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あの日交わした約束を  作者: フリムン
第二章 決意
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Resolution:5 お嬢様突撃隊・その2!


スマホって、地味に打ちづらいよぅ………


ガラケーに慣れるとスマホが難しいです。なので少しおかしな文章になっていたらすみません

「つ、疲れた……」

「そうか?」

「それでマルカ、いくら稼いだ?」

「梶原との山分け分も含めると、4万程」

「「4万!?」」


 さらっととんでもない報告をしたマルカに、オレとヒナタは素っ頓狂な声をあげる。


「お前……」

「凄いね……」

「それだけじゃないぞ」


 そう言って、彼女はカバンから一枚の茶封筒をとりだし、オレに手渡す。


「我が家の収入源だ」

「は? 親父からの仕送りがあるだろ」

「はぁ、お前は少しくらい家事に携わって見たらどうだ? 金勘定に強くなるぞ」

「カルくん家、お金、厳しいの?」

「いや、1ヶ月食っていけるだけの仕送りはあるが、最近少しずつ少なくなって来てな。それに、金は無くて困るが、有って困る事は無いしな」

「がめついな」

「しっかりしていると言え、馬鹿者」


 オレは渡された茶封筒を開けて、中身を取り出す。


「こ、これは……」


 それは写真だった。

 写っているのは全てオレの写真だ。

 飯を食べているオレ、部屋着のオレ、寝惚け眼に寝癖が付いたオレ、寝ているオレの顔………etc.


「おいなんだよこr「マルカちゃんこれは一枚いくら!!?」……」

「1500円だ」

「高っ!そして肖像権を請求したい!」

「それでもバカスカ売れるのだから侮れない」

「くっ……所持金は3000円、貯金を入れても一万円……6枚か……」

「買うの!?」

「ヒナタには恋人特典として、本来なら3000円するこの特別写真を付けて、なんと!7枚で5000円!(ジャパネット風)」

「買ったぁ!」

「その特別写真って気になるな。イヤな予感しかし無いが」

「カルマの入浴………」

「はぁ!?」

「前の上半身が裸の写真」

「ビックリしたー」


 いやホントビックリだ。

 ……あれ なんかヒナタから怒気を感じるぞ。



「……マルカちゃん、忠告しておくね」

「その必要は無い。ちゃんと理解しているさ」


 少量の怒気を纏ったヒナタに恐れる様子もなく、マルカは苦笑する。


「カルマの全裸画像はヒナタにしか売らないよ」

「いやそう言う事じゃな……」

「わかってるわね~、マルカちゃん」

「そう言う事なの!?」


 などと、最近では当たり前になっあたやり取りをしながら、オレ達は別れて帰宅した。




 帰宅後、無性に疲れたオレ達は、夜更かしをせずに寝ることにした。

 今日は金曜日、そして明日はデートの日。早寝するに越したことはない。


「………マルカ。悪いけど、玄関のロックはチェーンまでやって来てくれ」

「なぜ?」

「イヤな予感がする」

「………了解」




 翌朝。


「………ま…………様…………ルマ様…………カルマ様!!」


 オレは誰かに体を揺すられ、心地よい微睡みから無理やり引き上げられる。


「うーん……」

「起きてください、カルマ様」

「……なんだよ、まだ7時じゃねぇ………か………」


 目覚まし時計で時間を確認し、寝惚けた状態でオレを起こした人物をみる。


「……………」


 そしてたっぷり10秒、思考が停止する。

 柔らかく暖かな春光がカーテンを全開にした窓から射し込み、目の前でベッドに腰かける彼女の艶やかな金髪に反射して、彼女を美しく際立たせる。

 朝、目が覚めるとそこには美しく女神を彷彿とさせる金髪お嬢様が。

 ………コレナンテエロゲー? 現実逃避は止めよう。ただ、なんとかして混乱する頭を落ち着け無くては。だから、これは仕方がない。


「はぃぃぃいいいいい!?」


 だからこの絶叫は仕方がないと思うんだ。


「きゃっ、ビックリしましたわ」

「こっちもビックリだよ! 何でいるんだよ、ルル!」

「わたくしは妻ですから」

「オーケー、質問を間違えた。ルル、さっさとポルトガルへ帰れ」

「昨日も言われましたわ!!」

「どうやって入った?」

「イヤですわ、それはプライベートの侵害ですわ」

「プライベートを侵害されてるのはこっちだ!」

「それはいわゆる、淑女の嗜みです」

「んなわけあるか! あってたまるか!」


 と、そこへ、騒ぎを聞き付けたマルカが部屋に入ってくる。


「んな! セルルト!? なぜここにいる?」

「マルカ! 昨日チェーンは?」

「かけた! ついでに南京錠も!」

「じゃあどうやって………」


 そこまで考えて、ある答えとある人物が思い浮かぶ。

 イヤでもそこまで……………するな、コイツらなら。


「まさか!」


 オレはすぐに部屋を飛び出し、玄関へ向かう。途中、リビングで人影を見たが、今はそれよりも玄関が優先だ。


 玄関は一見、なんとも無い。だがオレには分かる。『アイツ』がいるということはつまり……。

 扉へ近づき、恐る恐る触れてみる。


「? なんとも無い? 良かった、気のせい……………」


 ガラガラガラ!

 いきなり、扉は文字通り音を立てて崩れた。


「やっぱりか!」


 すぐさまリビングへ引き返し、そこにいる犯人へ問いただす。


「センさん、あんたか!?」

「何がでしょうか、桐久保様?」


 オレの問いに澄まし顔で答えたのは、執事服に身を包んだ、切れ長く細い目が特徴の、ルル専属メイドのセンセリア・カシナ。通称センさん。

 基本性能は申し分無いのだが、ルルを大事にし過ぎたあまり、ルルの命令は何でも聞いてしまう困ったちゃん。


「何がじゃねぇよ、玄関だよ!」

「何か問題が?」

「そこで問題無しと思えるあんたは、ある意味大物だな」

「いえいえ、それほどの事でもありますね」

「誉めてねぇ」


 すると、上からルル達が降りてくる。


「相変わらずだな、お前らは」

「いえいえ、わたくしもちゃんと変わりましたわ。ようやく、カルマ様と肩を並べられるのですから」

「あん? どういう意味だよ」

「うふふ、まだ秘密、ですわ」

「そうかよ」

「ええ、そうですわ。さあ、セン、帰りますわよ」

「はい、お嬢様」

「え? 帰るのか」

「少し、やることがありますので。明日も来ますわ」

「いや、来んな」


 そして彼女達は帰って行った。


「何しに来たんだ、アイツら」

「お前を起こすためだろう。愛されてるな」

「それで毎日扉を壊されてたんじゃ、こっちの魔力が持たないよ」

「確かにな」

「ま、とりあえず今は玄関を直すか。………て言うか、せめて組み立てくらいしていけよ」




 その後、やって来たヒナタに手伝って貰いながら何とか言霊で直す事が出来た。

 ホント、何しに来たんだろう、アイツら。




とうとう書き溜め及びプロットが切れました。

なので恐らく、今話で定期更新は終了です



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