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第十九話 雑用係、三島

「・・・なぁ、長テーブル、全部で4つでよかったんだよな?」

長テーブルを両脇に抱え教室に入ってくる三島。

教室では、机は隅に追いやられ、広い空間で女子たちが作業をしている。

「三島君。いいところに来た。ちょっと来て」

教室に男子の姿はなく、正直現在の三島は浮いた状態だった(いつも浮いてるがまた更に・・)

「・・ったく、なんで俺にだけ外出届が受理されないんだよ・・」

「仕方ないでしょ。去年の自分を考えてみなさい。」

そう言いながら、女子の一人が三島の体をメジャーで測り始める。

「そして、出る事のない学際の男子用の衣装を測られている俺って正直可哀そうだな・・」

「いいじゃない。学際のためにしっかり犠牲になってもらわないと。ったく男子共は、外に出て行ったっきり帰ってこないし・・」

「俺だってそのつもりでした。」

「それ聞いて安心した。絶対に同情しないし、こき使ってやる。はい、さっさと後ろ向けぃ!」

指示に従い、三島は後ろを向く。

「やべ〜今の発言は、ミスったな・・」

「っていうかいいじゃない。女の子の群れに男子一人だよ。ハーレムじゃん」

「あぁ〜もうちょい、女子たちのレベルが高ければよかったんだけどな〜・・って言うのは冗談だぞ」

「本心として受け取っておきます。」

「・・・暇だ」

深くため息をつきながら、三島はそう呟いた。







バイトが今日は休みになり、暇だ!・・という訳ではなく、黒い服で身を包んだ伊吹は、色々な音が入り混じるゲームセンターを徘徊していた。

そして、豪快な・・品のない笑い声に、気づきその集団に近づいて行った。

「よぉ、お前ら高校生か?」

一人が格闘ゲームをしていて、その一つの格闘ゲームの周りに群がる高校生たちの目線が一気に伊吹に飛んでくる。

「あぁ?だったら何だってんだ?」

そりゃ、注意できるところはいっぱいある。足元には吸い殻が落ち、制服もボタンを留めることなく全開で、その制服の下には色とりどりのシャツを着ている。が、そんな事を指摘しにこんな集団に近づいて来た訳じゃない。

「三島って奴を探してるんだが、どこの高校かわかるか?」

『三島』その言葉を聞いた途端、彼らの目つきが変わった。

「・・てめぇ、三島に何の用だ?」

一人の学生が立ち上がり、伊吹を威嚇するような目つきで迫ってくる。

・・・ったく、どうなってんだ?三島ってそんなに有名だったのか。さっきも違う制服の奴らに聞いたら「・・あいつに何の用があるか知らないが、あいつを殺すのは俺だ」とか、立ち去り際に言い放ってくる奴もいるぐらいだしな・・・

