Conclusion:11 終わりへの始まり
タイトルは「スタートピリオド」と読んでください(白目)
今年最後の投稿にござい。
「こちらは全て整った」
魔人の話を聞いてから数日後の放課後、唐突に訪ねて来た大介さんから、そんな話を聞いた。
主語は抜けているが、それでもオレ達に伝えるには十分だった。
「とうとう、この時が来ましたね…………」
この中で一番の先輩である佐伯先輩が、そう口にする。
「ああ、遂に」
オレはそれに首肯をもって答える。
戦果はどうあれ、遂にやっと、この戦いに終止符を叩き付けてやる事ができるのだ。
オレはこれまでの日々で、仲間達を見つける事ができた。だけど同時に、その仲間達を三人も失ってしまった。
アスカさん、神谷、そして、キース。
二人の遺志と、一人の救いを叶えるために、オレ達は今日まで、何物にも代えがたい日常を費やしてまで、自らの研鑽を続けてきた。
「どうする? 桐久保?」
「オレが決めて良いのか?」
迷わずオレに聞いてきた梶原に、オレはそう返した。すると、梶原だけでなく、大介さんを含む全員が苦笑を浮かべた。
「カルマよ、この期に及んでそこに気づかないとは、流石だな」
「ええ、全く」
「本当ですわね」
「え? え?」
訳がわからず首を傾げていると、ヒナタが微笑みながら口を開く。
「だって、私達のリーダーはカルくんなんだよ?」
「え? オレ?」
今度は佐伯先輩が苦笑混じりに微笑む。
「当然じゃないですか。君はこれまでの出来事の中心的存在。それに、そうでなくとも、この戦いにおいての要ですから」
「あまり誉められてるように聞こえねぇんだが?」
「そんな事はありませんよ」
「ま、なんにせよ、アンタがアタシ達のリーダーだ」
言われて、全員を見渡す。すると、誰も彼もがオレを見て、力強く首肯してくれる。
「それで、いつにするのだ?」
マルカがオレに問う。
だからオレは、考えて、答える。
「決戦は、明後日。今日明日は英気を養い、そして、この戦いに、決着を付ける!」
その言葉に、全員が一度、応、と応える。
「ですが、カルマ様、なぜ明後日なのか、理由をお聞きしても?」
その問いに、笑って答える。
「だってルル、明日は金曜日だぜ? 学校があるじゃねぇか」
その言葉に、マルカが、あぁ……、と頷く。
「それがどうかしたのですか?」
「わかんねぇかな、佐伯先輩。オレ達は高校生だぜ? 青春真っ只中の、今をときめく高校生」
「ときめくかどうかは置いといて、まあ、そうですね」
「学生の本分は、学校生活だろうよ」
「そこで勉強と言わない辺り、流石だな、カルマ」
「………勉強もちゃんとやるし!」
それに、もうちょっとだけ、人でいたいから…………。
皆は得心の行った顔で頷き、同意する。
「では、明後日の明朝6時、駅前集合と言うことで」
それに返事を返すと、梶原がおどけたように言った。
「なんかそう聞くと、遊びに行く約束みたいね」
「ああ、そうだな」
そして見上げた空には、夕日に染まる飛行機雲が、一条の帯を描いていた。
「いつかこんな風に、みんなで遊びに行こう」
オレの呟きは、みんなの首肯によって返されるのだった。
いや、あの、ホント、短くてすんません。
タイトルで格好付けといてなんだよこの短さとか言われるくらいの短さですけど、実は来週も短いんですよ。
もしかしたら今日よりみじk…………ああっ! 消ゴムのカスを投げないで下さい! 精神的に来るから!
と、とりあえず、ま、また来年!
良いお年を! …………ああっ! お願いだから雪玉を投げないで! 僕寒さ耐性皆無なのに!




