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3-2


 3月4日、この日はあいにくの曇り空だった。しかし、リズムゲームVSに天気は関係ない。

雨であろうと、稼働しないと言う理由にはならないだろう。設置場所が屋外でもない限りは――。

「スーパーの屋上とかで稼働している所はないだろう」

「曇りなだけで雨は降っていない」

「スーパーの屋外スペースであれば、稼働している可能性もありそうだが――」

「今の時代だと、屋外には置かないだろう。何処も屋内にスペースを作って、そこで稼働しているパターンが多い」

 チートプレイヤーが炎上している件のまとめを見ていたプレイヤーは、外の天気を見て思っていた。

並んでいるうちに曇ってきた訳ではなく、午前中からこの天気である。

彼らは別のアミューズメント施設に設置された筺体に並んでいるのだが――並んでいる機種はリズムゲームVSではなくて別機種だ。

「リズムゲームVSでの一件が、こちらに拡散しない事を祈るばかりだが――」

「ジャンル的にひとくくりにするような勢力はあてに出来ない。どうせ、超有名アイドルの宣伝とか――」

「一概にそう言えない状況も出来ている。どちらにしても、芸能事務所は過剰介入で自滅するだろう」

「その発言自体がフラグになるのでは? 丁度、クールジャパンでも色々と言われている様な時期だ――」

 彼らはリズムゲームVSのプレイヤーではなく、別ゲームのプレイヤーだったのである。

自分達のゲームが炎上する事が一番なってはならない――そう思っているのが彼らなのだが、同じような考えをしているプレイヤーは探せば大量に出てくるだろう。

ネット炎上に関しては、風評被害等の点でも起きてはいけない。しかし、絶対に起きないとは言えないのもSNSをビジネスチャンスと考えている勢力かいる為だ。

彼らは炎上でさえも投資ジャンルの一つと認識し、更には芸能事務所やまとめサイトと組んで一儲けしようと言う投資家も存在する程である。

極めつけとしては、特定芸能事務所の不祥事でも――彼らは投資チャンスと認識している所かもしれない。

(そう言った認識が、やがてコンテンツ流通を崩壊させるきっかけを生むと言うのに――)

 彼らの会話を遠目で見ていた人物、それがビスマルクだった事――それは話に夢中になっていた事で気付かなかっただろう。

ビスマルクはSNSの拡散速度を馬鹿に出来ないと考えており、そこからネット炎上でオワコン認定されたコンテンツが無数にある事も知っていた。

だからこそ、そうした悲劇を彼らは平気で繰り返す――ビスマルクがネット炎上に過剰とも言える反応をしているのは、こうした事情があるのかもしれない。



 午後になると、昨日の詳細も明らかになって来たのだが――大抵が別のゲームメーカーによる妨害工作と言う書かれ方である。

しかし、該当メーカーは関与を否定している以上、関係はないはずなのだが――。

「こういう勢力が出てくるのは想定済みだが――見事なまでに、こう言う書き方しかしないのか」

 草加市内のコンビニ前でタブレット端末を片手に、サイトを見ていたのは――ある女性である。

彼女は外見的にもゲームメーカーのスタッフと言う訳ではない。スタッフと言うよりは運営サイドと言うべきか?

 しかし、運営が過度に自分の会社のゲームに介入すれば――それこそ炎上は避けられないだろう。

服装もスタッフが着ている様な物ではなく、普通の私服なのも覆面スタッフ的な意味もあるのかもしれない。

「どちらにしても――芸能事務所その物の炎上は回避できないだろう」

 機械的な反応で、まとめサイトのニュースを次々とチェックしていく。

彼女としては気になるニュースは多いのだが、余計なノイズは排除したいと言う事かもしれないだろう。

その中で、彼女は芸能事務所とまとめサイトが繋がっているのでは――と考えていた。

「もうすぐ彼女が動きだすだろう――それからが全ての始まりだ」

 彼女の名は真田さなだソラ、一応はテストゲーマーと言う肩書を持っている。

その一方で、そこそこの実力者なのだがアルプレイヤーには何度も返り討ちな状況になっていた。

彼女の表情が若干落ち付いていないのは、そう言った事情もあるのだろうか?

「デンドロビウム――彼女が、リズムゲームVSに来た理由は何だ?」

 デンドロビウムこと南雲なぐもヒカリ、彼女が歴戦のリズムゲーマーなのは知っているが――その彼女がリズムゲームVSに来た事も疑問に思っている。

リズムゲームを全作品プレイするという意味で触れたのならば――問題はないだろう。しかし、本当にそれだけなのか?

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