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アイドルって宇宙人と戦わないといけないんですか?!  作者: 新萌
一章

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7/17

閑話・闇夜の井戸端会議

今回は本編ではない外伝的なお話です

「初めまして。『Midnight Phoneix』のブルー担当、『明日を呼ぶ蒼碧の隼』、|神風祝詞斗(かみかぜ しゅうと)です!」

「そう! もうちょっと元気よく言えるともっといい!」


 ライブを控えたある日、|(りん)と祝詞斗は共用ルームで自己紹介の練習をしていた。


「も、もっとですか!?」

「そうだ、祝詞斗はカッコいい、元気路線で売る予定だから、元気すぎるぐらいがちょうどいい」

「わ、わかりました!」


 ライブの途中で新メンバーとして登場する祝詞斗のために、レッスン終わりの麟がレクチャーをしようかと声をかけてくれたのだ。心強い先輩に感謝しながら、祝詞斗はもちろんですと返事をしたのだ。


「そういえば、|三依(みい)とはどうだ?」

「まあまあ、だと思います。頼りになるにはなるんですけど、たまについていけないことがあって……」

「ふふっ……そうかそうか。あれでも悪いやつじゃないんだ、子供らしいかわいいところもあるんだけどな……年上の後輩ってことで張り切っているんだろう。まあ、何か聞きにくいことがあったら俺に聞いてくれ」

「はい、ありがとうございます」


 そんな他愛もない会話をしていたとき、部屋の扉がゆっくりと開いた。


「おや、麟と祝詞斗君……? 邪魔をしてしまったか?」

「あっ、晶理さん(リーダー)、地球外生命体の対処に行かれていたんですね。お疲れ様です!」


 そこには祝詞斗がレッスンに行く前に地球外生命体の対応に駆り出された|晶理(しょうり)がいた。当然と言うべきか、傷1つない晶理を見たところによると結果は言わずもがなだろう。


「お怪我は……されてないみたいですね」

「まあ、な。()()で十分だった」


 晶理は指先から真紅の「糸」をするりと生成した。その糸って何でもできるんですね……と祝詞斗が感心していると、だが……と晶理が苦笑いをしながら続けた。


「……彼は不覚を取ってしまったようだ」

「「え?」」


 その時、晶理の後ろからもう一人の人物が帰還した。


「はあ~~~~散々でござるよ! 某じゃなかったら大惨事だったでござる!」

 

 それは晶理と共に出動した|元康(もとやす)であった。彼はたまらないでござる! 某にも労災はおりるでござるか? といつもと同じように――()()()()()()()()()()()()()()()()ことを除いて――冗談を言っていた。


「ちょ、ちょ、ちょっと!? 元康さん!?何があったんですか?!」

「!!?!??!!?」

 |()()()()()()モザイク放送規制ものの光景に、麟は大慌て、祝詞斗は驚きのあまり声すら出せずに麟の後ろに思わず隠れてしまった。


「何って……|地球外生命体(あの者ら)が大きな瓦礫をぶつけてきたでござるよ。恐らく錯乱のつもりでござろうな……。とっさに避けられなかったのは不覚でござる。『悪を断つ新緑の剣客』の名が泣くでござるよ……某が()()()()()()でなければ今ここにはいなかったござる!」

「いや、いくら元康さんがアンドロイドでも、相当な衝撃映像ですよ?! 三依になんか見せられませんよ!!」

「祝詞斗殿、驚かせてしまってすまないでござる、麟殿は……流石に慣れてほしいでござる……」

 「いや、知ってると受け入れるって違うんですよ!? 何回見ても心臓にいい訳ないじゃないですか?!」

 

 そういうものでござるか……と元康は|()()()()()()()()()右腕を傷1つない左腕で軽く振りながら困ったように笑った。


「論理コアモジュールに影響がないことは確認済みだ。報告が終わったら即時修理してもらう」

「これを機に最新型番にアップグレードしてもらうのは……いや、新しすぎると互換性がないかもしれないでござるな……」


 では、邪魔をしたな、と2人が去って行った後、ようやく落ち着いた祝詞斗はぼそりと呟いた。


「元康さん……ヒューマンサポートアンドロイドっていうのは知ってましたけど……|部位破損(あれ)は……すごい、ですね……」

「何回見ても慣れるもんじゃないよ……全く。ごめんな、祝詞斗。後から元康さんに美味しいスイーツ奢らせるから、な?」


 ヒューマンサポートアンドロイド――主に戦闘面で人間の代わりに活動することを想定された人型アンドロイドだが、元康のように一般社会で文字通り日常生活をサポートするタイプもある。超人気アイドルグループのである彼をテレビで見ない日はなかったため、祝詞斗も情報としては知っていた。しかし見た目、表情、仕草、(古い言語モジュールによる独特な言葉遣いを除く)言葉遣い、全てにおいて|()()()()()がゆえに、突如として人間を超越した現場に遭遇すると、驚く、と言う言葉では表現できないほど驚いてしまうのだ。



「というか、なんで晶理さんは平然としていられるんだろう……」

「まあ、リーダーは『Midnight Phoneix』結成以前だから、20年前から一緒にいるみたいだし、さすがに慣れたんじゃないか?」


 そういうものですかね……と祝詞斗は納得できない表情でアンドロイドの大先輩が出て行った扉を見つめた。



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