番外編 夏だ、海だ、沖縄だぁぁぁあ!
夏到来。
ということで番外編です。
正直内容的に沖縄関係ありません。はい
夏といえば海と水着ですよね!
あと、本編にも関係ありません。ただ作者が書きたかっただけですので
夏!
それはすべての命が瑞々しく輝き、空は高く透き通り、海はキラキラと陽の光を反射する。まさに生命の季節、夏!
そして夏の代名詞と呼ばれる島に、複数の男女の集団が訪れた。
「夏だ!」
「海だ!」
「「沖縄だぁぁぁあ!」」
「うるさい、桐久保、神谷!」
バキューン、バキューン!
「そう言いながらいきなりぶっ放すなよ、梶原! ちょっとテンション上がってんのはわかるけどさ!」
「ちょ、梶原先輩!? あの、オレ生身の人間ですんで、当たると死ぬんですが!?」
そう、その男女とは、我らがカルマ率いる戦士達+αだった。
そしてビーチ。
「青い空!」
「青い海!」
「白い雲!」
「白い砂浜!」
「となれば」
「やることは」
「「ただ一つ! そう…………」」
「あの二人、なんかこういう時だけ仲が良いよね?」
「ヒナタ、それを言ったらダメよ」
そして二人は声を揃えて、
「スイカ割りだ!」
「ビーチフラッグだ!」
別々の事を叫んだ。
あぁん!? と、二人は額をぶつけ合う。
「何言ってんだよ神谷! 海ならスイカ割りだろーが!!」
「そっちこそ何言ってんですか! 男ならビーチフラッグでしょ!」
「ああまた喧嘩する!」
「そこですぐに泳ぐって選択肢は無いのかな?」
「「無い!!」」
「えぇー」
「じゃあここは間をとって、ビーチバレーといきましょう」
「「どういう間だよ!」」
「ビーチフラッグのビーチとスイカの代わりのボール?」
「「いやいやいや! 無理あるって!」」
と、まあ何はともあれ、彼らは互いに着替えることになり…………。
「なんで佐伯先輩、V字海パン?」
「紳士の嗜みですが?」
「…………何も言うまい」
そして出てきた、お待ちかねの女性陣!
トップバッターは梶原サナ!
若草色の布地に、黄色い縁取りをした、シンプルなデザインのビキニ。
しかし、シンプルでありながら、すらりと長い足、引き締まったヒップ、そして平均の胸、それらが絶妙なバランスをとり、美しく際立たせていた。ショートの髪は軽くサイドテールにしている。
「どうよ、フフン。ヒナタ程じゃないけど、自信あるのよ。惚れて良いわ」
「いや、そんな物好きはいな…………ああっ! ごめんなさい、銃を向けないで!」
二番手はセルルト。
彼女は黒を基調とした、タンキニの水着。彼女の慎みあるその胸が良く似合うその水着の黒が、彼女の金の御髪をより一層輝かせていた。
「フフフ、カルマ様? どうです、この水着」
「慎まやか…………いや、清純そうでいいね!」
三番手は我らがメインヒロイン、ヒナタ!
彼女が纏うのは、青地に花模様をあしらったパレオ。肉付きが良く、それでもバランスの取れた彼女のが着る水着姿は筆舌に尽くし難いものがある。その胸の大きな双丘が弾み、パレオのスカートから覗く生足が何とも艶かしい。
腰まで届く絹の如き黒髪をポニーテールにして、どこか新鮮さを感じる。
「か、カルくん…………どう?」
「眼福でございますが何か?」
4番手はカルマが妹、マルカ!
彼女に至っては細かい説明など不必要、むしろ野暮と言うものでしょう。
そう、彼女の水着とは………………スクール水着! すべての紳士の夢であり理想であり、そして、神聖物である。胸の部分には平仮名で「まるか」と刺繍されている。
「カルマ、周囲の視線が気になるが、何故だ?」
「さあ? こんなロリ見てm………ぐふぅ!」
これで女性陣は全て出ました。
「よっしゃ、それじゃ、行くぞー」
いえいえ、女性陣は終わりましたが、まだ一人残ってますよ?
「へ?」
5番手! それは金髪の男の娘、キースリア!
彼もまたスクール水着。胸の刺繍は「きーすりあ」となっている。
「義兄さま、似合いますか?」
「誰だキースにスク水着せたの!」
そんなこんなはありましたが、さあ、バレーを始めよう!
