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第二十八話 全ての元凶

「よぉ、早い帰宅だな。もっと遅いかと思ってた」

自分のアパートの前に現れた三島を出迎えたのは、たばこに火を灯そうとしていた伊吹だった。

「・・・あれ?まだ俺のアパートの前にいたんだ。結構落ち込んでたつもりだから、もう帰ってるかと・・・」

「ば〜か、時系列が違うんだ。お前がどんなに向こうで落ち込もうと、こっちにとっちゃ1秒にも満たないんだよ」

「そっか・・・」

「・・・後悔してるか?」

そんな伊吹の質問に三島は「かなりね・・」と小さく呟き、話を続けた。

「剛を・・・殺したのが本当に俺じゃなかったとしたら、俺は今まで何してきたんだろうって思うと、腰が抜けちゃってさ。」

「そうか・・・一年前にいったい何があった?」

「なんだよ。さっきの続きが気になるって言うのか?」

「あぁ・・・かなりな」

「別にたいした話じゃないさ・・・」







悲しい時や辛い時、落ち込んでいる時の雨は、まるでここにいる人すべての気持ちを表しているかのように大粒の雨が降ってくる。

いくつもの黒い傘、そして黒い喪服が、ここにいるみんなを冷たい雨から守ってくれる。

だが、目から流れてくる大量の雨はどんなに拭っても、傘を差そうとも守ってくれることはなかった。

白い看板に黒い文字で『尾形 剛』と書かれた会場には何人もの学生が入り、多くの泣き声が会場を包んでいた。

会場の中央に置かれた写真には尾形の綺麗な顔写真が置かれ、参拝の人達が列をなし、写真の前で手を合わせる。

そんな悲しみに包まれていた会場の外では「やめて!」と叫ぶ田村とそれを取り抑える数名の学生。

そして地面に倒れる三島を何人もの学生が囲み、蹴り続けていた。

「てめぇが・・お前のせいで剛が・・お前が剛を殺したから!」

「お前さえいなきゃ、剛はこんな事にはならなかったんだ」

この不甲斐ない気持ちを何かにぶつけたくて、そんな時に葬儀場にやってきた三島は絶好の標的になっていた。

「なにも・・・言い返すつもりはない。ただ・・俺にも線香の一つ・・上げさせてくれ。それだけでいいんだ。」

三島の願いも叶うことはなく、むしろお前にはそんな資格はない。お前みたいな奴がここに来るべき存在ではないと罵られるだけだった。

ここに来るまで使っていた傘は、針金だけになり、水を吸い込み重たくなった黒い学生服は三島の体温をどんどんと低下させていった。

「お願いだからもぅやめてよ!」

殴り疲れた学生たちの中心には、体中痣だらけになり口からは土と血を吐き出す三島が倒れていた。

「もぅあんた達の気は晴れたでしょ。お願いだからもぅやめて」

両脇を二人に抑えられ、身動きのとれない田村。

「・・・ったく、いい身分だな。人殺しには女の連れまでいんのかよ」

「元だって、好きで剛の事を殺したりしないわよ!それをあんた達は、まるでワザとやったような言い方してっ」

「ワザとかどうかなんて本人にしか、わかんねぇよ。それなのに、こいつは何も言っても来ない。ワザとだって言ってるようなもんじゃないか?」

「言い訳したって、意味がないって事ぐらいわかるでしょ!こんな事・・・剛だって望んじゃないわよ!」

「うるせぇー!」

両腕を抑えられた田村の腹に拳を入れる学生。田村はその衝撃で数回噎せ、三島は小さな声で「やめろ」と声を出すが、周りには届かなかった。

「ゲホッ・・・あんた、女に手を出すなんてサイテーね。・・・彼女とか・・いないでしょ」

その言葉にキレた学生、今度は田村に蹴りを食らわせ、三島の視界からは男の背中しか映らず、その男が抑えられる田村を殴る音が聞こえてくるだけだった。

「やめろ・・・美野には」

痛みで言う事を効かない体に鞭を入れ、這いつくばりながら田村の元へと進む三島。

そして、田村の口から流れる血の筋を見て三島はブチ切れた。

「やめろーーー!!」

学生達が、三島の怒鳴り声に気付き、後ろを振り返るとさっきまで起き上がることすら出来なかった三島が、立ち上がり睨みつけていた。

「剛は俺がやったんだよ!・・・だったら、なんで俺以外の奴を傷つけてんだよ!俺が憎いんだろ、殺したいんだろ!だったら、俺をやれよ!やってみろ!・・俺を殺してみろ!」

