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仮18話 爆弾

少々時間が空きました、18話です。分割するか迷いましたがそのままで投稿してみます。長いかもしれません、ご注意下さい。 

※タイトルが抜けていました、訂正しました

翌朝。風呂どころか歯磨きもせずに寝たせいか、憂鬱な目覚め。

ちょうどコッコーという音が3回聞こえた。6時か。


起きようとしたら背中に感じる温もり。

一瞬全身が硬直したが、大きさからしてネコサイズだ。一安心。

寝返りで潰しそうな位置だが魔神だし大丈夫だったんだろう。

それより朝の準備済ませる前にシルティに挨拶したいな。

どうすればいいんだろう。強く念じる……うーん、こうか?


『シルティ、シルティ。起きてる?』


しーん。


魔力こめればいいのだろうか。額に集中。


『今度こそ届くかな。シルティ、おはよう?』


『……おはよう、アツシ』


よし、届いた! 思わず握りこぶし。

でもなんだかちょっと暗い感じがする。

何かあったんだろうか。


『えーと。シルティ、どうかした?』


『……きのう、ね』


『うん』


『きのう、なんどもアツシよんだのにぜんぜんへんじなかった』


『へ?』


『アツシのところいってくる、っていったチェルティさまもかえってこなかったし』


『え、えーと』


『………しんぱいしたんだからね!!』


シルティさんお怒りであらせられた。

ま、魔神さんおきてー!




それから。


ひたすら謝ること数十回。召喚の練習の話になってようやく機嫌がなおってきた。

猛反省するのみだな、これは……。

同時に、不謹慎ながらちょっと嬉しい自分もいた。

この世界でも俺を心配してくれる子がいる。

それだけで生きる力が沸いてくるというものだ。

がんばろう。


あ、寝てるのか寝たふりかしてるそこの魔神さんにはあとで同じ目あってもらうからな?



『それでね。けっかいはるの、だいぶじょうずになったんだよ』


『そっか。楽しみだな。俺も負けないよう練習するよ』


『うん。……あと、おはようとおやすみはぜったいわすれないこと』


『はいぃぃっ』



思わず上半身起こして敬礼してしまった。この威圧感、ハンパないッス。



『じゃあまたね、アツシ』


『うん、またねシルティ』




会話が終わると額の魔力がすっと薄れていく。

話しかける側はほんのり魔力使うみたいだな。電話っぽい。

受ける側が他のことに集中してると聞こえないようだけど。

着メロとか設定できないのかね。少なくとも魔神とじゃれるよりは優先度高いし。


「にゃー」


なんて思ってたら横で今起きたかのように顔をこするネコがいた。

また心読んだなこやつ。寝たふり疑惑も濃厚。

まあいい、説教は朝食後だ。歯磨き風呂に洗濯乾燥。

今日の予定も組み立てないといけない。


「ということで、部屋の外でてろ」


「エエーッ?抗議しマスニャン!」


首根っこをつかむと部屋の外に文字通りつまみだした。

この姿だと楽だな。人間だとひきずらなきゃいけないし。


「風呂からあがって着替えたら入ってよし」


「ブーブー」


「忙しい朝に構ってる暇は無いから諦めろ」


ぱたん、と扉を閉める。なんかガリガリ聞こえるが放置。

入ろうと思ったらいつでも入れるだろうに。

でも俺が言えば入ってこないだろう。その程度は信頼できる。……と思う。多分。



さて、一人の時間を作ったところでモーニングタイム。

風呂召喚に歯磨き。洗顔のため桶に水魔法で水を張り。

ヒゲは風呂の中で剃ろう。どうせなら風呂の中から衣服に洗濯魔法かけた方がいいな。


問題は予定だ。戦闘でお金稼がないといけない。安定のアナビット狩りがいいか?

忘れそうになるが薬草採取の依頼もあったな。

一月後でも余裕で大丈夫らしいから焦ることではないが。

サンダー覚えて魔力と集中もあがってるから、ブルーウルフ狩りもいいかもしれない。

昨日試すつもりだったし。できれば単独のモンスターで色々な魔法の実験がしたい。

優先順位としては、お金と経験>実験>採取 といった感じか。

気配探知もあるしアナビット5匹くらいなら午前中で終われるはず。

間に合わないようなら実験諦め、レベル上げて気配探知上げる方向にしよう。

MPが大幅に増えたので活動時間にも余裕がでてるはず。

……よし、このプランに決定。昼飯どうするかな。アナビット肉?