と、そう思った時、また新たなサプライズ。
『あれ? やっほー、〈同胞喰らい〉』
「げっ! 魔人ども」
『ああ、そう構えるな。我らも今日は休みでな。遊びに来ているだけだ』
『俺達に休みがあること自体、驚きだったけどな』
休みとはいえ、出会ってしまったのなら戦うのが彼らの宿命。だが、ここで血みどろな戦いを繰り広げるつもりは互いになく、故にスポーツで決着をつけることになったそうです。
ただし、当初予定していたバレーは人数の問題で出来ず、ドッジボールと相成りました。
「えーと、それじゃあ審判は僕、松岡アスカと」
『〈抉りし鬼〉スコッパーが努めるぞ』
と頭上に天使の輪っかを着けた二人がラインの両サイドに立っている。
「あ、僕はここで観客ね~」
ダメ親父こと桐久保シンは酒瓶片手にパラソルのしたで寛いでいた。
『尚、人間も参加しているようなので、公平を期すために能力の使用は禁止だ』
「それじゃあ、ジャンピングボールをやります」
すると、両チームから二人が出てくる。〈天翔空羅〉と佐伯翔太です。
『負けぬぞ、熾神騎』
「えい」
『あっ』
あらあら〈天翔空羅〉君、翔太君を意識し過ぎてボールを見ていなかったようです。
神谷くんがボールを取る。
「よっしゃ行くぜ!」
「あ、神谷!」
「なんすか?」
「ていっ」
「ぎゃぁぁぁあ! 目が、目がぁぁぁあ!?」
「よし、ボールを確保した!」
「割かし最悪だな、カルマ!」
神谷君からボールを奪…………貰ったカルマ君は、大きく振りかぶり、
「取りあえず、死んでろ故人!」
狙うは〈火喰い〉。
『ふん、甘いわ!』
「落ちろ魔球! 【冥道…………なんとかボール】!」
「せめてちゃんと考えて言おうな、カルマ」
見事にフォークがかかった球が、〈火喰い〉の股間に直撃する。
『ほぐぅ!』
『ピピー、〈火喰い〉アウトだ』
〈抉りし鬼〉が笛を吹く。
『安心しろ、仇は討ってやる』
〈天翔空羅〉が砂に落ちたボールを拾う。
『喰らえ、羽球』
豪速球がカルマを襲う。
カルマ君、絶対絶命のピンチ!
しかし、
「あぶない、神谷シールド!」
「目が! って、え? ギャーーーー!」
「ふう、危なかった…………」
『ちっ、本命はとれなかったか』
「ピピー、顔面だったのでセーフ!」
『なにー!?』
「よかったな、神谷」
「良くねえよ!」
その後も…………。
『覇球!』
「神谷シールド!」
「ギャーーーー!」
「ほっ!」
「ピピー、味方がキャッチしたのでセーフ!」
『ちぃ!』
『消滅投げ!』
「神谷シールド!」
「ギャーーーー!」
『ピピー、2ミリのラインオーバーだ、〈消滅〉』
『細かっ!』
『超高空落下投げ!』
「神谷くんシールド!」
「ギャーーーー!」
「ピピー、能力の魔獣を使ったので、反則。無効です」
『あっちゃー』
「神谷投げ!」
「うわぁぁぁあ!」
『温いわ!』
『えい』
「ギャーーーー!」
「ぶち抜く!」
『神谷シールド!』
「え? なんでギャーーーー!」
そして、苛烈を極めた戦いは、終幕を迎えた。
「――――」
「はい、盾役の神谷君が動かなくなったので、今日の勝負はしゅーりょー! 引き分けでーす!」
『うむ、仕方がないな』
「いやー、いい汗かいたなー」
「おい、大丈夫か神谷?」
「――――」
「反応が無い。まるでただの屍のようだ」
「そんな時はな、マルカ」
「どうするのだ、カルマ」
「こうする。すこし手を貸せフィスト」
『ん? ああ、なるほど』
カルマとフィストがそれぞれ、神谷の両手両足を持ち、
『3、2、1…………』
「せーのォ!」
思いっきり投げました。すると神谷君は二、三度水を切り、海に落ちます。
「ゴバッ! ゴボッガブッ、ガバババ…………だっはー、はぁはぁはぁ…………殺す気か!?」
「いやむしろ今日一日を生き延びたお前に称賛と黒飴を送りたいよ」
「第一の元凶は先輩だよ!? それと黒飴は要らない!」
「まさか、神谷くんが生き延びるなんてね」
「ヒナタ先輩まで!?」
「流石は補正、と言ったところか」
「何の話だ!」
こうして、尊い犠牲の元に、ひと夏の泡沫の夢は終演を迎えたのだった。
「死んでねぇよ! これからもバリバリ出演する……………………え? 次週新事実発覚? なになに…………それはオレが「ていっ」ギャーーーーーーー! 目がぁぁぁあ!」
次回はお祭り!
でも本編だよ!
※本日六時に上げる予定です。