葬儀が終わり、会場から出てくる人たちの目の前で三島はそう叫び、次々と学生達を倒していった。

止めに入ろうとする人達を払いのけ、やめてくれと泣き叫ぶ学生にまで怒りに狂った三島は手を出した。



水浸しの地面に倒れた生徒達とその前に堂々と立つ三島。

そんな三島に誰も声をかける事が出来ず、膝をついてその場に座る田村に三島は近づいて行った。

田村の顔や体の至る所にあざが出来、雨が顔を流れていく様はまるで泣いてるようにも見えた。

「美野・・・大丈夫か?」

「だから、男って嫌いよ・・・」

「そうだな・・」

衣服が破れ、損傷の酷い所を手で隠す田村。そんな田村に自分の学生服を被せ「帰ろう」そう言って三島と田村は葬儀場に一歩も入る事が出来ずに去って行った。







「・・・こんなんでいいだろ」

三島のこれ以上は言いたくはない。そんな気持ちのこもった願いに伊吹は「十分だ」と答えた。

「まさか、そんな事があったとはな」

「まぁね・・・この後にお前がこの間、言ってた事件が発生するんだ」

「『俺を殺してみろ傷害致死事件』か・・・」

「あぁ・・また今度話すさ」

「いつになるかね・・・」

「やっぱこの部屋・・・引き払わないと駄目かな?」

「さぁな・・・住みにくいんなら、引越せばいいんじゃね?引っ越しの時はぜひ、運送業者ゴリラの・・」

続きを言おうとする伊吹の携帯から着メロが流れ出す。

「・・・伊吹、お前、なんでこの時代に黒電話の音なんだよ」

「なっ、いいだろ別に」

そんな事を言いながら伊吹は携帯に出るとしばらくやり取りをして、携帯を切った。

「悪いな。・・用事が出来た」

「何かあったのか?」

「あぁ・・・学生さん達を下ろす所で何かあったらしい。警察が向かってるって情報だ」

「そんなっ・・・俺も行く」

「いや、止めておけ。・・・これ以上、俺達に関わらない方がいいだろ。大人しく部屋の掃除でもしてろ。何かわかったら連絡する」

伊吹はそう言うと三島のアパートから去って行った。

そして舟高では、一体何年振りだろうか、岬高の生徒やそれ以外の問題が一切発生しなかった。







「ごはん、おかわり」

景気よく口に飯を放り込み、空になった茶碗を三島に突き出す仙田。

そんな仙田の茶碗を素直に受け取りながら、何か腑に落ちないようで首をかしげる三島。

「・・・ん、何?」

「あぁ〜いや、多分大したことじゃないんだと思うんだけど・・」

透明な仙田は、三島が自分を見ながら首をかしげている事に気付き、三島は一体何に首をかしげているのか分からなかった。

「仙田・・・・髪でも切った?」

「はぁ?私が?・・・無理だから」

仙田の座る横では、体が自由になった子猫が自分の朝飯を食べ終え、仙田背中の後ろで揺れる何かを目で追う。

「だよな・・・髪型が変わったとか?」

「だ・か・ら。無理だから!具現化しやすい姿になってるだけで、千尋を忠実に再現してる訳じゃないんだからね。千尋が髪型を変えようが、髪を切ろうが私にそれは関係ないのっ!」