「待て、待て。お前らは三島の知り合いなのか?だったら、伊吹って奴がお前を探してるって言ってくれれば通じるから」

「伊吹・・・てめぇ伊吹か!」

「そ、そうだけど?」

伊吹がそういうと、前に立っていた学生が、伊吹の両肩を鷲掴みにする。

「・・お前のせいで、俺たちがどれだけ怖い思いをしたか知ってるか?」

「はぁ・・・」

「但馬組に拉致られて・・・」

その言葉で伊吹は、自分の名前を言った事を後悔した。

「い、いや、すまん。あの時は色々と大変だったんだよ」

なんとか弁解しようとするが、その間にも後ろの群衆たちは、どこから取り出したのか、バットやら色々と持ち、いつでもOKみたいなが感じでスタンバイしていた。

「待て、落ち着け。今回もそれ関係なんだ。俺も時間がないし、急いでるんだ。頼むよ〜、そんな鈍器ばっかり、持ってんじゃない。たまには鉛筆をノートでも持ってみろ」

「悪いんだけど、そっち関係ならなおさら、三島に会わす訳にはいかないな。あいつをもぅこれ以上、傷つけんじゃねぇ」

「傷つける?冗談。どちらかというと、こっちの方がズタボロだってぇの」

「とにかく、俺たちは、お前には会わなかった。そういう事にしといてやるから、さっさと消えな」

高校生にやけに舐められた口調でそんな事を言われて起きながら、伊吹は諦め、彼らから離れようとしたその時だった。

「別に教えてやったって、いいじゃねぇか。むしろ、俺達も知りたいねぇ・・・」

伊吹と、先ほどまで話していた高校生たちが、声のする方向をみると、違う制服を着た高校生たちが、立っていた。

あれ?たしか、あいつを殺すのは俺だとか言ってた奴と同じ制服の人だ。

「てめぇら・・・岬高の奴らか!」

岬高?聞いたことないな・・・なんて完璧に蚊帳の外に外された伊吹は、分析を始める。

「・・・今日は、三島の奴はいないみたいだな」

「・・ったく、お前等も懲りない奴らだな。いい加減諦めろよ。お前等の制服見るの、なんか、飽きてきた。」

「三島は今どこにいる」

「しらねぇよ、知ってても、学際期間だけ顔をでかくして、この街中うろつく奴らなんかに教える訳もねぇ」

「お前だって、三島がいなきゃただのクズだろ」

「・・・試してみるか?」

「もちろん」

しばらくの睨み合いの後、彼らの威勢のいい掛け声とともに、双方の高校生たちが一気にぶつかり・・

「ちょっと待ったぁぁっ!!」

先頭を切って走っていた奴らは、すでに互いの胸倉を掴み、殴りかかろうとしていた時に、伊吹の一声で、その拳も止まり、伊吹の方を向く。

「君達は、岬高校。・・・じゃぁ君達はどこ高?」

「・・・舟高」

「正式名称は?」

「北舟高校」

「よし、わかった続けて良し」

伊吹が、手のひらをポンと叩くと、まるで金縛りにあっていたかのように動かなかった彼らはは、一気に動き始め、ゲームセンターの音にも負けないくらいの罵声や唸り声が、そこらじゅうに鳴り響いた。

「オラーーー死ねや、ゴラッ!」

遊ぶために設置されているゲーム機や、座るためにあるはずの椅子も今では、立派な武器や盾になり、長い髪を鷲づかみにされた岬高の一人は、勢いよく壁にへと顔面からダイブさせられ、その場で伸びていた。

そんな彼らの喧嘩を見て、伊吹が思った事は「今の高校生たちは、凄いな・・」です。




「てめぇ等、そんな処で何やってやがるっ!!」

そんな乱闘も、こんな人が集まりやすいところとなれば、警官も素早く登場、そういう時は彼らもすぐ喧嘩を止め、「サツだ!」そんな言葉を言い残しながら消えていく。

「・・・ったく、クソ餓鬼どもめ。」

「あの、すみません」

そんな言葉を呟く、警官を捕まえた伊吹。

「なんです?」

「北舟高校って、ご存知ですか?場所の方を教えてもらいたいんですけど・・」

「舟高ですか?・・今の時期は、あまり近づかない方がいいと思いもいますけど・・・」

「今の時期・・・学際が、何か関係あるんですか?」

「こういっちゃ、聞こえはいいんですけど、言っちゃえば伝統みたいなもんですよ。・・・でも、こうも悪化したのは、去年からですね・・・」

「去年?・・・三島って奴が関係してるんですか?」

『三島』その言葉を言った途端、警官の顔も一気に急変した。

「彼のお知り合いで?」

「いえ、違います。」

「舟高に行きたいというのも、一体どういったご用件ですか?」

「用事って訳じゃないんで、やっぱいいです。失礼します」

疑った目つきでこっちを見てくる警官から足早に伊吹はこの場を去った。






次の日・・・・


「・・・という事があったらしい」

教室は、静まり返り、担任の顔は怒りに満ち溢れていた。

教室には、顔に痣や傷を作ってきた生徒も座っていた。

「ったく、いつまでも、餓鬼みたいな事してんじゃねぇよ。ボケが・・一人の軽率な行動が、周りにも、被害が出るんだよ。今回の騒動のせいで、三年の内定が取り消しにでもなってみろ、謝るだけじゃ済まされねぇぞ、むしろ俺が許さねぇ。そいつの人生メチャクチャにしてんだぞ・・・てめぇ等で責任取れんのか?・・」

