囚われのオネエ刑事
オネエ刑事「まさか捕まってしまうとはね、不覚」
ノーマル刑事「先輩!」
犯人「近づくな!こいつがどうなっても良いのか!」
ノーマル刑事「クソッ!先輩が説得に失敗するなんて」
オネエ刑事「信彦ちゃん良いのよ、落ち着いて。今は犯人ちゃんを刺激しないで」
犯人「うるせぇ!お前は黙ってろ!」
オネエ刑事「あぁん・・・もっと・・・もっと強く」
犯人「あん?」
オネエ刑事「もっと強く抱きしめて良いのよ」
犯人「何言ってんだお前は」
ノーマル刑事「おい、先輩に乱暴するな!」
犯人「うるせぇ!さっさと車を用意しろ!30分以内に用意しないとこいつを撃ってやるからな」
ノーマル刑事「何だと・・・そんな事・・・」
オネエ刑事「信彦ちゃん、ここは犯人ちゃんの言う通りにして」
犯人「へっ、物分りが良いじゃねか」
オネエ刑事「貴方となら何処へでも行くわ。私と愛の逃避行しましょう」
犯人「はっ?気持ち悪い事言ってんじゃねぇぞ」
オネエ刑事「一目見た時から好きなの。このままずっと捕まえてて」
犯人「何をごちゃごちゃと。てめえ状況が分かってんのか?」
オネエ刑事「分かってるわ。貴方が私を連れ去りたいんでしょ?良いわ、好きにしなさい」
犯人「全然違うわ!おい、そこのお前!」
ノーマル刑事「何だ?」
犯人「こいつと変われ。こいつは人質にしたくない」
ノーマル刑事「・・・分かった。俺が変わりに人質になろう。その代わりに約束しろ、その刑事は必ず解放すると」
オネエ刑事「信彦ちゃん・・・」
犯人「フンッ、約束はしてやる。だからとっととこっちへ来い」
オネエ刑事「来るんじゃねぇ!」
犯人「えっ?」
ノーマル刑事「えっ?」
オネエ刑事「お前俺の恋路邪魔する気かよ!本当はわざと人質になったのに、作戦が台無しになるじゃろがい!余計な事すんな!」
ノーマル刑事「先輩何言って・・・」
犯人「おい、お前早く来い!」
オネエ刑事「来ちゃダメ!来たら私撃たれるわ」
犯人「黙れ!撃つぞ!」
オネエ刑事「もうとっくに撃たれてるわ、私のハートがね」
犯人「何だこいつ!」
ノーマル刑事「先輩・・・一体俺はどうすれば良いんだ」
犯人「お前早く来いって!ていうか早く来てくれ!」
オネエ刑事「どうして私を嫌がるの!?もしかして私が女だから・・・?」
犯人「いや、お前どう見ても男だろ!気持ち悪いな」
オネエ刑事「照れなくても良いのよ。なんなら私は男でも女でもどちらにでもなるし」
犯人「どっちでも気持ち悪いわ!もう頼むから黙っててくれ」
オネエ刑事「黙らせたいならその唇で黙らせれば良いじゃない!ほら、ン~~~」
犯人「やめろ!やめてくれええええええ!!」
オネエ刑事「ブチュウウウウウウウウウ」
犯人「ンンンンンンンンンンンン」
ノーマル刑事「うわぁ・・・」
オネエ刑事「貴方結構良い唇してるじゃない。私感じちゃったわ」
犯人「オエエエエエエエエエウゲッ・・・ゲホゲホ」
ノーマル刑事「うわぁ・・・」
オネエ刑事「信彦ちゃん何やってるの!今がチャンスよ!」
ノーマル刑事「ハッ!そうだ、総員犯人を確保おおおおおおおお」
犯人「うわぁあああああ!クソッ!クソッ!クソッ」
ノーマル刑事「犯人確保!すぐに署に連行しろ!」
犯人「ちくしょう!ちくしょう!おっさんに唇奪われた。ウウッ・・・」
オネエ刑事「ご馳走様。これに懲りたら二度とランジェリー強盗なんてしない事ね」
犯人「お前覚えてろよ」
オネエ刑事「ええ、今日のキスはずっと覚えてるわ。またいつかしましょうね。今度はホテルでどうかしら?」
犯人「クソッ!クソッ!クソオオオオオオオオ!」
ノーマル刑事「連れて行け」
オネエ刑事「ふぅ・・・」
ノーマル刑事「いや、先輩お見事でしたよ。まさか自ら人質となって犯人の隙を作るとは」
オネエ刑事「う、うん。まぁね」
ノーマル刑事「マジで犯人に惚れたんじゃないかと少しでも先輩を疑った自分が恥ずかしいです。俺もまだまだっスね」
オネエ刑事「あ、当たり前じゃない。刑事が犯人に恋するなんてあり得ないわよ」
ノーマル刑事「ですよね。じゃ、俺はこれから犯人の取り調べに行きます。先輩も行きますか?」
オネエ刑事「ええ、後で行くわ。ちょっと休んでから行くから、信彦ちゃんは先に行ってて」
ノーマル刑事「了解です。また後で」
オネエ刑事「・・・また犯人を捕まえた・・・か。早く誰か私も捕まえに来てくれないかしらねぇ」