市場探せば売ってるのだろうか。今日は余裕ないし肉だけで我慢かな。



ここまで決めたところで部屋がノックされた。魔神だろう。

俺も考えながら既に風呂・着替えを終えている。

何よりノックという行為に感動した。ついに常識を身につけたか……!



「開いてるぞ」


「失礼シマース」


するりと入ってベッドに腰を降ろした。俺もその横に腰掛ける。

ネコモードは解除されている。まあノックするにはあの姿しんどそうだしな。

賭けるなら朝食たくさんたべるため、に100Yだけど。


「今日は礼儀しっかりしてるじゃないか。やればできるんだな、うむ」


「ふふふ、褒められチャイマシタ」


「それで何の用なんだ?」


「お代官様ニひとーつだけ確認シテおきたいことがアリマシテ」


「確認?」


なんだろう。てかまだお代官様ネタなのか。よほど好きらしい。

こりゃ職業やスキルでも日本系あるの確定だな。


「ハイ。えーとデスネ。……どこまでヤッちゃっていいんデショウ?」


「なんだその言い方は。さっぱり判らないぞ」


男が言うとエロ系にしか聞こえないが、それはないだろうし。うーん?


「ホラ、昨日言っテタじゃないデスカ。干渉しすぎダーッテ」


「うん。言ったな、確かに」


「でもアツシさんのピンチに黙って見テルとかは無理なのデス」


「そ、そう?」


背中がくすぐったい。でも怒った方がいいのかこれ?

ピンチの度に魔神召喚してたら、危険がピンチ。


「そりゃーモウ。間違ってアツシさん殺されちゃったりシタラ……」


「……たら?」


「大陸ごと沈めちゃいマス☆」


「ぶっ」


大陸にげてー!この世界逃げてー!神様達、なんとかしてくれー!


なんて心で叫んだら。


『無理です』


って頭に響いた。どの神様か判らないけどこの会話聞いてるの神様達?!


