改変後10:無事に(?)フラグを回収しました
久しぶりの更新です。
例のフラグの回収ですな。
こんにちわ、私はエルです。
とか、心の中で何言ってんだろうねボク。
とか、思うけれどさ、うん。
現実逃避だよ!!!!!
何故かって?それはねーーーーー
ーは?妊娠しただと!?」
「っ…!誰、の、仔…!?」
「どうどうどう……2人とも殺気を抑えて下さい。
…………というか!普通に考えてシャルかキリカちゃん、どちらかの子でしょうが!?
妊娠した、と言っても私は聖女ですよ!?
誰とでも寝る様な節操無しな訳が無いでしょうがマジふざけんなっ!!」
「素が出てるぞエル、いつの間に神呼吸した。」
「んっ。口調が変。」
ー急に冷静になるねキミ達。」
いやまぁ、原作のエルーナはパーティーメンバーの男性全員や偶然出会ったイケメンをつまみ食いしてた様なビッチだけどさ。
てかさ、本当にシャルかキリカちゃんの子供だよね?
魔法アリの世界だからっていつの間にかヤラレチャッタとか無いよね!?
急に怖くなってきた。と、正面と背中に温かい感触が。
……シャルとキリカちゃんに抱きしめられた。
「ところで、妊娠したといつ分かった?」
「ここ数日ですね、最近、ここ数ヶ月は周期的に来てたアレが来なくて、最初は天使化した影響かと思ったのですが………
今は馬車の中だし他に人は居ないのでボクは服をまくり上げてお腹を2人に見せる。
そのお腹は僅かに膨らんでいた。
………ご覧の様にお腹が出てきまして。」
「なるほど。この旅の間、エルも含めて全員怠惰には過ごしていないからな。
太った、とは考えられないな。」
「しかも、エルには来てないんでしょ?アレが。」
「はい。しかも、胸が張る感じも最近になって分かりました。」
翌々考えれば天使化する以前から兆候はあったかもしれない。
ただし、ボクは自分の神聖力で体調不良が一瞬で治ってしまうのが逆に災いして、
お腹の不調、つわり、胸の張る感じ等の違和感を全く感じられなかった。
コレが便利なのか不便なのか。
アレの不調も、ボクの場合は同じ理由ですごく軽いし。血は出るけどね!
だけど、聖女たるボクがこれで名状しがたいナニカを孕んでいた場合、目も当てられない。
本当に怖くなってきた。
最悪、聖女の資格も神聖力も失って天使化早々に悪魔族の堕天使になるかもしれない。
ちなみに堕天使はその名称の割に優しい人達が多くて、忠臣として魔王様によく仕えていたりする。
堕天した理由の大半が“大切な人を蘇らせる禁忌を犯したから”らしいし。
そんな中でヘンナモノ孕んで堕天しましたは笑えない!!
いや、まぁ、うん、この無駄な想像は前世での同人誌とかの読みすぎだね!?
異種モノかな!?って獣人族のキリカちゃんとは異種じゃあないか!!!
いや落ち着けボク。
もしキリカちゃんとの赤ちゃんなら大切なお嫁さんとの仔だから純愛だしセフセフ!!
そもそも今となってはボク自身が人外だし。
妊娠を自覚した不安から、そんな感じで頭の中がバグってるので最愛の2人に抱きしめられてても不安で震えるボクを見かねたシャルは、『少し離れる、キリカ、後は頼む。』と告げて、馬車から出ていった……
ボクは恐怖心からキリカちゃんを強く抱き込み、その尻尾に顔を埋めて深呼吸をする。
「キリカちゃん………
「んっ。大丈夫。エルのお腹に居るのは、きっとキリカの仔。」
「えっ…?分かるのですか?」
「んっ。」
「慰めとかではなくて…?」
ボクに抱きしめられてるキリカちゃんは、ボクのお腹に手を当てて何かを感じ取ったのか、嬉しそうな顔でボクのお腹をさすってくれる。
「違う、慰めなんかじゃない。
今、エルのお腹から妖力…狐族の魔力を感じた。
魔力の質的に性別は女の子、だと思う。
この場に居る狐族はキリカだけ。
エルと接触したことがある狐族もキリカだけ。
そして、獣人族には番の概念があるから、他の人の番には興味がわかない。
つまり今エルのお腹の中に居るのはキリカの仔。」
「……狐獣人族であるキリカちゃんに言われると妙な説得力がありますね。」
まぁその割にキリカちゃんはシャルとボクの両方に手を出してるけどね!!
