表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの日交わした約束を  作者: フリムン
第二章 決意
64/100

Resolution:END 決戦準備


なんか少し短いです。


 オレ達は、神谷を守れず、キースを救えず、己の無力を嘆いた。

 いつしか涙は枯れ、声は掠れ、心は磨り減り、そして感情は燃え上がっていた。


 ―――魔人を滅ぼす。


 皆から託され、己の願いとしていたそれが、オレ達全員の願いとなっていた。

 大切なものを、愛するものを奪った、魔人を滅ぼす。


 オレは力を磨いた。

 マルカの諫言も無視して、半ば自らを痛め付けるように、魂を、魄を削りながら。そのせいか、何度か倒れもした。


 今、オレがこうして話して休めているのは、ヒナタやルルが泣きながらオレの看病をしていたからだ。もう誰も亡くしたくないと。そう泣きなが、オレを止めてくれた。


 ―――あれから、二ヶ月が経った。


 涙は既にもう枯れた。

 魂魄も十分に喰らった。だが足りない。まだ、親父に勝てる気がしない。


 そんな時だった。

 『彼』が、オレ達の下へやって来た。

 見た目は平凡で、線も細く、まさにモブキャラと言えるようなその少年からは、しかし、得も言われ得ぬ威圧感のような物を感じた。


「あなたが、桐久保カルマさん、ですね?」

「ああ」

「初めまして。僕は人魔相互扶助組織『サーガ』の現総帥、竹井(たけい)大介(だいすけ)です。あなたのことはアスカさんから聞いていました」


 聞くと、アスカさんが調べて見つけた魔人の居城へ攻めるため、各地で勇士を募り、神騎にも接触していたようだ。


「彼らは準備をしながら、こちらへ向かっているはずです」

「ああ、すまないな」

「いえ、この仕事(クエスト)は、僕らにとっても必要なことですから」

「クエスト?」

「ああ、こちらの話です。気にしないで下さい」


 少し気掛かりな言葉も聞こえたが、取り合えずこれで事は大きく動く。


「カルマよ」

「なんだ、マルカ?」

「漸くだな」

「ああ、漸くだ」

「長かったですわね、カルマ様」

「ああ、長かった」

「短くもあったけどね」

「そうだな、梶原」

「この二ヶ月、僕らは悲嘆に暮れました」

「だからこそ、オレ達は立つ」


 仲間と、言葉を交わす。

 そして、ヒナタと目を合わせる。


「けど、まだまだだよね?」

「ああ、まだまだだ」

「そうだな、先はまだ長い」

「わたくし達は、これから始めるのですわ」


 だからこそ、オレ達は力強く頷く。

 オレは立ち上がる。


「オレ達は、まだまだ強くなる。そして」


 全員の顔を見回す。

 皆、悲しみを乗り越えた、強い目をしている。

 オレ達は独りじゃないから、誰一人として、心が折れなかった。


 ―――――これで、あとはオレ達が力を付ければ。


「彼等から託された遺志を、オレ達の願いを、果たす!」


 はい! と、彼女達は頷いた。

 それを見ながらオレは、オレ達は感じていた。





 決戦の時が近いと――――――――




さて、これで「あの日交わした約束を」の第2章は終了です。


あとは3章でラストへ向かって飛ばしまくる訳なんですが、これからも、どうかこの稚拙な小説をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