さっさとおかわりをよこせ!と体からオーラを放つ仙田。

学際からしばらく日にちも経ち、落ち着きを取り戻しつつあった三島達。

だが、そんな三島達に新たな問題が振りかかろうとしていた。

「でもよ。な〜にか変わった気がするんだよ・・・なんだべ?」

「しるか!それに、自分の変化ぐらい普通なら自分が一番わかるわよ」

空だったはずの茶碗に白いコメが入り、三島から仙田に手渡される。

そして「ったく、一体なんだってンのよ。落ち着いて飯も食べれない」未だに首をかしげる三島にぶつくさと文句を言いながらご飯を口に入れようとしたその時。

子猫が、目で追っていたゆらゆらと揺れる何かに飛びつき、噛みついた。

「ギニャァァァァーーー」

「うおぉっ!そっか、わかった」

仙田は金切り声を上げながらその場に倒れ、その調子で何が変なのかを見つける事が出来た三島は勢いよく立ちあがる。

「痛い、いててててて・・・なにすんのよ、ロイちゃん。」

『ロイちゃん』それはいままで子猫の名前が決まらなかったため、ならば子猫本人に何がいいかと聞き、ようやく決定した名前である。

その名前の由来は・・・隣の部屋から何やら怪しげな音楽が聞こえ、その音楽に向かってお隣さんがその名前を呼び続けていたかららしい。

とまぁ、そんな由来なんかどうでもよくて、仙田は子猫を摘みあげるとその子猫が噛んでいる一本の何かを目にした。

「・・・何これ?」

子猫を離し、そのロープのようなものを持つと、そのロープはフリフリとリズムよく揺れた。

「ヒィィ!何これ、何これ」

パニくる仙田の手を掴み、三島は仙田を洗面台まで連れて行った。

「これを見ろ!」

仙田は、鏡に映る自分の姿に唖然呆然とする。

まるで時が止まったかのように思考停止に陥り、動かない仙田。

そんな仙田に代わって三島は、仙田の頭の左右に一つずつある三角形の突起物に触れる。

するとその突起物は、触るなと言わんばかりに動く。

「この場合、人間本来の耳って存在するのかな?・・・それとも消えてるのかな?」

未だに動けない仙田。そして三島は、パンドラの箱を開けるような行為をしようと仙田のこめかみ当たりの髪をかけわき始める。

その答えを知る前に、仙田は三島を突き飛ばし、鏡に映る自分を見ながら恐る恐る自分の頭の上にある謎の物体に触れる。

外側は、毛がごわごわしてて、中側の毛は柔らかく、ふさふさしている。

「なんじゃこりゃーーーーー!」

太陽に○○ろ、顔負けの立派な声で仙田は叫んだ。

そして、鏡に映る仙田の容姿について説明しよう。

頭に乗っかる物は、いわば猫耳。腰のあたりから生えるのはおそらく猫の尻尾であろう。

どうしてこんな姿になってしまったか議論をする事、数分・・・出た結果は、猫に長く憑依していて仙田と猫の姿がくっ付いたものが一番具現化しやすくなったのではないだろうか・・だ。