そんなハーレムを良しとする文化な割には他人の恋人には手を出さない律儀(?)さがあるのはみすてりぃだなぁ……この世界の獣人族……。
獣人族とのTL小説でよくある番システムはあるのにハーレムも良しとする文化なのもみすてりぃ。
※後で知ったけどハーレムの可否に関しては獣人の種族にもよるらしい
それはそうと、キリカちゃんは嬉しそうにボクのお腹に頬擦りを始めた…くすぐったいなぁ〜♪
「ここにキリカとエルの子供が居るんだね…♪」
「断定ですかぁ……
まぁ、得体の知れないナニカでは無いと思えるから良いけど。
そんなキリカちゃんの頭を撫でながら暫く過ごしていると、ルイーゼ様を連れたシャルが戻ってきた。
「あ、おかえりなさいシャル。
それに、御足労おかけします、ルイーゼ様。」
「ああ。精霊神殿を連れてきた。これで誰の子かハッキリするだろう。」
「話は聞いたぜ〜エルちゃん!
種族判定と性別判定、それに親の判定は任せろ〜い♪」
「さすがですね!」
「んっんぅ…『では、お腹を触らせていただきますね、エルーナ。』」
生を司る精霊神様ならではの権能なのでしょうか?
早速、真剣な顔になったルイーゼ様が私のお腹に手を当てて集中する。
『………種族は、狐族の仔ですね、親はキリカ、仔の性別は……女の子、ですね。』
「わぁ…キリカちゃんの言った通りでしたね?」
「どやぁ。」
「なんだ?もう知ってたのか…と言うか分かるならオレが動く前に先に言え、キリカ。」
「んっ。キリカにはルイーゼみたいに詳細は分からない。
今回はキリカの仔だから分かっただけ。」
「そうか…なら仕方ないのか…?
そして、エルとの子作りはキリカに先を越されたか……
「んっ、シャロンもキリカが孕ませる…!」
「「いや、バランス的にそこはオレ(私)とエル(シャル)の子だろう(では)?」」
ドヤ顔キリカちゃんは可愛いけど、流石にそれは……
狐っ子ばかりのきょうだいも魅力的ではありますけどね?
私達から否定されたキリカちゃんは不満そう。
まぁ、そうだよねぇ……
「なんの、バランス?
その場合、どっちも、天使のエルの血を引く事になる、よ?」
「狐族のきょうだいになるよりは…?」
「…解せぬ。」
「そっか……そしたら2人とも天使の子になるのですね。」
文字通り天使な狐っ娘を想像する……あ、可愛い。
産まれてくるのが楽しみだ……!
「ところで精霊神様?」
『はい?なんでしょうか、エルーナ。』
「この場合、産まれてくる仔に天使族の要素は混ざるものなのですか?」
『そうですね………
ルイーゼ様は再び私のお腹に手を当てて思案顔になり、しばらくして目を開けたルイーゼ様はにっこりと笑いました。
『70%狐族、約30%天使族、ほんの少し、僅か…0.01%以下ですが一応人族要素あり、と言った所でしょうか?
分かっていると思いますが、羽やヘイローは神衣状態で無くては出現しませんし、天使族要素が30%程度では神衣の発動が出来るかどうかは微妙です。
更に、エルーナは妊娠後に天使化している様なので受精した時点では貴女もお子さんもまだ人族だったかと……とは言え、お子さんにある人族としての要素は全て貴女の天使化と共に天使要素に書き換えられて1%にも満たないですが。』
「夢を壊してくスタイルですねルイーゼ様!?
あと書き換えられた、というのは微妙に恐ろしいですよルイーゼ様!?」
『私は神です。ありのままを伝えます。
ですが、本人の資質、努力、貴女の教え方次第でどうにかなるものでもありますよ?
