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3-3


 3月5日、昨日が曇りだったのに対し――今日は小雨がちらついている。傘をさす程の大雨ではないが、天気の方は一目瞭然――。


それでも客足が絶えないのが現在の『オケアノス・ワン』草加店、毎日数百人は開店時間内に来店をしている計算だ。

「1年中晴れているような事はない。そして、ネット炎上も1年中起きている訳でもない」

 突如として姿を見せた男性、彼は『オケアノス・ワン』の別支店担当者である。

何故、彼が草加店まで足を運んだのか――対応したオーナーは理解に苦しんだ。

「貴方も足立区の支店を放置できないのでは――」

「確かに、それも一理ある。しかし、確認したい事があって――ここまで来た」

「確認――?」

 向こうには確認したい事があると言っても、彼には思い当たる節がない。

一体、彼は何の為に足立区を離れ――ここまで足を運んだのか?

「バーチャルゲーマーのムラマサ、何故に彼女はここにきている?」

「こちらが個人情報を把握しているとでも?」

「確かに――カラオケやボーリングを利用しない客の個人情報を把握している訳はないだろう。しかし――」

 足立区の支店オーナーはある物をオーナーに見せた。それは、タブレット端末のレンタル履歴である。

どうやって、これを入手したのかは不明だが――下手をすれば個人情報流出に該当するかもしれない。

「タブレットのレンタル状況はオケアノス・ワンで共有されている物。それを知らないとは――言わせませんよ」

 この一言を聞き、オーナーことタチバナは黙ってしまう。

反論できれば――と思ったが、正論なので言い返す事は出来なかった。

 オーナー同士のやり取りは店内の事務室で行われた物の為、一般客には一切聞こえていない。

むしろ、こういうやりとりがSNS上で拡散したらどうなるのか――両者とも分かっているはずだ。



 小雨と言う事もあり、店内に足を運んでいる顔ぶれにも微妙な変化があったのは言うまでもない。

デンドロビウム、ムラマサと言ったメンバーは姿を見せておらず、逆に姿を見せていたのが――。

「あのチートプレイヤーは、よくやった方だ――」

「芸能事務所のアイドルを宣伝する為のフラッシュモブは、流行らないだろう。おそらくは規制の方が待ったなしだろうな」

「そう言った行為が拡散すれば、規制が強化される事は気付かない訳ではないだろう――」

「最近のSNSユーザーは民度の低さも問題だが、理解力のなさもトップクラスだな」

「どちらにしても――我々がやる事はひとつだけだ」

「SNSテロを起こす存在、全てを駆逐する事。つまり、炎上の根絶だな」

 センターモニターの前に置かれている簡易ソファーに座っている男性2名は――どちらかと言うと情報交換の為にリアルで場所を決めて会う予定を決めていたのだろう。

何処かで聞き覚えのあるような台詞の改編で決めている様な男性も、センターモニターに表示されたプレイの様子を見て思う部分はある。

「君たちには聞きたい事がある――」

 二人の目の前に現れた人物、ソレは何とビスマルクだった。彼女としては、他の一件も聞きたい所だが――。

(ビスマルクだと――)

(まさか、我々の情報網が――?)

 2人の表情を見れば、明らかにビスマルクがここに来る事は想定外と言う事が分かる。

「最近になって売り出し中のバーチャルゲーマーについて聞きたい」

 そして、ビスマルクは2人が予想もしていない単語に対して言及し――お互いに言葉を失った。

そこまで彼女は情報を掴んだのか? リズムゲームVSに迫ろうとしている脅威に関して、2人はこの場を去らなければ危険だと認識する。

「下手に逃げようとは考えないことだ。こちらとしては危害を加えるつもりはない。下手に出禁を受けるのは、こちらとしても不利益――」

 ビスマルクとしては、ここで出入り禁止になると――別のホームを探そうにも機種が置いてある場所を検索する所から始めないといけない。

それだけは――時間がかかるので避けたい事情があった。向こうも、下手なトラブルをSNSで拡散されても不利益である事は分かっているはず。

「そこまで言うなら教える――で、どちらを聞きたい?」

 まさかの対応に無言で驚いたのはビスマルクの方である。どちら――と言うのは、複数いる事を意味していた。

ムラマサとは別のバーチャルゲーマーがリズムゲームVSにやって来たと?

「ムラマサ以外に誰か来たのか?」

「その口ぶりだと、ユニコーンの事は知らないようだな」

「ユニコーン――だと!? 相当な大物バーチャルゲーマーが――」

 ユニコーンと言えば、ムラマサ以上に人気の高いバーチャルゲーマーで、主にパズルやキャラゲーのジャンルで人気と言える人物だ。

どのようなバーチャルゲーマーなのかは、彼から動画を見せてもらって半径する事になるのだが――。


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