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あの日交わした約束を  作者: フリムン
第二章 決意
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Resolution:15 蝶と騎士

寝ぼけ眼で書いた今話、故にちょいちょい可笑しな部分がありましたら、連絡下さい

『消え失せろ!【死誘魔弾(デス・バレッド)】』


 〈消滅〉ルインの魔弾が、〈黒蝶(プレート・ボルボレータ)〉ルルへと襲いかかる。


『ふふ、甘いですわ!【死黒蝶(モラート・ボルボレータ)】』


 その魔弾をルルは、自らの黒蝶で相殺する。


『やるじゃないか』

『油断は、命取りですわよ?』


 ルインの足元から発生した黒蝶が彼を包み込む。


『ぬぉ!?』

『わたくしの蝶は死をもたらす滅びの魔蝶。触れるものの生命力、魂魄、魔力、その全てを吸い付くし、あの方へ捧げるもの』

『なんてえげつない能力だよ!』


 確かにえげつない。だが、彼女がオレに付けた紫の蝶から、力が流れ込んでくる。


『洒落くせぇ!』


 消滅の魔力が一瞬で膨張し、その魔力を吸収しきれなかったルルの蝶が消し飛ぶ。


『上等だ、全力で相手をしてやる!』

『望むところですわ!』


 二人が構え、互いに魔力を帯びる。

 と、そこへ〈剣影〉が吹き飛ばされてくる。


『おいおい、だらしねぇな〈剣影〉』

『女一人に手こずっている貴様に言われたくないな、〈消滅〉』


 その〈剣影〉を追うように、ヒナタとキースもこちらにやって来る。


『大丈夫ですか、義兄(にい)さま?』

『あ、ああ、なんとかな』

「カルくん、無理はしないでね」


 そして、五人の戦いはさらに激しさを増していく。


 消滅の魔弾が飛び交い、ルルの蝶が舞い、キースの銀閃が(はし)り、ヒナタの大太刀が唸る。

 オレはただ見ているだけ。それでも、焦りや不安は感じない。

 何故ならば、彼女達はオレが、信じて任せたから。



 〈剣士(エスパダシン)〉キース&〈神騎〉ヒナタと〈剣影〉ブレイドの戦いは、苛烈を極めていた。

 ブレイドは分身して、二刀を手に持ち、絶え間無い激しい攻撃を繰り出す。

 ヒナタとキースはそれを受け止め、流し、あるいはかわし、その隙に反撃をする。


『やっぱり、双剣を見切るのは、難しい!』

「大丈夫、佐伯先輩の双剣の方が(はや)い!」


 キースがその速さで翻弄し、ヒナタがその剛剣で痛撃を与える。

 苦戦しているような口ぶりの割りに、二人はなかなかのコンビネーションで攻めているようだ。


『なめるなよ、ガキ共が!』


 ブレイドの魔力が練られ、影へと浸透していく。


『【影鎖縛(カゲサバク)】』


 影が鎖のように何本も伸び、キースとヒナタを捉えようとしてくる。


『【影太刀(エスパーダ・デ・ソンバー)!】』


 キースの魂術が発動される。

 その太刀筋は影を纏い、影に隠れ、幾つもの太刀筋を生んで、影の鎖を切り払う。


『ちぃ!』

『今です、朝霧先輩!』

『はっ! 魂術も名付魔術(ネームドフォース)も持たぬ神騎ごときに、何ができる!【影衣(かげい)】!』


 ブレイドの体を影が包み込み、高質化する。


「いつまでも、神騎が無力だと思わないでね! 神騎は元々、あなた達魔人を討つ存在なんだから!」


 ヒナタの魔力………いや神聖力とでも言うべき神騎の力が練り上げられていく。


「【悪魔を喰らえ(デビルス・イーター)】!」


 ヒナタの放った技は、あっさりとブレイドの影衣(かげい)を無効化し、ブレイドを吹き飛ばす。


『がふっ!? バカな!?』

「この技は、この神聖術(セイクリッドフォース)は、カルくんと共に歩む為に、彼に追い付く為に作り上げた、魔人の魔力を喰らう技!」


 彼女が奪ったブレイドの魔力が、ルル同様、オレの中に流れ込んでくる。

 なぜ二人して似たような能力何だろうか?


『おのれ…………』


 ブレイドが再び剣を構え、駆け出そうとしたとき――――


『はーい、そっこまでー!』


 唐突に、やる気の無くなるような声が聞こえて来る。

 見上げるとそこには、〈天翔空羅〉と、鳥型の魔獣に乗った〈奏でし獣〉、そしてその後ろに初めて見る、しかし、どこかで見たことあるようなあの容姿、白い髪に紅い猫目、赤黒い甲殻を持つ魔人がこちらを見下ろしていた。


『ああ? どーいうこったよ!?』

『退くぞ、〈消滅〉。〈代行者〉からの命令だ』

『何でだよ! これからって時によ!』

『なんだ〈消滅〉? 僕の命令が聞けないと?』


 ぞく………。 

 その声を聞いた瞬間、とてつもない威圧感を感じた。恐らく、あの見慣れないオレと(・・・)同じ色の(・・・・)魔人が、〈代行者〉なのだろう。


『ぐ………、わ、解ったよ。そんなに怖い顔で睨むなよ』

『お前が〈同胞喰らい〉か………フッ』


 〈代行者〉がオレを一瞥し、笑う。


『何が可笑しい!』

『いやいや、弱いな、と思ってな』

『なんだと!』

『おっと、激昂するのは良いが、ここで時間を潰してアイツが死んでもいいのか?』

『アイツ………死ぬって、どういう事だよ!』

『お前の主治医、とか言ったか?』

『なっ! てめえ! なにしやがった!』

『我々に不利な情報を持っていたのでね、少し苛めてしまったよ』


 凄く嫌な予感がする。早く、アスカさんの元へいかなくちゃ。


『安心しろ、今日はただの顔見せだ、襲いはしない。だが、次に会うときは容赦しない。僕の計画の邪魔になるかも知れないからね』


 そう言って、彼は引き上げていく。


『命拾いしたな、〈黒蝶(プレート・ボルボレータ)〉、次は消す』

『その言葉、そっくりそのままお返しいたしますわ』

『次は、斬る』

「やれるのならね」


 それぞれが引き上げていくなか、オレは急いで変化を解き、アスカさんの医療所まで駆けていく。

 後ろからオレを呼び止める声がするが、止まっている暇は無い。


 アスカさん、無事でいてくれ………っ!

さあ二章のコメディーが少なくなって来ました!

でもまだ続く!だってまだ二章の半分にも達していないから!(ぇ

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