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改変後7:変身!神衣エルーナ!?

Twitter(故)でかつて宣言してたエルーナの新能力について、遂に本編に掲載です!

闘神ヴァルヴァトーゼ様ことクロウ様の暴走を(しずめ)てから数日後。

ボクはそのクロウ様から新たな能力の稽古をつけてもらっていた。



「ーさて、今回俺がルミエール様より下された『エルーナに対する贖罪をせよ』、との(めい)によりエルーナに授けたスキル、【神衣かむい換装かんそう】に大切なのは魔法や魔術と同じくイメージだ。

スキル自体は問題なくエルーナの“天使の身体”に馴染んでいる。

成りたい自分を想像しろ。」


「…………シャル。」


「…そこで嫁の事考えるのかよ。

まぁ、闘神(おれ)をイメージするなら執事姿の俺より騎士姿であるシャルロッテを想像した方が都合がいいか……。」


「…………。」



あー…うん。それもあるんだけど、クロウ様って普段の姿の時は【気さくな執事の兄ちゃん】って感じでおおよそ【実は闘神】には見えないって言うか……

擬態って意味では完璧かな、と。


と言うか、この世界の神様、魔族として過ごしてる時の性格が神様モードの時と違い過ぎる。

なんかそんなゲームがあった気もするけど。


ともかく、【戦いの神】を想像するならやっぱりボクの旦那様であるシャルロッテの方が想像しやすい。

凛とした、だけど内に熱い心を秘めた、騎士様。

そんな想像をしていると首から下げていた【鍵】が輝き始めー



「おっ?早いな。始めて直ぐに兆候を見せるとは。」



ー直ぐに光は消えてしまった。



「…ふむ。

初めてにしては上出来だぞ聖女殿。

だから気にするな。

むしろ治癒がメインである聖女殿に一発でキメられたら俺の(戦いの神としての)立場が無い。」


「…………あ、では精霊神様を想像して治癒特化の姿になる方が簡単ですか…?」


「まぁそうだな。

普段から一緒に居るルイーゼなら想像もしやすいだろうし。」


「…………精霊神様の方、ですよね?」


「は?当たり前だろう。普段のルイーゼを想像してたら下位神衣の『戯神の衣』になりそうだ。」


「あの、クロウ様…?自分の嫁でしょう!?酷くないですかねその評価!!」


「…………そうか?こうゆうとルイーゼの奴、何時も『ちげ〜ねぇ〜なぁ〜♡』って返してくんぞ。」


「本人の前で言ってるんですね………



もうなんなのこの夫婦。

確かにあのお嫁さんからしてこの旦那様アリって感じだけどさ。



「ああ、その時のルイーゼの声を思い出したら……………コフッ……」(セルフ尊死)


「何してるんですかクロウ様。」


「すまん、(想像の)嫁が可愛過ぎてつい。」


「本人居るのに何して〜んの♡」


「ガハッ!?」(尊みオーバーキル)

「クッ…!」(尊み流れ弾)


「る、るいーふぇひゃま…?」(鼻血出しながら)


「………エルちゃん?正気に戻ったんよねアンタ。」


「ひーる…………コホン。

その件と貴女様が二つの意味で尊いのは別の話ですルイーゼ様。」


「そっかぁ~………なんか、邪魔してごめんなぁ〜?」


「いえ、お陰で貴女様の想像を固める事が出来ましたので!!」



うん、今なら逝けそう。いや、いけそう。



「神衣換装!【精霊神】!!」


カッ!!

と今度は眩い閃光を放つ【鍵】。

光が収まると、ボクの姿は精霊神モードのルイーゼ様の様に可愛らしくも神々しい()使()の姿になっていた。



挿絵(By みてみん)



「お〜……流石にあたしの力を纏うのは早いねぇ〜?」


「………普段の延長線上の様な感覚ですからね。

単純に能力が上乗せになった様な感覚があります。」


「な〜る。」


「はっ…!あれ?

