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 4月20日、リズムゲームVSとは別に新たなARゲームが発表される。

そのゲームの名前は『リズムドライバー』と言うらしいが、ネット上では内容に関してリズムゲームでやる必要性が感じられない――という意見が相次ぐ。

考えて見れば、リズムゲームVSのアバター機能も本来のリズムゲームで必要なのか――と言われていた物である。

 結局、新しい物を叩いて炎上させて新規参入を阻止するような懐古厨が一連の真犯人だった事で一連の事件は解決――と言う事にされた。

こうした四次元の壁等を扱うメタフィクションは――小説ではヒットしにくいので路線変更――と言えなくもないが。

【リズムゲームVSもロケテ段階では炎上していたような気配がする】

【しかし、それを否定しなかった。そして、反省点を生かしたのが――あの時のシステムだろうな】

【結局はアバターシステムってどうなったのか?】

【他社と似ていると言われていて凍結された話だが、結局は修正が入ったようだ】

【しかし、動作関係が――】

 ネット上では、どう考えても炎上させようと暗躍しているまとめサイトが――と言う状況が続く。

こうしたネガティブは――誰が望んだ結末なのか? 芸能事務所が自分達のコンテンツを神にする為だったのか?

結局、こうしたネット炎上やSNSテロは仕掛けた人物がストレス発散や悪目立ちをする為に――と言うのがWEB小説上でも言及されていた。



 4月21日、この日は曇り空だったが――午後からは晴れてきたので、特に客足が鈍る事はない。

駐車場は秋スペースもあるが、駐輪場は混雑しているのが『オケアノス・ワン』草加店――。

近くのパチンコ店は駐車場も混雑しているのだが――それを上回る勢いで混雑している気配がしていた。

インターネットランキングのニューシーズンがスタートし、その影響で混雑してきたのである。

「やはり、ランキングの初日は混雑するな」

「新規プレイヤーも出始めているのを踏まえると、ここからか?」

「前回のランキングはガーベラが勝利していた。今回は新規ゲーマーもいる以上、激戦が予想されるな」

 店内のギャラリーからは様々な声があるのだが、特に炎上していた件は言及しない。

それが黒歴史になったという意味ではなく、あえて触れないという意味でも。



 4月25日――この日は様々なゲーマーが集まっている。

そして、扇子がないような私服で『オケアノス・ワン』に姿を見せ、リズムゲームVSをプレイしているデンドロビウムは――周囲の度肝を抜いた。

それはリズムゲームVSでも屈指と言えるレベル12楽曲の――フルコンボである。

(私は――何の為に、ここまであきらめずに演奏し続けてきたのか――)

 タブレット端末に彼女の指の汗が――と言う状態にはなっていないのは、彼女がプレイ前に自前のタオルで手を拭いた事による物だろう。

彼女の視線が目の前の画面に集中し、ブラインドタッチでプレイしているのは――耳のヘッドフォンを装着してプレイしている影響もある。

ギャラリーが叫んでいる訳ではないが、何となく状況は理解しているつもり。店内で最低限守るべきマナーを破るようではゲーマー失格だ。

(私は、このプレイで他のプレイヤーにルールを守ってプレイする事の意味を――)

 上からあり得ない量のノーツが降ってくるのは、ネット上でもゲリラ豪雨と言う異名を持つ発狂地帯だ。

ここを抜ければウイニングランは見えてくるだろうが――。



 4月1日、場所は『オケアノス・ワン』草加店――しかし、設置されている機種には色々と差異があった。

先ほどまでの機種とは違う物も並んでいる光景は、まるでフィクションとノンフィクションが交錯しているような光景と言えるかもしれない。

「三流小説にも満たないと言うか――ここまでくると、哀れと言うべきか」

 普段は賢者のローブを着ているはずのカトレアだが、今回に限って言えば赤をベースとしたメイド服を着ている。

むしろ――これが本来のカトレアなのかもしれない。彼女のいる場所も『オケアノス・ワン』草加店なのは間違いない一方で、プレイをする為に並んでいる機種はリズムゲームVSではない。

 タブレット端末を片手に、他のプレイヤーの順番待ちをしているカトレアのチェックしていたのは、少し気になったリズムゲームを題材とした小説だ。

しかし、内容が飛躍しすぎていて周囲の異世界転生や異世界転移、悪役令嬢を題材とした作品と比べると――明らかに見劣りするだろう。

題材は悪くないだろうが――色々と詰め込み過ぎ、タイムリーな話題に影響して炎上するのを恐れた結果として――本来書こうとしていた部分をカット、内容にも若干の矛盾やご都合主義が感じ取れた。

「リズムゲームに対するジャンル衰退やマナーに関して警告するのであれば――もっと別な方法もあるはずだろうな」

 カトレアは、その小説を閉じて――リズムゲームの筺体の方に視線を向けた。

この機種は新作ではなく、20年位前から稼働しているリズムゲームであり――全てのリズムゲームは、この筺体から始まったと言えるような機種と言える。

その筺体はメタル系を基調とし、上から小型スピーカーとタイトルの書かれた電光掲示板タイプのプレート、、液晶モニター、操作デバイスは7つのボタンを基調としていた。

中には7つの鍵盤とターンテーブルと言う筺体もあるだろうが――。さすがにそのままと言う訳ではない。下手をすると著作権侵害とか炎上させてくる懐古厨もいるからだろう。

ターゲットにしているのは、20代辺りだろうか。

「我々が出来るのは――」

 カトレアはテストゲーマーとも言える人物で、ネット上でも有名だった。

しかし、彼女はリズムゲーマーのカテゴリーに当てはまるのかと言うと――賛否両論だろう。



 一連のWEB小説のシナリオをなぞるような炎上事件やSNSテロ――そうした物を防ぐ為にガーディアンが生まれたのも、それは別の話――もしくは、別の作品である可能性が高いだろう。

そして、デンドロビウムと村正むらまさマサムネの対決も、まだ全てが決着した訳ではない。物語は――仕切り直され、新たに用意された可能性へと進む事になる。

この世界は決して異世界ではなく、現実の世界なのは間違いないが――ファンタジーを思わせるご都合主義があったのは事実だろう。

作品は再び仕切り直され――新たな可能性を持って描き直される。熱意のないままに書いたとしても、それは本当に面白いのか――疑問が残るかもしれない。

本当の意味でリズムゲームが注目される意味でも、彼らの演奏は仕切り直されるのが良いのか? その選択は本当に正しいのか?

「私たちの戦いは――まだ終わらない!」


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