担任が教室を出ていくと、動けなかった生徒たちが、頭を掻いたり、深くため息をついたり、それぞれ違う行動をとった。

そんな中、頬が腫れあがった一人が窓際の席で腕を組んだまま動かない三島のところに歩んでいった。

「・・・ごめん、元」

「・・んで、俺にだけ誤ってんだよ。・・・ちげぇだろうがっ!全員に謝れやっ!・・なんで、何もしてないのに怒られなきゃいけないんだって思ってる奴等だっているんだよっ!そいつ等に謝れ!」

三島の怒鳴り声に生唾を飲み、しばらく時間を置いて、振り返り全員に向かって頭を下げた。

「ごめん、みんな・・・」

そいつが、頭を下げるとそのあとに続いて、その喧嘩に加わった人たち全員が、席から立ちあがり、みんなに頭を下げた。



「・・とにかく、買い出しは、主に女子に行ってもらおう。重い物がある場合は、男子も2,3人ついてく様に」

現在は、先ほどの騒動が無事に終結し、今後の対策を立てている最中。

「・・・とまぁ、そういう事でよろしく。」

「は〜い」とか「了解〜」とかパラパラと声が上がる中、三島が

「よし、今回は男子は全員こき使われろ!・・俺は昨日、こき使われたからお休みって訳で、よろしく!」

そういうと、全員がそろって「「却下!」」と言われた。

「なんだよ。無駄な所で息そろってんじゃねぇよ」

「三島君、こき使われたとか言ってるけど、実際はサボってばっかりだったじゃない!」

「そうだ。それに、ホットプレート持ってくるって言っておきながら、結局忘れてんじゃない!まったく、使えない」

「あっ!酷ぇ、そこまで言うか!昨日なんて、『三島君がいて良かった〜』とか、乙女チックな顔して言ってたじゃねぇか」

「「いや、言ってないから!」」

「・・・そうでした。」

「とにかく、今日は男子共全員、こき使ってやるから覚悟しなさい!」

そんな話をしているうちに、みんな無理をして笑っていたが、知らず知らずに普通に笑えるようになっていた。

「でも、どうしようホットプレート・・明日、本番だよ」

「当日に持ってくればいいんじゃね?」

「いやいや、三島君来れないから!」

「ぉお!自分の事なのにすっかり忘れてた・・じゃぁ取りに行くか」

「だから、外出届、受理されないから」

「ん〜、じゃぁ持ってこさせるか・・」

そう言いながら、携帯を取り出す三島

「誰に?・・・だれも、三島君の家の場所、知らないよ」

「美野」

「いやいや、隣のクラスの人でしょが。それにもう学校にいるでしょ」

「それが、まだあいつ、学校来てないんだよ。仙田を迎えに行ってるから。・・送信!」

その言葉に食いついたのは、男子共だった。

「何ぃ!元、貴様!いつのまに、あの二人とそんな仲になっていたんだ」

「はっ?」

「貴様、田村さんというものがいながら、そっちにまで走りやがって・・・」

「両手に花じゃねぇか!」

「いつから?いつから、そんな仲になってたんだ?どこまでいった?どこまで」

しばらく、男子共の質問攻めに合い身動きが取れなくなった三島。






病院の前からタクシーに乗り込むと同時に田村の携帯がブルブルと震えだし、携帯を開く田村、そして内容を見てため息をついた。

「誰から?」

「元から・・『俺ん家にあるホットプレート持って来てくれ』だってさ。」

三島に電話をかける田村。

『はい、もしもし』

「元?無理だって。今から学校に行くんだもん」

『いいじゃん、ちょっと回り道なだけだろ』

「第一、鍵は?」

『いつものとこ・・・だぁ〜!ちょっと待ってろ、えぇい!離れろ、ウジ虫ども!・・なんだと誰がウジ虫じゃ!・・田村さんに、鍵を渡してるとはどういう事だ!・・どうもこうもあ・・』