エルーナ!神衣換装に成功したのか!?」


「はい。とは言え、精霊神様のお力のみですけど。」



他の神様の力は感じる事すら出来ないかなぁ………

闘神様の力だけは目の前に居るから何となくで分かるけど。



「マジかー…………ルイーゼのだけとはいえ、一発成功させちゃったよこの聖女様……………


「クロウ氏〜、今のエルちゃんは〜もう人間じゃなくて〜天使族だからぁ〜あたしの神衣は〜ほぼ標準装備なんよ〜。

だからむしろ〜一発成功しなかったら〜欠陥天使よ〜?」


「言い方がキツくないか?」


「う〜ん……そだね〜。

ごめんなぁ〜?エルちゃん。」


「いえ、お気になさらず。」



ふむ、この神衣【精霊神】は私の神聖力にもよく馴染んで着心地がとても良い。

服装がガラリと変わり、聖女としての正装からワンピース姿になった訳だけど、それなのにむしろ神聖な雰囲気は高まってる気がする。



「あ〜、そうそうエルちゃん。」


「はい、なんでしょうかルイーゼ様。」


「今のエルちゃんは〜正に天使族って〜姿してんよ〜。」


「そうなのですか?」



姿見が無いから今のボクの姿は分からないけど、ルイーゼ様の言い方からするに多分、羽とヘイローくらいは付いてそうだなぁ………



「そ〜そ〜。羽とヘイローがあるぜ〜?」


「心読みました?」


「あたしは神だぜ〜?」


「ですよねー。」



そっかー。

でもそんなボクの“天使姿”をシャルやキリカちゃんが見たら勘違いされそー



カシャーン!



ーへ?



「え………る…………?」


「あ。」

「あやや〜……

「最悪のタイミングだな、聖女殿。」



なぁんて思ってたら、自分の訓練が終わってボクの様子を見に来たキリカちゃんが練習用の弓を取り落として呆然としていた………

うん、コレはまずいかな?


ボクは呆然とするキリカちゃんが動き出す前に先んじて動き、抱きしめて頬擦りした。



「お疲れ様キリカちゃん♡」


「…………ん。何時もの、エル?」


「はい、貴女のお嫁さんのエルーナさんですよぉ~♪」


「……………んっ!!」


「っ…!」



やっぱり、またボクがボクじゃなくなったと思ってたのか、痛いくらいに抱きしめ返してくるキリカちゃん。



「エル、キリカを置いていかない?」


「はい、私はキリカちゃんのそばに居ますよ。」


「キリカより先に死なないでよ?」


「死にませんよ。」



何せ今のボクはキリカちゃんより寿命が伸びたし。



「………むしろ、先に寿命が来るのはキリカちゃんの方ですからねぇ………。」



最大寿命は3000歳で平均寿命は1000歳、寿命を迎えるまでに存在進化をして空狐に成れば3000歳は軽く超え、天狐と成れば無限とも言える寿命になる。

そんな種族ですしね、この世界の狐獣人は。



「んっ!大丈夫。キリカ、天狐になるから。」


「はい…?」



天狐ってそんな簡単に成れるものでもなかったはずでは?

ボクがそう思ったのが分かったのか、キリカちゃんは得意げになり言ったんだ。



「実はキリカ、天狐になる素質も資格も既にある。

けど、シャロンが先に死ぬのにキリカだけその後何千年も生きる意味を見いだせなかった。」


「………今は私が居るから、ですか?」


「んっ、当然。

エルが長生きするなら、キリカはシャロンの分までエルと一緒に生きたい。」


「……………。」




そうか……最早永遠とも言える寿命を得てしまったボクは、必ず2人より長く生きる。

だから2人の死を見送るものだと思っていた。

けど、キリカちゃんが天狐に成って、ボク同様に半永久的に生きられる様になれば、この先シャルが寿命で死んじゃったとしてもキリカちゃんだけはそばに居てくれるんだ。


ちなみに、何故寿命で死ぬのが前提なのかと言えば、ボクが治癒特化の聖女であり、寿命以外の要素で2人が死ぬビジョンが無いからだね。


ただ、いくら治癒特化とは言え、死者蘇生や不老不死なんかは不可能なんだ。

それが出来るとしたらやはり………精霊神様や主神の創造神ルミエール様ことルル様位ではないだろうか。


でも、だからってボクはシャルを不老不死にしてくれ、なんて神様に頼むつもりは無い。

確かにシャルと死に別れるならボク自身が死ぬ直前がいいとは思う。

でも、だからと言って聖女であるボクが生命の在り方を捻じ曲げる訳にはいかない……



「だからあたしに勇者ちゃんの延命措置を頼む訳にはいかない………とかエルちゃんは考えてるぅ〜?(ニヤニヤ)」


「心を読まないで下さいルイーゼ様。」


「いんや〜、このタイミングだし〜、エルちゃんの事だから勇者ちゃんの事考えてんじゃねぇ〜かなぁ〜って思ってさぁ〜♪」


「……………そんなにわかりやすいですか?」


「いんやぁ〜?コレはただエルちゃんとの付き合いが長いから察せれただけ〜。

ふつ〜の人にはただの憂いを帯びた聖女ちゃまにしか見えね〜ぜ〜(笑)」


「そうですか。」



ちなみに、この会話の間もキリカちゃんのことはしっかり抱きしめているし、キリカちゃんはボクの胸に顔をうずめてご満悦狐になってるよ?



