Recollection:15 学校行事(レクver)
今回、次回、そしてその次の始めまで、コメディパートです。
学校レクって、周りのテンションが高いと楽しくなりますよね。
この学校には、春の学校行事として、一泊二日のオリエンテーションがあるらしい。
場所は、近くの山の山頂付近にあるキャンプ場。そこで、レクをしたり、カレーを作ったり、天体観測をするらしい。
そんな訳で、グループ分けがあり、自分で言うのも何だが、まあオレとマルカを狙って、一波乱あったわけだ。
「カルマ君、コッチのグループに!」
「あぁん? なに抜かしてやがる、このアバズレが!」
「なによ、文句ある? このビ○チが!」
「誰が○ッチだと? テメェこそ、その茶色く擦りむけた腐ったヤリ――自主規制――」
「――自主規制――!」
「――自主規制――!」
ナニコレ! 怖い! チョー怖い! 女子って、本当に恐ろしい! ていうか、口が悪すぎるよ、本当に!
「マルカさん、どうぞ俺達のグループへ!」
「あぁん? なに抜かしてやがんだ、このシャバ僧が!」
「んだよ、文句あんのか? ヘタレEDがよ!」
「はっ、誰が何だって? この貧弱早漏のヘタレ――自主規制――」
「――自主規制――!」
「――自主規制――!」
コッチも怖いな! 何かみんな下ネタで相手を威圧しすぎなんだけど! さっきから「ピー」の擬音が入りまくってる!「バキューン」も入った!
結局、それを見かねた先生がくじ引きでグループを決めた………のだが!
【オレのメンバー】
班長:桐久保狩魔
副長:朝霧日向
班員:中村(♂)
班員:村田(♀)
班員:田中(♂)
【マルカのメンバー】
班長:梶原佐奈
副長:桐久保真留華
班員:井上(♂)
班員:上坂(♀)
班員:坂井(♂)
少し何者がの悪意を感じるのは、オレだけなんだろうか?
もはや作為的に決められたとしか言いようがないこの振り分けられ方。班員の三人なんか、しりとりになってるよ。
まあいい。これで丸く収ま―――――
「やったぁぁぁあああ! カルマ君、ヨロシクね!」
「あらぁ、何をヨロシクするのかしら? 村田サン?」
「はん、あんたは黙ってなさい、上坂」
「「ィィヨッシャッァァアア! ヨロシク! マルカちゃん!」」
「おいおい、何をヨロシクするんだ? 井上、坂井」
「そうだぜ? ロリコン認定してやろうか?」
「負け犬が何か吠えてるぜ、坂井」
「言ってやるな、井上。中村君も田中君も………おっと、中村犬も田中犬も、きっと悔しいのさ」
―――――らなかった! 気のせいか、さっきより激しくなっとる!ていうか、さっきアイツら、マルカのことロリって言いやがった!
オレ知ーらないっと。
「誰が胸無しツルペタのミニマムロリコン&ペドフィリアかぁぁああ!」
どっごーん! どんがらがっしゃーん! パラパラパラ………。
「マルカー、誰もそこまで言ってないぞー。あと危ないから、あんまり椅子投げんなー。机もなー。ああ、辞書ならいくらでも」
ちなみに、効果音がひらがななのはオレの口頭だから。現実では尚も、文字にするのも恐ろしい阿鼻叫喚が繰り広げられている。
………冥福を祈る。安らかに眠れ。
なんやかんやで、当日
「よし、全員揃ったな。出発前に誰か、質問は無いか?」
体育の教師でもある我らが担任教師が、バスの前で最終確認をして来る。
「せんせー、バナナはおやつに「入る!」……」
お約束何だから、最後まで言わせてやれよ。
「よーし、質問がないなら、しゅっぱーつ!」
バスが来るまで、10分ほど待ったが。
「それじゃあお前ら、また山頂でな。なあに、そこまで長い道じゃないさ。せいぜい3~4キロ程度だ」
地味に長いな。
「12時までには登れよ。調理開始は正午だからな」
そう言って、先生方はバスに乗ってさっさといってしまわれた。
……3キロって、歩いてもそこそこ長いのに、山登りだと、こんなに長く感じるのか。
オレやマルカ、ヒナタやサナと言ったメンバーは当然だが、みんな平気な顔して歩いている。問題は……――
「お前、かなり、疲れてんじゃ、ねーのか、中村よ」
「抜かせ、俺は、まだまだ、行けるぜ、田中。なあ? 村田サン?」
「…当……然よ……ヒュー…ヒュー……アンタ……達こそ…カルマ…君の…ゼー……ハー…足……引っ張らない………でよ……ヒュー……ヒュー……」