「・・・切れた」

「やっぱり、B組って元気いいね。」

「まぁね。一人、極端にうるさい奴がいると、それに便乗しちゃうんだろうね。」

運転手に行き先を変更してもらい、窓からの風景は横にスライドしていく。

「でも、この前の停電、変電所で殺人事件があったんだってね。私知らなかったわ」

「うん、病院も大変だったみたい。すぐに非常用の電気が流れたんだけど、突然の出来事でショックを起こした人とかの対応で振り回されてたから」

「そうなんだ。千尋は大丈夫だったの?」

「うん、平気、平気」

「・・にしても、まさかあの霊園が・・ねぇニュース見た?墓石がなんか綺麗にスパッとなってるニュース。あそこに私と元、行ってたんだよ」

私もそこにいたよ。なんて言えるわけがない

「へぇ〜、そ、そうなんだ。」

「まったく。元も突然、消えたりするし、一瞬聞こえてはいけない声だって聞いちゃったんだからね」

その声の正体は・・あぁ・・まぁ、いいか・・

「で、でもなんで、そんな夜遅くに、その・・・去年の決勝戦の相手のお墓参りになんて行ったの?」

「?・・なんで知ってるの?」

「えっ?・・その、三島君から聞いたの」

「ん〜、まぁ夜遅くに行ったのは、誰にも会わないように・・かな?・・もし、会ったりしたらまたいざこざが起きちゃうかもしれないからね」

「どういう事?」

「・・・・」

田村は、少し考えていと呼吸置いてから、口を開いた。

「・・・まぁ、今やることないし、暇だし・・元からは多分、言ってこないと思うしね・・・ちょっと、昔話。私と元が、異種武道のある高校に入学した頃なんだけど・・」







小さな格技場からは、木製の物と木製の物がぶつかりあう音が外からでも聞こえるようなボリュームで聞こえていた。

その格技場の中では、今まさに試合形式の乱取が行われていた。

太刀を構える先輩と短刀を片手に持つ三島。

息が乱れる二人、三島は時計に目をやり、残り時間が20秒を切ったのを確認する。

その様子を見て、ため息をつく田村。

「あの、馬鹿。先輩の立場ってもんを考えろよ」

三島は先輩にジリジリと近づいていく。先輩もそれに合わせながら近づき、タイミングを見計らい、大きく一歩を踏み出し、太刀を三島に向かって振り下ろす。

三島はその攻撃を先輩に近づきながら避けて、太刀の柄の部分を短刀で叩く。

「イッテ!」

木刀特有の振動が手に響き、先輩は太刀を離した。

だが、その太刀が地面に落ちる前に、三島は先輩ののど仏に短刀を喰い込ませていた。

太刀が地面に落ち、その音で今の現状が見えた審判が手を大きく上げる。

「い、一本・・赤の三島」

周りからは、緊張の糸が切れて深くため息をする人や、凄い物を見たと言わんばかりに拍手をする人がいた。

「すみません、先輩。それじゃ、73の階級の出場権はいただきます」

「お前、66でも十分いける体重だろ。なんで無理して73に行くんだよ」

「それだったら、先輩だって81の階級に近い体重じゃにですか。それに・・岬高の剛が今回は73で出るんですよ。」

「ったく、仲がいいねぇお前等は」

そう言いながら先輩は、離れていき、その代わりに田村が近づいてきた。

「あんた馬鹿じゃないの。」

「おぃおぃ、第一声がそれかよ」

「真剣にやってなかったでしょ」

「な、なにいってんだ。・・・俺はいつでも真剣ですよ〜」

そういいながら、三島は短刀を逆手に持ち個人演舞のマネ事をする。

「だったら、なんで試合途中に時間なんて見る余裕があるのよ。それ以外にも試合途中で、一本を取れる要素はいっぱいあった。多分、先輩だってその事に・・」

