第一章 第四話 反転その4
お待たせしました
ジオノが指差した先には、カートが捨てた大精霊のペンダントが僅かに蒼く輝いていた。
「「大精霊のペンダント?」ですか?」
「そうじゃ…。
カミューが反転せんように大精霊のペンダントを使い、真反者としての力を封じればよい。
あとはカミューからお前たち2人の魔力が抜ければカミューは大丈夫じゃろう。」
ジオノはそう言うとカートのペンダントを拾いに行った。
「…うぅ…あああっ!?」
ドンッ!
「…きゃっ!?カミューさん!?」
その時ティナに介抱され落ち着いていたカミューが、突然先ほどよりも苦しみだした。
それどころか介抱していたティナを突き飛ばすと、その場で暴れ出した。
「うぅあああっ…!?」
「…カミュー!?
…お師様!カミューの様子が変です!?」
「…カミューさん!しっかりして下さい!?」
ティナがカミューに突き飛ばされたのを見たジュリアは、カミューの様子がおかしいのを察知すると直ぐさまジオノを呼び戻した。
「…!?2人共離れろ!
…!?ジオノ!?」
「…やれやれ、人使いが荒い…!?こ、これは…もしや…!?」
そこに普段はあまり喋らないゼルが、2人を様子がおかしいカミューの傍から離れるように大声で促した。
そしてゼルもジオノを呼ぶが、ジオノはカミューの様子を見た瞬間、そのまま動きを止めてしまった。
「ウゥッ…!?
(な、なんだ!?身体中の関節が…!?)」
ファサッ!
「…!?髪が…!?」
倒れて呻いているカミューを見ていたジュリア達だったが、突然カミューの髪が伸び始めたのに気付いた。
だが変化はそれだけではなく、両手の爪も徐々に伸びていたが、カミューが身体中の関節が痛み出したことに苦鳴を上げたため、両手を握っていたのでジュリア達は気付かなかったし、カミュー自身も自分の外見が徐々に変化していることには気付かなかった。
「…反転…」
「ゼルさん…?」
「…遅かったか…ゼル…剣から手を離せ…」
「お、お師様!
カミューにいったい何が起きているのですか!?」
ゼルはカミューの様子を見てポツリと一言洩らすと、背中の大剣の柄に手を当てる。
ゼルが洩らしたことが聞こえてなかったティナは、突然大剣に手を伸ばしたゼルを訝しげに見ていた。
ジオノはそんなゼルを止めて、先ほど拾いにいった大精霊のペンダントを握りしめながら、カミューを見ていた。
ジュリアは師であるジオノに何が起きているのかわからず問いかける。
「…ジュリア、ティナ…
カミューは真反者として反転しておるんじゃ…」
「「!?」」
「…今となっては遅いかもしれぬが、気休めにはなるじゃろ…」
ジオノはそう言うと、持っていた大精霊のペンダントをカミューに掛けた。
カッ!
「…ウアッ!?
(な、なんだ!?俺に何が…!?)」
すると徐々に変化していたカミューの身体は、まるで逆再生のように元に戻っていくが、カミュー自身は身体中の違和感がまだ残っていた。
「…うぅ…い、いったい…ハァハァ…なにが…おきたんだ?」
「…カミューよ…恐らく、今お主の身体は真反者として覚醒した影響によって、お主の身体の中の異物を排除しようとして、反転しようとしたのじゃ…」
やがてカミューは身体中の痛みが引いたことに疑問を呟くと、それを聞いたジオノが説明をした。
それによると、
カミューの身体は異物であるジュリアとティナの魔力をなんとか排除しようと、真反者として覚醒しその力で2人の魔力を自身の物とするために、カミューの意思を無視して反転しようとしていたらしい。
「…じゃあ、俺の身体の中にある、この違和感は…?」
「恐らくそれが2人の魔力じゃろう…」
「…そうか…もう一つ聞きたいんだが…俺はこのままだと“魔獣”になるんだろ…?」
「「「!?」」」
「…気付いとったか…」
説明を受けたカミューはジオノ達に衝撃発言をする。
それを聞いたジュリア達は言葉が出ないほど驚くが、ジオノは違った。
「…ああ…さっき反転しかけた時に、な…」
「カミューさん…」
「……」
「だ、大丈夫よ!
カミューには大精霊のペンダントがあるんだもの!!
…そうですよね、お師様!?」
「…スマヌ…先ほどお主に掛けた、その大精霊の力もそれ程長くは保つまい…」
「「「!?」」」
「な、なんでですか!?」
「…持ち主が違うから…」
「…ゼルの言うとおりじゃ…
その大精霊のペンダントは、元々カートがこの世界に来るために持っていたものなのは、皆も知っておろう…?」
ジオノは全員を見回すと次のように語った。
元々大精霊のペンダントは、別世界に行くために彼らの世界にあった。
以前ジュリアがカミューに説明したように、大精霊のペンダントは大精霊ラウルの加護がかかっており、その力によって彼らは別世界で活動出来るようになるのだ。
だがその力は無限ではなく、期限があった。
現在カミューがしているものも例外ではなく、保って半年らしい。
その期限が切れれば、カミューは再び真反者としての力によって反転して、魔獣となるかもしれない。
「…」
「…いつ、カミューが魔獣となるかはわからぬがのう…」
ジオノはカミュー達に説明すると、そう締めくくった。
<続く>
シリアス&説明回に…
待たせたわりに上手く書けてないですね…
(しかも相変わらず短いし)
おまけにまた異世界に行けてない…orz
とりあえず
ここまでお読み下さいまして、
ありがとうございました
m(_ _)m
次回もお楽しみに




