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第5話 初めての稼ぎ 後編

後編です。割り込みって後から挿入する場合に使うだけでした。5-a,5-bなんて機能はなかったようです。

次の日、起きて朝食を食べたらすぐにギルドへ。

意外なことがわかる。狩っても狩ってもモンスターが現れる為、どこかで生まれてるのではないかという話。

現代人の俺にはピンときた。いわゆるポップ、リポップというやつだろう。

他、一定のモンスターばかり倒していると急に数が減り他のモンスターが増えることがあるらしい。

これは生態系のシステムを導入しているぽい。あの偉大なゲーム、夢見る英雄譚を手本にするとはやるな魔神。


ということは、アナビットとアナクイをある程度平等に倒し続ければいいということ。

食物連鎖の形を考えると、アナビット3:アナクイ1くらいか。これは手探りでやるしかない。

ポップ場所を特定できれば更に効率はよくなる。


幸先のいい情報が入ったところでランクE以上のモンスターの情報を聞く。すると情報料を求められた。

Fランクは初心者のために無料で情報を提供しているらしい。

先のモンスターの仕組みについては安全上公開しているとのこと。

Eは銀貨3枚、Dは5枚、Cは10枚となっている。草原で遭遇しそうなモンスターの情報まとめて30Y。

森も含めるとバラなら森だけで100Yのところをまとめて100Yにしてくれるとか。なんてお得なんでしょう!

