Conclusion:9 罰
今年中に終わるかなー、って思ってた時期が僕にもありました。
全てに一段落が着き、大介さんからの提案で、オレ達は久し振りに登校することになった。
曰く『学生の本分は勉強だからね。
……………それに、見ておいた方がいい。僕達魔人が犯している罪と、それに課せられた罰を』との事だ。
そんな、引っ掛かる事を聞かされながら、オレ達はおよそ一ヶ月振りに登校することになった。
「あー! 久し振りだね、五人とも」
「そうだな、三年の先輩も居なかったみたいだし」
案の定、久し振りに登校したオレ達兄妹、ヒナタ、ルル、梶原に質問の波が怒濤の勢いで襲い来る。
それを誤魔化すために苦笑いしながらあしらっているとき、ふと、違和感に気付く。
―――いつも通り過ぎやしないか?
一年と中等部の後輩二人が消えたんだ。
もしかしたら、まだ休んでるとか、そう思っているかも知れないが、それでも、一切話題がでないのはおかしい。
この違和感にはヒナタ達も気付いたようで、少し怪訝な顔をしている。
「まあ、まだわたくしの弟はしばらく出てこれませんけど…………」
何を思ったか、ルルがそういうことを言った。
本来の正しい反応なら、ここでその理由を聞いたり、心配するはずだ。本来なら。
しかし、
「え? インデリアさん、弟なんていたの?」
その反応は、全くの予想外だった。
一瞬絶句したルルだったが、すぐに取り繕う。
「え、ええ。見た目は女の子のようですから、妹と思われているかも知れませんね」
「へぇー! それは見たいね!」
だが、それですらも意味を成さない。
この学友達の反応は、まさか…………。
「インデリアさんの弟かぁ…………一度でいいから見てみたいな…………」
やはり、そうなのか…………。
キースは何度もこの教室を訪れている。彼らが知らない訳が無いのだ。
それなのに、彼等彼女等はまるで知らないような口ぶりだ。
「これは…………」
今、オレ達の心中は『何故?』で埋め尽くされている。
忘れられているという悲しみより、その事象への疑問ばかりが溢れてくる。
何故、忘れている?
何故、消えている?
何故、あたかも初めから居なかったような物言いなんだ?
遅れて、悲しみのような、恐怖のような、怒りのような、訳のわからない感情の嵐が吹き荒れる。
ルルやヒナタ、梶原もマルカも顔を青ざめさせている。きっと、オレも同じような顔をしているだろう。
「ど、どうしたの?」
クラスメイトが心配そうな声をかけてくる。
オレはハッと気を取り直し、返答する。
「だ、大丈夫、問題ない」
これは佐伯先輩と話し合って見なければ…………。
放課後、オレ達は集まり、話し合うことにした。
「剣道部の方にも話を聞いてみたけど、やっぱり二人の事は覚えていないらしい。…………いや、あれは知らない、と言った方が妥当な反応だった」
やはり、同じことが起きていた。
つまり、誰の記憶からもキースと神谷が消え去って、そして、いなかった事になっていた。
「カルくん、これが………」
「ああ、多分、これが大介さんの言っていた罰なんだろうな」
オレの言葉に、全員が俯く。
罰、か…………。じゃあ、オレ達の罪って、なんなんだろうな。
オレは確かに、罪を纏うと言って魔人へと成る。だけど、オレの認識では、同胞を喰らう事への罪だと思っていた。
「やあ、見てきた様だね、僕達魔人に課せられた罰を」
いつのまにか、目の前に大介さんが立っていた。
その言葉に、オレは返す。
「罰?」
「そう、罰」
そう言って頷く彼に、いつもの笑顔はなかった。
そして彼は語る。オレ達の、罪と罰を。
ちょっと今回、少し中途半端ですいません。
罰と罪を併せて説明したかったので




