第5話 初めての稼ぎ 前編
5話投稿になります。説明的な部分が多く、退屈に思われるかも。
長すぎたので前編後編に分割中です。投稿直後の場合は分割が終わるまで待っていただけると多少は見易い……と思います。
一夜明け、朝食をとると北の門から草原へ。
西・南・東にも草原が広がっているが森がある北の方がモンスターが多いという。
他は商人の護衛部隊などが定期的に狩っているんだろうな。
行く前に道具屋や武器屋に寄るという選択肢もあったが回避した。
手持ちの金が150Yでは厳しい。もう少し余裕がもてるまで待つ。
草原でアナクイとの初戦闘。顔が細長い。似てるというかまんまだろ。
さすが手の抜きっぷりに定評のある魔神作である。
丁度穴に手をつっこんでたので背後から奇襲をかける。
魔法はイマイチ主力になれないので接近戦。静かに近づき首筋にナイフを突き刺す。
…って一撃かよ。防具がなくてどうなるかと思ったが予想以上に楽に終わった。
数回戦ったところ不意をつけば敏捷20で十分立ち回れるようだ。
一度殴られたがHPは5も減らなかった。服が破られる方が痛そうだ。
頑丈30の効果はなかなかのもの。Fランクは余裕で狩れそうだ。
一番苦労したのが討伐証明部位の爪の剥ぎ取り。慣れないとな。
なお溢れ出る血に対しては何も思うところが無かった。こんなものか。
アナクイ1匹で5Y、5体以上で依頼報酬20Y追加。一匹につき経験値20。
気配察知を駆使し、アナクイ6体を撃破。(経験120)
これ以上は爪が皮袋に入らなさそうなので断念。
サイズの大きい袋が必要だ。宿代ギリギリになるが仕方が無い。
収入は50Y予定。収支がギリギリなので別の方向を検討。
なお昼飯にはアナクイの肉を焼いてみた。
もちろん周囲に冒険者いないかを確認後に。
味は微妙。腹が膨れるだけマシとする。
調味料や香辛料あれば別なんだろうけどな。
一番の調味料はかわいい女の子と一緒に食べることだけど期待値はゼロだ。くぅ。
そんな中で、アナクイがアナビットをとる現場に遭遇。
こちらも火魔法もち、なんとか真似できないか考えつつその日の狩りは終了。
夕方までに帰ることができたのででギルドに報告がてら情報収集。
丈夫で大きな袋を買える道具屋の位置とアナビットの情報を得た。
ほぼ無害であるアナウサギの討伐依頼はないものの、皮や肉がなかなかの収入になるらしい。
火魔法を使えるような冒険者はもっと上のランクのモンスターで稼ぐようだ。
煙でも可能だが煙を出す材料費を考えると割にあわなくなるらしい。
日没前に道具屋へ行き皮袋(大)を購入。紐で結べばそのまま背負い袋にもなる。30Y。
ついでに水筒(10Y)も購入。マントもいずれ野宿するなら必須、ということで購入。
交渉して合計50Yとなった。残り150Y。差し引きゼロか。
宿に帰還後、色々考える。
ヘルプ機能はないかと考えてたら魔神がいきなり現れた。
どうも暇なようで直接説明してくれるらしい。
取得可能なスキルの検索方法。(ステータスを開き、調べたいものの名前をイメージすればいい) 俺はポイントさえ足りれば全てのスキルを取得可能らしい、ということ。アイテムボックス(アイテムボックス、と呟くなりイメージするなりすれば現れた。50種類、各99個まで収納可能という。消費MPゼロ・サイズ無制限。ポイント使えば種類も増やせるようだ)について。あたりを聞いた。ドロップ品の扱いについては誤魔化された。怪しい。
会話内容は疲れるので省略。デスデス聞きたいか?