「クソッ!」

続きを言おうとする田村の声を遮るようなドンという音が鳴り響き、その方を向くと、そこにいたのは先ほどの先輩だった。

先輩の前にある壁には、拳ほどの小さな穴が開き、先輩は格技場から出て行った。

「・・・先輩だって、73で今までやってきていたのよ。それをあんたみたいな、相手を舐めてるような一年に取られたのが相当ショックだったんじゃない。・・後で謝っておきなさいよ。」

「いや、今謝りに行ったら、それこそ先輩のプライドがズタズタになっちまう。荒波が収まってから漁に行ったって問題はない」

「・・はぁ?何その例え」

「うん、今、自分で言って何言ってるかわかんなくなっちまった。・・・それよりも、早く道場に行くぞ」

そう言って、更衣室へ駆けていく三島。

「あっ、待った!まだ女子が・・・」

田村の忠告も届かぬうちに、三島は扉を開き、数分後に半殺しになった三島が出来上がった。



そんなこんなで、道場へ向かう途中・・・

「・・・ったく、私が胴衣姿だってことで気づけよ」

「そうでした・・お前女子だったもんな・・」

「おい、それどういう意味だ」

「どうもこうも、そういう意味だ」

「率直な意見をどうもっ!」

「イテ!・・おま、膝にひざ蹴りって・・あっ選手生命が!」

「やかましい!折れちまえ」

そんな事を言いながら、道場の前にまで来ると、岬高の制服を着た生徒が待っていた。

「よぉ、相も変わらず仲睦まじく。」

そんな事を言いながら手を振ってくる短髪の長っヒョロイ男。尾形 剛。

「あれっ?剛じゃん、久しぶり」

真っ先に駆け寄る三島。

「っていうか、おせーよ。子島の奴は先に行っちまったぞ」

「いや〜悪い悪い、ちょっと練習後に試合をやっててさ。・・そうだ、そのお陰で俺も73で出れることになったさ」

「まじか!やったじゃん。これで、決勝戦の相手は決定だ!」

なんてハイタッチしながら喜ぶ二人。

「そんなの、やってみなきゃわかんなんでしょが!」

なんて横やりを入れる田村。

「よお、田村。久しぶりだな。今日もお前の親父さんにボッコボコにされに来ちゃった」

「久しぶりって言うか、最近ここに練習に来る事多いね。試合近いから?」

「いや、こっちの方に用があってな。その帰りみたいな感じ?・・なんだよ、二人の時間を邪魔されたくないってか?」

「なっ、そんな訳ないでしょうが!」

「ハハッ、怖い怖い・・早く行くべ」

「ここから、道場にビリで入った奴、二人にジュースな」

そういうと、二人は駆けだし

「アッ、待てこの野郎!」

そんな言葉を言いながら、遅れて田村も駆けだし、結果。途中で転んだ尾形は、二人にジュースを買った。

「「どうも、ゴチになります」」

二人の喜びの声と、深くため息をつく尾形。

「帰りの汽車賃・・あるかな?」

「いや、定期だから問題ないだろ」

「定期を定期的に無くしてます・・・」

なんて、半分笑いながら言う尾形に唖然とする二人。

「またかよ!お前、どんだけ物を無くせば気が済むんだ?この前は、学生証・・じゃなくて保険証を無くしてたよな」

「まったく、物を大切にしない人は嫌いだからね!」

そんな言葉で尾形に追い打ちをかける二人、そしてそこにやってきたのは、大柄の熊・・じゃなくて、田村の親父さんだった。

「クォラッ!てめぇ等、来てんならさっさと着替えてこい!練習はもう始まってんだぞ!」

低いドスの利いた声に、急ぎ更衣室へと急ぐ三人。




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