「冗談じゃないよ!ななななななに、このふざけた格好でこの部屋にいろっていうのかい?無理してでも直してやる」

そう言って仙田は、元の仙田に戻るが「おぉいい感じじゃん」三島がそう言って気を緩めてしまうと再び猫仙田になってしまった。

仙田の頭に勢いよく生えてくる耳や尻尾を見て三島は腹を抱えて大爆笑。

そんな三島を見て、顔を真っ赤にした仙田は、直したばかりの机を、未だに笑い転げる三島に向けて放り投げた。

ノックアウトされた三島は、その後仙田の姿を見ても一切笑わなくなった。



「これは、大問題ね・・・」

「いや・・それほど問題があるかと言われても・・・あぁごめんなさい、大問題です」

問題ないそう言おうとする三島を睨みつける仙田と、その睨みに尻込みする三島

「まったく、千尋が曖昧な答えを出したりするから、私は猫と千尋の体を行き来するような羽目になったんだよ」

「まぁな・・・お陰さまで食費にばらつきが出るんだよ・・」

互いに思いふける二人。そして「よし!」と言って憩いよく立ちあがった仙田。

「こうなったらハッキリしてもらおうじゃないのよ」

「おぃおぃ無理くり答えを聞き出そうとするのはよくないんじゃなかったのか?」

「いいのっ!この場合、私のこの容姿が一番の最優先事項なんだから!・・・こんなんじゃ絶対にヤだもん」



そんなこんなで病院。

「ん〜・・・でも今まで通りで」

笑顔で返してくる仙田と、その答えに唖然とする透明な仙田。そして、予想通りの結果で落ち込む仙田を見て横を向く三島。

「でも、でも千尋。私、このままだと一生こんなんだよ・・・」

「えぇ〜いいっしょ、私もそんなコスプレしてみたいな」

「そんなぁ〜・・」

落ち込みながらも耳がぴくぴくと動き、尻尾は左右に揺れる。

そんな仙田を見て「すごーい」なんて喜びはしゃぐ仙田。尻尾をまた狙う子猫。

「仙田、諦めろ。・・別に容姿が変わったくらいで、お前が変わった訳じゃないだろ」

「でも〜・・・」

涙目と、そんな顔で助けを請う仙田に思わずクラっとする三島。

「ゴホン・・とにかく、お前はお前だ。そんな見た目で左右される男はカス以下だな」

その言葉は一体誰に向かって行ったのだろうか・・まるで自分に言い聞かせているようにも見たが、三島のその言葉に仙田も、なんとか納得した。

「ま、まぁ・・そう言うんだったら」






その日の夜、三島は何もない真っ白な空間にいた。

そんな三島の目の前に突然、田村が現れこう言ってきた。

「見て見て、猫耳を拾ったさ〜」

まるで子供のように、はしゃぎながら三島に見せてくる。そしてその猫耳を自分につけて似合うかと聞いてくる。

最後の決め手は「にゃん♪」である。

何に照れているのか分からないが、三島は半笑いを浮かべながら髪を掻きまわす。

そして、照れる三島を見て炎を燃やす猫仙田。

その事に気付いた三島は、笑うのをやめ顔が一気にひきつる。

仙田の手からは長くて鋭い爪がシャキンと飛び出し、仙田の眼は三島を捕える。

「ウニャァァァァ!」

「おぎゃぁぁぁぁ!」






「ぬおぉっ!・・・・夢か」

何やら恐ろしい夢を見たのか、三島は布団から跳ね上がり、体は汗で濡れていた。

しかし、凄い夢だった気がする・・そんな事を思いながら横を見ると横では子猫と耳を生やした仙田が体を丸めてぐっすりと寝ていた。

「どんな内容だったっけ?」

内容を思い出すようにと願いながら三島は再び布団へもぐって行った。





「・・・ちょっとやけにやつれてるわね。」

目に立派なクマを作った三島を見て「大丈夫」かと尋ねる仙田。

「いや・・・夢でかなりうなされて・・」

「なにさ、夢の中で何かに追われる夢でも見たっていうの?」

「いや、・・・俺は机に向かわされ、サイドには美野が立っててだな。俺に現代のこの国の法律について語ってくるんだよ。・・地獄だった」

朝飯を食べながら三島は、夢で起きた事を「特に商法についてを熱く語られて」など、詳しく説明し始めるが、仙田はすでに飽きていた。

「ごちそうさま!」





学生服に着替えた三島は部屋を出ると「おはよう」そう言って階段の前で待っていた田村を見て「にゃん♪」が突然、頭の中をよぎる。

「おぉっ!にゃんっ」

「はぁ?にゃん?」

「いや・・・何でもない。さっさと学校に行きますか」

歩き出す二人、そして三島の頭の中で子島の言った言葉が何度も繰り返されていた。








「現場検証から推測しますと、子島 竜彦は、倉庫にて毒島組の組員を三名を刺殺ののち、その場に居合わせた岬高の生徒をも殺しにかかりますが、現場に落ちていた45口径のコルト式の軍用銃での威嚇射撃により、被疑者の左太ももに被弾。被疑者は、太ももを庇いながら逃げる学生達を次々と刺殺、その間にも左わき腹、右肩に被弾。致命傷は、右肩に被弾したものかと思われます。司法解剖の結果、わきの下を通る動脈が破れていたそうです。・・以上です」

