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あの日交わした約束を  作者: フリムン
第二章 決意
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Resolution:6 デートタイム


大学って、自由ですね。自由過ぎて大変ですね。


………はぁ。

 あれからルルが壊した扉を何とか修復し、朝食を摂ったあと(作ったのはもちろんマルカだ。ヒナタに作らせてなるものか)、約束していたデートに行くことにした。


「それじゃ、行こうか」

「うん!」

「行ってきます」


 ヒナタは嬉しそうにオレの腕に組み付いて来る。すると、当然、ヒナタの胸部にたわわに実る大きなメロンと言う名の凶器、……否、胸器がオレの腕を包み込む。

 ………………な、


「なん……だと!?」

「どうしたの?」


 しまった、声に出ていたようだ。

 しかし何だこの柔らかさは…………っ!

 春物服や下着越しからでもわかるこの感触。あまりにも素晴らしすぎて月並みな言葉しか出てこない! だがあえて言わせてもらおう! やはり素晴らしい! マシュマロのように柔らかく、それでいてプリンのような弾力を持つという、まさに文句のつけようのない心地よさだった。


「どうしたの? カルくん? もしかして体調悪いの?」

「いいや大丈夫だ、カルマはこの程度では死なん」

「ホントは待ち合わせにしたかったんだがな」

「まあ、そういうなカルマ。彼にも都合と言うものがある」

「? 彼?」

「きっと気にしてはいけないんだよ、ヒナタ」

「そういうものかな?」


 しかし、デートって単語を聞くたびに常々疑問に思っていたのだが、このデートと言う英単語、元々は日付と言う意味なのだが、それがどこをどう巡って逢い引きと言う意訳に落ち着いたのか………。

 デートと言えば、と、ヒナタとマルカが会話しているのを聞きながらふと沸いてでた疑問を投げ掛ける。


「なあ、今日ってオレとヒナタのデートだよな?」

「うん、そうだよ?」

「どうした、カルマ?」

「デートってのは普通さ、付き合っている彼氏彼女が二人きりでするものだろう?」

「そうだね」

「何を当たり前のことをいちいち疑問符で聞いているのだ、我が愚兄は」

「じゃあさ、なんで恰も当然のようにマルカがついて来てんの?」

「……………」

「……………」

「……………」

「こ、細かい事を気にしているとハゲ……ていたなすまない」

「ハゲてねぇ。苦し紛れにオレを謗るな」

「ええいうるさい! その土手っ腹に風穴開けるぞ! ハラワタをぶちまk……」

「はいー、ストップー」

「ちぃ、やるな我が愚兄は」

「愚は余計だ」


 そんなこんなではしゃいでいるうちに、いつの間にか目的地であるショッピングモールに到着した。




「初っぱなにランジェリーかよ。居心地悪く………無いな。オレはこれでも健全な男子高校だ」


 オレは今、マルカに引きずり込まれたランジェリーショップの試着室の前で二人を待っていた。当然の事ながら、周りには女性と女性用下着しかなく、しかも年齢層が若いため、目のやり場に困る。

 …………目が合うと頬をこれ以上無いくらいに朱に染めるのだ。

 シャッ、と音を立ててカーテンが開く。出てきたのはマルカだ。

 選んだのは所謂キャミソールと言うやつで、マルカのような幼児体型………もとい、小柄な体格には良く似合っていて、淡い水色が亜麻色の髪に良く映えていた。


「どうだカルマ! この姿は!」

「妹のペタンコな胸の下着姿なんてどーでも………」

「今日はヒナタに晩御飯を作ってもらおうか(ボソッ」

「やっべマジ可愛くないっすか!?」

「最初からそう素直に認めて置けば良いものを」


 着替えるためにまたカーテンを閉めたマルカが、中から顔を出し、ニヤリと笑う。ゾクリと鳥肌がたった。クーラー寒いな。


「カルマ、ヒナタは凄いぞ」


 そんな不吉というかむしろ楽しみな言葉を残してマルカは頭を引っ込めた。


 マルカとは違い、ヒナタは恐る恐る出てきた。

 つけていたのは、一見何の変哲もないブラジャー。しかし、それをヒナタが身に付けるとまさに破壊兵器だった。

 着けていたのは黒地に赤いレースの付いた、神騎である彼女とは正反対の色合い。ただ胸を隠すためにあるはずの布は、彼女の豊満なその胸を押し上げ挟み込み、深い谷間と、大衆の目を奪うように強調していた。


 もちろん胸だけではない。下半身はなんとガーターベルトにニーソックスだ。爪先からすらりと綺麗な脚線美を描きつつ、その太ももはムッチリと柔らかそうで、安産型のヒップへ向かうそのラインはまさに芸術品だ。

 これは、なんと言う………


「破壊力………」


 つい、言葉に出してしまう。

 その途端。彼女はゆでダコのように顔全体を真っ赤にして、言い訳を始めた。


「ち、違うの! これは、その、マルカちゃんに唆され……じゃなくて、無理やり、そう、無理やり着せられて………!」

「良いじゃないかヒナタ。いつかカルマに手ずから脱がせてもらうのだから」


 いつの間にか出ていたマルカの一言でヒナタの動きが固まる。


「ヒナタ、マルカの言葉は無視してくれて構わないからな。あとその姿は目のやり場に困る」


 早く着替えろと言外に言ったつもりだったが、何かを勘違いしたようで涙目になる。


「えっと、やっぱりダメだよね………やっぱり私はこー言うのじゃなくて………」

「いやいや、そういう意味じゃないんだけどな」

「じゃあ、これで………」

「決断早いな」

「バカ。カルマ、こういうのを健気と言うのだ」

「なんか違うと思うけどな」



 そのあとは、ペットショップで動物をモフモフしたり、雑貨を見て回ったり買ったり、ファンシーショップで小物を見て回ったり買ったり、ゲーセンに寄って遊んだりと、まあまあデートと呼べるような事をしたのだった。




とりあえず、忙しい時間の合間を縫って一話分だけ書きましたので上げます。


次はいつになることやら………

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