第一章 第二話 出会いその7
お待たせしました。
「ぐわっ!?」
なんとか狼男の拘束から逃れたカミューだったが、狼男に背中を斬りつけられ吹き飛ばされた。
ズキッ!
立ち上がろうとして背中に激痛が走り、また倒れてしまう。
カミューが背中に手をあてるとヌルッとした感触が伝わり、かなり出血しているのがわかった。
「ウグゥッ!?」
「少年!?そのまま動くな!?」
狼男に攻撃していた青年は、カミューの追った傷がかなり深いのがわかり、カミューに安静にするように言いながら、狼男に攻撃を続けていた。
「クックックッ…どうするよ、魔獣狩り(ハンター)!?
オレに攻撃している内に、その小僧は死ぬぞ!?」
狼男は青年の攻撃をある時はかわし、またある時は両の腕の爪で飛んできた矢を撃ち落としながら、青年を挑発する。
「ぐぅっ!?(痛っつう…!?
や、やべぇ、ミスった!?)」
カミューは自分のせいで青年が攻撃するのに躊躇っているのが倒れながら解り、焦って動こうとするがそれは背中の激痛がさせてはくれなかった。
「クックックッ…!
オレを倒してる間にその小僧はどんどん死に近づいていくぞぉ~!!
オレを攻撃していて良いのか~?」
「…くっ!?
(…チィッ!どうする、このままだと少年はヤツの言うとおり出血多量で…!?)」
狼男の挑発に青年は攻撃をしながら、内心舌打ちをしどうするか考えていた。
その間にもカミューの傷から出血は続いており、カミューの顔色もだんだん悪くなっているのがわかった。
「ギャッハッハッハッハッ…!
さぁ、いい加減オレを攻撃するのを止めてとっとと結界を解け!?」
「…!?
(…結界?…そうだ!?)」
シュンッ、ドカカカカカッ!カッ!!
「…!?」
青年はあることを思い出し直ぐに実行する。
背中に背負った矢筒から6本の矢を取り出し、狼男ではなくその周囲に等間隔で放つ。
6本目の矢が地に刺さると狼男を中心に魔法陣が光を放ちながら展開された。
「グルッ!?
う、動けん!?貴様ッ、何をした!?」
光が収まると狼男は魔法陣から伸びた光の鎖に捕らわれ、身動きが出来ないことに気付いた。
「…ふぅっ…それはこの空間を覆っている結界より弱いが、それでも貴様の動きを止めるくらいは出来る!
そこで暫くジッとしていろ!?」
「簡易結界か!?
だがこんなモノでオレの動きを止められると思うなよ!?」
青年は狼男の動きを止めると弓をしまいながら懐から蓋の付いた小さな筒のようなモノを取り出した。
「…」
青年は筒を額に当てなにやら呟くと、その筒の蓋を開ける。すると筒から光が飛び出し青年がやってきた方向に飛んでいった。青年はその光を最後まで見ることはせず、カミューの下に駆け寄り背中の傷を見るためにカミューの制服を脱がしながら問いかける。
「少年!?生きてるか!?」
「…っつう!?…か、勝手に…殺す…な…!?」
「フフッ、そんな憎まれ口を叩ければ、まだ大丈夫だな。
…少し染みるが、我慢しろ。」
「…え?…ぐぁっ!?」
憎まれ口を叩くカミューだったが、その顔色は青を通り越して白に近かった。
青年はそんなカミューにホッとしながら、ベルトにつけた小袋から小さなビンに入った軟膏をカミューの傷口に塗っていく。
カミューは背中の激痛が軟膏を塗られたことにより、更に痛くなったので思わず叫んでしまった。
青年はそんなカミューに軟膏を塗りながら、狼男の様子を見ていた。
狼男はなんとか簡易結界から脱出しようともがいていた。そのせいで簡易結界の基点ともいうべき6本の矢が少しずつ抜け出しているのがわかった。
「グルルルッ!
魔獣狩り(ハンター)よ!?あと少しで簡易結界は破れるぞぉ!?
この結界が解けたらまずは貴様から喰ってやる!!」
狼男はあと少しで簡易結界が解けそうなのが感覚的にわかり、青年に今まで結界に閉じ込められた鬱憤を晴らすために更にもがきだした。
「…チッ!?」
青年はカミューの傷口にあらかた軟膏を塗り終えると、カミューの着ていた制服のシャツを切り裂き包帯替わりにしてカミューに巻いていく。
パキンッ!!
そんな時に何かが割れる音が辺りに響き渡った。
「グルルルッ!
ギャッハッハッハッハッ!!解けたぜぇ~!?
魔獣狩り(ハンター)~!?
よくもやってくれたなぁ~!?
」
「何っ、早すぎるっ!?
…ぐぁっ!?」
青年は音が鳴った方、つまり狼男の方を見ると狼男の周囲の矢が全て抜けているのがわかり、カミューの手当てを中断して弓を構えようとしたが、それは結界を解いた狼男の突進により出来なかった。
カミューと青年は吹き飛ばされて離れてしまう。
「ぐぁっ!?」
「グッ、し、少年!?」
「弓を捨てろ!?」
吹き飛ばされた青年は直ぐに起き上がると、カミューの心配をしながら弓矢を構えた。
だが、一歩遅くカミューを再び人質にした狼男が武装解除を命じた。
<続く>
またカミューが人質になっちゃった
…前話のあとがきで言ったけど、異世界に行くことは決定しておりますが、あの世ではないです(笑)
ここまでお読み下さり、
ありがとうございます。
次回もお楽しみに




