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サスケとコジロウ、流れ星はこりごりでござる! の巻

作者: 小畠愛子

「ニンニン!」

「ニンニンニン!」


 空飛ぶ忍者のサスケとコジロウは、風を目いっぱい受けたふろしきを、まるでパラシュートのようにあやつりながら、暗い夜空を飛んでいきます。


「ニンニン! このあいだはコジロウのせいでえらい目にあったでござる!」

「ニンニンニン! サスケこそ、せっしゃをバカにしたのがいけないでござるよ!」


 サスケとコジロウは、同じ忍者学校で勉強する、忍者仲間でした。でも、二人はライバルなのです。忍者学校の先生が、協力して任務を成功させろといっても、少しも協力しませんでした。そしてこのあいだはついに、任務中にケンカしだして、手裏剣をあちこちに投げまくってしまったのです。


「ニンニン! コジロウが手裏剣を投げたから、任務に失敗して先生に怒られたでござる!」

「ニンニンニン! サスケが最初にせっしゃをバカにしたから手裏剣を投げたでござるよ!」


 あぁ、大変です! 二人ともまたしても、ふろしきで空を飛びながら、にらみあって手裏剣を構えています。そんな二人の様子を、お月さまもあきれたように見ています。と、地上から、だれかのどなり声が聞こえてきました。


「こらぁっ! お前らか、このとげとげしたのを投げつけたのは!」


 ぎょっとして、サスケとコジロウが下を見ると、なんと木がしゃべっているではないですか! しかも何本も集まって、キッとサスケとコジロウをにらみつけています。


「わしらの枝やみきにグサグサ刺さって、痛かったぞ!」

「こうなったらお前たちにも、このとげとげをお返ししてやろう!」


 木がぎゅうんっと枝をしならせて、ぶぅんっとふりました。とたんに、サスケのすぐとなりを手裏剣が飛んでいきます。


「ニンニン! ひぃぃっ!」

「ニンニンニン! 逃げろっ!」


 あわてて二人は逃げようとしますが、木たちもそう簡単に許してはくれません。


「逃がすもんか!」


 ぎゅぎゅんっと、木がすごいスピードで伸び始めたのです。あっという間に、サスケとコジロウは木たちにとりかこまれてしまいました。


「ニンニン! ひぇぇっ!」

「ニンニンニン! 逃げられないでござるよ!」


 ガタガタブルブルとふるえるサスケとコジロウに、木たちは不気味にざわざわと枝を鳴らします。


「それじゃあ、お仕置きじゃ! 覚悟せい!」


 こうしてサスケとコジロウは、一晩中木たちに手裏剣を投げつけられて、必死によけまくるはめになってしまいました。それはまるで、流れ星をよけながらダンスを踊っているように見えます。森の動物たちは、そのダンスを見て拍手喝さいです。でも、サスケとコジロウは、もうフラフラのヘロヘロでした。朝になってなんとか逃げ帰りましたが、もちろん任務も失敗です。サスケとコジロウは、またしても忍者学校の先生にこっぴどく怒られましたとさ。

お読みくださいましてありがとうございます(^^♪

ご意見、ご感想などお待ちしております(*^_^*)

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです〜。ニンニン。
2022/01/06 14:43 退会済み
管理
[一言] 「冬童話2022」から拝読させていただきました。 それは木にしてみれば、痛い話で。
[良い点] ほっこりできました~♪
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