「マア、ソレはちょーっと冗談デスケド」


「じょ、冗談か。だよな、だよな、ハハハ」


額を拭う俺。イヤな汗がどっと出たぞ。


「でも、国の1つや2つ滅亡はカタいデスヨ?」


「マ、マジカ」


声が裏返る。俺いつのまにそんなVIP扱いされてたんだ……。


「ダッテー、シルティちゃんの大事な人デスシ。私のたった1人のお友達デスヨ?人間とか国ナンカと比べモノにナリマセン」


「…………」


何も言えなかった。口調こそ軽いがそう話す魔神の顔はかつてないほど真剣だ。

友達だと明言した覚えはない。でも友達になってくれと言われて断る気もない。

目が似てるんだ。地球でたまに見つけては断腸の思いで通り過ぎた捨て猫や捨て犬の目に。

空腹に不安と寂しさがごっちゃになったあの瞳。シルティと最初に会った時に感じた、孤独。


「そんなアツシサンのお命頂戴スル不届きモノなんて、片っ端から切り捨てシタイノデスガ」


「……が?」


「昨日、怒ラレチャイマシタシ……」


しゅん、と肩を落とした。要はどこから守っていいか、ってことか。

これまた難しい話だ。俺がここで何をしたいか、という大きなテーマと関わってくる。


「そっか。お前もちょっとは真面目に考えてくれてるんだな」


ぽん、と頭に手を置いてやる。数日前には考えられないしおらしさだ。


「うう、ワタシだってバカじゃアリマセン」


照れてるのか怒ってるのか判らない反応。

くしゃくしゃと動かすと不満そうな目で唇を尖らせるが払いのけはしない。

髪の毛はサラッサラのサラッサラだ。


「まあまあ。しかし、俺もすぐには答えられんぞ。死なないって判ったら面白みなくなりそうだしなぁ」


人間は飽きる動物だ。大抵の刺激には慣れていくうちに麻痺し、反応が鈍くなる。

その刺激を求めてみんな色々やるわけで。最大の刺激である死、というのは必要なスパイスな気がする。

ネトゲでも復活ペナルティがないゲームなんて無かったはず。

モテるだけなら死なないのを生かして戦闘しまくった方が早いんだろうけどな。


「死んでも生き返らせられマスケドー、人間ジャなくなっちゃいマス」


「人間卒業か……って復活できるのかよ」


「ハイ。でもアツシさんの魂はこの世界のモノじゃないノデ、次は転生スルかニューボディになるかナノデス」


「そういやこの世界来るときも何か聞かれたな。ニューボディってどんな感じなんだ」


「あの時はアツシさんの元の身体コピーできましたノデ。おニューになるト、神以上ワタシ以下デスネー」


「神以上ってなんだよ!」


何か話がとんでもない方向になってきてないか、これ。

死んだら俺も宴会芸する仲間に加わるのか?……シルティに泣きつこう、うん。


「だってホラ、アツシさんお友達と同時にワタシのダンナ様候補デスカラー♪」


「ちょ、おま、ごほ、ごほごほっ」


むせた。


「人間ダト無理ですケドー、ニューボディなら問題アリマセン。ワタシが全身全霊でパワーこめちゃいマスカラ安全安心!」


「ごほ、い、いらねぇから!!!」


安全安心とは対極の台詞だろそれ!





なんてやり取りをやってるうちに時間がすぎていく。

タンマと呟いて見れば7時半。朝食いかないとマズい。


「はぁ、はぁ、はぁ……と、とりあえず飯だメシ。いくぞ、ほら」


「ハーイ」



結局俺がごまかした形になった。いやあんな爆弾落とされたら無理だって。

今日もテーブルには何故か二人前が用意され。

スープとパンとミルク。シンプルイズベスト、で俺は結構好きだ。

そういや俺昨日宿代払ってない気もするが……

後で親父に聞いたところ払ったらしい。魔神が絡むと何でもアリだな。


「モグモグ。朝食はまあまあデスネー」


「金払ってないのによく言う」


朝からシルティといい魔神といいエラい目にあったが、予定は変わらない。

メシを食べたらすぐにギルド、依頼チェックだけしてアナビット狩りだ。


「それでワタシ、どうすればイイのデショー」


食べながら綺麗に発音するなよ。喉で声だしてるかすら怪しいぞ。


「とりあえず今日のところは戦闘に手ださなければ好きにしていい」


「ではついていくのデス!」


「モンスターがビビって逃げないよう気配だけは隠してくれよな」


「おまかせアレー」


低級モンスターは気づかないと思いたい。何か変わってれば考える、程度でいいだろう。

皮袋にウォータで水つめてると横でネコに変化してたし。随分成長したもんだ。




と思ってたら、魔神ネコがテーブルの上にひょいっと乗って俺を見上げてくる。


「……何してるんだ?」


「ふふふー。昨日の約束、覚えてマスヨネー?」


約束?何したっけ。えーと。寝る前に確か………



"ほっぺにちゅー"