ついつい一括で払ってしまう。通販番組に弱かったクチである。冒険者ギルドも商売上手とは侮れない。

森へ行く冒険者なんて少ないからこの際売りつけようなんて意図にはこれっぽっちも気付かなかった。

家に買っただけで放置している健康グッズが沢山あることとは関係が無いからな、うん。

血というものは争えないらしい。



まあアナビットの在庫が沢山あるから大丈夫だろう。肉が腐ったとしても皮だけで15×15の225Yある計算。

1時間ほどギルドで時間を潰した俺は足早に北の門へと向かった。

なお時間がわかるのはギルドに時計が置いてあったからだな。

今度MP回復の計算に使わせてもらおう。

てか時計あるならポッポーコッコーシステムいらんだろ。


なおポイントだがしばらくFランク狩りでよさそうなのと、強敵を避ける為に気配探知のレベルをあげた。

それとできるだけ遠くから発見できるよう遠見というスキルを取得。

気配探知をLV2からLV4にするのに7、遠視をとってLV2にして3、計10ポイント。残り1は敏捷に振っておいた。

逃げ切れることが大事だしな。


その結果、ステータスはこうなった。

何故初期レベルがゼロだったのかは不明だが順調と言える。

…職業はいつになったら変えられるんだちくしょう。


名前:アツシ・チェスター

性別:男  種族:人間 年齢:17歳

レベル:1 NEXT:220/500

職業:当たり屋LV1


HP:115/115→120

MP:52/52→53


装備: 武器/ナイフ  防具/布の服  装飾:皮のベルト


筋力:15

敏捷:20→25

器用:15

魔力:15→16

精神:15→16

頑丈:30

知力:15

集中:15

魅力:16

幸運:25


所持金:100Y

ポイント:0


所持スキル:気配探知LV4 遠見LV2 方向感覚LV1 格闘LV1 治癒魔法LV1 火魔法LV1 水魔法LV1 かばうLV1 ツッコミLV5

所持魔法:ヒール ファイア ウォータ


特殊能力:LVUP必要経験値固定(3ケタ) 獲得スキルポイント上昇(大) 上限撤廃 病気無効 自動翻訳


アイテムボックス:アナビットの皮×15 アナビットの肉×15





  ◆ ◆ ◆





ステータスを確認して揚々と門を出る。

気配探知と遠視がどれだけ役にたってくれるかを考えるとニヤついてしまう。

RPGで楽しいのはスキルや魔法、装備を手に入れた後のワクワク感だと思うな。

二度とやる機会はないだろうがリアルで感じれる。


ほどなくして気配探知の範囲に何かひっかかった。その方角を見てみると…見えない。

遠見はオート発動ではないようだ。遠見、と呟いても何の効果もない。

意識して焦点を遠くにやってみる。するといきなり視界がフォーカスしてぐわっと変化した。

緑色のブヨブヨしたものがぷるぷる震えている。恐らくランクDのグラスライムだろう。

こりゃ遠見便利だな。欠点は周囲が見えなくなることか。気配探知と併用していれば安全だろう。

視線を動かそうとすると勝手に戻ってくれた。慣れれば一瞬で切り替えできそうだ。

肉体双眼鏡、といったところ。


上機嫌になった俺は気配を避ける方向へ歩き出す。

スライムは炎で結構簡単に倒せるらしいが無理をする必要は無い。

粘液で装備を痛めるらしいし。もっとレベル上げてからでいい。どうせチキンですよ。

遠くから火属性攻撃を撃てるようになったら狩りにいこう。


次に探知できたのは集団だった。この草原で集団で動くモンスターは2種類。

ランクEのゴブリンかDのブルーウルフ。数によっては1ランク上にみなされる。

…ゴブリンならいいがブルーウルフだと不味い。

嗅覚により相手の探知範囲も広く、また逃げることが難しいからだ。

気付かれる前に早々に進路を転じ走る。君子危うきニ近寄らず。

ギルドでブルーウルフをここ数日見かけない、という情報はあったのだが。

ソロである以上、群れる敵はなるべく避けるに越したことはない。

森であの子を見た以上ブルーウルフがこの一帯から何らかの理由で移動した可能性は考えておく。

戻ってくる可能性も同時にだけどな。


あの子のことを考えて暗くなる自分を叱咤しながら東に向かう。

今日は採取依頼も受けてきている。ホーミ草、というのがあるらしい。

ポーションの原料としてよく採取され依頼も頻繁に出るようだが…

ちょっと危ない名前だと思うぞ、うん。

ケ○ル草もあるんじゃないだろうな。ベホーミ草は確実だろう。


ともかくだ。ちょっとした実験も兼ねて気配探知と同時に目当ての薬草を探す。

一応図鑑を見てきたからなんとなく形は判る。

が、それ以上にだ。アイテムボックスに入れたらひょっとして名前が判るんじゃないかという期待。

アナビットの皮や肉、鑑定してないのに名前が表示されていた。うまくいくといいのだが。

ちなみに実験として適当にむしった草は雑草と表示された。そりゃそうだ。すぐに廃棄。


結局、草よりも先にアナビットが見つかった。単独の動かない気配があれば3択だからな。

巣のアナビットかエサ捕獲中or食事のアナクイ、食事中のコロックル。

コロックルは一言で言えば魔法を撃つアナグマ。

ランクはC。体が小さい分逆に戦い辛く魔法で押されるらしい。

確認して避ければ問題なし。遠見取得で判別は非常に楽になったな。

さて、狩りを始めるとしようか。




  ◆ ◆ ◆




その後、順調に狩れて計アナビット15匹アナクイ6匹を仕留めた。

戦果としては十分だろう。経験も570獲得。めでたくLV2に上昇した。

驚いたのはステータスを確認した時だ。

精神と魔力が1ずつ上昇したのはいいとして、職業の欄が変化していたのだ。

職業の下に控え職業という項目ができ、そこに斥候LV1とあった。宿に戻ってから考察しよう。


一方、薬草採取だが……アイテムボックスは役にたたなかった。???草と表示されるばかりだ。

5株ほど採取して放り込んだところ、???草×3と???草×2に分けられている。

種類が違うことは判るようだ。よく似た草があるのだろう。数が予想できるのは有り難い。

もう少し活用法を工夫してみる余地がありそうだ。



ふと空を見ると赤味がかっている。

ギルドによった上薬草を探しながらのためか効率上がったくせに時間がかかってしまった。

街へ戻り昨日と同じようにアナビットの皮と肉を換金。やはり115Y。

アイテムボックスの肉は腐らないとみていいか。遠征も考えると非常に大きな発見だ。

アナクイの討伐以来もすませる。初日同様に50Y。

最後に薬草をとりだして見せた。2つあった方がホーミ草で、3つの方がよく似ているけど毒草のドーク草だという。


……オイ、なんだそのネーミングは。自動翻訳いじって適当な名前にしてんじゃないだろうな。

心中でつっこんでたら怪訝な顔をされてしまう。お姉さんの困った顔も好物です。

なんて言わずに慌てて弁明しておいた。初めて受付の人が女性だったので浮き足立ってたのは事実である。

男の子なんだもん仕方ないよね。


うん、我ながらキモイ。


緊張してろくに喋れず名前も聞けなかったのは悲しい。

女免疫ゼロなんだよ……マイナスかもしれん。えぐえぐ。



受けた依頼の採取希望数は5だったのであと3が必要だ。

まあアイテムボックスいれておけば劣化はなさそうなのでのんびり集めよう。

今日の収入165Yを皮袋に収めながら今後の日程について思いを馳せるのであった。




###### モンスター情報 #######


アナビット:ランクF 

  草食。地球のウサギ。草原で地面に穴を掘って巣を作る。逃げ足はかなり早く、遠距離から仕留めるか巣を襲うかしなければ討伐は難しい。人間に基本害はないため討伐依頼は出辛い。皮が安価で良質な材料として人気。皮も肉もギルドで引き取られるため稼ぎ易い。しかし皮は痛みやすいので注意。最小限の傷で仕留める手段があれば稼げるモンスターである。


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