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仮12話 君の名は 後編

引き続き。

こうして契約は無事に終わったが、それからが大変だった。

シルティという名前を聞いた魔神のテンションがダダ上がり。

恥ずかしいから隠してたらしつこくしつこく聞いてくるし。

俺のシとチェルティのルティだ、って言ったらそりゃもう大喜び。

お祝いに大陸復活だの神狼の国作るだの言い出したから大変だ。

復活も国もしらんがこの時間だけで世界を2、3回救った気がする。俺マジ英雄。

シルティも一緒になって落ち着かせ、どうにか沈めた頃には夕焼けが見えた。


俺、今日は一体何してたんだ……


まあシルティの無事を確認できた上に話もできるようになったから大成功とするかな。

精神的疲労がハンパないけど。




「しょうがないデスネ、創造神の加護てんこもり程度で許してアゲルノデス」


「程度ってなんだよ程度って……」


「コノ私の名が含まレルのに国もあげられないナンテェ……」


話通じねぇ。こりゃ駄目だ。


『わたしはアツシといっしょならなんでもいい』


シルティは嬉しいこと言ってくれる。耳じゃなく頭に響く声。

まあしばらくは一緒に住めないけどな。

森の中で生活できるくらい強くならないと。

人間対策はそのうち考えよう。



「私は含まれナイノデスカー?!」


こいつはこいつで落ち込んでるし。


「お前どこでも一瞬で来れるんだから勝手にくりゃいいだろうが」


「オオウ、アツシサン神様デース!」


「いや神様お前だから」


創造神ってこと忘れてるよな絶対。

まあシルティ贔屓してくれる分には構わない。

俺は自分で身を守るつもりだし、強くもなる予定だけど。

シルティはまだ子供だし保護してくれた方が安心だしな。

こいつの保護なら誇張なしに天下無敵だろう。




『チェルティーさまとアツシってなかいいよね』


「ボケとツッコミで漫才してる気分だけどな」


念願の物理ツッコミいれたことだし、次はあやつにつっこませるのを目標にするか。

死ぬまでに実現できる気しねぇけど。


「ボケで天下を取るのが夢デスカラ。ビシバシいきますヨー!」


すまん、そのボケにはつっこみようがねぇ。

本当に天下とれそうだしな……。







そんなこんなで落ち着いた頃、空腹が襲ってきて。

シルティも『おなかへった~』と訴えたので創造神主催の河原で夕食会とあいなった。

といってもほぼ3人でご飯食べてるだけなんだがな。

どこから来たのか神様や精霊神っぽい人がお土産もってきては挨拶をしていく。

シルティという神獣誕生を祝ってくれてるっぽい?