ぴしっ。



俺の全身が硬直した。



「えっ。えーと。今、しないとダメ?」


「約束破るアツシさんナンテ部屋から出してあげないのデース」


つーんと横を向く魔神ネコ。ほっぺた出してるだけかもしれないけど。


「も、もちろん約束は守るに決まっている」


とは言うものの。さっきのダンナ様発言のせいか非常に恥ずかしい。

ええい、これはネコ。ネコなんだからキスの1つや2つ全く問題ない。

問題、ないんだから。

俺の手が震えてるのは寒さだなきっと。風呂上りだし。


「うふふー、アツシさんっタラ緊張シチャッテー」


「緊張するわけないだろ、ネコ相手に」


言い返す俺の口は渇いている。くっそ、病気無効とやらでこれも抑えられないものか。


「早くシナイト日が暮れちゃいマスヨー?」


「わ、わかってるって」


とりあえず近寄って魔神ネコの身体を軽くつかむ。腕が震えてカッコ悪いな……。

うん?なんだかあっちも震えてないか、これ。

注意深く見てるとネコのヒゲが小刻みに揺れていた。

なんだ、余裕ぶってるけど魔神も緊張してるじゃないか。

そう思うと急に気が楽になった。無理してカッコつけることもない。


「ほら早くハヤクー」


「はいはい」


「ムムー、ムードが足りマセン」


「いらん、そんなもの」


軽口を叩きながら、顔を近づけ小さな頬にそっと口をつける。

ちゅっというよりふさっという感じだった。そりゃネコだもんな。

ぬいぐるみとか毛布を顔に押し付けたのとあまり変わらない。

温かさは心地よかったけれども。


「ンフフー♪」


「んな声だすなって。はい、これで終了ね」


「フ、フフ。デモちょーット音がイマイチ……効果音出すのでモウ一度デスネ」


「するかっ」


「はうっ」


ハリセン一閃。ネコサイズなのでそれなりに手加減はしているから大丈夫。

部屋を出ようと魔神ネコに声をかけてもふにゃふにゃしているので放置。

少々遅れたがギルドに向かい依頼を一応チェック、いつもの北門で門番に挨拶して外へ。

なんだか随分久しぶりにここを見た気がする。1日と少し程度なのにな。

ただいま、俺の日常。




なんてちょっぴり感傷にふけっていると肩に何かが乗ってきた。

現れたのか落ちてきたのかは知らない。物理法則なんて気にするだけ無駄だ。

もちろん誰かなんて見なくても判るのだが少し重い。


「レディーに向かって失礼デス」


「レディーは無言で肩には乗らないだろ」


平和とは言えそうにもないが、昨日までよりは普通に過ごせそうだ。

待ってろよ生産チートでハーレム生活……!





 ◆ ◆ ◆ 




その後、午前中は予定通りアナビット5匹を狩ることができた。

探知の範囲が少し上がった気もするが、運がよかっただけかもしれない。

街の北東・東へと向かうにつれアナビットが増えている感じはした。

ほぼ真北にある森からの距離により各モンスターの分布・出現率が変わる可能性が高い。

ともかく資金面で一安心。魔神ネコも昼食時以外はおとなしかったし。

時々素っ頓狂な鼻歌聞かされるのは大変だけども。対策が必要だ。マジで。


それで調子が狂ったかはわからないが午後の単独モンスター狩りは不調に終わる。

まあそう簡単に群れからはぐれるヤツいないよな。

今の俺の実力で群れゴブリンや群れ狼を倒せるかどうか。

魔力と集中が上昇したことで何ができるようになったのか。

確認のためにも戦いたかったが仕方ない。

最悪森でシルティに守ってもらいながら試すことも考えなくては。

情けないけど足踏みしすぎるのもな。

アナビット狩りに励み装備を変えてもいい。


そんなことを考えながら北門をくぐる。

日は落ちずともそれなりに傾き、伸びた外壁の影が俺の影を飲み込んでゆく。

ただでさえ薄暗い門の中が一層暗いのは少し不気味だ。

もっとも幽霊悪霊その他の親玉の親玉が俺の左肩で寝てるわけだが。

というかよく落ちずに寝てられるな。半分魂なのかも。


「ぐう……幽霊じゃアリマセン、むにゃむにゃ……」


訂正、狸寝入りのようだ。

門番がにこにこ見ていたが中身を知らないからだな、きっと。


呆れを抑えて歩く。メイン通り、露天市場の横を通り過ぎて。

この先がギルドなのだが早い時間のせいか夕食用のホットメニューの匂いが凄い。

いかん、腹が減る。肉は毎日食べてるがタレ系はここへきて一切口にしていない。

俺は今調味料に餓えている。


「この匂いは犯罪だろ常識的に考えて」


空腹のいらだちを言葉にしてみる。ちょっとだけ2chの台詞パクりつつ。

腹の音をごまかす為じゃないぞ、言っておくが。うう。


「全くです、罪深きことログフォルドの谷よりも深きなり」


ほら、魔神ネコも同意してるじゃないか。

横を見ると鼻をひくつかせている。

……ん、今の声イントネーション普通じゃなかったか?てか男?


「スウスウ……ワタシじゃナイデスヨ……むにゃ」


心の声に応えるなというに。って、あれ?


「これは失礼、姿隠しを解除しておりませんでした」


反対の右側を見ると何もいない。


と思ったらぽむっという音と共に人が現れた!