「「「「ものっそい死にかけてる!!??」」」」
グループ男女(オレやヒナタ含む)が、一斉に声にだして驚いた。
そういえば、普通の女子って体力無かったな。周りが普通じゃないもんだから、忘れていたよ。
「しゃーない。ほら、オレの肩に……」
「私が背負ってあげるわ」
仕方なく肩を貸そうとしたオレの言葉を遮り、ヒナタが村田を背負う。
「あ、ありがとう、朝霧さん」
彼女の礼に応えながら、ヒナタがこちらを見た気がした。
そういえば、マルカのグループでも同じ事があり、坂井(♂)が、梶原(♀)に背負われた様だ。
「ところで、カルマよ」
「どした? マルカ」
「何を企んでいる?」
「何の事だ?」
「とぼけるな。これでも私はお前の分身であり、妹だ。本体であり、兄であるお前の悪巧みに気付かないわけ無いだろう」
「悪巧みって、お前ね。オレを何だと思ってんの?」
「仕返しとして、深さ2メートル弱の落とし穴に相手を落として、その中に大量の蛙をぶち込む鬼畜やろうな悪ガキ」
「なんだよ、あの程度でそんな事言ってんのかよ」
「あ、あの程度?」
「あれくらいフツーだろ。むしろオレとしては深さ5メートル位の穴にゴキ○リを1000匹ほど放ってやりたいね。もしくはソイツのアレルゲンとか」
「鬼か」
「魔人だ」
マルカは呆れたように、深々とため息を付くのだった。
ようやく辿り着いた山頂で、最初のレクリエーションが始まった。
名付けて〈紅組対白組、サバイバルゲーム〉
紅組は女子&教師、白組は男子に分かれ、その鉢巻きを取り合うゲームだ。そして、勝ったチームには――――「自分が鉢巻きを取った相手に、何でも一つ(R18以外)だけ、言うことを聞かせる」権利が与えられるとか。
それを聞いた男女の騒ぎ様といったら、もう語り継がれてもおかしくない程だった。
ちなみにこのゲーム。裏切りあり。相手に味方を売った奴は、権利のおこぼれを貰えるらしい。
それが教師のセリフか!
「始めぇええ!」
開始の号令とともに、男女全員がオレの元へ殺到する。
「桐久保カルマを捕まえろぉぉおお! 押してダメなら卑屈に出るんじゃぁぁああ!」
「ちょっ、おい、コラ男子ぃぃいい! お前らぁぁああ!」
「朝霧さんは、マルカちゃんは、テメェ一人のモンじゃねぇぇええ!」
「知っとるわぁぁぁああ!」
男子が怖い。目を充血させ、唾を吐きながら襲い来るその様はまさに、野に放たれた空腹時の野犬そのもの。
「カルマくーん」
「ウフフフフ!」
「やぁーん! まってーー!」
女子も来た。
いや待て、なんでそんな『ウフフ走り』でそんな速いんだよ! 怖えーよ! この学校マジ怖えーよ!
「コッチだ、カルマ!」
「マルカ! 悪い、助かった」
横から現れたマルカに腕を引っ張られ、岩陰に隠れる。
「なんとかやり過ごせたか?」
「みたいだな。それよりカルマ、私に一つ考えがある」
「考え?」
「ああ、私もお前も、全員から狙われている」
「なんか、逃亡中の犯罪者みたいだな」
オレの軽口に、なぜかマルカは神妙に頷く。
「そこでだ」
「なんだ?」
「私達が互いに鉢巻きを取ればいい」
「案外普通だね!」
ビックリしたー。ありきたり過ぎてビックリしたー。
「それとも協力して、制限時間(1時間)を逃げ切るか?」
「そっちの方が楽しそうではあるがな」
「貰った!」
「んなっ!?」
「しまった!」
突如、オレの頭から鉢巻きが消える。慌てて首を回すとそこに、オレの白い鉢巻きを持ったヒナタがいた。
「「「ありゃ~、朝霧さんに取られちゃった」」」
それを見ていた男女が、残念そうにため息を付く。
「「ならば、マルカちゃん、朝霧さん、梶原さんを狙うまでよ!」」
「「かかって来なさい! 返り討ちにするわ!」」
男子がより一層『萌え』上がり、女子も燃え上がる。
そして、男女のガチバトルが始まったのだった。
結果。
男子の大敗だった。当然だろう。女子には、教師達と、人間離れした運動能力をもつマルカ、ヒナタ、梶原が揃っているのだから。
ていうかオレ、ヒナタに何を命令されるんだろうか?
まったくもって想像できない。ゆえに、ものっそい怖い。
ああ、それと、次のカレーでもなんか嫌な予感がする。
………どうか、悪い事が起きませんように。
次回は1/18(土)6時更新予定




