんでキャロンが1番のしっかり者になったのでしょうか??」
子供達も元気に育ち、私は更なる幸せを享受しています。
これからも、そんななんでもない日常が続いていけば、それは幸せな事、なのでしょうね。
ちなみにこの後、リーナとルークには帰ってきたシャルに雷を落とされ、キャロンはご褒美(?)にキリカにしっぽでモフモフされたのは別のお話。
第2部:[完]
第2部(?)番外編もこれにて完結です。
ここまでお読みいただいた方、本当にありがとうございました。
もしかしたらまた続きが出るかもしれませんが…………
それでは、改めてありがとうございました。