広い部屋にいくつもの長机が置かれ、そこにたくさんの刑事達が座り、2日前に起きた事件について状況報告が行われていた。

「被疑者と毒島組との関連性は今の所、不明です。岬高の学生とのトラブルも特にありませんでした。ですが、北舟高校と岬高校では、学校際期間の伝統行事と言えば聞こえはいいんですが、一年前の事件にも関連したものですから、おそらく今回もそうではないかと・・」


報告も終わり、ぞろぞろと部屋から出てくる刑事達、そしてこの事件から外された若菜は、惨劇の現場になった倉庫の前に立っていた。

「若菜さん、この事件には関わるなって上からきつく言われてるんでしょ・・なのになんでこんな所にいるんですか?」

若い相棒を失い、生き残ってしまった上、この仕打ちで途方に暮れる若菜。そんな若菜に声をかける一人の刑事。

「井手口か・・・」

「お久しぶりです。先輩・・本日付でこちらに移動になりました」

「そうか・・・俺と入れ違いでやってくる若い奴ってのはお前のことだったのか」

「それじゃぁ、先輩は・・」

「あぁ・・・定年を間近に控えた老人には、酷い仕打ちだよ」

そんな事を語り合っている所に伊吹が現れた。

「誰だ」そう言って身構える井手口を宥める若菜。

「おぃおぃ、いきなりこんな所に呼び出して一体何の用だ?・・・こっちはバイト明けでクタクタなんだよ」

「いや、この街を離れることになったからな・・ちょっとした挨拶をだな。三島は?」

「こねぇよ。呼んですらいねぇ」

「そうか・・・」

若菜は、銃を取り出し伊吹に向けるが、伊吹はそれに動じることもなくただ突っ立っていた。

「俺の相棒をやったのは、お前等か?」

「何の事だか、さっぱり」

「だったら、ハッキリと言ってやる。・・・このボールを但馬の事務所に放り込んだのは、お前等かと聞いている」

鉄のボールを取り出し伊吹に見せる若菜。そして「しらねぇな・・・」と白を切る伊吹。

「大体、こんな所に呼び出して聞いてくるんだから証拠はあるのかよ」

「いや、ないな・・」

「だったら」

「だが、事務所の向かいの店の防犯カメラに、お前と三島らしき人物が、事務所に入って行くのが映っていた。出てくる所はなかったけどな」

「・・・・あっそう」

「俺達と但馬をぶつけようと企てて、お前達はそれに成功したって訳だ」

「そんな下手な被害妄想で、俺達を逆恨みするってか?そりゃ筋違いだ」

「そうなのかもな・・・」

若菜は、銃を下ろし伊吹と井手口の元から離れてく。

「こんな事件・・・もぅ懲り懲りだ」

そう言い残し、若菜は去って行った。



「・・・で?あんた誰」

「えっ?」

横で止めようともしなかった井手口に声をかける伊吹。

「あんたも刑事か?」

「あぁ、そうだ。一年前まで先輩と一緒に行動してた」

「・・って事は、間違えて三島を捕まえて、どっかに飛ばされたって奴か」

「ストレートに言ってくるねぇ・・それでほとぼりが収まるまで、飛ばされてようやく戻って来た所さ・・」

「お前も三島を恨んでるタイプか?」

「いや、冤罪だとわかってからは、むしろ可哀想な事をしたと思っている・・・」

「へぇあの変態爺と一緒にいたのに、全く似ないんだな」

「ハハッ、先輩は自分がいつでも正しいと思ってる人間だからね・・・」

「ほぉ、刑事でもあんたとは、仲良くやっていけそうだ」

「じゃぁ仲良くやって行くために、俺からの忠告だ」

「なんだ?」

「今は三島と楽しくやっているのか?」

「あぁ・・・まぁそんな感じだ」

「あいつが犯人じゃないとしても、あいつは危険だ。・・・あまり慣れ合うなよ」

そう言って井手口は、伊吹の元を去り「やっぱ仲良くできないかも」そう言って伊吹も姿を消した。






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