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あの日交わした約束を  作者: フリムン
第二章 決意
52/100

Resolution:23 戦闘終了

今回は短いです


考えてみれば、カルマ君は魔人を余り倒していませんね


※本日の二度目の投稿です。ご注意下さい

オレがパームを撃破してからの決着は速かった。


 まずは佐伯先輩とヒナタが突破口を見つけた。操られていた人間達の頭上に、細い糸のような魔力を見つけたのだ。

 ヒナタがそれを斬ると、その糸の元にいた人間が、がくりと動きを止める。


「佐伯先輩、上の糸を断ち斬れば動きが止まります! 【悪魔を喰らえ(デビルスイーター)】!」

「なるほど、人形劇とは、この事ですね! 【白翼斬光(びゃくよくざんこう)】!」

『そんな、私の術が!』


 次にルルと梶原。

 砕いても砕いても復活してくる人形(ひとがた)だったが、落ち着いて見ると、その額にこれ見よがしに宝石が付いており、梶原が試しに撃ち抜くと、完全に崩壊した。



「セルルト、この人形ども、脳天の宝玉をぶち抜けば壊れる! …………ぶち抜く!」

『わかりましたわ! 【死黒蝶(モラート・ボルボレータ)】!』

『おのれ!』


 それぞれの戦局はオレ達の有利に進み、マリオネットもドーラーも無効化されていた。オレはその隙を狙って、動けなくなっていたパームの首根っこを掴み、ぶん投げる。


『てめえは飛んどけ、パーム!』

『がっ!』

『きゃあ!』

『くう!』


 パーム、マリオネット、ドーラーの3人が揉んどり打って転がる。

 コイツら、凄く弱い。

 まあ、だからと言って逃がすわけもなく。

 オレはコイツらが立ち上がる前に、


『逃がさねえよ! 【冥道開通】!』


 開いた冥道が3人を飲み込み、その魂がオレへ流れ込む。これで、魔力の補填はできた。


『みんな!?』


 キースと打ち合っていたスコーピオンは、驚きの声を上げ、オレ達から距離を取る。


『……………まさか、捨て駒にされたのか?』


 そういって、彼は剣を下ろす。力なく投げ掛けられた問いへの答えは無い。

 だが代わりに、拍手の応えが返って来る。


『見事見事、実に見事だよ、〈同胞喰らい〉』

『〈代行者〉!』


 そこに現れたのは、鳥形の魔物に乗った〈代行者〉だった。


『〈代行者〉! あんたにとって、ボクらは捨て駒かい!?』

『そうだったよ?』

『貴様!』

『おいおいおい、話を良く聞け。だった、ってば。弱い彼らには用は無かったけど、生き残った弱くない君には用があるよ』


 それに、と彼はこちらを見やる。


『〈同胞喰らい〉も強化されてたし。どうだい〈同胞喰らい〉、名付魔術(ネームドフォース)の使い心地は?』

『はっ、今から味あわせてやろうか?』

『それと、あの人魔から簒奪した魂術も使いこなせているようだね』


 彼が、神谷を見る。そして、ふっと笑った気がした。


『そういえば、なんだか面白いことになっているね』


 そう言った後、〈代行者〉はスコーピオンを回収し、こちらには一瞥もくれず、飛さって行く。

 それを見届けたオレ達は変躯(トランス)を解除する。


「うっ…………」


 魂術、と言うか冥道の反動で、目眩が起きて足元がふらつく。


「カルマ!」

「カルくん!」

「カルマ様!」


 一番近くにいたマルカが真っ先に反応し、その後二人も駆け寄って来る。

 オレはその3人を手で制し、神谷の方へ向かう。

 神谷は青ざめた顔で、それでも強がった表情でオレ達を見ている。


「先輩…………これは、一体…………」

「これか? これは、そうだな…………戦争だよ」

「せ、戦争?」

「そう、戦争。俺たちと、アイツらとのな」

「それは一体…………」

「ああ、今から説明するから、今は休ませろ。あの壁とかも直さなくちゃならないしな」




「そんな、漫画みたいなことが、現実に起きているなんて…………」

「事実は小説より奇なり。現実だよ」

「それで、桐久保先輩は無理が祟って結構ボロボロと………………なんか、今まですいません……」

「気にするな。むしろ、今まで通りにしてくれると嬉しい」

「それで神谷。なんでアンタは魔人の言霊が効かなかったのよ?」

「いや、それオレが聞きたいんですけど」


 そこまで行ったとき、佐伯先輩が手を打って話を止める。


「とりあえず、考えることは多いですが何はともあれ、それはこれから考えましょう。今日は時間も時間ですし」


 確かに、既に日はとっぷりと沈み、夜の帷が空を覆っている。


「今は気持ちを切り替えて、今度の休日を楽しみましょうか」


 彼のその言葉に、オレ達は全員で頷くのだった。



どうも、当て馬三人衆でした。


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