「ちょ、ちょっ?!」


「はじめまして、アツシ様」


にっこり微笑んでくる金髪碧眼の超美形。

俺より背が高い。スラリとした長身。

白のガウンみたいなものを羽織っている。背中に白い翼。

地球のゲームで言えば天使そのもの。

眉が力強く顎もしっかりしてるので残念なことに男っぽいが。

呪いかよチクショウ。歩く足を止めて挨拶しようとするも名前が判らない。


「えー、えーと?」


「私、女神リーフル様の元で働いておりますグラシェルと申します」


「リーフルさま……ああ、すっごい美人の神様?」


身も蓋もないがそれ以外言いようがないんだよ。

あの宴会の時、びっくりしたからよく覚えてるけど。

神様多すぎて美人とかキャラ濃い人…もとい神様以外覚えてきれない。

その女神様の御使いが何の御用だろうか。


「確かにお美しい方ですが……アツシ様から様をつけられますと主も恐縮致します。呼び捨てになさって下さい」


「いやいやそういうわけには」


「ワタシの方が美人ですモーン」


「お前には大人の色気が足りん。って話に割り込むなっ」


ぱこっ。右手の平なので威力弱め。


会話に混じられると色々と面倒なので早めにツッコミいれておく。


「あうあう、アツシさん厳シーデス……」


嘆くネコは無視して再び右を振り返ると、イケメンさんが固まっていた。



「……どうかされました?」


「い、いえいえ。話には伺ってましたが、実際目にしますと衝撃と申しますか、何と申しますか……」


話がよく判らない。ああ、この魔神ネコこれでもこの世界で一番えらいのだっけ。


「いや、これくらいで丁度いいんじゃないかと」


「そう仰れるのはアツシ様だけでございます」


「うーん。あ、あとその喋り方固すぎるので何とかなりません?」


やけに真剣な顔で言われるとビビる。

それに神様の部下で天使っぽい人に最上級敬語使われてるとどうにも落ち着かない。

ちょっとまどろっこしいなんて言えないけど。


「そうは仰いましても……」


「うーん、せめて丁寧語だけとか。話長くなりそうですしね」



周囲を見回す。やはりというか、魔神同様に誰も俺達に注目はしていなかった。

こんなイケメンだから男はともかく女性は振り返るだろうに。

歩きながら話してもいいだろう。と、ギルドの方へ首を振る。

そもそもこんな匂いの中で立ち話はしたくない。

歩きながら舌噛みそうな敬語もなんだかな。


「畏まり……判りました。それでは失礼しまして」


「そうそう。とりあえずギルドで換金してから宿で、でいいです?」


「異存ありません」


まだ固いが大分楽になった。相手があんな敬語だとこっちも使わないといけない気になるし。

ともかく俺達はその場を後に。空腹が紛れたのは助かったと言えり。

ギルドでいつも通り男性の受付レシルさんに換金してもらい宿へ。

今日も女性冒険者の姿は見えませんでしたとさ。泣いてないよ。


宿へ戻っても夕食の時間はまだなので、俺の部屋でグラシェルさんの話を聞くことになった。

女神様づけの天使さんの話だから大事な話なのかもしれない。

俺にはまったく危機感がなかったけれど。

どう考えても魔神の方が世界への影響強そうだ。

それより話の後で戦闘実験の相手お願いしたい。

というか一般常識教えてもらえる大チャンスじゃないか?!


そんなこんなを考えながら。

戦闘で少し手詰まり感を覚えていた俺は静かに部屋へ向かうのであった。








本日の成果


アナビットの皮×5  アナビットの肉×4 (5-食事1)


ご感想ありがとうございます、随時返信させていただきます。

次の話はプロットだけで手付かずですので、さらに時間が空くと思います。恐らく年を越します。のんびりお待ちください。


ここで、携帯から読んで下さっている皆様に1つ質問がございます。

どの長さで分割すればいいのかがよく判りません。PCの方は大丈夫でしょうが、携帯の方だと長すぎるのが辛いような。

というのも今まで分割されてない話も分割を試みてまして。ただ内容的にある程度きりのいい所で割りたくても、文字数的に中途半端になり断念してます。

今回も分割すべきか悩んだ次第でして……

1話あたりの文字数を落とすとランキング稼いでいるようで気がひける小心者です。


これまでの何話は分割した方がいい、文字数幾らが目安、など具体的な数を出せる方いらっしゃいましたら感想なりメッセージなりでお願い致します。

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