何しろ、天狐は天使にかなり近い種族。
となれば、貴女達の娘も後に天狐に成れば実質的な天使になりますし神衣の発動が可能かと。』
「希望が繋がりました!!」
『………貴女も大概、“聖職者”ですね?エルーナ。』
「それはもう!ですが、これ(天使狐っ娘)はあくまで私の希望。
娘が望まなければ押し付けません!!」
「当たり前だ!?
お前のもふもふ好きを娘に押し付けるな!!」
「んっ…?エルが望むなら、キリカは娘が自発的に天使化する様に教育するよ?」
「キリカも止めろ!子供は親の玩具じゃないッ!!」
「大丈夫ですよキリカちゃん!
私は娘の自由意志に任せます!!」
「んっ。キリカはエルがそれでいいなら良い。」
「ったく…お前らなぁ…?」
ごめんね?シャル。
でも子供は玩具じゃないってのは分かるからボクの希望(欲望)を押し付けたりはしないってのは本心だから!!
「御足労おかけしました精霊神殿。」
『いえいえ、生を司る神としては新たな生命の鼓動を感じるのは喜びですのでむしろ私を呼んでくださりありがとうございます。』
「そう言って頂けると幸いです。」
『それでは、新たなる子に祝福を。』
「えっ…!?ありがとうございます精霊神様…!!」
『ふふっ…♪私からの御祝儀です♡』
そう言って微笑むと精霊神様はルイーゼ様の人格に戻りました。
「いや〜まさか魔王妃様だけじゃなく、聖女ちゃまのご懐妊も見れるなんてねぇ〜?
長生きはするもんだねぇ~♪」
「ルイーゼ様、今いくつですか貴女様は?」
「テンプレなツッコミあざーす♡
まぁあたし、神ですしぃ〜?」
「存じております。」
「エル、精霊神殿のおふざけの相手をする信仰心も結構だが、今のお前はもう聖女である前に母親だ。
あまり無理はするなよ?」
「……ですね。」
と言っても、ボクは神聖力で常時健康体な訳だし。
妊婦になったからって言っても、今までも散々戦闘したり、聖女としての慈善活動はしてきた訳だし…?
お腹の子も私の神聖力で世界一安全なゆりかごの中に居る訳ですし、無理も無茶も常人と比べたら大分出来るかなぁ~?と思う。
なんなら、仮に戦闘中に腹部へ攻撃を受けても赤ちゃんにはノーダメージまであるよね??
と思っていたらシャルに睨まれた!!
「何考えてるか分かるが、無茶は、するな?
分かったな??」
「んっ!!
エルがいくら擬似的な不死身状態でも無理も無茶もダメ。
身体を大事にして。
エルと子供はキリカとシャロンが守るから。」
「……………ええ。」
まぁ、今までは自分が妊婦である、と言う認識が無かったからね…
これからはちゃんと自分の身体を大切にしよう。
『原作では手酷く殺した狐っ娘に今世では孕まされるとかエルーナざまぁwwww』
とか何故か頭に過ぎったけど。
ってまたシャルに睨まれた!?
「エル。
お前今なにかキリカに対して失礼な事を考えてなかったか?」
「キ、キノセイデスヨー?」
「…………まぁ、今はそれで納得しといてやろう。」
それ、闇に『妊婦じゃ無かったらツッコミ入れてた』とか言ってなぁい?
気のせい??
まぁ、キリカちゃんに突っ込まれたから妊娠してるんですー
ぺしっ!
「ったぁ!?なんで今叩かれたんですか私!?
と言うか手を出さないつもりだったのでは!?」
「…………すまん、つい。
それはそれとしてー
「置いとかないでください。」
ーそ れ は そ れ と し て 。
「ハイスミマセン。」
ーお前、急に腹芸が下手になったか?
最初に素が出てからは考えが全部顔に出てるぞ。
今、下な事を考えてただろ。」
「えぇー………
「だから流石に言及を控えきれなかった。」
「そぅ…ですか………
すみませんね、中身は俗物な者で?
「そうだな、お前本当に見た目の清楚さと素の中身の俗物さの差が激しいな??」
「また顔に出てました!?」
「出てたぞ。」
「うぅ………
むしろ母親になったせいで弱くなってない?ボク………
そう思いつつも、喜ばしい事ではあるので娘を大切にしようと改めて思ったのだった。
名前、何がいいかなぁ〜?♪
ちなみに娘の名前は既に決まってたり………