魔神に聞くと創造神の名を含むから神様達にとっても大事な子扱いらしい。

普通は名をいれようとしても魔神に拒否されるとか。

まあ、知らんヤツにいきなり名前借りられてもとは思うが……それでいいのか創造神。

それに精霊神の加護までもらっているから精霊にも顔が利くだろうとのこと。

末恐ろしい相棒だ。頭撫でるとぱたぱたと尻尾を振ってくれる。

どんな立場だろうと俺には可愛い友達だな。


食事は魔神が気合いれただけあって豪華だった。

なんでも食事の神様が直々に調理したという。

火起したのは火の精霊神。スープの水だしたのは水の精霊神。

……大丈夫かこの世界。てかそれ食ってる俺達大丈夫か。

ちなみに雷の精霊神も来てて大層恐縮していた。シルティ、ついでに俺にまで平謝りだ。

名前タケトラマンって聞いたときは椅子から転げ落ちたよ。苦労してるんだな……

外見がどうみても風神雷神絵の雷神さんだったのは見なかったことにしよう。


夕食会は途中から創造神の命令による神様の大道芸大会になった。

いや、シルティはまだいいけど俺ここにいて大丈夫なのホント。

大事なことなので3回言ってみる。場違い感ありすぎだろ。

まあ幸い神様達楽しそうだからいいけどよ。魔神は酒飲んで1人高笑いしてるし。

お互い顔合わせることあまり無いのかもな。そういう意味ではいい機会だったのかも。


日が暮れても灯りつきでしばらく続き、月が頂を過ぎてようやく閉会となる。

別れ際には俺もすっかり顔を覚えられ同情されたり励まされたりした。

魔神の相手は結構疲れるらしく、ここ数日は俺が引き受けてるのでとても平和だとか。

感謝の言葉も沢山受け取ってしまった。神界では冗談抜きで俺が勇者らしい。

4回目だが敢えて言おう。大丈夫か、この世界……!


そんなわけでどうにかこうにか無事に解散。

後片付けも完璧、僅かに残る灯りが宴の痕を感じさせるばかりだ。

そもそもあんだけ神様きてたんだし亜空間かどっかだったんだろ。

俺達の腹も見事に膨れ。それはつまり、俺とシルティの別れでもあり。

しばらくの間とは言え離れ離れで過ごすのは寂しいものがある。

シルティは俺の袖を噛んで離さない。目には涙が溜まっていた。


「ほ、ほら、しばらくの我慢だしよ。そこの魔神も会いにきてくれるからな?」


『アツシは、わたしといっしょじゃなくていいの……?』



げふっ。クリティカルヒットした。

こんな顔で見上げられて動ける人がいるだろうか。いやいないな、間違いねぇ。


「俺だって話したいこと沢山あるし、寂しいし辛いよ。でも贅沢言える身分じゃねぇし」


「シルティ泣かせるヨーナ人間のシステムナド木っ端微塵にしてくれるのデスー!」


「洒落にならないからストーップ!!」


街どころか国ごと消えかねん。俺何回世界救ったんだ、今日……


『わたし、さびしい……』


うう、どうしろっつうねん。

俺は帰らないとマズいし……


ってあれ。――俺、今日宿の部屋から出てなくね?

鍵返してないし!!部屋あるかというかどうなんだこれ!

料金は前払いだから踏み倒しにはならんと思うけど、やべっ。


俺が顔をひきつらせてると、心を読んだのか魔神が説明してくれた。


「アツシの周りのことは大丈夫デスヨ。こんだけ神様集まったら適当に何とでもナルのデス」


「ならねえだろ!……いやもしかしてなるのか?」


未体験てか人間の理解の範疇を超えている。何がどうなったら無事なのやら。


「シルティちゃん誕生会の主賓デスヨ?不都合なんて許されるハズがナイノデス。パスティなりオトチャンなりの部下達ガフォローしてマスヨゥ」


うーむ。腐っても創造神の言うことだから信じておくか。

それに今更どうしようもないしな。人間諦めが肝心だ。


「よし、そうと決まれば話は早い。今日は小屋でお泊りだ!」


「ワーイお泊りナノデスヨー♪」


子供かお前は。


『……アツシといっしょ?』


「ああ、もちろんだ」


『やったー!おとまりおとまりーっ』




こうして結局小屋で泊まることになったとさ。移動はもちろん魔神の転移。

興奮したシルティが寝付くまで3人で話して。

どちらの寝息が先だったかなんて覚えちゃいない。

異世界きてこんだけ夜更かししたのは初めてだったけど楽しかったな。

途中でシルティのステータス見て腰抜かしたのはご愛嬌。

契約すると見れるようになったんだけど、魔神やりすぎだろオイ。

これに神様達のお土産ついた日にゃ……

効果すごすぎて俺と生活するまで封印らしいけど。

俺のステータスも急上昇していた。何これコワイ。


まあいいや。シルティとの再会含め素晴らしい一日だったということで。


お休み、異世界。


本来なら文末にステータス掲載部分があるのすが、調整中につき仮の間は掲載無しとさせていただきます。


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