「あの……キリカちゃん、貴女だから良いですけどまだ人前なので服の上から吸い付くのやめてください………その………ねっ?」


「ふみゅ…?ちゅぱっ……ごめん、エル。」


「いえ………それで、ルイーゼ様。

もしかしてシャルの延命措置に何か心当たりが?」


「ありまくりよ〜ん?選択肢は3つ。」



私がルイーゼ様に聞けば、ルイーゼ様はドヤ顔(尊い)

しつつ真面目な口調(最高ですね)になって私達に説明してくれた。

多分、ルイーゼ様はキリカちゃんがこのタイミングで来るのも、まだシャルは来ないのも分かってたのかも。

神様だし………?



「1つ、ヴィクトル氏に頼んで邪神の眷属にしー

「「却下。」」

ー判断が早いなぁ~?

2つ、勇者ちゃんの死後、勇士としてあたしが不老不死の身体に作り替える。

ちなみにデメリットとしては勇者ちゃんが勇者ちゃんだからこそ出来る方法故に戦乙女(ヴァルキリー)化しちゃうから蘇っても()()()になるってとこ。

中身は天使族の1つ、戦乙女(ヴァルキリー)族だかんね。」


「やだ。」

「それでは意味が無いですね。」


「だよね〜。

だから、実質この3つめかなぁ~。

3つ、天使族となったエルーナ、あんたの眷属である【守護天使兵】にする。

コレならデメリットは無いよ〜。

エルーナの事が好きで好きでたまらなくなって偶像崇拝状態になるって言っても〜、現状とあんま変わんないっしょ〜?」


「ん。要するに、キリカと同類になるの?」


「…………キリカちゃんみたいなシャルは解釈違いなんですけど!?」


「あいや〜。大丈夫よ~?

だってさぁ〜、今のシャルロッテ、既に偶像崇拝状態だかんなぁ〜。」


「え。」

「ん?」


「おんやぁ〜?気付いて無かったのぉ〜?」



びっくりするボクとキリカちゃんに、首を傾げた(国宝級の尊さ)ルイーゼ様は、

ケラケラと笑いながら説明してくれた。



「あんなぁ〜?旅の途中、国境付近の辺境伯領で事件あったっしょ〜?」


「あぁ…………



あの夫婦、今は幸せなのかな??



「そん時あんた〜、勇者ちゃん慰めなかったぁ〜?」


「慰めた、と言っていいのか分かりませんが、はい。

泣きじゃくるシャルに抱きつかれましたが………


「多分あん時かなぁ〜勇者シャルロッテちゃんが〜、聖女エルーナちゃまに対して〜完全に偶像崇拝状態になったんは〜。」


「えぇー………………



だってあの後もシャルはシャルのままだったじゃん!?

確かにちょ〜っと過保護になった気もしてたけどさ!?


あ、だからボクが魔王様戦の後倒れた時にあんなに情緒不安定だったのか!!


いやでも…………



「あれ?でも私が天使族になったのってつい最近ですよね?」


「何言ってんの〜?

エルーナは最初から偶像崇拝対象(アイドル)でしょうが〜。」


「あぁ〜………ありましたねそんな設定。」


「設定言うなぁ〜?メタいぞ〜??」


「ごめんなさい…?」



最早【悪女エルーナ】だった時の記憶なんて遥か彼方だし、

この見た目と愛嬌(演技)で信者増やしまくってたのは過去の事だもんなぁ………

けど………



「確かに、言われてみればシャルは初めて会った時から偶像(アイドル)をしてた私に惚れた、みたいな事を言ってましたし、それなら分からなくは無い………ですね?

無理矢理な解釈ですけど。」



シャルがそんなミーハーだったとかは事実だとしたら知りとうなかった…………

けど、聖教会の偶像策は昔からですし、数ある偶像の中から私に惚れて、共に苦難を乗り越えて夫婦にまでなったのならそれは本物の愛、だよね??


シャル…………好き!!



「むぅ……?なら、キリカは??キリカはエルの事、崇拝してないの??」


「お狐ちゃんは初対面尻尾サワサワ事件の時かなぁ〜?チョロイン過ぎて草生えるんよ♡」


「ん!!解せぬ。」


「即落ち二コマお狐ちゃんが何を言うか〜♪

ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)ヶラヶラ」


「ん……ルイーゼが何言ってるか分かんないけど馬鹿にされた事は分かる。」


「ルイーゼ様?」


「おっと………エルーナちゃまもお怒りだからこれ以上はやめておこ〜!

精霊神はくぅるに去るぜ〜!」


「「あ。逃げた。」」


「…………グダグダだな。」


「貴方様が締めるんですかクロウ様。」


「んっ。グダグダ闘神様。」


「……………。」




そう言えば神衣の訓練してたの忘れてました!!

ごめんなさいクロウ様!?


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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後まで読みました。 いつも百合百合で素敵です。 シリアスも多いけどイチャイチャほのぼので癒やされるのはいいですね。
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