「創造神権限で出番を求めるのデス!」
やかましい。
その割にはあっさり帰っていったけどな。
他におもちゃでも見つけたのなら結構なことだ。
翌日、再び草原へ。門をでてしばらくのところで火魔法の確認。
消費MP1で指先に小さな火、消費2で掌から拳大のそれなりの火。
気配探知で動かない敵を探すと巣は簡単に見つかった。
左手でなんとか袋を出口に被せ、穴に手を恐る恐る突っ込む。反応なし。
小さな火をつけると動いた気配はあったが、出てくる様子は無い。熱が巣に行き渡らないぽい。
大きい方をつけると気配があわただしく動き、まもなく巣から飛び出した。
もちろん被せておいた袋で無事ゲット。
袋ごしにもこもこ動くのが妙に気持ちいい。
これを殺すのか。うーん。……あれ、あっさり首絞めちゃってる俺どうしたんだ。
疑問を残しつつ絞めた後ドロップ回収について幾つか試したところ…
死んだ相手に手を触れ、ドロップ回収と念じると光になって掌に吸い込まれた。
アイテムボックスを確認するとアナビットの皮と肉が1ずつ増加。
EXPは30増えていた。MP消費もないらしい。
この方法だと1回につきMP2が必要。現状MP52なので回復含めずに26回。
MP回復の検証はあとにして、MPが20を切るまでウサギ狩り。
回復分を含めて合計20回の狩りに成功した。皮と肉を20ずつゲット。
そして念願のレベルアップである。レベルアップの結果、HPが3・MPが1増加。頑丈と精神の1/10(小数点切捨て)で上昇ぽい。
能力は魔力・精神が1ずつアップ。アナビット狩りで魔法を沢山使ったからだろうか。
小数点以下で計算している可能性もある。10レベルでALL1アップ、くらいはあるか?
注目のポイントは11増えていた。宿でスキルについて考えるとする。
収入を考えるとウキウキが止まらない。娼館の位置でも調べ…おっと。涎が。
街へ帰還。ギルドに行くと皮・肉、共にギルドで買い取るとのこと。
皮は1つ10Y、状態がいいので15Yに。肉も8Yになった。
20個だすと怪しまれそうだ。背負い袋から5個ずつ。計115Y。
肉屋へもちこめば高くなる可能性はあるが買い取り量は安定しないと釘をさされた。
腐らなければ狩り貯めて日数をわけてギルドで売却すればよさそうだ。
宿代差し引いても65Yの黒字。
冒険3日目にしての黒字に浮かれた俺は大通り沿いの露天でついつい買い食いしてしまう。
仕方ない。例の焼き串10本に飲み物、ついでに小さなお菓子。
15Yの支出だが最高に幸せだった。悔いがあるとすれば何故か全員男の店員だったことか。
お姉さんとの出会いはどこにあるんだよ!!普通こういうところでイベントじゃねぇのか!
周りを見渡しても特に女性が絡まれてたり追われてたりという気配は無い。
がっくり。男クサイルート、本気でヤバそうだぜ……
涙を堪えて宿に帰る。
部屋へひきこもりポイントの割り振りについて検討する。
鑑定には50、明らかに足りない。採取無双は諦めるしかねぇな。
戦闘をはじめて強く思ったのは魔法の強化か接近戦強化か、とにかく攻撃の手段。
ほぼダメージは受けなかったのでFランクの戦闘は問題なさそうだ。
もちろんEランクのゴブリンやDのブルーウルフ(あの子狼の成体)を相手にするなら防具は絶対必要になるが。
Fランクで経験値稼げるなら稼ぎたいところだ。ギルドで狩りすぎた場合について聞いておかないと。
念のためポーションなどを購入したいが道具屋で見たところ50Yなり100Yなり値段がついてた。
鑑定があれば調合を取得して自作したいところだが、鑑定がない為薬草の区別がつかない。
ポーションのレシピを知ろうにも相当お金がかかるだろう。調合は断念。
ポイントの割り振りは今後狩るモンスターを決めてからにしよう。ということで就寝。
寝る前、こんなにつっこまなくていい夜は久しぶりだなと思った。
これが普通だよ普通。寂しくなんてないんだからな。
感想ありがとうございました!分割が終わり次第お返事させていただきます。すんなり終わればいいのですが。